シニアライフ総研®ビジネスアワード2021 選定結果発表!!
ビジネスアワード2021 概要と選出方法
【概要】
シニアライフ総研にて2021年内※に『特選ニュース』として取り上げた企業・団体の活動で今後も注視したい、期待したい、と思われる事案を各部門ごとに選出しました。 選定基準は 「プロダクト」「ビジネスモデル」「シニアライフ」の3つの部門において、それぞれ下記の通りとします。 ※2020年11月1日~2021年11月30日までの配信ニュース-
プロダクト賞
超高齢社会の日本を豊かにするであろうモノ・コト -
ビジネスモデル賞
新たな切り口でシニア市場の活性化が期待できる企業または団体の活動や取組み -
シニアライフ賞
第二の人生において「明るく」「楽しい」の提供を期待できる商品やサービス、取り組み
【選定方法】
2021年に配信した全445の『特選ニュース』の中からシニアライフ総研運営メンバーにより全54事案(プロダクト賞16事案、ビジネスモデル賞20事案、シニアライフ賞18事案)をノミネートしました。 これらノミネート事案から、シニアライフ総研運営メンバー以外の有識者3名と、シニアライフ総研代表が受賞事案を選定しました。【選出委員(敬称略)】
黒川由紀子・福岡伸一 選 ■パナソニック/高齢化社会に対応した廃棄物処理システム構築の取り組みを開始
【URL】http://seniorlife-soken.com/archives/34047 【選出理由】 黒川由紀子: 決められた日時にごみを出す作業はどの年齢層の人にとっても厄介なものである。高齢者においてはその事ができないために“ごみ屋敷”がうまれたり、施設入居になるケースもある。ごみ出し支援プロジェクトはその予防ができる点、意義深い。 福岡伸一: 廃棄物処理は、全国の地方自治体で重要課題となっている。特に、高齢化・税収不足が予想される地域では、これをいかに効率化するか、地球環境への負荷を軽減するか、喫緊の問題となる。本計画は、廃棄物処理を、エントロピーとエネルギーの視点から捉えており、たいへん好感がもてる。実効面でも有望と思える。黒川由紀子 選
■セリオ/【免許返納後の代替手段】・【新しい生活様式への対応】に最適な「電動アシスト付3輪自転車・4輪自転車」を最短1ヶ月からレンタルできる新プラン「ショートク」を提供開始
<2021年度 シニアビジネス市場の総評>
新型コロナウィルスの社会的影響が大きかった2021年、シニアビジネスの分野でもその背景が影響したことは顕著です。 「プロダクツ」面でみると、昨年度に比べてセンサー技術やAI、VRといったデジタルテクノロジーを駆使し、極力ユーザーにとってストレスフリーな状態で認知症の早期発見や健康維持につながる効能を提供する商品やサービスが多く登場してきたように見受けられます。 「ビジネスモデル」面からみると、シニアを直接のユーザー(顧客)ととらえた完結型の新しいサービスモデルにくわえて、地域社会や学生(大学)、行政連携などを通じて総合的に社会課題に取り組むビジネスモデルが多くみられるようになってきました。 「シニアライフ」面からみると、外出抑制の社会背景を鑑みた移動に頼ることのない精神面での豊かさをを訴求するサービスや、日常の生活を楽しみながら新たな効能的価値(脳トレや健康増進など)を提供するものが増えているのも特徴だと言えます。 2021年度のシニア市場を相対的にとらえると、各企業や団体などが独力または単独で市場の攻略を試みる動きに加え、大手企業のみならず中小企業やベンチャー企業などが積極的に他社や第三者との連携や協業、他サービスとの複合化や行政・学校などの非営利事業との連携が積極的におこなわれはじめた印象が強くなっています。 |
シニアライフ総研 代表 渡瀨英治
【選出委員プロフィール(敬称略)】
受賞企業・法人コメント
【ビジネスアワード2021 プロダクト賞】
■愛知県大府市/VRで高齢ドライバーの運転技能を検査
