孫がプロデュースするTikToker シニアインフルエンサー 「きょうかのばあば」
孫がプロデュースするTikToker
シニアインフルエンサー
「きょうかのばあば」
きょうかのばあば氏
菅原京香氏
Q. TikTok「きょうかのばあば」を始めた経緯をお聞かせください。
(菅原京香氏)
TikTok「きょうかのばあば」を始めるきっかけとなったのは、大学進学のため上京したのを機に祖母と2人暮らしを始め、彼女がスマホを自在に使いこなしている様子を目にしたことです。PayPayでお年玉を贈ったり、Zenlyで私の帰りを確認したり、モバイルPASMOで電車に乗ったりする姿を見るたび、70代とは思えないほど巧みにテクノロジーを使いこなしていると驚きました。その様子をTikTokをはじめとするSNSに投稿したところ、多くの方から反響をいただきました。これをきっかけに、日本のシニアマーケットの可能性や、日本におけるデジタル化の遅れを解決するアプローチになるのではないかと考えるようになり、実際にTikTok「きょうかのばあば」として始めることにしました。
数あるプラットフォームからTikTokを選んだ理由は、今あるSNSの中で、アルゴリズムという観点とユーザー数が増えるという面で、一番伸びるポテンシャルがあるSNSだと考えたからです。TikTokのアルゴリズムは、新しいアカウントの動画はまず数百人のユーザーに表示、動画がどのように受け入れられるかを確認し、好評ならより多くの人々に表示するというものなので、0からアカウントを作ったとしても伸びしろがあると考えました。実際、配信を始めて6カ月の間に、35万回以上の再生数を誇る動画を3本ほど生み出すことができました。また、リサーチする中で、TikTok上でのシニアインフルエンサーが増えてきているとわかったことも理由のひとつでした。
シニアの定義は「65歳以上の人々」ととらえていますが、ライフスタイルや健康状態、価値観などによって十人十色です。テクノロジーをどれくらい使いこなせているかという点だけでも、かなりの幅があると思います。TikTok「きょうかのばあば」では、テクノロジーを駆使して日々を謳歌するひとりのシニアの日常を発信したいと考えました。なお、メインはTikTokですが、Instagram、YouTube shorts、lemon8などにも投稿しています。
(きょうかのばあば氏)
1975年に同志社大学の工学部を卒業後、日本電子計算株式会社でプログラマーとして勤務しました。退職後は夫の海外赴任でドイツに約4年滞在していた時期もあります。プログラミングとは無縁の生活になっていましたが数学好きは変わっていなかったので、ドイツでは日本人の子どもに数学を教えていました。また、日本文化を紹介するため現地でお点前を披露したらとても喜ばれたことがきっかけで、帰国後は茶道の教室を開き、今にいたります。
携帯電話は息子にすすめられ持つようになりましたが、ガラケーで特に不便もありませんでした。それが、息子がスマホを買い替えるタイミングでお古をくれたことでスマホを使うようになり、そこからアプリも利用するようになりました。電子マネーやモバイルPASMO、タクシーアプリのGOなどは日常的に使っていましたが、京香と暮らすようになってから、よりスマホを活用できるようになりました。
京香にはずっと「TikTokやろう」と声をかけられていたものの、断り続けていました。動画配信はもちろん、Twitterなどで発信したこともありませんでしたし、私の動画など誰も見るわけがないと思っていたのです。けれど「世間に若くて可愛い子は山ほどいる。シニアということに個性がある、ばあばだから見てもらえるんだよ」と妙に説得力のあることを言われ(笑)、孫のためにもなるのならと挑戦してみることにしました。
Q. TikTokの配信を始めて、どのような感想を持たれましたか。
(きょうかのばあば氏)
TikTokで印象的だったテクノロジーは電動キックボードのLUUP、スマホ充電レンタルのチャージスポット、海外向けレンタルWi-fiのWifibox、傘のシェアリングサービスのアイカサなどです。また、TikTokをすることで、同じシニア世代といるだけでは知らないままだった世界を見られる面白さがありました。LUUPに乗ってみるなど初めての体験は、自分自身が楽しめましたね。
こちらが気合を入れて撮ったものがより多く再生されるとは限らず、むしろ「なぜこの動画が?」と思うものがバズる不思議さも体験しました。たとえば、新幹線の改札にスマホをかざして通るだけの動画が100万回以上再生されました。これはスマートEXで新幹線のチケットを購入し、チケットレスで乗車したときの様子を撮ったものです。シンプルな動画ですが、これまでは窓口に並んで買ってきたチケットをスマホで事前に購入することで、混雑した窓口で待つストレスやチケットを忘れたり紛失したりする心配もないという情報が詰まっていたことが再生回数につながったのかもしれません。ファストフードで食事する際、事前にモバイルオーダーで注文しておき、レジに並ばず指定された席で待っていると注文した品がテーブルまで届くという動画もたくさん見てもらえました。
