小学館発行生活情報誌「サライ」
毎月10日頃発売(dマガジン:毎月9日定期配信)のアクティブ・シニア世代向け生活情報誌です。
本誌は全国の書店にて販売されています。
「食」「運動」「趣味」「旅行」「生きがい」等をテーマに人生を楽しむ情報を発信し、良質な読者へのアプローチが可能です。
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1969年創業ホビージャパンの新たなチャレンジ
シニア向け「大人のぬり絵集」
経営管理部 広報宣伝課 課長 岡本恭範 氏
刀剣画報編集部 編集長 笹岡政宏 氏
刀剣画報編集部 井原凛大 氏
1969年にミニカーの輸入・販売からスタートした株式会社ホビージャパン。趣味・嗜好性が高いいわゆるマニアックな書籍を多く出版されていますが、シニア向け「大人のぬり絵集」にスポットを当て、出版の経緯、ご苦労された話、ターゲットへリーチさせるための工夫から今後のアプローチまで、幅広くお話をお伺いしました。
2020年12月取材
Q. 「大人のぬり絵集」というスタート時からシニア層を狙おうとしたキッカケは何かあったのでしょうか?
当社では従来から「刀剣画報」という刀剣に関する雑誌、そしてその前には「歴史探訪」という歴史の雑誌をリリースしていました。歴史の雑誌はメインの読者はご想像の通りシニア層で、特に50歳前後がコアとなります。
このように、弊社の出版物は70代以上も含めそもそもシニア層の読者層が多いという実情があり、この層へ改めてアクションしたという、いわば自然な流れの中でのことだったと思います。
とはいえ当時、社内的には「歴史」をテーマにやっていこうという事自体割と新しいチャレンジでした。
本来は模型関係の商材や出版物が主であったのですが、この辺りのターゲット層も徐々に高齢化し、50歳前後の方々が中心になっていました。つまり、シニアの入口くらいといったところでしょうか。
そんな背景もあってもう一歩先、つまり更に年齢が高い層にもリーチするようなチャレンジを考えていました。
Q. もう1つ上の層を狙っていくためにどのようなことを考えましたか?
まずは既存の顧客層の特性から考えました。そもそもホビージャパン社が取り扱う商材には、年齢を超えて共有できるオタク的な要素(興味を持つ分野)が含まれることが多くあります。
例えばガンダムであれば「ミリタリー」や「戦争」というキーワードがあがってきますし、一方で「歴史」とか「史実」といった要素を好む層でもあります。
そんな繋がりから「歴史」関連の出版物へと繋がっていったと思います。
ですので見方を変えれば、シニアを狙うというより「趣味を持ちながら歳を取っていく方々」がどうやって暮らして行くかという事に寄り添うという考えが先に立っていたのだと思います。
Q. 実際のところ「大人のぬり絵集」に目を向ける方は、どの世代でしょうか?
これまでお話した層(50~60代)よりは、もう少し上ですね。最初は、葛飾北斎とか趣味性・歴史性の強い絵からスタートしました。ぬり絵としてはちょっと難易度が高いといえます。
ここからもっと簡単に楽しめるもの、緻密なものよりも描く喜びが感じられるものという方向にシフトしていきました。
その結果ターゲットが拡がり、70代以上の方々にもご興味を持っていただけるようになりました。
結果的に、「大人のぬり絵」が当社内で一番高年齢向けのコンテンツになったという次第です。
Q.趣味・嗜好性が強いユーザー層からシニアにまでターゲットを拡げていく試みについては社内では何か議論はありましたか?
社内には従来から「面白そうなものはやってみよう」という意識が根付いていました。新しいことには寛容な社風、興味のあるものに取り組む社風ですね。ですので、新しいチャレンジには、それがシニアターゲットであったとしても肯定的ではありました。
確かに弊社は趣味・嗜好性が高い、いわゆるマニアックな商品が多いのは事実ですが、別にマニアックじゃなくても良いんです。マニアックであることがマストではありません。ニーズがあるものには素直にチャレンジしますし、更に言うならば「ホビージャパン」という社名の通り「好きなコトをやろう」というマインドです。
Q.創業されて半世紀以上(1969年創業)の歴史をお持ちですが、本当に自由な社風なのですね。
確かに歴史は長いですね。しかし、「ホビージャパン」という“入れ物”は変わらないのですが、時代に合わせてその“中身”、つまりリリースする商品は柔軟に変わってきています。
最初はミニカーの輸入・販売から始まった会社なのですが、その後会報誌をリリースし、それが月刊の模型誌になりました。模型誌についても、当初から「ガンダム」を扱っていた訳ではなく、ミニカーや車両模型がコンテンツの中心でした。
1980年代になってミリタリー系の模型になりキャラクター模型やフィギュアを扱うように変化を経てきております。
Q. 「大人のぬり絵」という新しい取り組みでご苦労された点は?
やった事がないので当初は手探り状態でした。リリースしては読者の反応を見るの繰り返し、つまりはトライ&エラーですね。
反応を見るのも苦労しました。若い世代をターゲットにした商材であればネット、特にSNSなどで反応を見る事ができるのですが、基本的にシニアマーケットについては(ターゲットがオフラインであるため)その手段が有効ではりません。
ですので、そこはマーケターの勘に頼らざるを得ません。つまりは”主観的な推察”とでもいうのでしょうか。
シニアの方については、その行動を可視化するのが難しいといえます。あまり家から出ず、我々にとってはその行動がブラインドの状態であることが多いわけです。ですので観察すること自体が困難です。
例えば、本屋に行って店頭をウォッチしたりもするのですが、そこではどんな方が購入してくれているのかから始まります。そして仮に若い方が商品を購入してくださった場合、それはプレゼント需要なのか?移動手段がないシニアに頼まれて代理で買いに来たのか?などを想像します。更には、商品についてどこで情報を得たのか?という点も、勘を働かせる必要があります。この勘を養うためには、結局は経験が重要になると思います。当社で言えば、「何が受けるか?」を考えながら長年に渡り出版物や商品をリリースしてきました。この経験の中で自ずと勘が養われてきたのだと思います。
違いがあるとすれば、これまでは担当者自身が「やりたい」、「作りたい」と考えていたことを実現する「等身大マーケティング」を行っていたのに対し、これからはターゲット(シニア層)の生活様式や行動形態を類推してモノ作りをする「論理マーケティング」へとシフトしていく、それだけのことです。
SNSなどを分析して世にどんな需要があるかを分析することも結構ですが、自分とは違う誰かの需要に気づくためには、自身の勘を最大限に働かせて見えない何かを「狙い撃ちする」ような感覚も必要だと思います。
Q. 商品の存在をターゲットにリーチさせるための工夫などはありますか?
そこが一番の悩みどころですね。シニアの皆さんは、年を追うごとに(我々が生活する)世間からの距離が徐々に遠くなる傾向にあります。ネットはもちろん、従来メディアも必ずしも有効であるとは限りません。
そうなるとやはり工夫すべきは、インストアでのポジションということでしょうか。
書店の棚に並んでいる時の存在感を感じてもらえる、選択肢の中に入れてもらえるようにどうするか…という事になろうかと思います。
Q. 今後のラインナップやアプローチで、こんな事を考えているというものがおありでしょうか?
現在の売れ筋ある「花」シリーズについては引き続き力を入れていきたいと考えています。
また現行の「大人のぬり絵」シリーズ全体についてもこれまでかなり精査を繰り返してきて、ある意味完成に近づいてきているので、更に一歩進んだ形にもチャレンジしてみたいと思います。
例えば「ぬり絵+パズル」で「脳トレ」のようなものを作るとか、ぬり絵をベースにそこにもうひとつの要素を付け足して発展させていきたいですね。
株式会社ホビージャパン
シニアライフ総研®では、シニアマーケットやシニアビジネスに参入している企業・団体・行政などが、どのような商品やサービスを展開し、どこをターゲットとして、どのようなペルソナ設定で戦略設定から事業運営を図っているのかなど、シニアマーケティングやシニアビジネスの成功事例を取材しています。
「ホップで希望を創り出す」
熟成ホップで人々をもっと健康に!
