シニアライフ総研®ビジネスアワード2024 選定結果発表!!

ビジネスアワード2024 概要と選出方法

【概要】

シニアライフ総研にて2024年内※に『特選ニュース』として取り上げた企業・団体の活動で今後も注視したい、期待したい、と思われる事案を部門ごとに選出しました。 選定基準は 「プロダクト」「ビジネスモデル」「シニアライフ」の3つの部門において、それぞれ下記の通りとします。

※2023年11月4日~2024年11月5日までの配信ニュース

  • プロダクト賞
    超高齢社会の日本を豊かにするであろうモノ・コト
  • ビジネスモデル賞
    新たな切り口でシニア市場の活性化が期待できる企業または団体の活動や取組み
  • シニアライフ賞
    第二の人生において「明るく」「楽しい」の提供を期待できる商品やサービス、取り組み


【選定方法】
2024年に配信した全359の『特選ニュース』の中からシニアライフ総研運営メンバーにより全55事案(プロダクト賞16事案、ビジネスモデル賞21事案、シニアライフ賞18事案)をノミネートしました。 これらノミネート事案から、シニアライフ総研運営メンバー以外の有識者3名と、シニアライフ総研代表が受賞事案を選定しました。
【選出委員(敬称略)】

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小黒一三(おぐろ かずみ) ソトコトアドバイザー、J-WAVE ロハストークナビゲーター。 →プロフィールへ

黒川由紀子(くろかわ ゆきこ) 臨床心理士、保健学博士。上智大学名誉教授・黒川由紀子老年学研究所所長。日本老年臨床心理学会副理事長。 →プロフィールへ

福岡伸一

福岡伸一(ふくおか しんいち) 生物学者。青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。 →プロフィールへ

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渡瀨英治(わたせ えいじ) シニアライフ総研代表。ルーツ・オブ・コミュニケーション(株)代表取締役。 →プロフィールへ

小黒一三

塩野義製薬と共同開発した「ガンマ波サウンド」が「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」にて、クリエイティブイノベーション部門ゴールドとICCサミット賞をダブル受賞

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/53720

【選出理由】

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小黒一三: 「ガンマ波サウンド」という名称に未来を感じてしびれました。 しかも思考のベースがすばらしい。急速に進化していくコンピュータ社会に対し、私たち生物の進化が遅いので、その両者の間を調停し、生活に対してより良い価値を生み出す。

黒川由紀子

転んだ時だけ柔らかい床「ころやわ」に、ご自宅向けの月額定額サービスが新登場

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/57136

【選出理由】

黒川由紀子: シニアが転倒、骨折するところから多くの悲劇がはじまります。自宅で転倒するリスクを避けるための「ころやわ」は優れたプロダクトとしての実績があります。今回医療機関や介護施設から、運用範囲を自宅に広げ、気軽に使えるサービスがはじまったことは、シニアが住み慣れた家での生活を明るく快適にするでしょう。自宅で暮らしたいシニアが自宅で暮らすことができれば、日々の小さな幸せが増えることにつながると思います。

福岡伸一

高齢者の「歩き」をサポートするスニーカー「ライフステップ」の開発に協力

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63014

【選出理由】

福岡伸一
福岡伸一: 高齢者の脚力低下や脚のもつれなどは深刻な問題であり、転倒や骨折など大きな事故にもつながりやすい。しかし、運動を心がけよ、などスローガンしか見当たらないのが現状。この問題に正面から取り組み、スポーティなスニーカーという具体的なソリューションを実現したことはたいへん好ましい企画といえる。またジェンダーや年齢を限定しない企画である点も評価した。

渡瀨英治

記憶力の訓練や脳トレができる「健康長寿手帳2025」

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63044

【選出理由】

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渡瀨英治: 認知症患者の増加が予測される中、健康寿命の延伸は重要な社会課題です。日記機能や短期記憶を鍛える仕組み、好奇心を刺激するニュースの記録などの脳トレ要素があり、日常生活に取り入れやすく習慣化しやすい点が特徴で、これまでにない画期的なシニア向け手帳だと感じました。

小黒一三 選

小林幸子さんが高齢者のお話し相手に!

