「シルバー」とは?定義は?何歳以上?

更新日:2024年10月4日

「シルバー」という言葉は、高齢者を指す表現としてしばしば使われますが、その定義は曖昧で、特定の年齢や基準が明確に定まっているわけではありません。この記事では、シルバーという言葉の背景や一般的な使われ方を整理し、シニアマーケティングにおけるその位置づけについて詳しく解説します。


シルバーの定義

「シルバー」という言葉の定義はなく、各自治体や団体、企業により様々なようです。「シルバー」は、高齢者層を指すために用いられることが多く、「シルバー世代」や「シルバー人材」といった形で表現されますが、これらの用語には明確な定義がなく、年齢やライフスタイルを具体的に示していないため、その解釈は多様です。特に、日本語の「シルバー」は和製英語であり、英語の「silver」は銀や銀色を意味します。
高齢者を指す際に「シルバー」という表現が使われる背景には白髪を連想させるイメージがありますが、実際にはこの言葉には具体的な年齢や特徴が伴いません。

JRがまだ国鉄だった1973年、国鉄は乗客を取り戻すため、敬老の日に高齢者や身体が不自由な人のための優先席「シルバーシート」を導入しました。当時、財政難で新たな生地を用意する余裕がなく、工場に余っていた新幹線の座席カバー(シルバー色)を使用したことが「シルバーシート」の名称の由来です。国鉄は「シルバー=高齢者」という意味を意図していませんでしたが、結果的にこの呼び名が広まりました。


限られた場面での「シルバー」という名称使用

「シルバー」という用語は、団体やサービスによって対象とする年齢が異なります。たとえば、「シルバー人材センター」や「シルバーパス」、「シルバー割引」などで使われていますが、それぞれのサービスで定める年齢基準は統一されていません。なお、小売り店舗のサービスにおける特典として「シルバー割引」や「シルバー特典」といった表現が使われていたものの、現在は「シニア」に変更されている例が多く見られます。

シルバー人材センター:主要都市自治体のシルバー人材センターの入会条件では、60歳以上 と定義

【出典】https://www.tokyosilver.jp/about/silver/members/

シルバーパス:東京都シルバーパスの取得条件では、70歳以上 と定義

【出典】https://www.tokyobus.or.jp/silver/silverpass_02.html

このため、シニアマーケティングにおいては「シニア」や「高齢者」といった、より具体的で広範囲な表現が好まれます。

実際、シニアマーケティングの専門家や企業は、「シルバー」という表現を避け、代わりに「シニア」や「高齢者」という言葉を使用する傾向にあります。


シニアマーケティングにおける定義の重要性

当社、シニアライフ総研®では、「シニア」を55歳以上と明確に定義しています。他の企業では「アクティブシニア」や「65歳以上」など、定義が曖昧なケースも多く見られますが、シニア層の特性は単に年齢だけでは把握できません。

生活背景や行動様式、社会との関わり方は非常に多様であるため、マーケティング戦略においてもより正確な理解が求められます。


シニアライフ総研®独自の定義

シニアライフ総研®では、シニアの特徴を大局で掴むために、年齢軸の他に就業状況、身体状態、普段利用しているデジタルデバイスやインターネットの利用頻度、趣味やコミュニティ参加などの回答を評価し、シニアライフ総研®独自の視点で6つの分類にシニア世代を大別しています。

シニアライフ総研®独自の6つのカテゴライズ

「現役層」と「引退層」
55歳~65歳までの年齢軸において、現役で働いている層を「現役層」、既に引退した層を「引退層」として就業状況に基づき区分しています。

「アラ70/アクティブ層」と「アラ70/マイペース層」
65歳以上の年齢軸の中で、健康上問題なく日常生活を送っている、いわゆる健康寿命内のシニア層を指します。この層を趣味に費やしている時間やお金、コミュニティへの参加度、デジタルデバイスやインターネットの活用状況、健康維持のための活動などのライフスタイルを得点化し、アクティブな層を「アラ70/アクティブ層」、それほど活動的でない層を「アラ70/マイペース層」として区別しています。


「居宅介護層」と「施設介護層」
65歳以上の年齢軸において、健康や身体上何らかの制限があり、介護・看護等のサポートを受けている、いわゆる健康寿命外のシニア層を対象としています。在宅でサポートを受けている層を「居宅介護層」、介護施設でサポートを受けている層を「施設介護層」として区分しています。


※シニアライフ総研®は「シニア」を”大別”するために6つの区分に分類していますが、商品・サービスの特徴や消費者のニーズに応じて、このカテゴリから更にセグメンテーションする必要があります。

<参考記事>
シニアライフ総研®独自の視点で6つに分類したシニア世代それぞれの特徴や傾向をご紹介しています。


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シニアマーケットやシニアビジネスに参入している企業・団体・行政など、シニアマーケティングやシニアビジネスの成功事例や成功のポイントをそれぞれ取材しまとめています。それぞれの「シニア」の定義やシニアマーケティング戦略、成功の要因や課題の克服策等をご紹介しています。

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