また、ネットを通じてライブをやると日本中のみんなとお友達になれる感覚がとても楽しいです。たくさんの人と交流でき、世代を超えた交流ができます。一期一会というか、出会いが人生を作っていくのだと改めて実感しました。
Q. TikTokの企画は京香さんが考えていらっしゃるとのことですが、その際に心がけているのはどんなことでしょう。
(菅原京香氏)
まず、「日本のデジタル化を促進する」というビジョンからずれないコンテンツを発信することを意識しています。現在「きょうかのばあば」をフォローしてくださっているのは「もっとテクノロジーについて知りたい」という思いを抱いている方だと思うので、テクノロジーに関する有益な情報を発信し続けるのが私たちのミッションだと考えています。
また、伸びるコンテンツを作成するというところで、視聴者が動画をどれくらい見続けたのかを表す視聴維持率が高くなるコンテンツを生成することも意識しています。具体的には、TIkTokで視聴維持率が高くなるために欠かせない要素のひとつはコメントだと考えているので、コメントがつきやすいコンテンツを作ることを心がけています。
Q. TikTokでの配信を始められて、どのような反響がありましたか。
(菅原京香氏)
周りの知人には「『きょうかのばあば』見ているよ。応援してる」「お母さんにシェアしたよ」「きょうかのばあば、すごすぎる」など言ってもらえます。仕事でお会いした方に「『きょうかのばあば』の方ですよね」と言われたこともありました。
(きょうかのばあば氏)
私自身は、私生活を全部見られているような恥ずかしさが今もあります。友人やお茶の生徒さんも見てくれているようですが、気を遣ってくれているのかあまり突っ込んだ質問をされたりはしないので助かっています。
Q. TikTokとシニア世代の相性についての考えをお聞かせください。
(菅原京香氏)
TikTokのフォロワーさんの55歳以上の方は12%なので、シニアへのリーチという観点では、相性は良いとは言えないのが現状です。ただ、6月の時点でフォロワー約5300人のうち、650人近くのシニア世代が見てくださっているのはすごいという思いもあります。
(きょうかのばあば氏)
TikTokを通じて自分自身もできることが増えていくのは知的好奇心を刺激されて楽しいですし、同年代にもぜひ現代のテクノロジーを活用してもらいたいと思うようになりました。電子マネーも慣れれば便利なものですし、ネットスーパーを使えば重い荷物を持ち帰る苦労もありません。SuicaやPASMOはシニアも使いますが、スマホとは連携させている人は多くありません。あとひとつのステップアップをすることでもっと便利になること、QOLが向上することを、TikTok「きょうかのばあば」で知ってもらえたら、お役に立ててうれしく思います。
Q. TikTokのフォロワーをより増やすため、今後検討しているプランを教えてください。
(きょうかのばあば氏)
Tik Tokで声がけして集まった人とお茶のイベントを開催したり、旅行に行ったりできたらいいですね。メディア露出の件では、6月にはBS朝日の「太陽生命 Presents 草野仁の名医が寄りそう!カラダ若返りTV」に出演しました。今年はTikTokのフォロワー1万人を目標に、そして3年以内にCM出演を目指します。
(菅原京香氏)
TikTokのフォロワーさんが求めている有益コンテンツの継続的な更新、どういうコンテンツが伸びどういうコンテンツが伸びないのかといった分析は今後も継続します。それに加えてほかのインフルエンサーとのコラボレーション、テレビやWEBメディアなどのメディア露出を増やすということを計画しています。
今後はTikTokを通じてだけでなく、さまざまなチャネルでシニアと若者の交流を一層深めていきたいと思っています。人生を長く生きられているシニアの方から若者が学ぶことは沢山あります。日本ではシニア=高齢者ととらえますが、英語では「年長者」「先輩」を指すように、シニアが長い年月をかけて得た経験や知見、そして叡智は、次世代にとって貴重な教訓になるでしょう。また、シニアは若者から元気や刺激をもらえるので、win-winな関係を築けると思っています。
デジタルを自在に使いこなせるシニアの方はまだ少ないと感じます。シニア世代がよりテクノロジーを使いこなせるようになることで日本のデジタル化はより進むと考えていますので、その一助となるべくTikTokでの活動を続けていきたいと思っています。