注目のキリンホールディングス株式会社の
社内ベンチャー
CEO 金子裕司 氏
ビールが好きな方なら誰しも「ホップ」というものをご存知ではないだろうか。実はホップというものは10世紀以上前からヨーロッパで薬用ハーブとして利用されており、現代ではその力から健康素材としての活用もされている。
今回はキリンホールディングス株式会社(以下キリン)の社内ベンチャーとして、「熟成ホップ」を活用した健康サポート製品を開発・販売しているINHOP株式会社(以下INHOP)のCEO,金子裕司氏に「いつまでもブレない自分で人生を送りたい」と願うシニアの方々向けの「ブレメンテ」という商品についてお話しを伺った。
2021年 1月取材
Q 熟成ホップは認知機能改善効果があるという観点から商品の開発を行ったとキリンの記事で拝見しましたが(※)、どのように発見されたのか、開発に至る背景等お聞かせください。
ビールに不可欠なホップですが、ビールに使われ始める前より、健康機能がある植物であることが歴史的に知られています。ホップは伝統的なハーブでもあるのです。しかし、ホップの苦味は食品としてはビール以外の転用が難しく、様々な食品に展開できるように、どうにか健康機能を維持したまま苦味のみを抑えられないか、と研究を重ねて出来上がったのが「熟成ホップ」です。熟成(酸化)したホップは苦味が穏やかになる、という醸造学の知見を応用して開発しました。
(※)参考URL https://www.kirin.co.jp/company/rd/result/closeup/09.html
熟成ホップエキス
Q シニアマーケットに対する考え方、参入される際にターゲティングや売り出し方など考慮されたポイントがあればお聞かせください。
まずは弊社の企業理念の話からになりますが、弊社は「ホップで希望を創りだす」という理念を掲げています。古くから生活を支えてきたハーブであるホップに、現代サイエンスを掛け合わせることで新しい可能性を創り出せるのではないか。そして未来に向かう子供たちの「希望」や、日本を担うビジネスパーソンの「希望」や、「人生100年時代を楽しく生きたい」という大人の「希望」に繋げていきたいと考えています。
その中で「人生100年時代」に対して、年齢を重ねても自分らしさを失いたくない、いつまでも生き生きと仕事をしたい、等のニーズが顕在化してきています。そこに対して、我々もお役に立てるのではないかと考え、「熟成ホップ」をシニア向けに展開していこうと決めました。マーケットが広がっているからという面もあるのですが、マーケットがあるというよりはお客様のお悩みに対する私たちの回答を提示していきたいという形での展開です。
弊社からリリースした最初の商品は、受験生をサポートするために開発した「受験力」という製品で、その次の製品が「いつまでもブレない自分で人生を送りたい」と願うシニアの方々向け「ブレメンテ」になります。
Q 現在シニアマーケティングの実施に向けて声を聴くということをしていると思いますが、いまどのようなリアクションが集まっていますか?
まだ集まっているお声は少ないですが、「飲み始めてしばらくしたら、毎日が軽やかになった気がする。」、「長時間の打ち合わせが続いた日など、家に帰ってからブレメンテを飲んで、次の日に影響を残さないようにしています。おかげでスッキリした毎日を送れています。」等の声をいただいています。
ブレメンテ 飲用シーンイメージ
Q ブレメンテを販売するにあたっての工夫点はありますか?
お客様の反応を見ながらコミュニケーションや商品をブラッシュアップしていこうと考えました。それを実現するために「ブレメンテ」の場合は自社サイトではなく、「makuake」というクラウドファンディングでの販売から開始しました。商品に対してどのような人から興味を持たれるのか、どのような声が集まるのかを検証し、その後自社サイトでの販売を開始しました。
クラウドファンディング「makuake」の商品ページ
Q クラウドファンディングを利用されたという事は非常に興味深いのですが、どんな目的で資金調達をされたのでしょうか?
資金調達の目的ではありません。クラウドファンディングでよくある「商品製造前に販売し資金を集める」ではなく、商品を製造した上の販売です。新商品に対する感度が高い方が集まるクラウドファンドというプラットフォームを利用することで、この商品にどのような人が興味を持つのか、どのような声が集まるのかを検証するのと同時に、商品認知を図ることが目的でした。
実際に利用してみて、コミュニケーションについては改善の余地があることがわかったので、自社サイトでの販売では改良しています。
Q コロナ禍でこれまでの取り組みが活きた事例はございますか?
設立が2019年で、商品の販売開始が2020年7月なので、コロナの影響を比較評価できる状況にはありません。正にコロナ禍での販売開始であるため、活きた事例があるというよりはゼロベースで試行錯誤しながらの活動でした。
Q それでは、コロナ禍で売り出すにあたってなにか変更したことなどはありましたか?
元々実店舗での販売と自社サイトを組み合わせた販売を計画していましたが、自社サイト主体の販売戦略に切り替えました。
ブレメンテ 商品イメージ
Q ネットでのコミュニケーション、ネットを通じたシニアマーケットとの親和性はどうお感じでしょうか?
まだ実績がないので大きなことは言えないですが、自分たちがアプローチしたいターゲット次第では、ネット主体で取り組むことに問題はないと考えています。シニアの方のネット利用率、スマホ保有率も年々増加していますし、実際にクラウドファンディングや自社サイトを介してシニアの方も繋がっています。私たちは、アクティブシニアは勿論、50代ビジネスマンなどネットとの繋がりの多い方々へのリーチを積極的に進めていき、お客様の声に寄り添ったビジネスを展開していければと思っています。
Q 今後のシニアに対するお取り組み予定は何かありますか?
