2020.4.3 シニアは体力に自信ある!?
前回のマーケターのつぶや記『2020.3.19 シニアは運動不足??』の記事では、シニアは他世代よりも日常的に運動しており、シニアの運動No.1はウォーキングでした。
今回は、引き続きスポーツ庁発表の平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」から、シニアは実際に体力に自信を持っているのか、運動不足と感じているのか…についてご紹介します。
70代は50代、60代よりも体力に自信がある!
自分の体力についてどのように感じているかを聞いたところ、「体力に自信がある」とする割合が 41.9%(「体力に自信がある」6.1%+「どちらかといえば体力に自信がある」35.8%)、「体力に不安 があある」とする割合が 54.9%(「どちらかといえば体力に不安がある」37.1%+「体力に不安があ る」17.8%)となっています。
年代別に見ると、年代が若いほど「体力に自信がある」とする割合が高い傾向にありますが、50代を底に60代、70代と上昇しています。特に、70代では 46.4%と最も高くなっています。
<年代別> 体力の自信の有無
70代は50代、60代よりも運動不足を感じていない!
普段運動不足を感じるかについて、「感じる」割合が 80.5%(「大いに感じる」39.3% +「ある程度感じる」41.2%)、「感じない」とする割合が 18.1%(「あまり感じない」13.7%+「ほ とんど(全く)感じない」4.4%)となっています。
年代別に見ると、30代~50代で運動不足を「感じる」とする割合が高い傾向がありますが、50代は15.5%、60代は20.5%、70代は27.9%と、年代が高くなるにつれ運動不足と感じてないそうです。
<年代別> 運動不足を感じるか
シニア世代は前回の記事でご紹介した通り、他世代よりも運動をしているため、体力に自信もあり、運動不足を感じていないようですね!
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皆さん、意識的に運動はされていますか?健康な身体で過ごすには、毎日に食生活と適度な運動が必須になります。
内閣府『令和元年版高齢社会白書』によると、平成28(2016)年時点での健康寿命は男性が72.14年、女性が74.79年となっており、それぞれ平成22年(2010)年と比べて延びています。さらに、同じ期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延びを上回っています。
厚生労働省は、この健康寿命を2040年までに2016年と比べて男女とも3年以上延ばす目標を掲げ、男性は75.14歳以上、女性は77.79歳以上を目指しています。また加齢に伴って心身の活力が低下する「フレイル」や、患者が急増する認知症予防の対策をすすめています。
普段から元気にからだを動かすことで 、うつ 、ロコモティブシンドローム、がん、脳卒中、心臓病、糖尿病、認知症などになるリスクを下げることができるとしており、厚生労働省が発表した『2013年健康づくりのための身体活動指針』によると、65歳以上は「じっとしている時間を減らして1日合計40分は動きましょう」としています。
では、実際にシニアは日常的に運動しているのでしょうか?今回はシニアの運動についてご紹介します。
<健康寿命とは…>
2000年にWHO(世界保健機関)が提唱したもので、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
シニアは他世代よりも運動している!
スポーツ実施率についてみてみると、週1日以上運動している割合は70代が一番多く75.0%となっており、一番低い40代と比べて28.3ポイントも高くなっています。60代についても18・19歳よりは低いものの、62.5%と非常に高くなっています。このことから、シニアのスポーツ実施率は他年代に比べて非常に高いことが分かります。
男女別にみると男性の方が実施率が高く、60代では女性が60.6%なのに対して64.5%、70代では女性が73.7%なのに対して73.7%となっています。
<スポーツ実施率> 年代別運動実施率 週1⽇以上
シニアの運動No.1はウォーキング
では、シニアは具体的にどのような運動をしているのでしょうか。平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、60代・70代ともに一番多いのは「ウォーキング」、次いで体操、階段昇降となっています。
ウォーキングに関しては60代が65.1%なのに対し、70代は72.8%と70代の方が割合が高くなっています。
この1年間に行った運動・スポーツの種目 上位20位抜粋
60代 | 70代 | |
ウォーキング | 65.1% | 72.8% |
体操 | 17.7% | 22.8% |
階段昇降 | 15.4% | 19.2% |
トレーニング | 12.5% | 14.4% |
自転車・サイクリング | 11.1% | 13.0% |
ゴルフ(コースでのラウンド) | 9.3% | 11.3% |
エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティス | 7.6% | 7.8% |
ゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ) | 7.0% | 7.9% |
ランニング・マラソン・駅伝 | 5.5% | 3.6% |
水泳 | 5.5% | 6.0% |
登山トレッキング・トレイルランニング・ロッククライミング | 5.1% | 5.9% |
ボウリング | 3.5% | 3.1% |
釣り | 3.4% | 3.7% |
ハイキング・ワンダーフォーゲル・オリエンテーリング | 3.4% | 5.4% |
テニス・ソフトテニス | 3.0% | 2.6% |
卓球 | 2.8% | 3.8% |
ダンス | 2.8% | 3.9% |
スキー | 2.4% | 2.4% |
バドミントン | 1.5% | 1.1% |
縄跳び | 1.3% | 0.7% |
キャッチボール | 0.8% | 0.6% |
その他 | 1.0% | 1.3% |
平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(平成31年1月調査)を加工して作成
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「シニア」や「シルバー」、「高齢者」、「老人」、「お年寄り」など、様々な呼び方がありますが、実際のところ言葉の定義は非常に曖昧です。シニアの定義・カテゴライズ で詳しくご紹介していますが、一般的には、世界保健機構(WHO)が定義する65歳以上の人を「シニア」「高齢者」と捉える傾向にあります。
尚、シニアライフ総研®では、「シニア」を年齢軸で、現役で会社勤めをする層も含めて、広く「55歳以上の男女」と設定しています。
※シニアの定義・カテゴライズはこちらから
※シニアライフ総研®独自の6つのカテゴリ別の特徴はこちらから
ただ…何となく「シニア」よりも「シルバー」という言葉の方が年齢が年齢が高く感じることはありませんか?そこで、今回は「シルバー」の定義や由来についてご紹介します。
何才からシニア、シルバー、老人、お年寄り、高齢者、と思ってる?
まず、実際のご年配の皆さんご自身は各呼び名についてどう思っているのでしょうか。博報堂生活総合研究所が2016年に60歳~74歳の男女に調査した「シルバー調査」のデータをご紹介します。
「それぞれについて、あなたのお考えでは何才位からだと思われますか?という質問に対しての平均年齢が以下の通りです。
平均 | |
「高齢者」といったら何才位から | 72.16歳 |
「シルバー」といったら何才位から | 68.94歳 |
「老人」といったら何才位から | 75.38歳 |
「お年寄り」といったら何才位から | 74.86歳 |
「シニア」といったら何才位から | 65.53歳 |
年齢の高い順に並べると①老人 ②お年寄り ③高齢者 ④シルバー ⑤シニア ということになり、横文字の方がより若いイメージがあるようですね。
「シルバー」とは…その由来は…
「シニア」は英語「senior」でも、年長者、年上…、日本と同様の使い方をしていますが、「シルバー」は和製英語なのはご存じですか?英語で「silver」といえば、銀、銀食器、銀色という意味です。高齢者といえば白髪が生えているイメージから「シルバー」という言葉が使われていると思われがちですが、実は全く関係ありません。では、なぜ高齢者のことを「シルバー」と呼ぶようになったのでしょうか…
それは、まだJRが国鉄だった時代に遡ります。国鉄は当時、低運賃や快適なサービスを提供する私鉄に流れてしまった乗客を取り戻そうと新たな施策を模索していました。そこで、1973年9月15日の敬老の日に、高齢者や身体が不自由な人のためのサービスとして、山手線、京浜東北線、中央線で優先席を設けることにしました。
しかし、1972年8月26日の読売新聞では、「国鉄赤字8千億円に」と見出しがつくほど、国鉄といえば財政難が課題となっていました。そのため、新たに優先席用に新たな生地を用意する余裕もなく、せめて普通席と区別しやすいように、優先席の色を違う色にしようと考えられた結果、偶然にも国鉄の工場に在庫として余っていた新幹線の座席カバーを使用することになったそうです。
この座席カバーの色がシルバーだったことが由来となり、その後、高齢者などが座る優先席のことを「シルバーシート」と呼ぶようになったのです。国鉄としては「シルバー=高齢者」という意味を定着させるつもりはなかったものの、偶然にもシルバーシートから派生したそうです。
特に誰が「シルバー」を定義しているわけではありません。そのため、各企業がそれぞれのサービスによって定義しているようです。
ただ、当事者の方々は「年寄り扱いされたくない!」という方が多いようですので、シニア・シルバー向けのキャッチコピーは注意しなければならないですね!