【きょうかのばあば】
■Instagram
https://instagram.com/kyokanobaaba/
■TikTok
https://www.tiktok.com/@kyokanobaaba
■note
https://note.com/kyokanobaaba/
上記メディアの詳細、その他シニア向けメディアプランニングについては、
ルーツ・オブ・コミュニケーション株式会社までお問合せください。
アクティブ・シニア世代の
「人生」と「暮らし」に
ホンモノを極める月刊誌
株式会社小学館 ライフスタイル局 サライ編集室
編集長 三浦一夫氏(雑誌担当)
編集長 稲葉成昭氏(WEB担当)
2021年2月 取材
大人のための最終学年誌。 『サライ』は、「食」「運動」「趣味」「旅行」「生きがい」を通して、 読者へ常に人生を楽しむ情報を発信し続けている雑誌です。
【サライ(本誌)】
- 発行:小学館
- 毎月10日頃
- 平均発行部数:116,000部
- サイズ:A4変形 平綴じ
【サライ.jp】
- 発行:小学館
- 定期配信日:毎日
- 月間PV数: 10,920,000PV/月間UU数:3,700,000UU(2021.1月)
Q.お二人のこれまでの経緯と『サライ』について教えてください。
(三浦氏)
2008年7月にサライ編集部へ異動し、2019年7月より9代目編集長に就任しました。 現在は編集室というセクションで、紙媒体 の『サライ』は私が編集長で、公式Webサイトの『サライ.jp』は稲葉編集長という形で棲み分けてやっています。
(稲葉氏)
2018年7月に当時、新設されたライフスタイル・ブランドスタジオに入り、『サライ.jp』を始めとした3サイトの運営を担当した後に、2020年10月よりサライ編集室に異動し、現在は『サライ.jp』の専任として運営しています。
(三浦氏)
『サライ』は平成元年―1989年9月創刊で、今年の秋に創刊32周年を迎えます。当時はシニア向け雑誌として発行していたわけではありません。当時のキャッチフレーズは「我が国初、大人の生活誌」で、大人向けではありましたが、決してシニア向けというわけではなく、またシニアを意識して作るということもしていませんでした。
それが、「美術」や「伝統工芸」「伝統芸能」「歴史」というテーマを扱っていくうちに、読者の年齢層が上がってきましたし、あらゆる世界の「本物」を追求した結果、そこに興味を持ったり、惹かれた方たちの多くが年配の方たちだったという事です。
(写真右)三浦一夫氏、(写真左)稲葉成昭氏
Q.編集方針について教えてください。
(三浦氏)
読者の平均年齢は号によって異なりますが、50代後半~60代前半の間で推移しています。ただ、創刊時と比べると日本の平均寿命はかなり延びまして人生80年時代だったのが今では人生100年時代になってきました。また、以前は60歳といえば定年退職の年齢でしたが、現在は再雇用などで働いている期間が長くなってきましたので、50代、 60代は現役世代です。ですから、今はそういう方々に向けて情報をお届けするのだと考えています。
現在はコロナ禍ということで「食」や「旅行」といった『サライ』らしいテーマが扱い難く歯痒く思っています。外出や移動が制限される中でそういった世代の方々に興味を持っていただけるテーマをいかに深掘りできるかが編集上の課題です。
Q.コンテンツの選定にあたっては何かお考えがありますか?
(三浦氏)
「わかりやすく」「やさしく」「寄り添うように」という思いで『サライ』を編集しています。
『サライ』は男性誌ではありますが、家庭でも回読してもらえるように作ってきました。今は50代以上の“おひとり様”の読者が増えているように思います。企画によって変動はしますが、女性の“おひとり様”読者もここ2、3年で増えていることは実感としてありますし、実際に、書店のPOSデータを見ても女性の比率が高くなってきています。「食」「旅」「歴史」「美術」「伝統」といったテーマを重要視して作っていますが、これらの分野への女性の興味は高いですね。『サライ.jp』でも、NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』の記事は女性層にかなり読まれていました。なので、現在は男性誌というよりも男女ともに“本物”を求めている人向けの雑誌に変化してきていると思います。
付録については、生活に密着した役立つモノを付けるようにしています。若い頃に学年誌の担当だったこともあり、付録を付けることに違和感はありませんし、『サライ』というのは“最終学年誌”なんじゃないかなと思っています。そこは、小学館が年齢別のクラスマガジンを得意としてきたことが受け継がれているのかと思います。
Q.通販に関するビジネスモデルについてのお考えは?