まずはブレメンテの販売を通じて、お客様に寄り添いながら、製品をブラッシュアップすることを考えております。規模が小さくてもお悩みを持ったお客様方へ深くアプローチをしていきたいです。
また、「ブレメンテ」のような商品単体ではなく、運動や睡眠など他の生活習慣とも連動した無理なく継続いただける仕組みについても考えていこうと思っております。
INHOP株式会社
自社通販サイト
シニアライフ総研®では、シニアマーケットやシニアビジネスに参入している企業・団体・行政などが、どのような商品やサービスを展開し、どこをターゲットとして、どのようなペルソナ設定で戦略設定から事業運営を図っているのかなど、シニアマーケティングやシニアビジネスの成功事例を取材しています。
毎日更新のアクティブ・シニア世代向けWebサイトです。
「食」「運動」「趣味」「旅行」「生きがい」等をテーマに人生を楽しむ情報を発信しており、様々なタイアップメニューがあります。
2021年1月時点での、月間PV数は10,920,000PV、月間UU数は3,700,000UUとなっています。
メディア概要シート
シニアライフ総研®では、マスメディアに加えてWEBメディア、シニアの生活導線上のロケーションや生活シーンに応じたサンプリング・イベント、広告掲載メディア、同梱・封入メディアなど、幅広いメディアの特性と具体的なメディア・広告媒体を資料と共にご紹介しています。
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アクティブ・シニア世代の
「人生」と「暮らし」にホンモノを極める月刊誌
株式会社小学館 ライフスタイル局 サライ編集室
編集長 三浦一夫氏(雑誌担当)
編集長 稲葉成昭氏(WEB担当)
2021年2月 取材
大人のための最終学年誌。 『サライ』は、「食」「運動」「趣味」「旅行」「生きがい」を通して、 読者へ常に人生を楽しむ情報を発信し続けている雑誌です。
【サライ(本誌)】
- 発行:小学館
- 毎月10日頃
- 平均発行部数:116,000部
- サイズ:A4変形 平綴じ
【サライ.jp】
- 発行:小学館
- 定期配信日:毎日
- 月間PV数: 10,920,000PV/月間UU数:3,700,000UU(2021.1月)
Q.お二人のこれまでの経緯と『サライ』について教えてください。
(三浦氏)
2008年7月にサライ編集部へ異動し、2019年7月より9代目編集長に就任しました。 現在は編集室というセクションで、紙媒体 の『サライ』は私が編集長で、公式Webサイトの『サライ.jp』は稲葉編集長という形で棲み分けてやっています。
(稲葉氏)
2018年7月に当時、新設されたライフスタイル・ブランドスタジオに入り、『サライ.jp』を始めとした3サイトの運営を担当した後に、2020年10月よりサライ編集室に異動し、現在は『サライ.jp』の専任として運営しています。
(三浦氏)
『サライ』は平成元年―1989年9月創刊で、今年の秋に創刊32周年を迎えます。当時はシニア向け雑誌として発行していたわけではありません。当時のキャッチフレーズは「我が国初、大人の生活誌」で、大人向けではありましたが、決してシニア向けというわけではなく、またシニアを意識して作るということもしていませんでした。
それが、「美術」や「伝統工芸」「伝統芸能」「歴史」というテーマを扱っていくうちに、読者の年齢層が上がってきましたし、あらゆる世界の「本物」を追求した結果、そこに興味を持ったり、惹かれた方たちの多くが年配の方たちだったという事です。
(写真右)三浦一夫氏、(写真左)稲葉成昭氏
Q.編集方針について教えてください。
(三浦氏)
読者の平均年齢は号によって異なりますが、50代後半~60代前半の間で推移しています。ただ、創刊時と比べると日本の平均寿命はかなり延びまして人生80年時代だったのが今では人生100年時代になってきました。また、以前は60歳といえば定年退職の年齢でしたが、現在は再雇用などで働いている期間が長くなってきましたので、50代、 60代は現役世代です。ですから、今はそういう方々に向けて情報をお届けするのだと考えています。
現在はコロナ禍ということで「食」や「旅行」といった『サライ』らしいテーマが扱い難く歯痒く思っています。外出や移動が制限される中でそういった世代の方々に興味を持っていただけるテーマをいかに深掘りできるかが編集上の課題です。
Q.コンテンツの選定にあたっては何かお考えがありますか?
(三浦氏)
「わかりやすく」「やさしく」「寄り添うように」という思いで『サライ』を編集しています。
『サライ』は男性誌ではありますが、家庭でも回読してもらえるように作ってきました。今は50代以上の“おひとり様”の読者が増えているように思います。企画によって変動はしますが、女性の“おひとり様”読者もここ2、3年で増えていることは実感としてありますし、実際に、書店のPOSデータを見ても女性の比率が高くなってきています。「食」「旅」「歴史」「美術」「伝統」といったテーマを重要視して作っていますが、これらの分野への女性の興味は高いですね。『サライ.jp』でも、NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』の記事は女性層にかなり読まれていました。なので、現在は男性誌というよりも男女ともに“本物”を求めている人向けの雑誌に変化してきていると思います。
付録については、生活に密着した役立つモノを付けるようにしています。若い頃に学年誌の担当だったこともあり、付録を付けることに違和感はありませんし、『サライ』というのは“最終学年誌”なんじゃないかなと思っています。そこは、小学館が年齢別のクラスマガジンを得意としてきたことが受け継がれているのかと思います。
Q.通販に関するビジネスモデルについてのお考えは?
(三浦氏)
通販は大きな収益となっています。『サライ.jp』では常時掲載されていますが、本誌には通販別冊として偶数月号に『大人の逸品』、年に2回ほど国産品だけに限った『買えるメイド・イン・ニッポン』を付録としてつけています。
昨年は高知県と組んで、高知県産のみの通販別冊を初めて作りました。これは“本物”という話にも繋がるのですが、かねてより国産品へのご要望が多くあったので国産品だけを扱う別冊をつくったら評判を呼び、このスタイルを地方の工芸品等に広げて取り組んだものです。今後は新しいビジネスモデルとして他の都道府県や市町村、地方自治体と組んでやっていきたいと思います。
『サライ』の読者は本当に好奇心が旺盛で、また弊誌をとても信頼してくださっています。例えば、ファッションを特集すると帽子から靴まで同じものをくださいという方が扱う店に多くいらっしゃったり、料理の写真では盛り付けた皿にまで問い合わせがあったりと、私たちが驚くほど丁寧に読んでいただいています。通販に関してもそういった読者の方々の好奇心を満たす内容と“本物志向”が『サライ』への信頼に繋がっていると感じています。
Q.着任されてから今日までご苦労がありましたら教えてください。
(三浦氏)
やはりデジタル化というかネット社会にどう取り組んでいくかということでしょうか。
私が『サライ』に来たのは12、3年前ですが、その時の読者の携帯の所有率は驚くほど少なかったように思います。当時の編集者が今の『サライ』を見たら驚くと思いますね。
『サライ.jp』も雑誌のWebサイトとしはかなり早い時期に立ち上げましたが、Webというものがどうしたら本誌の後押しになるのか、どうやって共存していけばよいのかということを模索してきました。今日では本誌を補完するというものではなく、もちろん紙媒体の『サライ』があってこそですが、それぞれが独立したメディアとしてやっています。
Q.『サライ.jp』について経緯等教えてください。
(稲葉氏)
『サライ』は2001年にWebサイトを立ち上げていました。私が就任した2018年当時は、PV自体も伸びず、本誌が発行されたときに宣伝も兼ねて記事を配信する、というようなメディアでした。しかし、小学館全体でWebというもの自体の勢いが出てきたということもあり、今後は『サライ.jp』をメディアとして大きくしていくという方針がありました。
現在は基本的に本誌の記事も掲載しますが、8割以上はWebのオリジナル記事です。
2020年6月にフルリニューアルをし、デザインだけでなく構造的にもいろいろ変えて刷新しました。内容は、『サライ』で人気のあるテーマの「食」「旅行」「趣味・教養」「健康」、そして「生活」というところに「定年」や「お金」等の話を盛り込んでいます。「いのちと食」というカテゴリーでは、「おいしい健康」という会社と組んで管理栄養士の料理レシピや医師の取材を紹介しながら、人生100年時代をどう健康に生きていくのかを提言しています。更にもう一つ『大人の逸品』という小学館が運用している通販カテゴリーがあります。
Webならではの動画系コンテンツにも力を入れています。例えば明智光秀は本能寺までどのようなルートを実際に通ったのかを撮影したり、教養として漢字の読み方などを紹介する「脳トレ漢字」などの動画を作っています。
また、『サライ.jp』はYahoo!ニュースやSmartNews、Gunosyなどにも記事を配信しています。こういった場合は『サライ』という雑誌のカテゴリーを外れて、記事が独り歩きしていきます。そういったところで読まれる記事というものに関しては、読者層が若い傾向にあります。『サライ.jp』自体も370万ユニークユーザー、1,000万PV以上(2001年1月調査)ありますが、属性を見ると配信先では35歳から45歳が多くなっています。
また、男女別においてもWebは女性が半数を占めています。さらに、毎週月曜日、水曜日、金曜日の夕方に配信しているLINE NEWSでは「友だち」登録が75万人以上いて、その多くが女性となっています。このように紙媒体では届かない層まで幅広く補っていき、基本的にはサライ世代が興味を持つあらゆるテーマを扱い、シニアのライフスタイルマガジンという位置付けでやっていこうと考えています。
Q.独立した媒体として『サライ.jp』の運営への決断の背景やコンテンツ作成にあたって留意していることは?