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新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で懸念されています。発生源となった中国では、※78,630名の感染者・2,747名の死亡者が確認されています。また、クルーズ船での集団感染を始め日本国内でも感染者が増加しており、※186名の感染者・4名の死亡者が確認されています。
毎日、メディアやSNSなどを通じて、感染の広がりや政府の対応に関する情報が飛び交い、不安を募らせている方も多いかと思います。しかし、一部では、少々ヒートアップしすぎなのでは?という声もあるようです。
確かに致死率はインフルエンザの方が高いですが、新型のウイルスのため今後どのぐらいの影響が生じるのか分からず、予防接種や治療薬もないことから、不安を募らせている方が多いのが現状です。
そこで、今回はコロナウイルスと高齢者についてご紹介いたします。
※患者数・死亡者数:WHOサイトより(2020年2月28日12時)
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
コロナウイルスとは?症状は?
既にご存じだと思いますが、コロナウイルスは、動物や人間に病気を引き起こす可能性のあるウイルスで、コロナウイルス病COVID-19を引き起こします。
最も一般的な症状は、発熱、疲労感、空咳です。一部の患者では、関節の痛み、鼻詰まり、鼻水、のどの痛み、または下痢を起こすことがあります。これらの症状は徐々に始まります。約80%の人は特別な治療を受けずに回復しますが、感染した6人に約1人が呼吸困難などの重症化するようです。
特に、高齢者や、高血圧、心臓病、糖尿病などの疾患がある人は、重症化する可能性が高くなり、※現時点で日本国内で確認されている死亡者4名は、80代男性が3名、80代女性が1名と、いずれも80代の高齢者となっています。
また、※現時点で日本国内のコロナウイルスによる死亡率は約2.2%となっており、世界で見ると約3.4%となっています。
※患者数・死亡者数:WHOサイトより(2020年2月28日12時)
※日本国内死亡者情報:厚生労働省より(2020年2月28日12時)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
インフルエンザで見る、高齢者の危険度
既に国内で4名の80代の方がコロナウイルスにより亡くなられており、世界各国でも高齢者が死亡に至る可能性が高いため、今後注意が必要です。
以前、『2019.11.22 高齢者のインフルエンザについて』の記事でご紹介しましたが、昨年度のインフルエンザによる発症者数が最も多かった2019年1月の入院患者を年齢別に見ると、80歳以上が最も多く、36.9%となっていました。また70~79歳は19.3%、60~69歳は9.1%となっており、60歳以上で全体の65.3%を占めていました。
過去10年間のインフルエンザが死因による死亡者数を見ると増加傾向にあり、80歳以上が特に増加していることが分かります。直近2018年は80代が1,317名で全体の約4割、90代が1,203名で3.6割となっており、65歳以上の高齢者は全死亡者数のうち94%となっています。
インフルエンザによる死亡者数の推移
このように、インフルエンザを見ても、ウイルス感染者は幼児や子供などの若い世代にも多いものの、死亡者数は高齢者の方が圧倒的に高いため、特に医療機関や高齢者向けの施設は院内感染対策と、予防対策をしっかり行う必要があります。
新型コロナウイルスを防ぐには
新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染により感染します。空気感染は起きていないと考えられていますが、閉鎖した空間・近距離での多人数の会話等には注意が必要です。中でも、最低限の手洗いと”うがい”は必須となります。そのほか、首相官邸HPで公表されているものをご紹介します。(動画出典:政府インターネットテレビ)
新型コロナウイルス関連リンク
連日の報道から、SNS等でデマも多く拡散されているようです。コロナウイルスに関する情報には信頼できるものを参考にしてください。
- WHOホームページ:https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
- 首相官邸ホームページ:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html
- 厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
- 厚生労働省検疫所ホームページ:https://www.forth.go.jp/topics/fragment1.html
- 外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
- 経済産業省ホームページ:https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
- 文部科学省ホームページ:https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html
- 国土交通省官公庁ホームページ:http://www.mlit.go.jp/kankocho/page01_000624.html
- 東京都ホームページ:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/tosei/news/2019-ncov.html
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皆さまは、ご家族やご親戚内で「長寿祝い」をされていますか?
両親や祖父母に元気で長生きして欲しいと思うのは家族であれば当然です。そのような気持ち思いの表れとして、日本では古くからさまざまな長寿祝いで人生の節目を祝ってきました。
今回はその豊かな人生を祝う「賀寿」についてご紹介します。
「賀寿」とは?その歴史は?
「賀寿」とは、長寿を祝福し、周りの者が長寿にあやかるお祝いです。算賀〔さんが〕、賀の祝い、長寿の祝いとも呼ばれています。
「吾、十有五にして学に志、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順、七十にして心の欲する所に従いて矩を踰えず」という有名な言葉がありますが、紀元前550年頃存在した思想家・孔子が説いた儒教では、敬老思想や長寿を尊ぶ思想がありました。
この思想が日本にも伝わり、奈良から平安時代にかけて40歳(四十賀)、50歳(五十賀)、60歳(六十賀)をそれぞれ長寿の年として、貴族の間で祝う風習が生まれました。この頃は詩を送ることで長寿を祝う風習だったそうです。
しかし、鎌倉時代以降、40歳(四十賀)や50歳(五十賀)という考えは薄れ、古希(70歳)や喜寿(77歳)などより長命の長寿祝いが誕生し、呼び名も現在のように変化しました。鎌倉時代にまだまだ平均寿命が短いこの時代に、なぜ70歳の古希、77歳の喜寿などの長寿祝いが生まれのか?これは…平清盛のひ孫である藤原貞子が107歳まで生きたためだと言われています。古希・喜寿・米寿・白寿のテーマカラーが紫色であるのは、当時高貴な身分の人しか着られなかった紫色の衣装を藤原貞子が着ていたためではないかとも言われています。
江戸時代になると、還暦(60歳)が生まれ、傘寿(80歳)、半寿(88歳)、卒寿(90歳)などのバリエーションも誕生しています。ちなみに、77歳や88歳などの「ぞろ目」が多いのは、中国では昔から「ぞろ目」を不吉な数字と捉えていて、この年にはお祝いすることで厄払いをしようと考えていたためです。
このように、「賀寿」には長い歴史があるのですが、2002年に「緑寿」が日本百貨店協会によって提唱されています。緑寿は数え年66歳の方の長寿を祝うものです。平均寿命が延び、65歳での定年が定着した現代では、還暦の60歳はまだまだ現役世代です。そのため緑寿には、65歳で定年を迎えたこれまでの労いと、まさにこれから第2の人生を元気に歩み出す人へのエールが込められた賀寿となっています。
長寿祝いの種類とその由来
長寿祝いは還暦から始まり、本来は数え年の誕生日に祝うものでしたが、最近は満年齢で祝う人が多くなっています。長寿を祝う節目の年齢にはそれぞれ名前が付けられていて由来があります。それぞれの長寿祝いの年齢・由来をご紹介します。
呼び方 | 年齢 | 由来 |
還暦 | 61歳 (満60歳) | 60年で十干十二支(じっかんじゅうにし)が一巡してもとの暦に還ることに由来。赤いちゃんちゃんこは赤子に戻りもう一度生まれ変わって出直すという意味。長寿祝いの色は赤・朱。 |
緑寿 (ろくじゅ) | 66歳 | 「緑」を「ろく」とも読むことから「66=ろくろく=緑緑寿」を完結したもの。 長寿祝いの色は緑。 |
古希 (こき) | 70歳 | 中国の詩人、杜甫の詩の一節「人生七十古来稀なり」に由来。 長寿祝いの色は紫。 |
喜寿 (きじゅ) | 77歳 | 喜の草書を楷書にすると「㐂」と書き、字を分解すると十七の上に七が付いたような文字となることに由来。 長寿祝いの色は紫。 |
傘寿 (さんじゅ) | 80歳 | 「八十寿(やそじゅ)」とも言う。傘の字の略字「仐」を分解すると八十となることに由来。 長寿祝いの色は金茶。 |
米寿 (べいじゅ) | 88歳 | 米の字を分解すると八十八となることに由来。 長寿祝いの色は金茶。 |
卒寿 (そつじゅ) | 90歳 | 卒の字の略字「卆」が九十と読めることに由来。 長寿祝いの色は白。 |
白寿 (はくじゅ) | 99歳 | 百の字から一を引くと「白」になることに由来。 長寿祝いの色は白。 |
百寿 (ももじゅ) | 100歳 | 100歳であることから百寿。ひゃくじゅ。紀寿(きじゅ)とも。紀は一世紀を表すことから。 長寿祝いの色は白。 |
茶寿 (ちゃじゅ) | 108歳 | 茶の字を分解すると八十八、十、十となり、すべて合わせると108になることに由来。 |
皇寿 (こうじゅ) | 111歳 | 皇の字を分解すると白(99歳)、一、十、一となり、すべて合わせると111になることに由来。 |
大還暦 (だいかんれき) | 120歳 | 2回目の還暦。 |
「人生50年」と呼ばれた昔は、還暦まで長生きすることが珍しい時代でしたが、平均寿命が長くなった現在は60歳を超えても元気な人が多くなりました。そのため、還暦の祝いはあまり大げさにはせず、古稀や喜寿くらいから盛大に祝うのが一般的になってるようですよ!