(三浦氏)
通販は大きな収益となっています。『サライ.jp』では常時掲載されていますが、本誌には通販別冊として偶数月号に『大人の逸品』、年に2回ほど国産品だけに限った『買えるメイド・イン・ニッポン』を付録としてつけています。
昨年は高知県と組んで、高知県産のみの通販別冊を初めて作りました。これは“本物”という話にも繋がるのですが、かねてより国産品へのご要望が多くあったので国産品だけを扱う別冊をつくったら評判を呼び、このスタイルを地方の工芸品等に広げて取り組んだものです。今後は新しいビジネスモデルとして他の都道府県や市町村、地方自治体と組んでやっていきたいと思います。
『サライ』の読者は本当に好奇心が旺盛で、また弊誌をとても信頼してくださっています。例えば、ファッションを特集すると帽子から靴まで同じものをくださいという方が扱う店に多くいらっしゃったり、料理の写真では盛り付けた皿にまで問い合わせがあったりと、私たちが驚くほど丁寧に読んでいただいています。通販に関してもそういった読者の方々の好奇心を満たす内容と“本物志向”が『サライ』への信頼に繋がっていると感じています。
Q.着任されてから今日までご苦労がありましたら教えてください。
(三浦氏)
やはりデジタル化というかネット社会にどう取り組んでいくかということでしょうか。
私が『サライ』に来たのは12、3年前ですが、その時の読者の携帯の所有率は驚くほど少なかったように思います。当時の編集者が今の『サライ』を見たら驚くと思いますね。
『サライ.jp』も雑誌のWebサイトとしはかなり早い時期に立ち上げましたが、Webというものがどうしたら本誌の後押しになるのか、どうやって共存していけばよいのかということを模索してきました。今日では本誌を補完するというものではなく、もちろん紙媒体の『サライ』があってこそですが、それぞれが独立したメディアとしてやっています。
Q.『サライ.jp』について経緯等教えてください。
(稲葉氏)
『サライ』は2001年にWebサイトを立ち上げていました。私が就任した2018年当時は、PV自体も伸びず、本誌が発行されたときに宣伝も兼ねて記事を配信する、というようなメディアでした。しかし、小学館全体でWebというもの自体の勢いが出てきたということもあり、今後は『サライ.jp』をメディアとして大きくしていくという方針がありました。
現在は基本的に本誌の記事も掲載しますが、8割以上はWebのオリジナル記事です。
2020年6月にフルリニューアルをし、デザインだけでなく構造的にもいろいろ変えて刷新しました。内容は、『サライ』で人気のあるテーマの「食」「旅行」「趣味・教養」「健康」、そして「生活」というところに「定年」や「お金」等の話を盛り込んでいます。「いのちと食」というカテゴリーでは、「おいしい健康」という会社と組んで管理栄養士の料理レシピや医師の取材を紹介しながら、人生100年時代をどう健康に生きていくのかを提言しています。更にもう一つ『大人の逸品』という小学館が運用している通販カテゴリーがあります。
Webならではの動画系コンテンツにも力を入れています。例えば明智光秀は本能寺までどのようなルートを実際に通ったのかを撮影したり、教養として漢字の読み方などを紹介する「脳トレ漢字」などの動画を作っています。
また、『サライ.jp』はYahoo!ニュースやSmartNews、Gunosyなどにも記事を配信しています。こういった場合は『サライ』という雑誌のカテゴリーを外れて、記事が独り歩きしていきます。そういったところで読まれる記事というものに関しては、読者層が若い傾向にあります。『サライ.jp』自体も370万ユニークユーザー、1,000万PV以上(2001年1月調査)ありますが、属性を見ると配信先では35歳から45歳が多くなっています。
また、男女別においてもWebは女性が半数を占めています。さらに、毎週月曜日、水曜日、金曜日の夕方に配信しているLINE NEWSでは「友だち」登録が75万人以上いて、その多くが女性となっています。このように紙媒体では届かない層まで幅広く補っていき、基本的にはサライ世代が興味を持つあらゆるテーマを扱い、シニアのライフスタイルマガジンという位置付けでやっていこうと考えています。
Q.独立した媒体として『サライ.jp』の運営への決断の背景やコンテンツ作成に
あたって留意していることは?