(稲葉氏)
出版社ですので『サライ』読者をいかに取り込んでいくかという点で、これからデジタルは避けて通れないと考えていました。
方法論で言えばデジタルの方が優れている面、例えば動画での解説とかがありますが、
雑誌で伝えられる部分とWebで伝えられる部分がそれぞれ相乗効果を持ってくれれば良いかと思います。
(三浦氏)
本誌で積み上げてきた見せ方のノウハウから、フォントを明朝体にする、文字の大きさを大きくする、行間を広めにとるなどそういったことも行っていますが、紙でできないことを補えたらいいなと思っています。例えば、『麒麟がくる』の時は番組終了とともにネタバレ記事をタイムリーに配信しましたらFacebookのコメント欄にたくさんのコメントが寄せられました。長年「歴史」記事を扱ってきた『サライ』ブランドの信頼性があってこそだと思います。WebはWebで本誌にはない即時性を大事にしていきたいですね。
コスト面では、Webは毎日記事を更新しないといけないのですべての記事に1本何十万も掛けられません。ゴルフ記事であれば、アコーディア・ゴルフさんと組んで動画・記事を作成したり、ビジネス系の記事であれば、コンサルティング会社の識学さんから記事を頂いて『サライ.jp』の体裁に整えて掲載しています。『サライ』ブランドが確立しているのでこうした提携が実現しています。
他にもオンラインの特性を活かし、現在のように外出もままならない状況でなかなか旅行に行けない読者にむけて琴平バスさんとコラボした「オンラインバスツアー」や、H.I.Sさんとコラボした「オンラインワインツアー」、渋谷の街を大人の街にしたいという東急プラザ渋谷さんとタイアップした「オンライン落語会」などにも取り組んでいます。
インスタライブなども行っていますが、『サライ』読者には、まだあまり届いていないようです。そういったスマホの敷居が高い、使い方がわかないという層へ向けて「スマホ基本のき」という連載記事でシニアに寄り添ったアプローチもしています。
Q.今後、「サライ」をどのようにしていきたいですか
(三浦氏)
これからも大人向けのゆったりとした、読みやすい雑誌にしていきたいと思っています。「食」「伝統工芸」「趣味」などの分野で“本物”を紹介するという使命を残しながらも、成熟した読者や大人の皆さまに満足していただける誌面をいかに届けられるかが大きな課題と思っています。
『サライ』の読者は雑誌と真摯に向かい合っていただいているのが実感できて本当に感謝しています。創刊から31年経ちましたが、この繋がりを大切に40年、50年と続けていきたいと思っています。
(稲葉氏)
通常WEB記事などはスマホで見る率が高いのですが、『サライ.jp』に関してはスマホとPCの割合が大体同じ比率です。長時間スマホの画面を見続けるというのは難しいといった読者へコンテンツを届ける為に今後は音声コンテンツの充実を考えています。老眼で小さな文字が読めなくなっても“サライ読者”と言ってもらえるようなメディアになりたいですね。
Q.最後に、「シニア」をどう捉えられているのか教えてください
(三浦氏)
年齢ではないと思っています。常に新しいことに取り組んだり、知的好奇心が旺盛だったり、行動力があったり、経験値がある人。例えば落語のように人生経験を経てきた人のほうがより楽しめる豊饒な世界があります。それをどこまで追求し、楽しめるのか、それを知っている人がシニアだと思います。
(稲葉氏)
人生経験を積んで、子供や後進に伝えられる自分の考えを持っている大人はみんなシニア。大人でもそのような自分の考えを持っていない人はまだシニアじゃない。心も体も成熟した大人の方がシニアではないかと個人的には思っています。
「サライ(本誌)」https://www.shogakukan.co.jp/magazines/series/095000
「サライ.jp」https://serai.jp/
シニアライフ総研®では、シニア向けメディアページ内でご紹介している各メディアの中から、特におすすめのシニア向けメディアについて、メディア担当者へのインタビューを通じて、ターゲット属性や人気コンテンツ、出稿事例などを掘り下げ、ご紹介いたします。
内閣府より発表された『平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果』を元に、 具体的な数字を交えてながらシニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。 シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2021/3/30
住宅資産について6割のシニアが子孫のために残す予定
土地や家屋などの住宅資産の活用予定は、「子孫のために残しておく」が61.8%で最も高く、 他の選択肢は1割前後のものが多くなっています。
土地や家屋などの住宅資産の老後での活用予定
都市規模別で見てみると、大都市で「子孫のために残しておく」が50.6%と、他の都市規模より低くなっています。土地や家屋などの住宅資産の老後での活用予定【都市規模別】
約7割が死亡後の現住居は子供や配偶者が住む予定
自分が亡くなった後の現在の住まいの見込みは、「子供や配偶者(あるいはパートナー)等が住む」が66.8%で最も高く、他の選択肢は1割前後のものが多くなっています。自分が亡くなった後の現在の住まいの見込み
都市規模別で見てみると、大都市で「子供や配偶者(あるいはパートナー)等が住む」が61.2%と、中都市72.4%・小都市70.7%に比べて低くなっています。自分が亡くなった後の現在の住まいの見込み【都市規模別】
また、住宅形態別で見てみると、持家(一戸建て)で、「子供や配偶者(あるいはパートナー)等が住む」が73.5%、 持家(分譲マンション等の集合住宅)で「子供や配偶者(あるいはパートナー)等が住む」が63.8%と、賃貸住宅(計)の 22.7%より高くなっています。自分が亡くなった後の現在の住まいの見込み【住宅形態別】
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内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。 シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2021/3/16
65歳以上の者の刑法犯被害認知件数は減少傾向
犯罪による65歳以上の者の被害の状況について、65歳以上の者の刑法犯被害認知件数で見ると、全刑法犯被害認知件数が戦後最多を記録した平成14(2002)年に22万5,095件となり、ピークを迎えて以降、減少傾向にあります。なお、全認知件数に対して、65歳以上の者が占める割合は、平成30(2018)年は15.3%と、増加傾向にあります。
65歳以上の者の刑法犯被害認知件数
65歳以上の特殊詐欺被害者は全体の約8割
令和元(2019)年中の特殊詐欺の認知件数は16,836件で、手口別で見ると、オレオレ詐欺は6,697件と前年比で26.8%減少した一方、キャッシュカード詐欺盗は3,773件と前年比で179.9%増加しました。また、特殊詐欺の被害総額は約301.5億円でした。
特殊詐欺の認知件数・被害総額の推移
令和元(2019)年中の被害者が65歳以上である特殊詐欺の認知件数は14,043件で、特殊詐欺全体の認知件数に占める割合は83.4%となっています。オレオレ詐欺については、被害者の97.4%が65歳以上で、特に80歳前後の女性に被害が多発しています。また、キャッシュカード詐欺盗については、被害者の93.7%が65歳以上となっています。低下傾向にある65歳以上の犯罪者率
65歳以上の者の刑法犯の検挙人員は、平成30(2018)年は44,767人と前年に引き続きやや減少しています。犯罪者率は、平成19(2007)年以降は低下傾向となっています。また、平成30(2018)年における65歳以上の者の刑法犯検挙人員の包括罪種別構成比を見ると、窃盗犯が71.1%と7割を超えています。65歳以上の者による犯罪(65歳以上の者の包括罪種別検挙人員と犯罪者率)
出典・引用:内閣府『令和2年版高齢社会白書』
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- マーケターのつぶや記>2019.6.21 認知症による行方不明者の状況について
