【シニアの概況】高齢者の住宅火災・虐待・成年後見制度利用 2019年10月

内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。


住宅火災における死者数のうち65歳以上は約7割

住宅火災における65歳以上の死者数(放火自殺者等を除く。)について見ると、2017年は646人と、前年より増え、全死者数に占める割合は72.7%となっています。

住宅火災における死者数の推移(放火自殺者等を除く)

消防庁 「平成29年(1月~12月)における火災の状況(確定値)」を加工して作成

消防庁 「平成29年(1月~12月)における火災の状況(確定値)」を加工して作成

養護者による虐待を受けている高齢者の約7割が要介護認定

2017年度に全国の1,741市町村(特別区を含む。)で受け付けた高齢者虐待に関する相談・通報件数は、養介護施設従事者等によるものが1,898件で前年度(1,723件)と比べて10.2%増加し、養護者によるものが30,040件で前年度(27,940件)と比べて7.5%増加しました。

また、2017年度の虐待判断件数は、養介護施設従事者等によるものが510件、養護者によるものが17,078件となっています。

養護者による虐待の種別(複数回答)は、身体的虐待が66.7%で最も多く、次いで心理的虐待(39.1%)、介護等放棄(20.3%)、経済的虐待(18.3%)となっています。

養護者による虐待を受けている高齢者の属性を見てみると、女性が76.1%を占めており、年齢階級別では「80~84歳」が24.4%と最も多いです。また、虐待を受けている高齢者のうち、67.0%が要介護認定を受けており、虐待の加害者は、「息子」が40.3% と最も多く、次いで、「夫」が21.1%、「娘」が17.4%となっています。

養護者による虐待を受けている高齢者の属性

被虐待高齢者の性別2

被虐待高齢者の年齢2

被虐待高齢者の要介護認定2

要介護認定者の要介護状態区分2

被虐待高齢者における虐待者との同居の有無2

厚生労働省「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(平成29年度)を加工して作成

厚生労働省「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(平成29年度)を加工して作成

成年後見制度の利用者数は増加傾向

2018年12月末時点における成年後見制度の利用者数は218,142人で、各類型(成年後見、保佐、補助、任意後見)で増加傾向にあります。

成年後見制度の利用者数の推移

最高裁判所事務総局家庭局を加工して作成

最高裁判所事務総局家庭局を加工して作成

成年後見制度とは…
精神上の障害 (知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように 家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度。

記事作成:2019年10月


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