愛知県大府市長 岡村秀人様 大府市は「健康都市」として、全国初となる認知症総合条例を制定するなど、早くから認知症の予防や認知症のひとにやさしいまちづくりに取り組んできました。今回受賞したVRによる高齢ドライバーの運転技能検査は、市内に立地する国立長寿医療研究センターの研究成果や知見を活用し、令和3年度から実施しているものです。 運転に関する啓発パンフレットの配布や、教習所と連携して実施している運転講習の費用補助などと合わせて、高齢者の方の安全運転技能の維持・向上が図られ、市民の健康寿命の延伸、交通事故の低減につながることを期待しています。・・・ ・・・ ・・・
■パナソニック/高齢化社会に対応した廃棄物処理システム構築の取り組みを開始
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 ビジネスデザイン部 岡林典雄様 この度は『ビジネスアワード2021 プロダクト賞』にご選出頂き、誠にありがとうございます。 本テーマは、家電メーカーとして長年培ってきたパナソニックならではのノウハウを活用した、「暮らし」を起点とするまちづくり提案です。 橋本市様が提供する「ごみの福祉収集」サービスと、パナソニックが持つ暮らしを便利・快適にするさまざまな技術を連携させた廃棄物処理システムの構築を通じて、市の課題となっている高齢化などによって自力でのごみ出しが困難なご家庭にも対応した、安全・安心な暮らしを守り・支えるまちづくりを目指しています。 私自身、この取り組みを通じて学ぶことが多く、これからの社会では「ものを捨てる」ということについて、意味や仕組みの変革が必要だと強く感じるようになりました。 今後も、多様な方々との共創を通じて、より良い「暮らし」の実現に取り組んで参ります。* * * * * * * * *
【ビジネスアワード2021 ビジネスモデル賞】
■たすけあいサポート/高齢者が家事を代行、ベビーシッターとして活躍
株式会社たすけあいサポート 代表取締役 クルーガー カヨ様 自らが経験してきた女性として感じた大変だった経験がこの会社の起業につながりましたが、今回の受賞は、そんな会社を立ち上げた志と想いが間違っていなかったのだと励まされたような、そんな嬉しいサプライズでした。 SDGsの活動が注目を集めているように、多くの企業や自治体が、誰もが生きやすい世界への進歩を進めているものの、まだまだその進化の度合いは緩やかで、女性やご高齢の方をはじめとした私たちは、時に社会の厳しさに直面します。 そんな中で、ご自身の育児や家事の経験で、助け助けられるという、昔、普通に地域に根差していたような、そんな人同士の助け合いを通しての「優しさ」があったなら、社会がもう少し温かいものになるのではないかと、願い続け、活動を続けております。 デジタル化に注目が集まるこの社会において、見過ごされがちなご高齢の方の、生きてきた中で得られた経験は、社会の宝です。私がシングルマザーの時、一人の70歳を超える女性の方の家事や育児のサポートに支え、助けられ救われたように、一人でも多くの、社会でがんばる方に優しさを届けるべく、今後も邁進してまいりたいと思います。・・・ ・・・ ・・・
■東京トラベルパートナーズ/介護施設向け「伊勢神宮」オンラインツアーのご案内
東京トラベルパートナーズ株式会社 代表取締役 栗原茂行様
このたびは、素晴らしい賞に選定いただき誠にありがとうございました。 弊社は高齢者、介護施設向けの旅行サービスを提供する旅行会社です。「全ての人が気軽に旅行を楽しめる社会創り」をミッションに、コロナウイルス流行前は福祉車両を利用して気軽に参加できるバリアフリーツアーを企画実施しておりました。
コロナ禍において、旅行はもちろん外出する事も難しくなった介護施設利用者、入居者様に向けてオンラインで旅行気分を味わえる「旅介ちゃんねる」というシステムを開発し、現在1,600施設以上の介護施設にご利用頂いております。今後は介護施設のみならず、在宅の高齢者様とも接点を持ち、パソコンなどを使わずともテレビを使ってより多くの方に弊社のサービスを楽しんで頂きたいと考えており開発を進めています。