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/62796

【選出理由】

小黒一三: たとえひとり暮らしでも、健康長寿のためには人と毎日話すことは必須です。ペットと話す、ロボットと話すなど好みは様々ですが、著名な方とご近所付き合いとは、ベタなアナログアイデアをハイテクで実現させた点がお見事です。 AIを使ったアナログサービスというビジネスモデルには、無限に拡がる可能性を感じました。

黒川由紀子・福岡伸一

自動車教習所が民間救急/福祉タクシーのサービス開始

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/60467

【選出理由】

黒川由紀子: シニアの苦痛のひとつに「自由に行きたいところに行かれない」ということがあります。自分の足や運転で自由に行き来していた場所に行かれないのは辛いことです。自動車教習所が、救急/福祉タクシーサービスを始めるというのは新しいビジネスモデル。救急車の代わりにはなれないとしても、移動が困難になったシニアを、安全性を確保した上で、病院まで送ったり、行きたい場所に送ったりできれば、シニアのウェルビーングの向上につながるでしょう。
福岡伸一
福岡伸一: 自動車教習所およびその教員・教育システムには運転技術や安全性に関するノウハウが数多く蓄積されていると思われるが、多くの日本人は人生で一回しか利用することがない。この隠れた知財・人材・資材(自動車)を活用し、民間救急や福祉タクシーにつなげた新しい着眼点が素晴らしい。法的な問題についてもクリアできる見通しがあり、今後このビジネスモデルが全国的に発展することが望まれる。

渡瀨英治

化粧品業界初の美容療法を受けられるデイサービス開設

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/60765

【選出理由】

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渡瀨英治: 運動トレーニングに加え、美容療法を取り入れたデイサービスは、化粧品メーカーであるナリス化粧品ならではの新たな価値を提案しています。美容サービスが通常の介護保険適用の料金内で受けられるため、女性にとって「デイサービスに行く日」が「美容院に行く日」のように楽しみになるでしょう。シニアの「年を重ねても自分らしくありたい」という気持ちを尊重する、このようなサービスが全国に広がることを期待します。

小黒一三

俳句でつながる高齢者向けSNS

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63124

【選出理由】

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小黒一三: 高齢者のSNSでの交流に俳句を使うアイデアが抜群で、その投稿された俳句から健康状態など、身体だけでなく心の中までケアできそうだなと。このデータサイエンスの技術を使うことで、この句会からいろんなアイデアがでてきそうだなと。学生ベンチャーの会社の名前、株式会社「熊猫」そのネーミングも気に入りました。

黒川由紀子

飲⾷店が抱える“働き⼿不⾜”を地域の料理上⼿なシニアがサポート

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/61821

【選出理由】

黒川由紀子: 働きたいシニアが働く場を増やすことが求められていますが、シニアが働く場や職種は限られています。長年地域で愛されてきたレストランで、地域のシニアが楽しく働く。能力を活かして、若い世代と対話をしながら、楽しく笑顔で無理なく働く機会を増やす。そのためのビジネスモデルとしての可能性を感じました。レストランの選択やマッチングが丁寧にされていることもいいですね。

福岡伸一

【界】年12泊の温泉サブスク|70歳以上限定

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/61821

【選出理由】

福岡伸一
福岡伸一: 日本文化の宝である温泉と、高齢者の旅好きを連結させたアイデアは秀逸である。特に、星野リゾートへの高級志向をうまく受け止め、年12回のサブスクリプション形式にした点はたいへん評価できる。月に一回程度、定期的に温泉旅行に出られることは高齢者に生活のリズムと潤いを与え、現代社会のwell-being 志向にもマッチした優れた企画といえよう。

渡瀨英治

「おとな親子ノート」親の思いを共有できる新しいコミュニケーションツール

【URL】https://seniorlife-soken.com/archives/63115

【選出理由】

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渡瀨英治: 「おとな親子ノート」は、母子手帳に対する発想から生まれたネーミングも秀逸で、大人になると不足しがちな親子のコミュニケーションを促進する画期的な提案です。エンディングノートとは異なり、保険や財産などの情報を記入することで「いざという時」に備えられ、介護や相続など話しづらいテーマについても家族で共有しやすくなる点が高く評価できます。

<2024年度 シニアビジネス市場の総評>

2024年度のシニアビジネス市場は、AIやデジタル技術を活用しながらも、人と人とのつながりや温もりを大切にする「ハイブリッドな価値創造」が特徴的な年となりました。

「プロダクツ」面でみると、シニアの健康寿命延伸を軸に、認知機能ケアや転倒防止を中心とした製品開の勢いが増しました。特に、歩行支援や脳トレを日常に取り入れるツールは、AIや感覚刺激技術、素材工学の進展を活用しながら、生活に自然に溶け込む工夫が施されています。これらの取り組みは、シニア層に安心感や楽しさを提供し、社会全体のQOL向上をけん引する存在として、昨年以上に注目を集めています。

「ビジネスモデル」面からみると、単なる商品提供から包括的なライフサポートへの進化を遂げ、個別のニーズに寄り添う新しいモデルが多く登場しました。AI対話システムで会話機会を提供し、福祉タクシーが移動支援を強化、美容療法デイサービスが「自分らしさ」を維持する場を提供するなど、生活課題の解決に寄与しています。これらは業界の枠を超えた革新を実現し、受動的な支援を超え、シニアが能動的に楽しみ、社会とつながる機会を創出しています。