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2020/1/31
以前の「2020.1.16 シニアにとってのメディア別重要度」の記事ではシニアが情報源として、趣味・娯楽について、それぞれのメディアがどのくらい重要だと感じているかについてご紹介しました。それは…
- シニアにとって情報源としての情報度が高いものは”テレビ”と”新聞”“インターネット”については全世代よりも低い
- シニアが娯楽として活用するメディアの重要度は”テレビ”が最も高く、“新聞”はあくまでも情報収集メディアと捉えられている可能性が高い
ということでした。
今回は、テレビ、新聞、雑誌、インターネットの4つのメディアについて、どのくらい”信用”しているかについてご紹介します。
シニアが最も信頼しているメディアは”新聞”、最も信頼していないのは”インターネット”
テレビ、新聞、雑誌、インターネットという4つのメディアについて、それぞれのメディアに信頼できる情報がどの程度あると思うかについて、平成30年度の全世代では”新聞”が最も多く68.6%、次いでテレビ”63.7%、”インターネット”32.2%、”雑誌”16.8%の順となっており、各メディアの『重要度』はテレビが最も高かった(88.3%※)のに対し、『信頼度』は新聞の方が高いという結果になっています。更に、”インターネット”への『重要度』もテレビには劣るものの高い数値(77.5%※)だったのに対し、『信頼度』になると、32.2%と半分以下の数値となっています。
このことから、全世代において、”インターネット”は情報として積極的に接しているものの信頼度は低く、またその自覚を持った上でネット上の情報を取捨選択していると言えます。
世代別で見ると、20代は”テレビ”と”新聞”の信頼度が全世代よりも低く”インターネット”及び”雑誌”の信頼度が最も高い世代となっています。
60代を見てみると、20代とは相反しており”インターネット”の信頼度が最も低く27.4%、また”雑誌”も10.0%と最も低い世代となっています。
このことから、シニアは”新聞”の情報への信頼度が最も高く、”インターネット”への信頼度は最も低い世代のようです。
1年前と比べてシニアの”テレビ”と”新聞”の情報に対する信頼度は下がっている
前年の平成29年度と比較してみると、全年代では大きく差異はありませんが、”インターネット”の信頼度が1.4%アップしています。その他特徴的なのは…
- 30代:”テレビ”の信頼度が10.8%アップ(55.0%⇒65.8%)
- 30代:”新聞”の信頼度が8.6%アップ(63.4%⇒72.0%)
- 40代:”インターネット”の信頼度が7.1%ダウン(38.6%⇒31.5%)
となっています。
60代の変化を見てみると、
- テレビ:7.5%ダウン(71.4%⇒63.9%)
- 新聞:6.4%ダウン(77.6%⇒71.2%)
- インターネット:3.4%アップ(24.0%⇒27.4%)
- 雑誌:3.8%ダウン(13.8%⇒10.0%)
と、他世代に比べて”テレビ”と”新聞”への信頼度が大きく下がっています。その反面、”インターネット”への信頼度がアップしています。
インターネットやスマートフォンの普及によって情報収集経路が増えているため、年々信頼度も変化しているようです。
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以前の「2020.1.16 シニアが世の中の動きについて情報を得るメディア」の記事ではシニアが自分が欲しい情報によって、どうメディアを使い分けているかについてご紹介しました。それは…
- 「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ためにシニアが利用するメディアは”テレビ”
- 「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ためにシニアが利用するのは”テレビ”と”新聞”
ということでした。
今回は、前回の記事に引き続き、シニアが情報を得るために、どうメディアを使い分けているのかをご紹介します。
「趣味・娯楽いに関する情報を得る」ために
シニアが利用するメディアは”インターネット”より”マスメディア”が多い
「趣味・娯楽に関する情報を得る」ために一番利用するメディアについて、全世代では”インターネット”が最も多く66.3%、次いで”テレビ”20.3%、”雑誌”5.4%の順となっており、過半数が”インターネット”を使っていることが分かります。
世代別で見ると、10代~40代はいずれも、”インターネット”、”テレビ”の利用が最も多いのですが、50代は”インターネット”、”テレビ”に次いで、”雑誌”が7.4%となっており、他世代よりも若干多くなっています。
また、60代に関しては、他世代と大きく比率が異なり、1位は”インターネット”なのは変わりませんが、全体が66.3%だったのに対し33.1%と約半数となっています。また、”テレビ”についても32.4%となっており、他世代よりも高い数値になっています。その他特徴的なのは、”新聞”が8.0%と全体平均の約4倍であり、”雑誌”11.0%で全体の約2倍、”書籍”5.7%で全体の約3倍となっています。
このことから、50代までは圧倒的にインターネットが多く過半数を占めており、60代はインターネットを使っていないわけではないが、「趣味・娯楽」に関しての情報はマスメディアからの情報収集が若い世代よりも多いことが分かります。
「仕事や調べものに役立つ情報を得る」ために
シニアが利用するメディアは他世代より紙メディアが多い
「仕事や調べものに役立つ情報を得る」ために一番利用するメディアについて、全世代は”インターネット”が圧倒的に多く81.5%、次いで”テレビ”20.3%となっています。
世代別で見ると、10代~50代はいずれも、”インターネット”の利用が圧倒的で全体の8割を超える中、50代は10代~40代に比べて”新聞”、”書籍”の割合が高くなっています。
また、60代に関しては、他世代と大きく比率が異なり、1位は”インターネット”である事は変わりませんが、全体が81.5%だったのに対し58.9%となっています。50代と同様に”新聞”、”書籍”に加え”雑誌”の利用も比較的多く、”新聞”は7.0%と全体の約3倍、”書籍”は11.0%で約2倍、”雑誌”は2.7%で全体の約3倍となっています。
このことから、50代までは圧倒的にインターネットが多く過半数を占めており、それは60代も変わらないものの、「仕事や調べものに役立つ情報」に関しての情報は、紙媒体からの情報収集が若い世代よりも多いことが分かります。
※総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を加工して作成
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2020/1/31
以前の「2020.1.24 シニアが娯楽・趣味について情報を得るメディア」の記事ではシニアが趣味・娯楽についてどうメディアを使い分けているかについてご紹介しました。それは…
- 「趣味・娯楽いに関する情報を得る」ためにシニアが利用するメディアは”インターネット”より”マスメディア”が多い
- 「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ためにシニアが利用するのは”テレビ”と”新聞”
ということでした。
今回は、テレビ、新聞、雑誌、インターネットの4つのメディアについて、それぞれのメディアが「情報を得るための手段(情報源)」として、あるいは「楽しみを得るための手段」として、どの程度重要かについてご紹介します。
シニアにとって情報源としての情報度が高いものは”テレビ”と”新聞”
“インターネット”については全世代よりも低い
「情報源」のための重要度に関して、全世代では”テレビ”が最も多く88.3%、次いで”インターネット”77.5%、”新聞”59.5%、”雑誌”18.8%の順となっており、”テレビ”と”インターネット”の重要度が非常に高いことが分かります。
世代別で見ると、10代は”インターネット”よりも”テレビ”の方が重要度が高いですが、20代・30代は”インターネット”が”テレビ”を上回っています。
60代を見てみると、”テレビ”が91.0%と最も重要度が高いものの、50代よりも0.5%低くなっています。また、”新聞の重要度が82.9%と全年代が59.5%なのに対し、約1.4倍の数値となっています。更に、”インターネット”に関しては54.2%と全体の約7割と低くなっています。
