【シニアの消費】交通・通信費の内訳 2019年8月
総務省統計局より発表される『消費動向指数』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
以前の記事※で、1か月あたりの交通・通信費の支出合計は全体平均で43,097円(※16.6%)、60~69歳で45,464円(16.8%)、70歳~25,925円(12.2%)であり、全体支出のうち交通・通信費が2番目に多いということをご紹介しました。今回はその交通・通信費の内訳をご紹介します。
※前記事:【シニアの消費】品目分類別支出額 2019年7月
※( )内は全体の構成比
世帯主の年齢階級別1世帯あたりの交通・通信支出金額一覧
総世帯の支出のうち、一番多くを占めるのは”自動車等維持”
総世帯の1か月の交通・通信費の一番多くは33.8%の”自動車等維持”であり、次いで”自動車等購入”26.3%、”移動電話通信料”20.0%と続いています。
60歳~と比較すると、”自動車維持費”は全体平均が33.8%であるのに対して、60~69歳が35.8%、70歳~が37.3%と、年齢が高くなるにつれ構成比が上がっています。
また、”移動電話通信料”=携帯電話については、全体が20.0%であるのに対して、60~69歳が18.1%、70歳~が14.2%と、年齢が高くなるにつれ構成比が下がっており、”固定電話通信料”については全体が3.7%であるのに対して、60~69歳が4.1%、70歳~が8.2%と構成比が上がっています。
<全体平均>1世帯当たりの交通・通信支出金額
60~69歳は全体平均と大きく変わらないが支出額総額は若干多い
全体平均と比較して60代は大きく異なることはありませんが、”交通・通信”に係る支出総額は全体平均が43,101円であるのに対して、45,465円となっており、全体より少し多くなっています。
構成比を見てみると、”自動車等維持費”は全体平均が33.8%であるのに対し、35.8%となっており、全体よりも少し多くなっています。また、”自動車等購入”も全体平均が26.3%であるのに対し、27.3%となっており、全体よりも少し多くなっています。
逆に、”移動電話通信料”は全体平均が20.0%であるのに対し、18.1%と低くなっています。
ただし、これらのカテゴリを更に細かく分類して見ても、金額・構成比共に大きな差異は見られません。
<60~69歳>1世帯当たりの交通・通信支出金額
70歳~の交通・通信に係る費用は総世帯の約6割
60~69歳は全体平均と比較すると大きな違いがなかったものの、70歳~は交通・通信に係る支出の総額全体平均が43,101円であるのに対して、70歳~は25,927円と約6割にとどまっています。
これは、自動車のローンの支払いが終わる、自動車に乗らなくなったので手放した。身体的に制限があるため長距離の移動が少なくなっている等々の要因があるのではないかと想定されます。
“タクシー”に関しては、金額・構成比共に少ないものの、全体平均の構成比が1.2%であるのに対し、70歳~は2.5%となっており、全体に比べて”タクシー”を利用していると言えます。
また、都心在住の高齢者はバスの利用率が高いイメージがありますが、実際は全体平均が1.1%であるのに対して、70歳~は1.4%と構成比は高いものの、金額を見ると、全体平均が481円であるのに対し、70歳~は352円と129円低く、全体よりもバスに係る費用が少ないようです。
<70歳~>1世帯当たりの交通・通信支出金額
※データ出典元:統計局「消費動向指数(CTI)参考詳細表 年次 2018年世帯主の年齢階級別(総世帯)を加工して作成
記事作成:2019年8月
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