【シニアの概況】65歳以上の者の介護 2019年7月
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
65歳以上の要介護者等数は増加傾向で、特に割合が高いのは75歳以上
介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人(以下「要介護者等」という。)は、2015年度末で606.8万人となっており、2003年度末(370.4万人)から236.4万人増加しています。また、要介護者等は、第1号被保険者の17.9%を占めています。
第1号被保険者(65歳以上)の要介護度別認定者数の推移
また、65~74歳と75歳以上の被保険者について、それぞれ要支援、要介護の認定を受けた人の割合をみると、65~74歳で要支援の認定を受けた人は1.4%、要介護の認定を受けた人が2.9%であるのに対して、75歳以上では要支援の認定を受けた人は9.0%、要介護の認定を受けた人は23.5%となっており、75歳以上になると要介護の認定を受ける人の割合が大きく上昇しています。
要介護認定の状況
要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「認知症」が18.7%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」15.1%、「高齢による衰弱」13.8%、「骨折・転倒」12.5%となっています。
また、男女別にみると、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」が23.0%、女性は「認知症」が20.5%と特に多くなっています。
65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因
介護を頼みたい人は、男性「配偶者」、女性「ヘルパーなど介護サービスの人」が多い
「介護を頼みたい人」についてみると、男性の場合は「配偶者」が56.9%、女性の場合は「ヘルパーなど介護サービスの人」が39.5%と最も多くなっています。
必要になった場合の介護を依頼したい人
73.5%が自宅で介護を受けたい
自分の介護が必要になった場合にどこでどのような介護を受けたいかの希望についてみると、自宅で介護を受けたいと回答した人の割合(「自宅で家族中心に介護を受けたい」「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けたい」「家族に依存せずに生活ができるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」と回答した者の割合の計)は全体で73.5%でした。
また、男女別にみると、男女ともに「家族に依存せずに生活ができるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」と回答した者の割合が最も高いが、男性は「自宅で家族中心に介護を受けたい」と回答した者の割合が24.0%と女性のそれ(13.9%)より10.1%高くなっています。
どこでどのような介護を受けたいか
介護費用については「年金等の収入でまかなう」と63.7%が考えており最も多い
必要になった場合の介護費用について、内閣府の調査で55歳以上の人に尋ねたところ、「年金等の収入でまかなう」が63.7%、「貯蓄でまかなう」が20.5%、「収入や貯蓄ではまかなえないが、資産を売却するなどして自分でまかなう」が4.0%、「子などの家族・親戚からの経済的な援助を受けることになると思う」が3.2%、「特に考えていない」が8.1%となっています。
また、男女別に比較をしてみると、「年金等の収入でまかなう」との回答はどの年齢層でも女性より男性の方が高くなっています。
必要になった場合の介護費用に関する意識
主に家族(中でも女性)が介護者となっており、「老老介護」も相当数が存在
要介護者等からみた主な介護者の続柄をみると、6割弱が同居している人が主な介護者となっています。その主な内訳をみると、配偶者が25.2%、子が21.8%、子の配偶者が9.7%となっています。
また、性別については、男性が34.0%、女性が66.0%と女性が多くなっています。
要介護者等と同居している主な介護者の年齢についてみると、男性では70.1%、女性では69.9%が60歳以上であり、いわゆる「老老介護」のケースも相当数存在していることがわかります。
要介護者等からみた主な介護者の続柄
記事作成:2019年7月
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