このことから、シニアは”テレビ”と”新聞”の重要度が非常に高く、若い世代よりも”インターネット”の重要度が低いようです。
シニアが娯楽として活用するメディアの重要度は”テレビ”が最も高いが、
“新聞”はあくまでも情報収集メディアと捉えられている可能性が高い
「娯楽」のための重要度に関して、全世代は”テレビ”が最も多く87.9%、次いで”インターネット”81.5%、”雑誌”37.5%、”新聞”36.6%の順になっています。先ほどご紹介した「情報源としての重要度」と同様に”テレビ”が最も多いのですが、大きな違いは”雑誌”の重要度が約2倍となっていることです。
世代別で見ると、10~30代は、”インターネット”が”テレビ”を上回り、40代は同数値となっています。
60代を見てみると、”テレビ”が90.3%と最も重要度が高く、次いで”新聞”66.9%、”インターネット”57.9%、雑誌”32.4%と、「情報源としての重要度」と大きな違いはありませんが、”新聞”の重要度が27ポイントも低くなっています。
このことから、シニアは娯楽として”テレビ”の重要度が高く、”新聞”はあくまでも情報収集として活用している人が多い可能性があると言えます。
※総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を加工して作成
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新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
シニア向けの新たな商品やサービスが増えているのは勿論ですが、最近では再雇用の促進や、介護・医療問題へのAIの活用など、シニアマーケットは更なる発展が続いています。
シニアライフ総研では、昨年以上に皆さまにとって有益となるようなシニアマーケット関連情報を今年も発信して参りますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
お正月の恒例行事といえば”お年玉”ですが、皆さまいくらあげましたか?私の子供時代はおじいちゃん、おばあちゃんからのお年玉は、他の親戚等と比べて毎年金額が多かった気がします。きっと今どきの子供も、じーじ、ばーばに期待しているのではないでしょうか?
今回は、そんなシニアのお年玉事情についてご紹介します。
2020年のお年玉の金額平均値は4,470円、年々高額化し1940年代の約6倍に
リーディングテック株式会社(東京都江東区)の『お年玉実態調査2020』によると、2020年の1封あたり(1人あたり)のお年玉の金額は平均値が4,470円、中央値が3,000円となっています。
また、回答者自身が幼少期に貰ったお年玉の1封あたりの金額は、回答者の年齢が上がるにつれて低くなることが分かりました。このことから、昔と比べて今のお年玉の金額が上昇しているといえます。
次の図は、回答者の年齢からお年玉を貰った時期を逆算し、年代別に整理しなおしたものです。
これによるとお年玉の金額は長期にわたって一貫して上昇しており、2000年代のお年玉金額は1940年代から約6倍になっていることが分かります。
リーディングテック株式会社(東京都江東区)『お年玉実態調査2020』
【URL】https://wiseloan-cash.com/otoshidama2020/
2018年の孫一人あたりのお年玉相場は平均7,700円
株式会社あおぞら銀行による『「シニアのリアル調査」2018』によると、2018年の孫一人あたりのお年玉金額は平均7,700円となっています。(調査対象:全国55~74歳の男女 合計2,071人)
調査年が異なりますので一概には言えないですが、上述の2020年の平均値4,470円と比較すると、シニアは全体よりも多くお年玉をあげている傾向にあります。
年齢に比例して孫へのお年玉金額は高額化
年代別では、70代前半が8,600円と平均額が最も高くなっています。60代が7,600円、50代後半5,300円とシニアの年齢が高齢になるほど金額も高い傾向にあるようです。
株式会社あおぞら銀行『「シニアのリアル調査」2018』
【URL】https://www.aozorabank.co.jp/about/newsrelease/2018/pdf/18121301_n.pdf
昔に比べて子供の数が少なくなっているため、1人あたりの金額がアップしているのかもしれませんが、やはり今も昔も、やはりじーじ、ばーばからのお年玉は多いようですね!
以前の「2019.12.26 高齢者のテレビ・ラジオ・ネット・新聞の利用時間」の記事では、他世代と比べたシニアのメディア接触時間に関して…
- 60代のテレビ(リアルタイム)視聴時間について、平日は全世代の約1.6倍、休日は約1.4倍
- 50代の1日のネット利用は約110分、60代は約60分
- 新聞購読時間について、60代のは世代別で一番長く、平日は全世代の約2.8倍の時間
- 50代・60代の平日ラジオ聴取時間は休日の約1.6倍
という事をご紹介しました。
今回は、シニアが自分が欲しい情報によって、どうメディアを使い分けているか、総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」のデータを元にご紹介します。
「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために
シニアが利用するメディアはテレビ
「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために一番利用するメディアについて、全世代ではインターネットが最も多く50.7%、次いでテレビ45.3%となっており、3位以下のメディアと大きな差があります。
世代別で見ると、20代・30代のテレビの利用は他世代と比較して少なく、年代が上がるにつれてテレビの利用が多くなる傾向があります。50代は53.3%と半数がテレビと回答しており、60代に至っては69.9%となっており、シニア世代には世の中のできごとや動きを知るためのメインメディアといえます。
また、20代~40代はテレビよりもインターネット利用が多くなっており半数以上がインターネットとなっています。その反面、60代は23.7%と非常に低くなっており、50代も41.5%と半数以下となっています。
「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ために
シニアが利用するのはテレビと新聞
「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ために一番利用するメディアについて、全世代はでテレビが最も多く55.2%、次いでインターネット21.6%、新聞18.9%となっています。
上述の通り、「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために一番利用するメディアについては、インターネットが最も多く50.7%、次いでテレビ45.3%となっており、新聞は2.3%と、新聞は低い数値でしたが、「信用できる情報」となると、新聞の数値が非常に高くなり、インターネットは早い情報を得るためには利用されているものの、そこまで信頼度の高いメディアではないと言えます。
世代別で見ると、全世代変わらずテレビが一番多いのは変わりませんが、10代~40代までインターネットが新聞を上回っています。その反面、50代は新聞21.9%でインターネットは15.6%、60代は新聞28.4%でインターネットは8.4%と、インターネットよりも新聞への信頼度が高く、年代が上がるにつれ新聞への信頼度が高い傾向にあるようです。
※総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を加工して作成
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2019年12月13日のマーケターのつぶや記「2019.12.13 高齢者のスマホ利用率」記事では、シニアのスマホ利用率についてご紹介しました。
総務省の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、全世代のスマートフォンの利用率は87.0%なのに対し、50代のスマートフォンの利用率は85.9%と全世代とほぼ大差なく、60代は60.5%と半数以上がスマートフォンを利用していました。利用率も年々上昇していており、今後更に広がるとみられています。
その他のメディアはどのくらい見られているのでしょうか?
