孫がプロデュースするTikToker シニアインフルエンサー 「きょうかのばあば」

孫がプロデュースするTikToker

シニアインフルエンサー

「きょうかのばあば」

きょうかのばあば氏

菅原京香氏

2023年6月 取材


Q. TikTok「きょうかのばあば」を始めた経緯をお聞かせください。

(菅原京香氏)

TikTok「きょうかのばあば」を始めるきっかけとなったのは、大学進学のため上京したのを機に祖母と2人暮らしを始め、彼女がスマホを自在に使いこなしている様子を目にしたことです。PayPayでお年玉を贈ったり、Zenlyで私の帰りを確認したり、モバイルPASMOで電車に乗ったりする姿を見るたび、70代とは思えないほど巧みにテクノロジーを使いこなしていると驚きました。その様子をTikTokをはじめとするSNSに投稿したところ、多くの方から反響をいただきました。これをきっかけに、日本のシニアマーケットの可能性や、日本におけるデジタル化の遅れを解決するアプローチになるのではないかと考えるようになり、実際にTikTok「きょうかのばあば」として始めることにしました。

数あるプラットフォームからTikTokを選んだ理由は、今あるSNSの中で、アルゴリズムという観点とユーザー数が増えるという面で、一番伸びるポテンシャルがあるSNSだと考えたからです。TikTokのアルゴリズムは、新しいアカウントの動画はまず数百人のユーザーに表示、動画がどのように受け入れられるかを確認し、好評ならより多くの人々に表示するというものなので、0からアカウントを作ったとしても伸びしろがあると考えました。実際、配信を始めて6カ月の間に、35万回以上の再生数を誇る動画を3本ほど生み出すことができました。また、リサーチする中で、TikTok上でのシニアインフルエンサーが増えてきているとわかったことも理由のひとつでした。

シニアの定義は「65歳以上の人々」ととらえていますが、ライフスタイルや健康状態、価値観などによって十人十色です。テクノロジーをどれくらい使いこなせているかという点だけでも、かなりの幅があると思います。TikTok「きょうかのばあば」では、テクノロジーを駆使して日々を謳歌するひとりのシニアの日常を発信したいと考えました。なお、メインはTikTokですが、Instagram、YouTube shorts、lemon8などにも投稿しています。

(きょうかのばあば氏)

1975年に同志社大学の工学部を卒業後、日本電子計算株式会社でプログラマーとして勤務しました。退職後は夫の海外赴任でドイツに約4年滞在していた時期もあります。プログラミングとは無縁の生活になっていましたが数学好きは変わっていなかったので、ドイツでは日本人の子どもに数学を教えていました。また、日本文化を紹介するため現地でお点前を披露したらとても喜ばれたことがきっかけで、帰国後は茶道の教室を開き、今にいたります。

携帯電話は息子にすすめられ持つようになりましたが、ガラケーで特に不便もありませんでした。それが、息子がスマホを買い替えるタイミングでお古をくれたことでスマホを使うようになり、そこからアプリも利用するようになりました。電子マネーやモバイルPASMO、タクシーアプリのGOなどは日常的に使っていましたが、京香と暮らすようになってから、よりスマホを活用できるようになりました。

京香にはずっと「TikTokやろう」と声をかけられていたものの、断り続けていました。動画配信はもちろん、Twitterなどで発信したこともありませんでしたし、私の動画など誰も見るわけがないと思っていたのです。けれど「世間に若くて可愛い子は山ほどいる。シニアということに個性がある、ばあばだから見てもらえるんだよ」と妙に説得力のあることを言われ(笑)、孫のためにもなるのならと挑戦してみることにしました。


Q. TikTok配信を始めて、どのような感想を持たれましたか。

(きょうかのばあば氏)

TikTokで印象的だったテクノロジーは電動キックボードのLUUP、スマホ充電レンタルのチャージスポット、海外向けレンタルWi-fiのWifibox、傘のシェアリングサービスのアイカサなどです。また、TikTokをすることで、同じシニア世代といるだけでは知らないままだった世界を見られる面白さがありました。LUUPに乗ってみるなど初めての体験は、自分自身が楽しめましたね。

こちらが気合を入れて撮ったものがより多く再生されるとは限らず、むしろ「なぜこの動画が?」と思うものがバズる不思議さも体験しました。たとえば、新幹線の改札にスマホをかざして通るだけの動画が100万回以上再生されました。これはスマートEXで新幹線のチケットを購入し、チケットレスで乗車したときの様子を撮ったものです。シンプルな動画ですが、これまでは窓口に並んで買ってきたチケットをスマホで事前に購入することで、混雑した窓口で待つストレスやチケットを忘れたり紛失したりする心配もないという情報が詰まっていたことが再生回数につながったのかもしれません。ファストフードで食事する際、事前にモバイルオーダーで注文しておき、レジに並ばず指定された席で待っていると注文した品がテーブルまで届くという動画もたくさん見てもらえました。