- マーケターのつぶや記>2019.6.10 高齢者の自動車事故について
- 企業から学ぶ>第5回 特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会
シニアマーケットに関するリサーチ等のご相談も承っております。お気軽にお問合せください。
内閣府より発表された『平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果』を元に、 具体的な数字を交えてながらシニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。 シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2021/3/9
女性の方が血縁のない人々で協力して暮らす住まいに対して前向き
血縁のない人々で協力して暮らす住まいについての考えは、「居住したことなく、今後も居住する予定はない」が84.4%、居住経験のある人(「現在、居住しており、今後も住み続けたい」「現在、 居住しているが、今後は居住する予定はない」「過去に居住したことがあるが、今後は居住する予定はない」の計)は1.0%で、今後居住に意向がある人(「興味があり、今後考えたい」12.9% +「現在居住しており、今後も住み続けたい」0.1%)は 13.0%となっています。
男女別で見てみると、女性は「興味があり、今後考えたい」はで15.3%と男性10.1%を上回っています。
血縁のない人々で協力して暮らす住まいの考え
共同居住する場合に共有してよいと思う空間No.1は玄関
共同居住に「興味があり、今後考えたい」という人に、共有してよいと思う空間や設備を聞いたところ、「食堂」が 80.1%と最も多く、次いで「玄関」74.7%、「居間」51.0%、「台所」47.7%と続いています。 男女別で見てみると、「玄関」、「台所」は、女性がそれぞれ79.1%、52.3%に対して男性それぞれ67.0%、39.8%と 女性が上回っています。共同居住する人と共有してよいと思う空間や設備
共同居住希望理由の半数が「安心感」
今後共同居住の意向がある人の、共同居住を希望する理由は、「集まって暮らすことによる安心感がある」が47.7%と5割近くを占め、次いで「他の居住者とコミュニケーションがとれる」が34.2%、「家賃など経済的な負担が減らせる」が 10.7%と続いています。今後、共同居住する住まい方を希望する理由
希望する共同居住形態は高齢者のみよりも多世代型が多い
今後共同居住の意向がある人の、希望する共同居住形態は、「多世代型」が33.7%、「高齢者のみ」が18.9%で、半数近くは「どちらでもよい」45.7%と続いています。共同居住するに当たり希望する形態
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内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。 シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2021/3/2
65歳以上の交通事故死者数は減少傾向にある
令和元(2019)年中における65歳以上の者の交通事故死者数は、1,782人で、減少傾向が続いています。65歳以上人口10万人当たりの交通事故死者数も、平成22(2010)年の8.6人から令和元(2019)年には5.0人へと大きく減少しました。なお、交通事故死者数全体に占める65歳以上の者の割合は、令和元(2019)年は、55.4%となっています。
交通事故死者数及び65歳以上人口10万人当たりの交通事故死者数の推移
75歳以上の運転者による死亡事故件数は減少傾向にある
また、75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は減少傾向にあります。令和元(2019)年における運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は、75歳以上で6.9件、80歳以上で9.8件と、いずれも前年より減少しています。
75歳以上の運転者による死亡事故件数及び 75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数
出典・引用:内閣府『令和2年版高齢社会白書』
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2021/3/30
一人当たりの年間平均出品数は約72個で20代の約2倍 意識調査では、COVID-19の影響で52.4%の「終活」意識が向上。『60代以上の「メルカリ」取引データ分析』 および『COVID-19拡大に伴う60代以上の意識・行動変化とフリマアプリ利用』に関する調査
メルカリ総合研究所(運営:株式会社メルカリ)は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)が拡大した2020年4月から2021年3月の1年間におけるフリマアプリ「メルカリ」取引データの分析を行いました。その結果、60代以上の年間利用者数、年間購入商品総数ともに前年比約1.4倍、年間出品商品総数は前年比約1.6倍に増加していることがわかりました。これを受け、60代以上のフリマアプリ利用が増加した背景となる意識・行動の変化を明らかにすべく『COVID-19拡大に伴う60代以上の意識・行動変化とフリマアプリ利用』に関する調査を実施し、経済アナリスト 森永康平⽒に本調査結果に対する考察をいただきました。
【結果サマリー】
1)60代以上「メルカリ」利用者の動向
・60代以上の一人当たり平均年間出品数は約72個で20代の約2倍
2)COVID-19拡大に伴う60代以上の消費行動・意識変化に関する調査
・COVID-19拡大で、44.4%が「インターネットでの買い物」増加、73.5%が「外出を伴う買い物」減少
・COVID-19拡大で、43.8%が「節約意識」向上
・フリマアプリ利用目的TOP3、1位「欲しいものがお得に購入できる」2位「不要品の処分ができる」3位「リユースにつながる」
・フリマアプリ利用後の意識変化「捨てる前に再利用を考える」が最多の67.6%
3)COVID-19拡大に伴う60代以上の生活意識変化に関する調査
・老後の不安TOP3、1位「病気・怪我」2位「体力・気力の低下」3位「生活費」
2019年3月調査と比較し、「孤独・社会とのつながりが希薄になる」が10.2%向上
・フリマアプリ利用者34.8%が、「フリマアプリの売買相手に親近感を覚える」
・「終活」を意識している60代以上は66.5%、そのうち52.4%がCOVID-19拡大で「終活」意識向上
・「終活」意識向上理由TOP3、1位「家族に迷惑をかけたくないから」2位「スッキリしたいから」3位「いつ何 が起こるかわからないから」
【コメント:株式会社マネネCEO / 経済アナリスト 森永康平⽒】
●プロフィール
証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。現在はキャッシュレス企業のCOOやAI企業のCFOも兼任している。著書に『MMTが日本を救う』(宝島社新書)や『親子ゼニ問答』(角川新書)がある。日本証券アナリスト協会検定会員。
コロナ禍において、わたしたち日本人の消費行動は大きく変容しました。そのなかでも、シニア世代のEC利用率の上昇は特筆すべき変化でしょう。総務省統計局が発表した「家計消費状況調査」によれば、2020年における65歳以上のEC利用率は29.2%となっており、2019年の24.2%から1年で5%も上昇しているのです。また、クレジットカードの決済データに基づいてもシニア世代のEC利用率が伸びていることは確認されており、伝統的な経済統計だけでなく、オルタナティブデータからもその事実が観測されています。
新型コロナウイルス感染症の特徴として、高齢者ほど重篤化リスクが高いということもあり、不要不急の外出を控えるために、これまでECを利用してこなかったシニア世代がコロナ禍を機にECを利用するようになったと考えられますが、フリマアプリでも同様の傾向が確認されました。