今回は、総務省の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」より、テレビ、インターネット、新聞、ラジオの利用時間についてご紹介します。
60代のテレビ(リアルタイム)視聴時間について、
平日は全世代の約1.6倍、休日は約1.4倍
平日のテレビ(リアルタイム)視聴時間は、概ね年代が上がると共に平均時間が長くなっています。全世代は156.7分なのに対し、50代は176.9分となっており全世代の約1.4倍、60代は248.7分となっており全世代の約1.6倍となっております。
休日に関しては、概ね平日よりも視聴時間が長くなっており、全世代は219.8分なのに対し、50代は260.8分となっており全世代の約1.2倍、60代は315.3分となっており全世代の約1.4倍となっています。
テレビ(録画)視聴時間は平日・休日共に、世代別に見ても大きな差はなく、平日よりも休日の方が長くなっています。
50代の1日のネット利用は約110分、60代は約60分
平日のネット利用時間は、10代が一番長くなっています。全世代は145.8分なのに対し、50代は104.3分となっており全世代との大きな差はありません。60代は60.9分と全世代の約5.4割となっており、1日約1時間の利用時間となっています。
休日のネット利用時間も平日と同様に10代が一番長くなっており、全世代の約1.9倍と非常に差が大きくなっています。それに対して50代は115.0分で全世代の約8割、60代は64.3分で約4割と非常に少なくなっています。
新聞購読時間について、60代のは世代別で一番長く、平日は全世代の約2.8倍の時間
平日の新聞購読については、全世代が8.7分となっているのに対し、50代は12.9分と約1.5倍、60代は23.1分と約2.7倍となっており、シニア世代は時間をかけて読んでいることが分かります。
また休日については、平日よりも全世代において購読時間が長くなっており、平日よりもじっくり読まれる傾向にあります。全世代は10.3分となっているのに対し、50代は15.3分と約1.5倍、60代は26.1分と約2.5倍となっています。
ただし、10代の購読時間は非常に少なくなっており、平日で0.3分、休日で0.9分と、いずれも1分も購読されていません。
50代・60代の平日ラジオ聴取時間は休日の約1.6倍
平日のラジオ聴取時間ついては、概ね年代が上がると共に平均聴取時間が長くなっています。全世代が13.0分となっているのに対し、50代は17.2分と約1.3倍、60代は22.8分と約1.8倍となっており、シニア世代は約20分程度聞いているようです。
また休日については、10代・20代が平日よりも聴取時間が長くなっていますが、その他の世代は休日の方が短くなっており、平日の方がよく聞かれている傾向にあります。全世代は7.5分となっているのに対し、50代は10.4分と約1.4倍、60代は14.1分と約1.9倍となっています。
ただし、10代・20代の聴取時間は非常に短くなてとり、平日・休日共に3分以内となっています。
※総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を加工して作成
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前回のマーケターのつぶや記「2019.12.13 高齢者のスマホ利用率」記事では、シニアのスマホ利用率についてご紹介しました。
総務省の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、全世代のスマートフォンの利用率は87.0%なのに対し、50代のスマートフォンの利用率は85.9%と全世代とほぼ大差なく、60代は60.5%と半数以上がスマートフォンを利用していました。利用率も年々上昇していており、今後更に広がるとみられています。
スマートフォンの機能も多様化しており、元来の携帯電話の機能であった電話とメールだけでなく、動画を見たり、インターネットで調べたり、facebookやTwitter、InstagramをはじめとしたSNSを通じてリアルの繋がりだけでなくインターネット上のみでのコミュニティも広がり、文字だけでなく写真や動画、様々な情報を共有することができます。
若い世代で高まるソーシャルメディア利用率ですが、シニア世代はどうなのでしょうか。そこで今回は、シニアのソーシャルメディアの利用率についてご紹介します。
ソーシャルメディア系サービス/アプリで利用率が一番高いのは『LINE』
全世代85.3%の利用率
総務省の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、LINEは、全年代では82.3%となっており、前年度から利用率がアップしており、8割を超え最も利用率が高くなっています。年代別で見ても、10代以外の各年代において最も利用率が高くなっています。
ユーザ同士の交流やコミュニケーションを主な目的とするソーシャルメディア系サービス/アプリでは、全年代の利用率で見ると、Twitter37.3%、Instagram35.5%、Facebook32.8%がこれに続いています。
50代の利用率が高いソーシャルメディアは、
利用率82.6%の『LINE』、次いで29.3%『facebook』、24.4%『Instagram』
50代の2012年からの推移を見てみると、一番利用率の上昇率が高いのが『LINE』となっており、2012年の利用率5.7%に対し2018年は82.6%となっています。また2012年に8.4%と最も利用率の高かった『Twitter』については、2018年には23.0%と上昇しているものの、『LINE』ほどの拡大ではありません。
『facebook』については、2012年は6.1%でしたが、2018年には29.3%となり、『LINE』に次いで50代の利用率が高いソーシャルメディアとなっています。更に『Instagram』の利用率も上昇しており2018年は24.4%と、『LINE』、『facebook』に次いで利用率が高くなっています。
60代の利用率が高いソーシャルメディアは、
利用率52.8%の『LINE』、次いで14.4%『facebook』、9.0%『Twitter』
60代の2012年からの推移を見てみると、一番利用率の上昇率が高いのは50代と同様に『LINE』となっており、2012年の利用率2.7%に対し2018年は52.8%と半数以上が利用しています。
また、『facebook』については、2012年は3.7%でしたが、2018年には14.4%となり、『LINE』に次いで60代の利用率が高いソーシャルメディアとなっています。
更に2012年に4.3%と最も利用率の高かった『Twitter』については、2018年には9.0%と上昇しているものの、そこまでの大きな拡大に至っていませんが、『LINE』、『facebook』に次いで利用率の高いソーシャルメディアとなっています。
とはいえ、50代と比べると全体的に利用率が低くなっており、シニア世代へのソーシャルメディア浸透には時間がかかりそうです。
※総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を加工して作成
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最近、電車やバス内、レストランやカフェ等、皆がスマートフォンの画面を眺めている光景をよく目にします。分からないことをインターネットで調べたり、音楽を聴いたり、動画を見たり、写真を撮ったりと、スマートフォンの用途は大幅に広がっています。
更にfacebookやTwitter、InstagramをはじめとしたSNSを通じてリアルの繋がりだけでなく、インターネット上のみでのコミュニティも広がり、文字だけでなく写真や動画、様々な情報を共有することができます。
また、ここ最近ではスマートフォンでの支払い決済も普及し、財布代わりとしても使われるようになっています。
1人に1台が当たり前のようになったスマートフォンですが、シニア世代はどうなのでしょうか。
今回は、高齢者のスマホ利用率についてご紹介します。
スマホ利用率は全世代で87.0%、50代は85.9%、60代は60.5%
総務省の「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、全世代のスマートフォンの利用率は87.0%、フィーチャーフォンの利用率は 20.7%、タブレットの利用率は37.1%となっています。
世代別に見ると、50代のスマートフォンの利用率は85.9%と全世代とほぼ大差なく、60代は60.5%と半数以上がスマートフォンを利用していることがわかります。
スマートフォンの登場により利用率が低いフィーチャーフォンについては、全世代が20.7%なのに対し50代は23.3%、60代は42.1%と、スマートフォンと逆で年齢が高くなるにつれ、利用率が高くなっています。
タブレットに関しては世代間に大きな差は見られず、全世代が37.1%になっており、50代は35.9%、60代は27.4%となっています。
50代の2012年からの推移を見てみると、スマートフォン利用率は2012年13.7%であったのに対し2018年は85.9%と約72%増加しています。それに対してフィーチャーフォンは85.1%から23.3%と約62%減少しており、スマートフォンとフィーチャーフォンの利用率は反比例しています。タブレットは年々利用率が上昇しています。
60代の推移について、スマートフォン利用率は2012年4.7%であったのに対し2018年は60.5%と約66%増加しています。それに対してフィーチャーフォンは81.7%から42.1%と約40%減少していますが、50代と比べ未だに利用率は4割となっています。
※データ出典元:総務省「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を加工して作成
