【シニアの消費】衣料費の内訳 2019年10月
総務省統計局より発表される『消費動向指数』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
以前の記事※で、1か月あたりの被服及び履物の支出合計は全体平均で9,823円(※3.8%)、60~69歳で9,542円(3.5%)、70歳~6,391円(3.0%)であり、被服及び履物に係る支出は、年齢が高いほど全体支出に占める割合が低くなっています。今回はその被服及び履物の内訳をご紹介します。
※前記事:【シニアの消費】品目分類別支出額 2019年7月
※( )内は全体の構成比
世帯主の年齢階級別1世帯あたりの被服及び履物支出金額一覧
総支出のうち被服及び履物支出は3.8%で、1か月の衣料品に係る支出は約9,800円
総世帯の被服及び履物の合計金額は9,823円で、支出合計に対しての割合が3.8%※と全体支出のうち、その他の消費支出を除くと全9カテゴリ中8番目の支出額となっており、非常に少額のカテゴリとなっています。
その内訳をみると、洋服が4,101円、次いでシャツ・セーター類1,896円、履物1,264円、下着類856円の順番になっており、約4割が洋服が占めています。
<全体平均>1世帯当たりの被服及び履物支出金額
60~69歳は全体平均よりも衣料品の支出が少ないが、”洗濯代”は全体平均の約1.3倍
60~69歳の被服及び履物の合計金額は全体が9,823円であるのに対し、9,545円と全体平均よりも若干少なくなっています。
内訳を見た時に特徴的なのは、”洋服”の支出が平均よりも少ないということであり、全体平均が4,104円(41.8%)であるのに対し、3,630円(38.0%)となっています。
対して、全体平均よりも多いのは”被服関連サービス”であり、全体が575円であるのに対し、682円と若干多くなっています。この内訳をみると、”洗濯代”が全体が417円であるのに対し、522円と約1.3倍となっており、いわゆるクリーニングを多く利用しているのではないかと想定されます。
<60~69歳>1世帯当たりの被服及び履物支出金額
70歳~の衣料品支出は全体の約6.5割
70歳~の被服及び履物支出の合計金額は全体平均が9,823円であるのに対し、6,393円と全体平均の約6.5割にとどまっています。
内訳は、”生地・糸類”以外は全体平均の金額よりも下回っており、特に差が大きいのは”洋服”です。全体平均が4,104円(41.8%)であるのに対し、2,327円(36.4%)と、全体平均の約5.7割となっています。”洋服”カテゴリを更に細かく見ると、”男子用洋服”は全体が1,375円であるのに対し601円、”婦人用洋服”は2,301円であるのに対し1,600円と差が大きくなっています。
<70歳~>1世帯当たりの被服及び履物支出金額
全体平均と比べてシニア世代の衣料品支出額が少ないことから、60歳以上は、子供が独立しておらず買い与える事が少ないと想定されるため、子供用の衣料品の分、支出額が少なくなっていると思われます。
また、若い世代と比べて流行を追い求めることも少なくなり、自分の好きなスタイルが定まることから、良いものを長く着る傾向にあるのかもしれません。
※データ出典元:統計局「消費動向指数(CTI)参考詳細表 年次 2018年世帯主の年齢階級別(総世帯)を加工して作成
記事作成:2019年10月
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