(稲葉氏)
出版社ですので『サライ』読者をいかに取り込んでいくかという点で、これからデジタルは避けて通れないと考えていました。
方法論で言えばデジタルの方が優れている面、例えば動画での解説とかがありますが、
雑誌で伝えられる部分とWebで伝えられる部分がそれぞれ相乗効果を持ってくれれば良いかと思います。
(三浦氏)
本誌で積み上げてきた見せ方のノウハウから、フォントを明朝体にする、文字の大きさを大きくする、行間を広めにとるなどそういったことも行っていますが、紙でできないことを補えたらいいなと思っています。例えば、『麒麟がくる』の時は番組終了とともにネタバレ記事をタイムリーに配信しましたらFacebookのコメント欄にたくさんのコメントが寄せられました。長年「歴史」記事を扱ってきた『サライ』ブランドの信頼性があってこそだと思います。WebはWebで本誌にはない即時性を大事にしていきたいですね。
コスト面では、Webは毎日記事を更新しないといけないのですべての記事に1本何十万も掛けられません。ゴルフ記事であれば、アコーディア・ゴルフさんと組んで動画・記事を作成したり、ビジネス系の記事であれば、コンサルティング会社の識学さんから記事を頂いて『サライ.jp』の体裁に整えて掲載しています。『サライ』ブランドが確立しているのでこうした提携が実現しています。
他にもオンラインの特性を活かし、現在のように外出もままならない状況でなかなか旅行に行けない読者にむけて琴平バスさんとコラボした「オンラインバスツアー」や、H.I.Sさんとコラボした「オンラインワインツアー」、渋谷の街を大人の街にしたいという東急プラザ渋谷さんとタイアップした「オンライン落語会」などにも取り組んでいます。
インスタライブなども行っていますが、『サライ』読者には、まだあまり届いていないようです。そういったスマホの敷居が高い、使い方がわかないという層へ向けて「スマホ基本のき」という連載記事でシニアに寄り添ったアプローチもしています。
Q.今後、「サライ」をどのようにしていきたいですか
(三浦氏)
これからも大人向けのゆったりとした、読みやすい雑誌にしていきたいと思っています。「食」「伝統工芸」「趣味」などの分野で“本物”を紹介するという使命を残しながらも、成熟した読者や大人の皆さまに満足していただける誌面をいかに届けられるかが大きな課題と思っています。
『サライ』の読者は雑誌と真摯に向かい合っていただいているのが実感できて本当に感謝しています。創刊から31年経ちましたが、この繋がりを大切に40年、50年と続けていきたいと思っています。
(稲葉氏)
通常WEB記事などはスマホで見る率が高いのですが、『サライ.jp』に関してはスマホとPCの割合が大体同じ比率です。長時間スマホの画面を見続けるというのは難しいといった読者へコンテンツを届ける為に今後は音声コンテンツの充実を考えています。老眼で小さな文字が読めなくなっても“サライ読者”と言ってもらえるようなメディアになりたいですね。
Q.最後に、「シニア」をどう捉えられているのか教えてください
(三浦氏)
年齢ではないと思っています。常に新しいことに取り組んだり、知的好奇心が旺盛だったり、行動力があったり、経験値がある人。例えば落語のように人生経験を経てきた人のほうがより楽しめる豊饒な世界があります。それをどこまで追求し、楽しめるのか、それを知っている人がシニアだと思います。
(稲葉氏)
人生経験を積んで、子供や後進に伝えられる自分の考えを持っている大人はみんなシニア。大人でもそのような自分の考えを持っていない人はまだシニアじゃない。心も体も成熟した大人の方がシニアではないかと個人的には思っています。
「サライ(本誌)」
https://www.shogakukan.co.jp/magazines/series/095000
「サライ.jp」
https://serai.jp/
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アクティブなシニアに向けた
人と人をつなぐコミュニティサイト
松竹ブロードキャスティング株式会社 事業開発部 常包久美氏
2019年10月 取材