10名程度の少ない人数での運営ですが、この受賞を励みに今後もシニアライフの質の 向上に寄与していきたいと思っております。
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■AYAクリエイティブ/子育て専業主婦の労働力を活かした「自分史ウェブサイト制作事業」がスタート
AYAクリエイティブ 代表 松坂智美様
ビジネスモデル賞を頂戴し、心より感謝申し上げます。 私はもともと会社員でしたが、結婚を機に専業主婦になった優秀な友人がこのオンライン時代に労働力として市場に評価されないことに違和感を抱いていました。
そこで、独立を機に彼女たちと一緒に、自分史ウェブサイトビジネスをスタートしたところ、専業主婦の能力の高さに驚く結果となりました。子育て中の彼女たちは傾聴力に長け、校正やデザインなどの細かい仕事に向いています。また、コミュニケーション能力も高いことから、シニアの皆さんとも和気あいあいと制作をすることができます。
「社会と関わり、誰かの役に立つ」「自分で稼ぐ」経験が彼女たちの笑顔の源になりました。まだまだ日本には自分史をつくる文化が根付いていませんが、一人一人のドラマチックな人生を表現しながら、誰もが当たり前に自分史を書いてそのストーリーを家族に伝えることのできる社会を実現したいと思っています。
今後も専業主婦の潜在能力を生かしてシニアの皆さんのライフストーリーを次世代に伝える仕事に情熱を燃やしてまいります。
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【ビジネスアワード2021 シニアライフ賞】
■セリオ/【免許返納後の代替手段】・【新しい生活様式への対応】に最適な「電動アシスト付3輪自転車・4輪自転車」を最短1ヶ月からレンタルできる新プラン「ショートク」を提供開始
株式会社セリオ 営業推進部 内藤鉄平様 この度はビジネスアワード2021「シニアライフ賞」へ選出いただきありがとうございました。 一昨年末にスタートした電動アシスト付3輪・4輪自転車のレンタルプラン『ショートク』は、昨年3月以降セリオの全営業所・モビリティショップに取り扱いを拡大しました。おかげさまで多数のご契約をいただき、免許返納後に代替となる『自立した移動手段』の需要が高まっていると実感します。 また、法人から様々な用途に及ぶ中長期利用のご依頼を受けるケースも増加しており、このプランの持つ可能性は広がってきました。個人・法人とも将来に不安を抱える今の社会に、レンタルという仕組みが合致したことが要因だと考えています。 今後もシニアの移動に関するニーズは益々増えるでしょう。セリオは商品とサービスに付加価値を与え続けて、笑顔の絶えない地域づくりに貢献していきます。・・・ ・・・ ・・・
■学校法人青葉学園/ANAホールディングスとsilvereyeが共同提供するVRヘルスケアソリューションコンテンツ「空港から始まる想い出の空想旅」の効果や有効性の検証を、東京医療保健大学 今泉教授が後押し
学校法人青葉学園 東京医療保健大学医療情報学科 教授 今泉一哉様
この度は、ビジネスアワードに選定いただき誠にありがとうございます。 対象となったプレスリリースは、ANAホールディングスとsilvereye株式会社が共同で提供する、旅をテーマにしたVRとフィットネスを融合したソリューションに対して、学術の立場から支援するという内容でした。
本システムが人々にどのような価値をもたらすかなど、難しいテーマでありますが、今後も検証を進めていく予定です。その後、学生のゼミ活動の一環として、機内を楽しく・健康にというコンセプトで、VRによるフィットネスアプリの企画・開発にも取り組んでいます。
今後も産業と連携してDXを推進する人材育成・研究に取り組む所存です。