「シニアライフ」面からみると、2024年のシニアライフ分野では、高齢者の社会参加、生きがい創出、自己表現を支援する革新が際立ちました。知的好奇心を刺激し、心身の充実を図る取り組みが増加。個々の経験やスキルを活用した社会貢献モデルや、家族間の絆を深める提案が評価されています。これらは、世代を超えた交流を促進し、高齢者が「自分らしく生きる」ための基盤を築く取り組みとなっています。

2024年のシニアビジネス市場は、単なる課題解決にとどまらず、シニア層の可能性を引き出し、豊かな生活を支援する「ポジティブサポート型」へと進化しました。AIやデジタル技術と人的サービスを融合した顧客体験の創出、異業種連携による新たな価値創造、個別化・多様化したサービスの展開、予防的アプローチの強化が顕著でした。これらの動向は、高齢社会におけるシニアビジネスを「ニッチ市場」から全世代に恩恵をもたらす持続可能な社会モデルへと押し上げています。 今後は、多様化するニーズに応えるため、企業や団体が連携して新たな価値を創出することが求められます。シニアの「自分らしさ」を尊重し、活気に満ちた高齢社会の実現に向けた革新が一層進展していくでしょう。

シニアライフ総研 代表 渡瀨英治


【選出委員プロフィール(敬称略)】

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小黒一三(おぐろ かずみ)

1950年東京生まれ。75年慶應義塾大学法学部卒業後、平凡出版社(現・マガジンハウス)入社。 マガジンハウスでは、雑誌「ブルータス」「クロワッサン」「ガリバー」などの編集を担当。90年同社を退職し、編集プロダクションであるトド・プレスを設立。92年、東アフリカ・ケニアのマサイマラ国立保護区にリゾートホテル「ムパタ・サファリ・クラブ」を開設。98年、出版社である木楽舎を設立。99年、環境ライフスタイルマガジン「月刊ソトコト」を発刊。スローフード、スローライフ、ロハスなどのライフスタイルをいち早く日本に紹介してきた。 また、日本の子どもたちのまだまだ使えるシューズをアフリカの子どもたちへ贈る活動「スマイル アフリカ プロジェクト」を高橋尚子さんとともに行う。画家フェルメールが描いた当時の色彩を求め、最新の印刷技術「リ・クリエイト」で用い、その全作品を再現した「フェルメール 光の王国展」「あっぱれ北斎!光の王国展」を開催するなど、一つの枠では収まらない、さまざまなメディアを使った新しい価値観の提案を続けている。 ソトコトアドバイザー、J-WAVE ロハストークナビゲーター

黒川由紀子(くろかわ ゆきこ)

臨床心理士、保健学博士。上智大学名誉教授・黒川由紀子老年学研究所所長。日本老年臨床心理学会副理事長。 高齢者の話を聞くことを喜びとし、高齢者の心理をテーマに、認知症、うつなどの高齢者や家族の心理臨床、世代間交流プログラム、企業研修等に関わる。 著書に『認知症と回想法』(金剛出版),『高齢者のマインドフルネス認知療法』(誠信書房),『認知症の心理アセスメント はじめの一歩』(医学書院),『いちばん未来のアイデアブック』『ミモザ』(木楽舎)、『「豊かな老い」を支えるやさしさのケアメソッド青梅慶友病院の現場から』(誠文堂新光社)など。

福岡伸一

福岡伸一(ふくおか しんいち)

生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。 米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。大阪・関西万博(EXPO 2025)テーマ事業「いのちを知る」プロデューサー。 サントリー学芸賞を受賞し、89万部を超えるベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)および『新版 動的平衡』(小学館)シリーズなど、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。 また、大のフェルメール好きとしても知られ、世界中に散らばるフェルメールの全作品を巡った旅の紀行『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、さらに『フェルメール 隠された次元』(木楽舎)を上梓。最新のデジタル印刷技術によってリ・クリエイト(再創造)したフェルメール全作品を展示する「フェルメール・センター銀座」の監修および、館長もつとめた。

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渡瀨英治(わたせ えいじ)

1995年より広告代理店でシニア商材の開発やマーケティング業務に従事し、2008年にルーツ・オブ・コミュニケーション(株)を設立。 2013年に情報ポータルサイト「シニアライフ総研」の運営を開始した。 シニアマーケティングのスペシャリストとしてメーカー企業を中心にコンサルティング活動や講演活動を行っている。
 
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