【シニアの概況】高齢者のジニ係数、貯蓄・負債 2020年6月
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2020/6/2
年齢階級別の所得再分配後の所得格差
世帯員の年齢階級別の等価再分配所得のジニ係数(不平等度を測る指標)を見ると、平成26(2014)年における60~64歳、65~69歳、70~74歳及び75歳以上の層のジニ係数は、平成17(2005)年と比べてやや低下しています。ジニ係数の値は、60~64歳で0.33、65~69歳で0.30、70~74歳で0.33、75歳以上では0.34となっています。
年齢階級別ジニ係数(等価再分配所得)
貯蓄現在高の中央値について、60歳以上世帯は全世帯の1.5倍
資産を二人以上の世帯について見ると、世帯主の年齢階級別の家計の貯蓄・負債の全般的状況は、世帯主の年齢階級が高くなるにつれて、1世帯当たりの純貯蓄はおおむね増加し、世帯主が60~69歳の世帯及び70歳以上の世帯では、他の年齢階級に比べて大きな純貯蓄を有していることが分かります。年齢階級が高くなるほど、貯蓄額と持家率がおおむね増加する一方、世帯主が30~39歳の世帯をピークに負債額は減少していています。
世帯主の年齢階級別1世帯あたりの
貯蓄・負債現在高、年間収入、持ち家率
また、貯蓄現在高について、世帯主の年齢が60歳以上の世帯と全世帯(いずれも二人以上の世帯)の中央値を比較すると、前者は1,639万円と、後者の1,074万円の約1.5倍となっています。貯蓄現在高階級別の世帯分布を見ると、世帯主の年齢が60歳以上の世帯(二人以上の世帯)では、4,000万円以上の貯蓄を有する世帯が17.6%であり、全世帯(11.8%)と比べて高い水準となっています。
貯蓄現在高階級別世帯分布
さらに、金融資産の分布状況を世帯主の世代別に見ると、平成元(1989)年では60歳以上が31.9%でしたが、平成26(2014)年では64.5%と30ポイント以上上昇しています。
世代別金融資産分布状況
出典:内閣府『令和元年版高齢社会白書』
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