ナビトモ(旧:シニア・ナビ)は、アクティブシニアの生き方さがし、友だち作りを応援するコミュニティサイトです。コミュニティサイトでは珍しく、リアルな場でのイベントも実施し、人と人の繋がりを大切にしています。
- PV数:約900,000PV/月
- 運営開始日:1999年3月
- 累計会員数:約34,600人(内アクティブ会員は約23,500人)
Q.「ナビトモ」の概要・特徴を教えてください。
ナビトモは今年3月に開設20周年を迎えたコミュニティサイトです。会員層は50歳以上が約95%を占めており、インターネットを通じて、同じ趣味をもつ会員との出会い、ネット上や地域での交流活動をしています。交流の場としてはオンライン上とオフライン上の2つがあり、オンライン上ではブログや写真の投稿、そして会員が管理者となり、同じ趣味を持った仲間でグループ活動を行うサークル活動などがあります。
また、ナビトモだけの強みとして力を注いでいるのが、事務局主催のオフィシャルイベントを定期的に開催していることです。
他のコミニュティサイトでは、イベントやオフ会を行う場合、会員同士で自由に企画運営を行っていることが多いですが、ナビトモでは、それ以外に事務局が企画し開催するイベントを行っています。
会員の皆さんはとてもアクティブです。ですが、実際にあったことない方たちと会うのは緊張しますし、勇気がいること。そんな方々のあと一歩のお手伝いとして、事務局スタッフがサポートするオフィシャルイベントを開催することで、気軽にイベントにご参加いただき交流の輪を広げていただければと思っています。
Q.どのような会員の方が多いですか?
ナビトモには北海道から九州・沖縄まで全国に会員の方がいらっしゃいます。
中でも関東圏にお住まいの方が約半数を占めており、次いで関西圏が約2割となっています。
また先日行ったアンケートによると、会員の約95%が1日に1時間以上インターネットを利用し、そのうち23%が4時間以上利用するという結果が出ました。これには大変驚かされましたが、ここ最近、スマホを利用してのナビトモアクセスがとても多くなっており、インターネットを手軽に利用できる若者たちと遜色ないアクティブシニアが多く登録しています。
Q.御社の考えるシニアのイメージは?
「シニア」と聞くと介護や終活など、内にこもったイメージされる方もいらっしゃるかと思います。
私もよく、クライアント様とお話していると「シニアがコミュニティサイト?」と驚かれますが、ナビトモの会員はとにかく前向きな方が多く、何事にも積極的に取り組まれる印象です。
Q.シニアといえば紙媒体の方が強いイメージがありますが、何故あえて媒体をWEBにされたのでしょうか?
近年、スマホが普及し、手軽にインターネットを楽しむことができるようになりました。先程お話したインターネットの利用時間が1時間以上という会員が多いように、ナビトモを検索し、登録・活動することは、シニアにとっても抵抗なく利用できる媒体だと思ったからです。
また、WEBですとどこにいても全国の方々とつながることができます。ナビトモサイトの役割は「コミュニティ=交流」だと思うので、場所を選ばず交流できる場としてWEB媒体を選択しました。
Q.サイトに対する会員の方の声や反応はどうでしょうか?
みなさんとても積極的に事務局に連絡を下さいます。
イベントではアンケートをお願いしているのですが、丁寧に答えてくださり、一緒にナビトモを盛り上げて下さる熱い思いを強く感じています。
また、サイトを熱心に使われている方が多くいらっしゃるので、操作方法に関するお問い合わせが多く、使いやすさを追求したご意見もたくさんいただけてとてもありがたいです。
Q.シニアマーケットの難しさを感じることはありますか?
あります。みなさんそれぞれ違った人生を歩まれてきましたから、すべての皆さんに喜んでいただける企画を行うのはなかなか難しいです。
ただ、気に入っていただけるととても喜んでいただけるので、そういった光景や感想を伺うととても嬉しいですし、やりがいを感じます。
また、それとは逆で一度嫌な思いをされるとなかなか戻ってきたもらうことが難しいです。距離を置きすぎるのもダメ、と言って馴れ馴れしすぎるのも失礼になります。その都度、その方に合わせた対応に難しさを感じています。
Q.人気のコンテンツはどのコンテンツになりますでしょうか?