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病気や怪我をした際、病院や診療所などの医療機関や調剤薬局などで診察・投薬・治療・その他必要な医療サービスを受けることができます。医療保険制度があることによって、医療費を全額自分で負担することなく、原則的には3割負担となっています。ただし、義務教育就学前の子供は2割、70~74歳は所得に応じて2割または3割、75歳以上の後期高齢者医療制度の被保険者は所得に応じて1割または3割となっています。
しかしながら、2019年11月27日、日本政府は75歳以上の後期高齢者の医療機関での窓口負担について、現在の1割から2割負担に引き上げる方向で最終調整に入り、令和4(2022)年度から制度を改める見通しだという報道がありました。団塊の世代(昭和22~24年生まれ)が75歳以上になり始めるのが令和4(2022)年度であり、社会保障費が急増するためだそうです。75歳以上の医療費は伸び続ける一方、費用の4割を現役世代による保険料で賄っているため、世代間の公平性を確保するのが狙いと言われています。
医療費の窓口負担割合
今回は、この高齢者の医療費についてご紹介します。
現在の人口構造
日本の人口は平成20(2008)年の1億2,808万人をピークに減少に転じました。しかしながら65歳以上人口と高齢化率は上昇傾向にあります。
65歳以上人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった平成27(2015)年に3,387万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる平成37(2025)年には3,677万人に達すると見込まれています。
その後も65歳以上人口は増加傾向が続き、平成54(2042)年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。
総人口が減少する中で65歳以上の者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、平成48(2036)年に33.3%で3人に1人となる。平成54(2042)年以降は65歳以上人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、平成77(2065)年には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来すると推計されています。総人口に占める75歳以上人口の割合は、平成77(2065)年には25.5%となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されています。
65歳以上人口のうち、65~74歳人口は「団塊の世代」が高齢期に入った後に平成28(2016)年の1,768万人でピークを迎え、その後は、平成40(2028)年まで減少傾向となるが再び増加に転じ、平成53(2041)年の1,715万人に至った後、減少に転じると推計されています。
一方、75歳以上人口は増加を続け、平成30(2018)年には65~74歳人口を上回り、その後も平成66(2054)年まで増加傾向が続くものと見込まれています。
高齢化の推移と将来推計
世代別にみる国民医療費
先日報道された、75歳以上の医療費2割への引き上げについては、急速に進む少子高齢化を背景に、負担をめぐる世代間格差の是正が狙いだそうです。
それでは、国民医療費についてはどのくらい規模で推移しているのでしょうか。
平成9(1997)年の国民医療費は約28兆9,000億円でしたが、10年後の平成19(2007)年には約34兆1,000億円となり、平成29(2017)年には約43兆1,000億円となり、20年前の約1.5倍となっています。
65歳以上の医療費を見てみると、平成9(1997)年は約13兆5,000億円(構成比46.7%)でしたが、10年後の平成19(2007)年には約18兆3,000億円となり、平成29(2017)年には約25兆9,000億円となり、20年前の約1.9倍となっています。
また、平成29(2017)年は国民医療費の60.3%が65歳以上で占めています。
世代別国民医療費推移
世代別国民医療費構成割合推移
更に、平成29(2017)年の人口一人あたりの国民医療費を見てみると、15~44歳が122.7千円であるのに対し、65歳以上はその約6倍の738.3千円、70歳以上は約7倍の834.1千円、75歳以上に至っては約7.5倍の921.5千円となっており、65歳以上の医療費が若年層と比較し、非常に高額であり、世代間で大きな医療費格差があることが分かります。
平成29(2017)年 人口一人あたりの国民医療費
財源別に見る国民医療費
平成29(2017)年の国民医療費を財源別にみると、公費は16兆5,181億円(構成割合38.4%)、そのうち国庫は10兆8,972億円(25.3%)、地方は5兆6,209億円(13.1%)となっています。
保険料は21兆52,650億円(49.4%)、そのうち事業主は9兆744億円(21.1%)、被保険者は12兆1,906億円(28.3%)となっています。
また、その他は5兆2,881億円(12.3%)、そのうち患者負担は4兆9,948億円(11.6%)となっています。
財源別国民医療費
財源別国民医療費の推移
高齢者人口の増加に必然的に医療費は拡大し続ける一方で、費用の4割を現役世代による保険料で賄っていますが、窓口負担増には高齢者の反発が予想されおり、この調整は難航する可能性がありそうですね。
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毎年11月下旬~3月頃にかけて流行する季節性インフルエンザ。ご高齢の方や慢性疾患をお持ちの方がインフルエンザにかかると、重症になる危険性が高くなるため注意が必要です。今回は、そんな高齢者のインフルエンザについてご紹介します。
インフルエンザについて
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症します。症状としては、普通の風邪のような喉の痛み、鼻汁、咳等の症状もみられますが、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、全身のだるさ(倦怠感)などが比較的急速に同時に現れる特徴があります。
そして、インフルエンザにかかると重症化しやすいといわれる方は下記の通りです。
- 高齢(65歳以上)
- 小児(5歳未満)
- 妊娠中
- 肥満
- 基礎疾患がある
└慢性呼吸器疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患など)
└慢性心疾患(先天性心疾患、冠動脈疾患など)
└代謝性疾患(糖尿病など)
└腎機能障害
└免疫機能不全(ステロイド内服、T細胞性免疫不全など)
高齢者の中にはインフルエンザの典型的な症状が出にくく、いつの間にか合併症を引き起こし、重症化する場合もあるそうです。特に高齢者が気をつけたいインフルエンザの合併症には、「肺炎」「気管支炎」など、主に気道の炎症によるものが挙げられます。 肺炎は特に高齢者によく見られ、高齢になればなるほど、肺炎で亡くなる確率が高くなります。
高齢者のインフルエンザ患者数
例年のインフルエンザは、11月末から12月にかけて流行が開始し、ピークは1月末から2月上旬が多くなっています。
昨年度の発症者数が最も多かった2019年1月のインフルエンザによる入院患者を年齢別に見ると、80歳以上が最も多く、4,940人の36.9%となっています。また70~79歳は2,584人の19.3%、60~69歳は1,225人の9.1%となっており、60歳以上で全体の65.3%を占めています。
このことから、インフルエンザ発症者の中でも入院に至るほど重症化するのは高齢者が多いことが分かります。
インフルエンザによる入院患者(2019年1月)
高齢者のインフルエンザ発症を防ぐために
厚生労働省では、『重症化しやすい高齢者のインフルエンザに関するリーフレット』を掲載しており、予防するための有効な方法として下記を挙げています。
- 流行前のワクチン接種
- 手洗いやアルコール製剤による手指衛生
- 咳エチケットを心がける
- 部屋の適度な湿度
- 十分な休養とバランスのとれた栄養
- 無用に人混みに入らない
施設内感染の防止対策について
高齢者のインフルエンザの重症化率が高い上に、インフルエンザは感染力も高いため、医療機関や特に高齢者施設での感染予防には注意が必要です。そこで厚生労働省では、
『高齢者等のインフルエンザに罹患した場合の高危険群の方が多く入所・入居している高齢者の入所施設等においては、まずは、施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要です。したがって、厚生労働省は日本医師会感染症危機管理対策室とともに、インフルエンザウイルスの高齢者の入所施設等への侵入の阻止と、侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引書「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を各施設に普及していきます。
なお、インフルエンザに対する高危険群に属する方が多く入所・入居している高齢者の入所施設等においてインフルエンザの流行が発生した場合には、都道府県等は、当該施設等の協力を得て調査を実施し、感染拡大の経路、感染拡大の原因の特定などを行うことにより、今後の施設内感染の再発防止に役立てることが重要であり、厚生労働省は、都道府県等から調査の実施に当たって協力要請があった場合には、積極的に対応します。
また、厚生労働省は、医療機関に対しても、以下の手引き等を参考に、インフルエンザについての院内感染防止に関する指導をいっそう徹底するよう努めることとします。』