しかし今回の調査は、フリマアプリを利用する理由には、ただ外出を伴う消費行動の代替というだけではなく、非常に興味深い理由がいくつもあることを示唆しています。1つ目は、節約意識の高まりからフリマアプリを通じて「お得な買い物」をしたいというニーズです。2回にわたり緊急事態宣言が発令されたことや感染拡大が何度も起きるなど、不確実性が高く先行きが見通しづらいことから、シニア世代を含む全世代で消費を控える傾向がみられ節約意識が高まっており、その結果フリマアプリが利用されるようになった可能性を示しています。
つぎに、「捨てる前に再利用を考える」というサステナブルな消費志向への貢献が挙げられます。モノが溢れる時代のなかでSGDsを重視する潮流は世界的に確認されていますが、フリマアプリをその文脈で利用するシニア世代の利用者が一定数いることは大変興味深い結果でした。
そして、私が一番「なるほど」と膝を打ったのは、フリマアプリが新型コロナウイルス感染症によって奪われた密なコミュニケーションの場を提供し、シニア世代の孤独感を和らげている可能性があることでした。ECの場合は自分が欲しいものを探して決済するだけですが、フリマアプリの場合は自分が欲しいものを先に買っていた人から商品を買うことになるため、アプリ内でのコミュニケーションを通じて、自分と価値観があう人との対話を楽しんでいることが考えられます。
【調査概要】
調査時期:2021年3月11日(木)~2021年3月12日(金)
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国、60代以上の男女1,236名
※フリマアプリ利用者824名(うち412名は直近1年のうちに利用を開始)
フリマアプリ非利用者412名
※グラフ内の数値は小数点第二位以下四捨五入
調査結果詳細
1)60代以上「メルカリ」利用者の動向
・60代以上の一人当たり平均年間出品数は約72個で20代の約2倍
2020年4月から2021年3月における60代以上の一人当たり平均年間出品数は約72個となり、20代の一人当たり平均年間出品数約39個の約2倍であることがわかりました。
20代の利用者数は60代以上の利用者数よりも多く、単純比較が難しい前提はあるものの、保有しているモノの多さに起因し、60代以上はより積極的に出品を行う人が多い可能性が考えられます。
また、60代以上の「メルカリ」取引データ分析からわかることをまとめると以下のようになりました。
2)COVID-19拡大に伴う60代以上の消費行動・意識変化に関する調査
・COVID-19拡大で、44.4%が「インターネットでの買い物」増加、73.5%が「外出を伴う買い物」減少
COVID-19拡大に伴う消費行動の変化を質問したところ、44.4%が「インターネットでの買い物」が「増加」と回答しました。また、73.5%が「外出を伴う買い物」が「減少」と回答しました。
自由回答では、COVID-19拡大に伴う消費行動の変化について、以下のような回答がありました。
- 家にこもる時間が増えて内食、パソコン・携帯を触る時間が増えた。また、顔を見てコミュニケーションをする時間が減った。(60代男性)
- 旅行、外食、映画、コンサート、舞台等に出かけなくなった。買い物も必要最小限になった。拡大前からテイクアウトやキャッシュレスは利用していたが、拡大後はより多くなった。(60代女性)
- パソコンはある程度でき、家族もバックアップしてくれたおかげで、同年代の教員よりはるかにストレスは少なかったと感じる。何にでも対応できたので、メンタルがやられることがなかった。(60代女性)
- 外食をしなくなったので、食事のテイクアウトやデリバリーサービスの利用が増えた。(70代男性)
これらのことから、COVID-19拡大に伴う外出自粛などで様々な行動が制限された一方、パソコンやスマートフォンを使用する時間が増加し、インターネットを通じたWEBサービスの利用を促進した可能性が考えられます。
・COVID-19拡大で、43.8%が「節約意識」向上
COVID-19拡大に伴う消費意識の変化を質問したところ、43.8%が「節約に対する意識」が「向上」と回答しました。
・フリマアプリ利用目的TOP3、1位「欲しいものがお得に購入できる」2位「不要品の処分ができる」3位「リユースにつながる」
フリマアプリ利用目的を質問したところ、最多回答は「欲しいものがお得に購入できるから」(62.0%)、次に「不要品の処分ができるから」(47.8%)、「リユースにつながるから」(36.5%)となりました。
これらのことから、COVID-19拡大により「節約に対する意識」の向上が、「欲しいものがお得に購入できる」フリマアプリの利用を促進した可能性が考えられます。
・フリマアプリ利用後の意識変化「捨てる前に再利用を考える」が最多の67.6%
フリマアプリ利用後の意識変化を質問したところ、62.1%が「変化あり」と回答しました。
変化した意識を質問したところ、最多回答は「捨てる前に再利用を考える」(67.6%)、次に「将来売るために、モノを大切に扱う」(32.8%)、「趣味やファッションを気軽に楽しめる」(16.2%)となりました。
これらのことからフリマアプリの活用が、日常生活におけるモノの取り扱いに関して意識変容をもたらす可能性が考えられます。
3)COVID-19拡大に伴う60代以上の生活意識変化に関する調査
・老後の不安TOP3、1位「病気・怪我」2位「体力・気力の低下」3位「生活費」
2019年3月調査と比較し、「孤独・社会とのつながりが希薄になる」が10.2%向上
老後の不安を質問したところ、最多回答は「病気・怪我」(74.5%)、次に「体力・気力の低下」(66.3%)、「生活費」(51.5%)となりました。
2019年3月発表の「60代以上のフリマアプリ利用実態」に関する意識調査※1と比較すると、
「孤独・社会とのつながりが希薄になる」が最も増加し、10.2%向上(2018年3月調査結果:12.0%)しました。
※1 「60代以上のフリマアプリ利用実態」に関する意識調査
https://about.mercari.com/press/news/articles/20190311_survey_over60s/
自由回答では、COVID-19拡大に伴う意識や行動の変化について、以下のような回答がありました。
- お友達と会うことができなくて寂しい。スポーツクラブやヨガ教室に行けないので、体力が落ちそうで心配。(70代女性)
- 少し距離がある家族以外の友人、知り合いとの交流が一切なくなり、どこへ出かけるにしてもマスクに手指の消毒、体温計とかなり面倒くさく、流行前の生活には永久に戻れないのではないかと思うと気が滅入る。(60代女性)
- 毎日の買い物はすべて子供たちにお願いし、外出を控え、スポーツジムも退会して人との接触を断つ生活になってしまった。(60代女性)
- 子供や孫たちに会えなくなり、寂しい気持ちが募った。(60代男性)
・フリマアプリ利用者34.8%が「フリマアプリの売買相手に親近感を覚える」
フリマアプリの売買相手に親近感を覚えるか質問をしたところ、34.8%が「覚える」と回答しました。
自由回答では、売買相手に親近感を覚えるの理由について以下のような回答がありました。
- 「こんにちは」からはじまり、「コメント失礼します」とあったり、「短い期間ですがよろしくお願いします」とあったり、はじめての方なのにいいなと思う時がある(60代女性)
- アプリを通して、前向きな言葉でやりとりができた時に、たかがフリマではなく、つながっているささやかな嬉しさを感じた(60代女性)
- お互いに気持ちよく売買ができ、それが相手の方に気に入っていただいて、喜んでいただけるととても嬉しい気持ちになります。お顔が見えないなかでちょっとした一言がとてもいいコミュニケーションになっていると感じる(70代女性)
- PCの色が変色しているように感じたため、質問を送ったら、日常で起こしがちなある出来事で変色してしまったとの回答があった。「それなら、こういう方法で変色した部分をもとの色に戻せますよ」と返信したところ、感謝の連絡があった。文体からも馴染みやすい方で、しばらく商品の売買から外れた会話を繰り返していた(60代男性)
通常のECでの購買とは異なり、フリマアプリ上では、売買相手とのコミュニケーションがあることから、親近感を覚えている可能性が考えられます。
