シニアライフ総研®ビジネスアワード2025 選定結果発表!!

ビジネスアワード2025 概要と選出方法

【概要】

シニアライフ総研にて2025年内※に『特選ニュース』として取り上げた企業・団体の活動で今後も注視したい、期待したい、と思われる事案を部門ごとに選出しました。 選定基準は 「プロダクト」「ビジネスモデル」「シニアライフ」の3つの部門において、それぞれ下記の通りとします。

※2024年11月1日~2025年11月30日までの配信ニュース

  • プロダクト賞

    超高齢社会の日本を豊かにするであろうモノ・コト

  • ビジネスモデル賞

    新たな切り口でシニア市場の活性化が期待できる企業または団体の活動や取組み

  • シニアライフ賞

    第二の人生において「明るく」「楽しい」の提供を期待できる商品やサービス、取り組み



【選定方法】

2025年に配信した全412の『特選ニュース』の中からシニアライフ総研運営メンバーにより全52事案(プロダクト賞19事案、ビジネスモデル賞21事案、シニアライフ賞12事案)をノミネートしました。 これらノミネート事案から、シニアライフ総研運営メンバー以外の有識者3名と、シニアライフ総研代表が受賞事案を選定しました。


【選出委員(敬称略)】

photo_instructor_464

小黒一三(おぐろ かずみ)

ソトコトアドバイザー、J-WAVE ロハストークナビゲーター

→プロフィールへ

黒川由紀子(くろかわ ゆきこ)

臨床心理士、保健学博士。上智大学名誉教授・黒川由紀子老年学研究所所長。日本老年臨床心理学会副理事長。

→プロフィールへ

福岡伸一

福岡伸一(ふくおか しんいち)

生物学者・作家。京都大学卒。 米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。

→プロフィールへ

watase

渡瀨英治(わたせ えいじ)

シニアライフ総研代表。ルーツ・オブ・コミュニケーション(株)代表取締役。

→プロフィールへ

 

黒川由紀子・福岡伸一 選

懐メロで記憶想起トレーニング「うたメモリー」をMakuakeにて販売開始

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63432

【選出理由】

黒川由紀子:
懐かしい音楽を、計測に基づいてパーソナライズした形でプレイリストにしている。認知障害によって、歌の名前や歌手の名前を忘れても、自宅や施設で聞くことで本人の幸福感につながる。音楽体験が継続できることはQOLの向上につながる。

福岡伸一

福岡伸一:
脳波パターン認識は、現在最も注目されているAI研究分野である。この技術を使って懐かしい楽曲と記憶想起を結びつけたアイデアは秀逸である。

小黒一三 選

塩野義製薬とFRONTEO AI解析による会話型の「あたまの健康度」判定アプリケーショントークラボKIBIT」を提供開始

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/67724

【選定理由】

小黒一三:

健康維持に大切なのは、ついつい身体に目がいきがちで、歩け歩けと同様に、大事なのは、やはり命をすべてコントロールする脳です。その脳のチェックは自分の脳ではできないので、セルフでAIが判定してくれるなら安心感は絶大かと思います。しかも歩くと同じくらい大事なのは、しゃべること。体温計で測るように朝起きて一段落したら「お熱は何度」ではないですが、日々、自分の脳の状態がチェックできるとは素晴らしいアイデアです。

渡瀨英治 選

アルツハイマー型認知症の “遺伝的なリスクを知る” 郵送検査事業『LaBost』

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/65266

【選出理由】

watase

渡瀨英治:
認知症患者の増加が見込まれる中、発症リスクを早期に把握し、生活習慣や家族の備えを検討できる環境づくりは重要になっています。遺伝的な“可能性”を知ることで、自分の将来の健康に向き合う、また生活習慣の見直しや将来の備えについて考える契機となります。高齢社会において、認知症予防を自分ごととして捉えるための有用なアプローチだと感じます。


小黒一三 選

家族をつなぐAIサービス「茶の間Cotomo」

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/64116

【選定理由】

小黒一三:

本当の悩み相談は身内相手でも話せないこともあるでしょう。毎日決まった時間に話し相手から電話がかかると、まずは自分が社会とつながっていて、必要とされているんだという自覚と存在意義、レーゾンデートルが担保されます。
しかも地域連携でデータが蓄積されることで、より正確なその方の現在地が明確になっていく。発展性を感じ、社会的意義のあるビジネスモデルと感じました。