としています。
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前回まで、介護保険制度の概要や具体的に受けることのできるサービスから、手続き方法~費用までをご紹介しました。
今回は介護保険制度の創設前の老人福祉・老人医療政策の経緯と、「ゴールドプラン」についてご紹介します。
介護保険制度の創設前の老人福祉・老人医療政策の経緯
医療・福祉制度という観点からは、昭和23年に「医療法」、「医師法」、「保健師助産師看護師法」など施行され、GHQによる戦後医療改革がスタートしました。
昭和33年には「国民健康保険法」が施行され、昭和36年は「国民皆保険」が実現しました。その後の介護保険制度制定までの経緯を年代ごとにご紹介します。
1960年代「老人福祉政策の始まり」:高齢化率5.7%(1960年)
- 1962(昭和37)年:訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の創設
- 1963(昭和38)年:老人福祉法制定 特別養護老人ホーム創設、訪問介護法制化
1970年代「老人医療費の増大」:高齢化率7.1%(1970年)
- 1962(昭和37)年:訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の創設
- 1963(昭和38)年:老人福祉法制定―特別養護老人ホーム創設、訪問介護法制化
1980年代「社会的入院や寝たきり老人の社会的問題化」:高齢化率9.1%(1980年)
- 1982(昭和57)年:老人保健法の制定―老人医療費の一定額負担の導入等
1987(昭和62)年:老人保健法改正(老人保健施設の創設)
1989(平成元)年:消費税の創設(3%)
ゴールドプラン※(高齢者保健福祉推進十か年戦略)の策定
―施設緊急整備と在宅福祉の推進
1990年代「ゴールドプランの促進・介護保険制度の導入準備」:高齢化率12.0%(1990年)
- 1990(平成2)年:福祉8法改正―福祉サービスの市町村への一元化、老人保健福祉計画
- 1992(平成4)年:老人保健法改正(老人訪問看護制度創設)
1994(平成6)年:厚生省に高齢者介護対策本部を設置(介護保険制度の検討)
新ゴールドプラン策定※(整備目標を上方修正) - 1996(平成8)年:介護保険制度創設に関する連立与党3党(自社さ)政策合意
1997(平成9)年:消費税の引上げ(3%→5%)
介護保険法成立
2000年代「介護保険制度の実施」:高齢化率17.3%(2000年)
- 2000(平成12)年:介護保険法施行
「ゴールドプラン」とは…
高齢化社会に備えて、厚生省と大蔵省と自治省の合意で発表された「高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略」の通称です。
高齢社会を健康で生きがいを持って、また、安心して生涯を過ごせるよう、明るく活力ある長寿・福祉社会を目的に、消費税導入の趣旨を踏まえ、高齢者の保健福祉の分野における公共サービスの基盤整備を進めることとし、在宅福祉や施設福祉等の事業について、1999年までに実現を図るべき十か年の目標を掲げ、数値的にも明確化されました。
ゴールドプランで掲げられた項目
- 市町村における在宅福祉対策の緊急整備~在宅福祉推進十か年事業~
- 「ねたきり老人ゼロ作戦」の展開
- 在宅福祉等充実のための「長寿社会福祉基金」の設置
- 施設の緊急整備~施設対策推進十か年事業~
- 高齢者の生きがい対策の推進
- 長寿科学研究推進十か年事業
- 高齢者のための総合的な福祉施設の整備
新ゴールドプラン
1990(平成2)年にいわゆる「福祉8法改正」といわれる福祉関係法の大規模改正が行われ、施設サービスから在宅サービス中心へと、市町村を中核とする高齢者福祉体制という方針になり、市町村には老人保健法との関連も持たせた、市町村老人保健福祉計画の策定が義務付けられました。
また、市町村老人保健福祉計画で、予測よりも高齢化の進行が急激に進んでいることを受け、ゴールドプランで掲げた目標を上回る介護整備の必要性が判明し、その後のさまざまな施策や新しい課題を踏まえ、1994(平成6)年12月にゴールドプランの後半5年間分を見直した、新ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略の見直し)が策定され数値的目標も引き上げられました。
新ゴールドプランの基本理念
- 利用者本位・自立支援
- 普遍主義
- 総合的サービスの提供
- 地域主義
ゴールドプラン21
ゴールドプランと新ゴールドプランによって、老人保健福祉計画の整備が進められていきましたが、1999年度で新ゴールドプランが終了すること、そして、2000年には日本の高齢化率が世界最高水準に到達することが予測されることなどを受け、1999年12月に「ゴールドプラン21」が策定されました。
ゴールドプラン21では、明るく活力ある高齢社会を実現するため、①活力ある高齢者像の構築、②高齢者の尊厳の確保と自立支援、③支えあう地域社会の形成、④利用者から信頼される介護サービスの確立の4つの柱を基本的な目標として掲げ、その実現に向けて施策が展開されました。
目標を達成するため、良質な介護サービス基盤の計画的な整備と、健康・生きがいづくり、介護予防、生活支援対策の積極的な取り組みを進めていくことが重要であるとの方向性が示されました。
ゴールドプラン21で掲げられた項目
- 介護サービス基盤の整備―「いつでもどこでも介護サービス」
- 痴呆症(認知症)高齢者支援対策の推進―「高齢者が尊厳を保ちながら暮らせる社会づくり」
- 元気高齢者づくり対策の推進―「ヤング・オールド(若々しい高齢者)作戦」の推進
- 地域生活支援体制の整備―「支えあうあたたかな地域づくり」
- 利用者保護と信頼できる介護サービスの育成―「安心して選べるサービスづくり」
- 高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立―「保健福祉を支える基礎づくり」~
出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」
出典:厚生労働省「今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向~ゴールドプラン21~」
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前回まで、介護保険制度の概要や具体的に受けることのできるサービスから、その手続き方法までをご紹介しました。
今回は実際の利用者が負担する費用についてをご紹介します。
介護保険サービスの利用料
介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、介護サービスにかかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)です。
介護保険施設利用の場合は、費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)負担のほかに、居住費、食費、日常生活費の負担も必要になります。
ただし、所得の低い方や、1か月の利用料が高額になった方については、別に負担の軽減措置が設けられています。
サービス利用料の費用負担等
<居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額>
居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています。
限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)の自己負担です。
限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。
<施設サービス自己負担の1ヶ月あたりの目安>
施設サービスの場合、個室や多床室(相部屋)等、住環境の違いによって自己負担額が異なります。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1ヶ月の自己負担の目安
要介護5の人が多床室を利用した場合
要介護5の人がユニット型個室を利用した場合
低所得の方への支援
利用者負担が過重にならないよう、所得の低い方には下記とおり、所得に応じた第1段階~第4段階の4つの区分により措置が講じられています。
<特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)>
介護保険施設入所者の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。
尚、特定入所者介護サービス費の利用には、負担限度額認定を受ける必要があります。
負担限度額は所得段階、施設の種類、部屋のタイプによって異なります。
<高額介護(介護予防)サービス費>
月々の介護サービス費の自己負担額が世帯合計(個人)で上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻されます。
高額介護サービス費の支給:保険給付の1割(または2割)負担分の合計額が上限額を超えた場合、申請により超過分が払い戻されます。
※1割負担者のみの世帯について、年間上限( 446,400 円)が設定される。(3年間の時限措置)
<高額医療・高額介護合算制度>
同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減されます。決められた限度額(年額)を500円以上超えた場合、市区町村に申請をすると超えた分が支給されます。
出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」を加工して作成