・「終活」を意識している60代以上は66.5%、そのうち、52.4%がCOVID-19拡大で「終活」意識向上
終活・生前整理への意識を質問したところ、66.5%が「意識している」と回答しました。
フリマアプリ利用者・非利用者別に見ると、フリマアプリ利用者の71.6%、COVID-19拡大中にフリマアプリをはじめた利用者の70.9%が「意識している」と回答しました。一方で、フリマアプリ非利用者の57.0%が「意識している」と回答し、フリマアプリ利用者は非利用者よりも、終活・生前整理を意識していることがわかりました。
終活・生前整理を意識していると回答した人に、COVID-19拡大に伴う終活・生前整理に対する意識変化を質問したところ、52.4%が「意識が向上」と回答しました。
・「終活」意識向上理由TOP3、1位「家族に迷惑をかけたくないから」2位「スッキリしたいから」3位「いつ何が起こるかわからないから」
終活・生前整理の意識が向上した理由を質問したところ、最多回答は「家族に迷惑をかけたくないから」(64.3%)、次に「モノを整理してスッキリしたいから」(59.6%)、「いつ何が起こるかわからないから」(40.1%)となりました。
【メルカリ概要】
会社名:株式会社メルカリ
所在地:〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
事業内容:スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運営
代表者名:山田進太郎
Webサイト:https://about.mercari.com/
2021/3/30
SOMPOひまわり生命保険株式会社と 高齢者の健康寿命延伸等を目的とした業務連携開始
高齢者専門宅配弁当サービスを展開する株式会社シニアライフクリエイト(代表取締役社長:高橋 洋、以下「当社」)は、SOMPOひまわり生命保険株式会社 東京統括部(部長:野間 和子、以下「SOMPOひまわり生命保険」)と高齢者の健康寿命延伸および地域社会の活性化を目的に、3月30日に業務連携契約を締結しました。
この業務連携により両社が協業し、地方自治体、地域包括支援センター、社会福祉協議会による地域高齢者を対象とした通いの場として「高齢者サロン」「認知症カフェ」またはそれに類するイベントにて、両社が保有するノウハウやサービス、資源を提供し合い、高齢者の健康寿命延伸、地域社会の活性化を目指します。
1.実施の背景
当社は、地方自治体や地域包括支援センターと連携した地域サロンによる高齢者のコミュニティー作りに取り組んでいます。コミュニティーでは、新しい趣味を見つけられるような様々なアクティビティの提供、そして健康寿命を支える「家族介護教室」や「管理栄養士による栄養講座」などを開催しています。
SOMPOひまわり生命は、お客さまの健康を応援する「健康応援企業」への変革を目指し、保険本来の機能(Insurance)に健康をサポートする機能(Healthcare)を加えた「Insurhealth(R)(インシュアヘルス)」を、新たな価値として提供しています。
両社がそれぞれ保有する地域高齢者の通いの場や健康に関するノウハウやサービス、資源を提供し合うことで、高齢者の健康寿命延伸、地域社会の活性化により貢献できるとの考えが一致し、この度の業務提携となりました。
2.協定の目的・主な内容
地方自治体、地域包括支援センター、社会福祉協議会による地域高齢者を対象とした通いの場として「高齢者サロン」「認知症カフェ」またはそれに類するイベントを共に開催し、高齢者の健康寿命延伸および地域社会の活性化に取り組みます。具体的なイベント内容は以下の通りです。
(1)管理栄養士による栄養に関する講座(当社)
(2)口腔ケア体操(当社)
(3)ちぎり絵、塗り絵等のレクリエーション講座(当社)
(4)認知症予防に関する講座(SOMPOひまわり生命保険)
(5)介護に関する講座(SOMPOひまわり生命保険)
(6)終活に関する講座(SOMPOひまわり生命保険)
(7)生命保険に関する講座(SOMPOひまわり生命保険)
(8)その他の講座(SOMPOひまわり生命保険、当社)
3.今後について
当社は本連携をもとに、これまで以上に高齢者のコミュニティー作りに取り組み、地域に役立つ情報提供やレクリエーションを通じた生きがい作りを通じて、高齢者の健康寿命延伸、地域社会の活性化を目指します。
【会社概要】
会社名: 株式会社シニアライフクリエイト
代表: 代表取締役社長 高橋 洋
本社: 東京都港区三田3丁目12番14号 ニッテン三田ビル6F
TEL. 03-5427-3981
ホームページ: http://slc-123.co.jp/
設立: 1999年12月
資本金: 28,000万円
事業内容: 1)高齢者専門宅配弁当「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」 フランチャイズ本部の運営
2)高齢者施設向食材卸事業「特助くん」の運営
3)高齢者向コミュニティサロン「昭和浪漫倶楽部」の運営
会社名: SOMPOひまわり生命保険株式会社
代表: 取締役社長 大場 康弘
本社: 東京都新宿区西新宿六丁目13番1号新宿セントラルパークビル
ホームページ: https://www.himawari-life.co.jp/
設立: 1981年7月
資本金: 1,725,000万円
事業内容: 生命保険事業
2021/3/30
福岡ヘルス・ラボに採択 福岡市内での社会実験を実施
このたび、健康行動の習慣化が期待できる製品として、福岡市と福岡地域戦略推進協議会が実施する「福岡ヘルス・ラボ」の第4期社会実験に採択されました。
コロナ禍において介護施設などの口腔機能トレーニングは、発話が絡み飛沫リスクが大きく実施が困難な現状となっていますが、近年「口腔機能の向上が認知機能低下の予防に繋がる可能性が高い」ことが指摘されており、フレイル・認知症の予防につながる口腔機能の向上に向けた取組みはますます重要となっております。
この社会課題を解決するために、無人・非接触・自動で口腔機能トレーニングを可能にするAIロボット「ZUKKU for オーラルケア」を開発し、2020年2月に実施した5G時代の新たなソリューションを発掘する「NTTドコモ 5Gソリューション アイデアコンテスト」にて最優秀賞を受賞しました。
ドコモのネットワーク内に設置したクラウド基盤「ドコモオープンイノベーションクラウド®※2」上で、RealNetworks,Inc.※3の高速・高精度なAI顔認証ソフトウェア「SAFR®(セイファー)」を活用しながら、AIが個人の状況に合わせてトレーニングメニューを提案し、「ドコモAIエージェントAPI®※4」を活用することで、トレーニング中リアルタイムにフィードバックをおこない、トレーニング効果を最大限に引き出します。また、ロボットからの声がけにより興味関心を引く会話を進めることもでき、健康情報などのコンテンツ配信によって利用者の健康に関する知識量を向上させることで、日常生活でも自発的に自ら予防に取り組めるよう行動変容を促します。
採択された福岡ヘルス・ラボは、「楽しみながら」「自然に」健康づくりに取り組めること(健康行動の習慣化)が期待できる製品・サービスや仕組み(以下「プロダクト」)について、市民の参画を得ながらその効果を検証し、評価・認証することを通じて、事業者のプロダクトの普及の後押しを行います。
本取り組みを通して、ハタプロ・ドコモは、福岡市をはじめ全国でのプロダクトの提供体制を築き、With/Afterコロナにおける市民の新たなニーズや社会課題の解決をめざしていきます。
※1 2021年ハタプロ調べ。
※2 低遅延、高セキュリティなど、MEC(Multi-access Edge Computing)の特長を持つクラウドサービスで、ドコモ網内の設備にクラウド基盤を構築することで実現しています。
※3 アメリカ シアトルに本拠地を置く顔認証ソフトメーカー。「ドコモオープンイノベーションクラウド®」へ顔認証ソフトウェア「SAFR®」を提供しています。
※4 音声・テキストユーザーインターフェースをパッケージ化した対話型AIのASPサービス。「ドコモAIエージェントAPI」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
