2020.7.3 認知症は4人に1人時代へ
先日、警察庁から、2019年の1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者は、前年の2018年から552人増え、17,479人であったと発表がありました。
警察は自治体などと協力して行方不明者の早期発見の取り組みを強化しているそうですが、今回はこの『認知症』についてデータを交えながらご紹介します。
認知症による行方不明者が8年で1.8倍
警察庁の発表によると、2019年の1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者は、前年の2018年から552人増え、17,479人でした。
統計開始の2012年における認知症による行方不明者数は9,607人で、年々増加し続け2012年と比べると2019年の行方不明者は約1.8倍に増加しています。
「認知症」のうち7割弱をアルツハイマー型が占める
先日の記事でも”介護が必要になる原因No.1は「認知症」ということを紹介しましたが、「認知症」とはどのようなものなのでしょうか。詳しく見てみます。
厚生労働省によると『認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」をいいます。』とあります。
また、「認知症」は病名ではなく、症候群の名称であり、その原因となる疾患によって分類されます。
- アルツハイマー型:脳内にたまった異常なたんぱく質により神経細胞が破壊され、脳に萎縮がおこります。
【症状】昔のことはよく覚えていますが、最近のことは忘れてしまいます。軽度の物忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていきます。 - 脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が死んでしまう病気です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因です。
【症状】脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。また障害を受けた部位によって症状が異なります。 - レビ-小体型認知症:脳内にたまったレビ-小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が破壊されおこる病気です。
【症状】現実にはないものが見える幻視や、手足が震えたり筋肉が固くなるといった症状が現れます。歩幅が小刻みになり、転びやすくなります。 - 前頭側頭葉型認知症:◆脳の前頭葉や側頭葉で、神経細胞が減少して脳が萎縮する病気です。
【症状】感情の抑制がきかなくなったり、社会のルールを守れなくなるといったことが起こります。
2025年には4人に1人、2060年には3人に1人が認知症
では、実際に認知症患者どのくらいの人数なのか見てみます。2012年における認知症有病者数は462万人となっており、2040年には約2倍の953万人となり、その20年後には1,154万人にもなると予測されています。
割合でみると、65歳以上のうち認知症を発症している人は15%ですが、2025年には20%を超え65歳以上の4人に1人が発病するし、2060年には3人に1人が発病すると予測されています。
認知症発症は男性より女性が多い
それでは、何歳くらいから認知症を発症するのでしょうか。年齢階級別に見てみます。
認知症は年齢と共に増える傾向があり、80歳を超えると有病率は20%を超えています。更に男女別でみると、男性よりも女性の方が割合が高い傾向にあるようです。特にアルツハイマー型認知症は女性に多いようで、その原因として、女性の方が平均寿命・健康寿命が高いこと、また女性ホルモン(エストロゲン)の減少が要因の一つではないかとも言われています。
いかがでしたでしょうか。次回も、引き続き認知症についてデータを交えてご紹介します!
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