出典:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」介護保険の解説を加工して作成
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「介護給付」と「予防給付」はそれぞれ受けられるサービスが異なり、前回は介護が必要と認められた人=要介護1~5に認定された人が「介護給付」で受けることができるサービスの詳細をご紹介しました。
>マーケターのつぶや記「2019.8.30 介護サービスの種類」
今回は支援が必要と認められた人~要支援1・2に認定された人が「予防給付」で受けることができるサービスについて詳細をご紹介します。
介護予防とは
2006年の介護保険法の改正に伴い、国の制度として導入されました。65歳以上の高齢者が「要介護状態になることを極力遅らせること」または「要介護状態になるのを未然に防ぐこと」、そして「すでに介護が必要な場合は、状態が悪化しないよう努め、改善を図ること」を目的としています。
具体的には、食生活の見直しによる栄養面での改善、体操やレクリエーション、リハビリテーションなどを通じての運動能力低下の防止、「物を食べる(噛む・飲み込む)」「十分な唾液の分泌を促す」「会話をする(言葉を発する)」「豊かな表情をつくる」といった口腔機能の向上を図り、日常生活の質(QOL)を高めるためにケアします。
介護予防とは、あくまでも予防を目的としたサービスであることから、対象となるのは基本的に自立している健康な高齢者(地域支援型の予防サービスのみ)と、要支援1~2の高齢者です。
すでに要介護状態である高齢者については、介護度が低い状態(要介護認定1)のうちからケアをすることで状態の悪化を防いだり、遅らせたりできる可能性が高いと判定された場合に、介護予防サービスを受けられることもあります。
介護予防サービスの種類
厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割 平成30年度」によると、介護保険で受けらることのできる介護予防サービスの種類は下記の通りとなっています。
<都道府県・政令市・中枢市が指定監督を行うサービス>
<市町村が指定・監督を行うサービス>
高齢者の人口は急増しており、医療・福祉に係る予算が増大しています。そこでより健康寿命を延ばし介護者を増やさぬよう、様々な施策が導入されて、サービスも充実化しつつあります。
しかし、介護”予防”についてはまだまだ認知度が不足しているようです。介護予防とは何なのか。受けるにはどうすればいいのか…。という方が多いようですので、もう少しサービスの認知度を上げ、より健康で自立した生活ができる高齢者が増えると良いですね!
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前回は介護保険制度導入の基本的な考え方、仕組み、財源構成と規模、サービスの対象者についてご紹介いたしました。
>マーケターのつぶや記「2019.8.9 介護保険制度とは」
今回は、介護サービスの種類についてまとめましたのでご紹介いたします。
介護保険給付の種類
介護保険給付には法定給付として「介護給付」と「予防給付」と2つあります。
- 介護給付:介護が必要と認められた人
- 予防給付:支援が必要と認められた人
それぞれ対象者が異なり、支援・介護については、要支援・要介護認定で、支援や介護の必要な度合いについて、申請をすると審査・判定されます。
予防給付の対象となる人は、要支援1および要支援2、介護給付の対象となる人は、要介護1~要介護5の方となります。
介護サービスの種類
「介護給付」と「予防給付」はそれぞれ受けられるサービスが異なります。今回は「介護給付」で受けられるサービスをご紹介します。
厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割 平成30年度」によると、介護サービスの種類は下記の通りとなっています。
今回はこの一覧の上半分「介護給付を行うサービス」について、各施設の特徴やサービスの詳細についてご紹介します。
介護給付を行うサービスは、都道府県・政令市・中枢市が指定監督を行うサービスと、市町村が指定・監督を行うサービスとに大きく分かれています。
<都道府県・政令市・中枢市が指定監督を行うサービス>
<市町村が指定・監督を行うサービス>
これらのようにそれぞれ役割が異なっており、高齢者の介護度別に選択することができます。
次回は…予防給付を行うサービスの詳細についてご紹介予定です。
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これまで、「介護保険制度とは」にて介護保険制度の基本的な考え方~介護保険制度の仕組み、介護保険の財源構成と規模について。「介護サービスの種類」にて、介護保険給付の種類~介護サービスの種類について。「介護予防サービスの種類」にて、介護予防とは~介護予防サービスの種類について、それぞれご紹介しました。
今回は、介護サービスを受けるための実際の手続きについて、厚生労働省で公開されているものをご紹介します。
実際にサービスを受けるには?
まずは、居住地の市区町村の窓口で要介護認定(要支援認定を含む)の申請をします。申請後は市区町村の職員などから訪問を受け、聞き取り調査(認定調査)が行われます。また、市区町村からの依頼により、かかりつけのお医者さんが心身の状況について意見書(主治医意見書)を作成します。
その後、認定調査結果や主治医意見書に基づくコンピュータによる一次判定及び、一次判定結果や主治医意見書に基づく介護認定審査会による二次判定を経て、市区町村が要介護度を決定します。
介護保険では、要介護度に応じて受けられるサービスが決まっていますので、自分の要介護度が判定された後は、自分が「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」についてサービス計画書(ケアプラン)を作成し、それに基づきサービスの利用が始まります。
サービス利用までの流れ
①要介護認定の申請
介護保険によるサービスを利用するには、要介護認定の申請が必要になります。申請には、介護保険被保険者証が必要です。
40~64歳までの人(第2号被保険者)が申請を行なう場合は、医療保険証が必要です。
②認定調査・主治医意見書
市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行います。
主治医意見書は市区町村が主治医に依頼をします。主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が必要です。
※申請者の意見書作成料の自己負担はありません。
③審査判定
調査結果及び主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行なわれます。(一次判定)
一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行なわれます。(二次判定)
④認定
市区町村は、介護認定審査会の判定結果にもとづき要介護認定を行ない、申請者に結果を通知します。申請から認定の通知までは原則30日以内に行ないます。認定は要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。
【認定の有効期間】
■新規、変更申請:原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)
■更新申請:原則12ヶ月(状態に応じ3~24ヶ月まで設定)
⑤介護(介護予防)サービス計画書の作成
介護(介護予防)サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となります。「要支援1」「要支援2」の介護予防サービス計画書は地域包括支援センターに相談し、「要介護1」以上の介護サービス計画書は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。依頼を受けた介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成します。
⑥介護サービス利用の開始
介護サービス計画にもとづいた、さまざまなサービスが利用できます。
※介護保険で利用できるサービスの種類と内容は過去の記事をご参照ください。
マーケターのつぶや記「2019.8.30 介護サービスの種類」
マーケターのつぶや記「2019.9.12 介護予防サービスの種類」
ケアプランとは
ケアプランは、被介護者がどのような介護サービスを受ければ、質が高く自立した生活が送れるようになるかを考慮した上で、介護サービスを組み合わせた計画書のことです。被介護者本人はもちろん、その家族も含めより充実した生活を送れるよう、長期的、短期的な目標が設定されています。
介護保険サービスを受ける場合、要介護者、要支援者のどちらにもケアプランは必須となり、要介護者の場合は「ケアプラン」、要支援者の場合は「介護予防ケアプラン」と呼ばれます。要介護者の「ケアプラン」は、民間事業者である居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーが作成し、要支援者の「介護予防ケアプラン」は利用者が住む地域を担当する地域包括支援センターが作成します。
ケアマネジャーへの報酬はすべて介護保険でまかなわれているため、ケアプラン作成による利用者の自己負担はありません。また、被介護者の身体状況が変化するたびに作り直すことができます。
尚、いくらケアマネジャーに専門的知識があっても、自分の生活を他人に知られることに抵抗を覚える方は、被介護者や家族自身で作成することも可能で「セルフケアプラン」と呼ばれます。時間や手間がかかりますが、ケアプランに被介護者と家族の考えを反映させやすく、すぐに実行に移せるメリットもあります。
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