黒川由紀子 選

産学官連携で「65歳を過ぎたら・・・栄養の考え方をギアチェンジ」の啓発を推進

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63480

【選出理由】

黒川由紀子:
高齢になると、低栄養によるフレイル、低栄養による死に至ることがあるということは、国内外のデータで明らかになっている。身近な場所で受けることができる栄養指導は、高齢者の生命、生活の維持に不可欠である。

福岡伸一 選

付き添いや介助が必要な方の、披露宴出席やホテル滞在をサポート

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/66738

【選定理由】

福岡伸一

福岡伸一:
介護が必要な高齢者でもホテルでのおもてなし体験、贅沢な時間を過ごしたいと願っている。その点に着目して安心安全な仕組みを作ったことはとても評価できる。

渡瀨英治 選

75歳以上のばあちゃんたちが働く喫茶店「ばあちゃん喫茶」

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/65245

【選定理由】

watase

渡瀨英治:
認知症や介護の有無にかかわらず、社会の中で役割を持ち続けられる環境づくりは重要なテーマです。「ばあちゃん喫茶」は、高齢者が培ってきた経験や気遣いを、自然な形で地域や次世代と共有できる点に新しさがあります。多世代が同じ空間で交流し、学び合う場が生まれることで、高齢者の“居場所”と地域のつながりを同時に支える取り組みとして意義が大きいと感じます。


小黒一三 選

スパトレ、シニア向けオンライン英会話サービス

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63235

【選定理由】

photo_instructor_464

小黒一三:
高齢者手帳を75歳でもらってから新しい友達を作ろうなんて日本人は誰も思わないはず。それが英会話のオンライントレーニングがきっかけで海外に新たな友達ができて、食べ物のギフト交換ができればなんて素敵な老後だろう思います。孫たちにも尊敬されるし、このビジネスは月額6,000円で終わらない大いなる発展の可能性を感じ、応援したくなりました。

黒川由紀子 選

市民向け介護予防を趣旨とした「いきいき自転車教室」を実施

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63701

【選出理由】

黒川由紀子:
地域密着型のプロロードレースチームの指導によるサイクリングは、安全を確保した上で自然と親しみ、仲間との会話を促進し、サイクリングの技術の向上にさえつながる、楽しいプログラム。

福岡伸一 選

旅行会社ビッグホリデーが「介護タクシー旅行手配サービス」を開始

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/64057

【選定理由】

福岡伸一

福岡伸一:
介護医療支援が必要な高齢者でも若い時と同じようなお出かけ、お泊り体験をしたいと願っているがなかなか気軽には実現できない。このニーズに着目し、door to doorの簡便安全快適なタクシーシステムを構築したことは大変評価できる。

渡瀨英治 選

自宅でいつもの美容院と同じ施術が受けられる「チャームフル訪問美容」

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63613

【選定理由】

watase

渡瀨英治:
高齢や介護が必要な状態になっても、「綺麗でいたい」という願いは変わりません。訪問美容は、外出が困難な方のその願いに寄り添い、身なりを整える機会を提供します。この体験は、自己肯定感を支え、心を前向きにし、暮らしに活力を取り戻します。美しく整えることは、利用者のQOL(生活の質)を大きく高める、非常に意義深い取り組みです。


 

<2025年度 シニアビジネス市場の総評>

2025年度のシニアビジネス市場は、「脳と心の健康」と「生活の質(QOL)」を両輪で支える取り組みが一段と広がった年となりました。単に不便を補うのではなく、高齢期をどう生きるか、本人と家族が主体的に選び取れる環境づくりが前面に出てきたことが大きな特徴といえます。

「プロダクト」面からみると、認知機能の変化を可視化し、日常の“気づき”につなげるサービスが増加しました。音楽による記憶想起トレーニングや、会話型AIによる脳のセルフチェック、遺伝的な認知症リスクの把握など、生活習慣の見直しや将来の備えを後押しするツールが拡大。身近な環境で使え、家族とのコミュニケーションにもつながる「予防 × 日常」のアプローチがより洗練されていました。

「ビジネスモデル」面からみると、介護が必要になってからも“役割”を失わない社会づくりが進みました。地域の高齢者が接客を担う喫茶店、栄養指導を地域連携で行う啓発活動、付き添い支援によるホテル滞在サービスなど、生活の質・自立性・尊厳を同時に支える取り組みが広がりました。単に支援するだけでなく、高齢者が自分の経験やスキルを活かして社会と関わる機会を生み出している点が、本年度の革新として際立ちます。