【会社概要】
○株式会社ハタプロ
代表者 :代表取締役 伊澤 諒太
設 立:2010年11月
所在地 :京都府京都市下京区中堂寺粟田町93
特 色:AIやIoTなど先端技術に強みを持つロボットベンチャー企業
ホームページ:https://hatapro.co.jp/
○株式会社NTTドコモ
代表者 :代表取締役社長 井伊 基之
設 立:1992年7月
所在地 :東京都千代田区永田町2丁目11番1号山王パークタワー
特 色:通信事業、スマートライフ事業、その他の事業
ホームページ:https://www.nttdocomo.co.jp/
2021/3/30
シニアの孤独不安を解消
ウェブサイトURL:https://www.jibunshi.info/
個人のライフストーリーを取りまとめた「自分史」をウェブサイトとして表現したものです。ウェブサイトにすることによって、誰でも手軽にスマートフォンで自分史を確認することができます。
【AYAクリエイティブの自分史ウェブサイトの特徴】
■完全オンライン
取材はLINEやZOOMを利用し、原稿確認もメール等で行います。
■取材、制作、校正はママが担当
作業は100%在宅。子どもを預けられる時間が短い幼稚園ママや、引越しが多く新たな仕事に踏み出しにくい転勤族ママなど、働きたくても働けないママの眠れる労働力を活用します。
■孤独不安の解消
自分史を書く過程で必然的に家族とのコミュニケーションが発生し、ママによる取材によって温かい会話が生まれます。
■シニアのSNS活用のきっかけをつくる
完成後、自分史ウェブサイトを制作したシニアが入るFacebookグループへの登録を案内。お互いの自分史に感想を送り合う文化をつくります。
人材教育企業で13年間会社員として勤めた後に、子どもとの時間を優先するため個人事業主として独立。ママ起業家として、女性だけでウェブサイト制作事業を開始している。
【代表の背景と思い】
・自分史制作のきっかけ
10年前、当時米寿を迎えたおじいちゃんから、「自分史冊子」を制作してほしいと連絡を受けました。戦争体験を中心とした自分史の内容に私は感動し、パワーポイントで原稿を作成し、街の印刷屋に依頼し、5万円で50冊の自分史冊子を完成させました。おじいちゃんとおばあちゃんは大変喜んでくれて、親戚、友人に配り歩いていました。それを読んだ多くの人が、おじいちゃんの思いやライフストーリーに感動し、たった1冊の冊子から多くの笑顔が生まれました。
・優秀な専業ママの労働力を在宅ワークで活かしきる
コロナ禍で家計の不安の増大や、リモートワークという新たな選択肢により、「できれば働いて収入を得たい」、「私も働いて世界を広げたい」、という専業ママの意見が多く聞かれるようになりました。
この事業では、ママの今まで眠っていた労働力が発揮されるだけでなく、子育て経験の中で培われた、きめ細やかな配慮や傾聴力がシニアの「話を聞いてほしい」というニーズを満たす最適なソリューションになります。完全在宅での仕事のため、通勤の心配もなく、働き口がうまく見つけられない地域に住むママや転勤族ママにも働く機会を提供します。
【サービスの流れ】
お申込み ⇒ 自分史ワークシートを記入 ⇒ LINEで取材 ⇒ 自分史執筆 ⇒ ウェブサイトデザイン ⇒校正 ⇒ 完成・お支払い
※ご希望の方は、自分史ウェブサイトを制作した方とママがあつまるFacebookグループに登録。
【概要】
AYAクリエイティブ 代表 松坂智美 東京都目黒区中町2-13-12
自分史ウェブサイト https://www.jibunshi.info/
代表・松坂智美のサイト https://ayacreative.jimdofree.com/
価格:基本パッケージ(5ページ) 70,000円税抜
販売方法:ホームページよりお問い合わせ
【取材・各種お問い合わせ先】
AYAクリエイティブ 代表 松坂智美
ご連絡先:ayacreative01@gmail.com
2021/3/30
ベッド脚下に設置するだけで参考体重を測定・離床アラームで見守り
日本では超高齢化社会の到来に向けて、介護現場における業務の効率化による生産性向上や、介護スタッフの定着性の向上が社会課題となっています。こうした課題解決に貢献するために、ミネベアミツミとリコーは共同で事業開発に取り組み、2018年7月「リコーみまもりベッドセンサーシステム」を発売しました。発売後、 多くの介護現場の方々とのお話を通して、介護スタッフの人員不足や充分なケアに対する課題を聴き、「リコーみまもりベッドセンサーシステム」の中から現場ニーズが高い機能に絞り、より多くの介護事業者が導入 しやすい価格帯のモデルを企画・開発することになりました。
【ベッドセンサーシステム ベーシック 特徴】
① 参考体重の測定機能
ベッドの4か所の脚下へ高精度センサーを設置することで参考体重が測定可能です。
ベッドから移動することなく参考体重を測定することで利用者様のご不便を解消、介護施設側の業務負荷を軽減し、健康管理において重要な体重値を一元管理することができます。
② 離床アラーム機能
ミネベアミツミの荷重センサー技術により、利用者様の在床時の荷重変位を測定し、端座位・離床時に アラームを通知することで転倒・転落などのリスク軽減に繋げます。
また、アラームにより適切なタイミングで訪室することができ、訪室過多による利用者のストレス軽減と、介護者の業務負荷軽減の両立が可能です。
ナースコール、Wi-Fi™を介してアラームの伝達手段が標準装備されています。
③ フラットセンサー
フラットなデザインで様々なタイプのベッドに設置が可能です。従来のセンサーに比して、設置しやすく スタイリッシュなデザインで、固定脚タイプにも装着可能なセンサーユニットを開発いたしました。
【仕様】
機能 | 状態表示:参考体重または総重量 離床アラーム:重量変化判定値以上の重量減少を基にしたアラーム 参考体重:30~150kg 表示機能:参考体重履歴/アラーム発報履歴 |
使用可能ベッド | 総質量:80~200kg(利用者様とベッドの総重量合計) 種類:一般介護用ベッド(センサーユニットとの干渉がないこと) リクライニング範囲:0~60° マットレス:柔らかめ、普通、やや硬め、エアー (自動体位変換機能付きエアマット、その他特殊マットは除く) 脚(キャスタータイプ):幅90mm以下、Φ50-Φ150mm 脚(固定脚、四角タイプ):幅90mm以下、長さ160mm以下 センサーユニット(設置時に必要な空間):幅275mm以上、長さ410mm以上、高さ35mm以上 |
設置環境条件 | 推奨使用範囲:15~32℃、40~70%RH(結露なきこと) 使用可能範囲:5~35℃、20~80%RH(結露なきこと) |
製品寿命 | 3年 |
センサーユニット | 寸法:265(W)×398(D)×25(H)mm(突起部を除く) 質量:約2,200g(1台あたり) |
データロガー | ジャンクションボックス 寸法:98(W)×160(D)×44(H)mm(突起部を除く) 質量:約240g コントローラー 寸法:88(W)×140(D)×30(H)mm(突起部を除く) 質量:約400g 電源 専用ACアダプタ使用、AC100V、50/60Hz、最大0.58A |
データ通信 | センサーユニット・データロガー間:有線(付属専用ケーブル) データロガー・アクセスポイント間:無線LAN IEEE802.11a/b/g/n |
【価格】
オープン価格
※ベッドセンサーシステムは、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。登録番号は6152256号です。
※Wi-Fi™は、Wi-Fi Allianceの商標です。
※その他、ニュースリリースに掲載されている社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
【販売関係のお問い合わせ】
ミネベアミツミ株式会社
インダストリアルテクノロジーセールス メディカルソリューション セールスユニット
TEL:03-6758-6272 E-mail:bss-sales@minebeamitsumi.com
WEB:https://pr.minebeamitsumi.com/bedsensorsystem/