また、ネットを通じてライブをやると日本中のみんなとお友達になれる感覚がとても楽しいです。たくさんの人と交流でき、世代を超えた交流ができます。一期一会というか、出会いが人生を作っていくのだと改めて実感しました。


Q. TikTokの企画は京香さんが考えていらっしゃるとのことですが、その際に心がけているのはどんなことでしょう。

(菅原京香氏)

まず、「日本のデジタル化を促進する」というビジョンからずれないコンテンツを発信することを意識しています。現在「きょうかのばあば」をフォローしてくださっているのは「もっとテクノロジーについて知りたい」という思いを抱いている方だと思うので、テクノロジーに関する有益な情報を発信し続けるのが私たちのミッションだと考えています。

また、伸びるコンテンツを作成するというところで、視聴者が動画をどれくらい見続けたのかを表す視聴維持率が高くなるコンテンツを生成することも意識しています。具体的には、TIkTokで視聴維持率が高くなるために欠かせない要素のひとつはコメントだと考えているので、コメントがつきやすいコンテンツを作ることを心がけています。


Q. TikTokでの配信を始められて、どのような反響がありましたか。

(菅原京香氏)

周りの知人には「『きょうかのばあば』見ているよ。応援してる」「お母さんにシェアしたよ」「きょうかのばあば、すごすぎる」など言ってもらえます。仕事でお会いした方に「『きょうかのばあば』の方ですよね」と言われたこともありました。

(きょうかのばあば氏)

私自身は、私生活を全部見られているような恥ずかしさが今もあります。友人やお茶の生徒さんも見てくれているようですが、気を遣ってくれているのかあまり突っ込んだ質問をされたりはしないので助かっています。


Q. TikTokとシニア世代の相性についての考えをお聞かせください。

(菅原京香氏)

TikTokのフォロワーさんの55歳以上の方は12%なので、シニアへのリーチという観点では、相性は良いとは言えないのが現状です。ただ、6月の時点でフォロワー約5300人のうち、650人近くのシニア世代が見てくださっているのはすごいという思いもあります。

(きょうかのばあば氏)

TikTokを通じて自分自身もできることが増えていくのは知的好奇心を刺激されて楽しいですし、同年代にもぜひ現代のテクノロジーを活用してもらいたいと思うようになりました。電子マネーも慣れれば便利なものですし、ネットスーパーを使えば重い荷物を持ち帰る苦労もありません。SuicaやPASMOはシニアも使いますが、スマホとは連携させている人は多くありません。あとひとつのステップアップをすることでもっと便利になること、QOLが向上することを、TikTok「きょうかのばあば」で知ってもらえたら、お役に立ててうれしく思います。


Q. TikTokのフォロワーをより増やすため、今後検討しているプランを教えてください。

(きょうかのばあば氏)

Tik Tokで声がけして集まった人とお茶のイベントを開催したり、旅行に行ったりできたらいいですね。メディア露出の件では、6月にはBS朝日の「太陽生命 Presents 草野仁の名医が寄りそう!カラダ若返りTV」に出演しました。今年はTikTokのフォロワー1万人を目標に、そして3年以内にCM出演を目指します。

(菅原京香氏)

TikTokのフォロワーさんが求めている有益コンテンツの継続的な更新、どういうコンテンツが伸びどういうコンテンツが伸びないのかといった分析は今後も継続します。それに加えてほかのインフルエンサーとのコラボレーション、テレビやWEBメディアなどのメディア露出を増やすということを計画しています。

今後はTikTokを通じてだけでなく、さまざまなチャネルでシニアと若者の交流を一層深めていきたいと思っています。人生を長く生きられているシニアの方から若者が学ぶことは沢山あります。日本ではシニア=高齢者ととらえますが、英語では「年長者」「先輩」を指すように、シニアが長い年月をかけて得た経験や知見、そして叡智は、次世代にとって貴重な教訓になるでしょう。また、シニアは若者から元気や刺激をもらえるので、win-winな関係を築けると思っています。

デジタルを自在に使いこなせるシニアの方はまだ少ないと感じます。シニア世代がよりテクノロジーを使いこなせるようになることで日本のデジタル化はより進むと考えていますので、その一助となるべくTikTokでの活動を続けていきたいと思っています。


【きょうかのばあば】

■Instagram:https://instagram.com/kyokanobaaba/

■TikTok:https://www.tiktok.com/@kyokanobaaba

■note:https://note.com/kyokanobaaba/


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