「シニアライフ」面でみると、“楽しみの再発見”を促すサービスが多く見られました。介護タクシーによる旅行支援や、オンライン英会話による国際交流など、身体機能や環境に左右されず、心の張り合いや生きがいを取り戻せる場が増加。シニアの知的好奇心や社会参加を柔軟に支える取り組みが、生活の満足度を大きく押し上げています。

総じて2025年のシニアビジネス市場は、技術やサービスの高度化が「生活者の選択肢を広げる方向」に確実につながった年でした。特に、心と体の予防的アプローチが日常に浸透したことで、高齢者の「健康寿命」を延伸し、その先の「創造的な時間」の基盤が築かれました。脳と心、身体、社会参加を多角的に支える取り組みが広がったことで、高齢期がより前向きで創造的な時間へと変化しつつあります。今後は、こうした価値が地域社会や多世代のコミュニティに広がり、誰もが自分らしく年齢を重ねられる環境づくりの深化が期待されます。

シニアライフ総研 代表 渡瀨英治


【選出委員プロフィール(敬称略)】

photo_instructor_464

小黒一三(おぐろ かずみ)

1950年東京生まれ。75年慶應義塾大学法学部卒業後、平凡出版社(現・マガジンハウス)入社。

マガジンハウスでは、雑誌「ブルータス」「クロワッサン」「ガリバー」などの編集を担当。90年同社を退職し、編集プロダクションであるトド・プレスを設立。92年、東アフリカ・ケニアのマサイマラ国立保護区にリゾートホテル「ムパタ・サファリ・クラブ」を開設。98年、出版社である木楽舎を設立。99年、環境ライフスタイルマガジン「月刊ソトコト」を発刊。スローフード、スローライフ、ロハスなどのライフスタイルをいち早く日本に紹介してきた。

また、日本の子どもたちのまだまだ使えるシューズをアフリカの子どもたちへ贈る活動「スマイル アフリカ プロジェクト」を高橋尚子さんとともに行う。画家フェルメールが描いた当時の色彩を求め、最新の印刷技術「リ・クリエイト」で用い、その全作品を再現した「フェルメール 光の王国展」「あっぱれ北斎!光の王国展」を開催するなど、一つの枠では収まらない、さまざまなメディアを使った新しい価値観の提案を続けている。

ソトコトアドバイザー、J-WAVE ロハストークナビゲーター

黒川由紀子(くろかわ ゆきこ)

臨床心理士、保健学博士。上智大学名誉教授・黒川由紀子老年学研究所所長。日本老年臨床心理学会副理事長。
高齢者の心理をテーマに、認知症、うつなどの高齢者や家族の心理臨床に関わってきた。回想法グループ、自分史年表作成講座、マインドフルネスの会、コンサルテーション、講演、執筆活動行っている。著書に『認知症と回想法』(金剛出版),『高齢者のマインドフルネス認知療法』(誠信書房),『認知症の心理アセスメント はじめの一歩』(医学書院),『いちばん未来のアイデアブック』『ミモザ』(木楽舎)、『「豊かな老い」を支えるやさしさのケアメソッド青梅慶友病院の現場から』(誠文堂新光社)など。

福岡伸一

福岡伸一(ふくおか しんいち)

生物学者・作家。京都大学卒。 米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。大阪・関西万博(EXPO 2025)テーマ事業「いのちを知る」プロデューサー。 サントリー学芸賞を受賞し、90万部を超えるベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)および『新版 動的平衡』(小学館)シリーズなど、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。

また、大のフェルメール好きとしても知られ、世界中に散らばるフェルメールの全作品を巡った旅の紀行『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、さらに『フェルメール 隠された次元』(木楽舎)を上梓。最新のデジタル印刷技術によってリ・クリエイト(再創造)したフェルメール全作品を展示する「フェルメール・センター銀座」の監修および、館長もつとめた。

watase

渡瀨英治(わたせ えいじ)

1995年より広告代理店でシニア商材の開発やマーケティング業務に従事し、2008年にルーツ・オブ・コミュニケーション(株)を設立。
2013年に情報ポータルサイト「シニアライフ総研」の運営を開始した。
シニアマーケティングのスペシャリストとしてメーカー企業を中心にコンサルティング活動や講演活動を行っている。

 
マーケット最前線
特選ニュース
マーケット最前線
データ集
メディア集
ビジネスマッチング
注目ビジネス
シニアマーケティングの考え方
連載コラム
編集室から
シニアライフ総研について
ニュース
お問い合わせ

Copyright©Roots of communication Co.,Ltd. All rights reserved.