人気があるのはギャラリーです。カメラがお好きな方が多いので、撮った写真を投稿し、そこに誰かが反応してくれると嬉しく、また投稿しよう!という気持ちになるようです。
写真は、手軽に投稿できる交流ツールです。「あっ!これナビトモで投稿しよう」と常にナビトモを頭の片隅に入れながら皆さん行動してくださっていると思うと嬉しいですし、私もついつい楽しみながら拝見しています。
Q.会員の方が反応しやすい商材はどのようなものでしょうか?
旅行や舞台などのエンタメ関連は反応がいいです。特に映画の劇場鑑賞券は毎回数百件の応募があります。旅行関連では、宿泊施設を運営される企業様とイベントを行ったのですが、とても反応が良かったそうです。
やはり外に出て新しいことを求める会員が多いので、反応も必然的に良くなるのだと思います。
広告をご出稿いただくにあたり、おすすめなのは実際に商材を体験いただけるイベント実施です。「メンバータイアップ」というメニューになりますが、これまでご出稿いただいた企業様からは、成約率の高さにご満足いただくことが多く、ご好評頂いています。
Q.どんな業界の出稿事例がありますか?
これまでの出稿事例は、旅行、健康、不動産、電化製品など多種に渡ります。
また、通販サイトとのコラボ企画として商品の体験者モニターを実施しましたが、体験した会員の方からは、日常生活で困っていた悩みを解決できて本当に良かったと喜びの声をいただき、クライアント様からは想定以上に生の声が聞けて良かったとお褒めの言葉を頂きました。
ナビトモの広告メニューは、バナーの純広告、プレゼントキャンペーン、会員が参加するタイアップや体験イベント等があります。全国に会員が在籍しておりますので、幅広く商材を認知させたい企業様にはバナーやメルマガを、意欲の高いお客様を捕まえたい!という企業様には、メンバータイアップをおすすめしています。そのためには、メールや電話だけでなく直接お会いして、ご要望を伺った上でご提案することを心がけており、時には企業様に合わせたカスタマイズ企画を提案し、実際に実施いただくこともあります。
Q.今後どのようなサイトを目指していきたいとお思いでしょうか?
「顔の見える事務局」をモットーに定期的に会員の皆さんと顔を合わせ、話合いをしながらよりよいサイト運営をしていきたいと思っています。
インターネットはとても便利ですが、不安に思う部分も多く感じている方がいらっしゃるかと思います。そういった方たちにも安心してナビトモをご利用いただけるよう、常に皆様と同じ目線に立った会員サポートを全力で行っていきたいです。
Q.今後新たに取り組みたい施策は何でしょうか?
より一層のサイト活性化を行っていきたいと思っています。
ナビトモにはとにかくアクティブな方々が多いです。中には、映画好き、音楽好き、カメラ好きなど様々な趣味をお持ちの方も多く、そういった方々を対象としたイベント企画や情報提供を行っていくことが、大きなコミュニティに発展する第一歩だと考えています。
また、会員の皆さんにナビトモスタッフとして運営にお力添えいただけないかと考えています。
ナビトモは全国に会員がいながらも事務局主催のイベントはどうしても関東に偏ってしまい、「私たちの地域でもやって!」というお声を多数頂いています。
そういった時、各地域に会員として活動いただける方がいらっしゃれば、毎日どこかでナビトモイベントを行うことも夢ではありません。
ナビトモは、あくまで会員のみなさんが主役です。その思いを軸に今後も運営を行っていきたいと思います。
「ナビトモ(旧:シニア・ナビ)」
https://www.navi-tomo.com
上記メディアの詳細、その他シニア向けメディアプランニングについては、
ルーツ・オブ・コミュニケーション株式会社までお問合せください。
健康のスペシャリストや専門家の声が必要、
そんな時個性あふれる医療従事者がすぐに見つかる
「女医+(じょいぷらす)」
「医師+(いしぷらす)」
株式会社 医師のとも PR部 里見由生子氏
2019年7月 取材
シニア向けメディア/医師向けサンプリングアンケート
医療のみならず「健康」「ヘルスケア」「ウェルネス」「ビューティ」のスペシャリストでもある医師が商品・サービスを試用し、感想をアンケート形式でフィードバックするサービスです。医師の評価をプロモーションに活用いただくことで、訴求力アップやブランド力向上が期待できます。
シニアビジネスマッチング/医師・歯科医師キャスティング「女医+」、「医師+」
医師としての活動はもちろん、プラスαの知識や経験を持つ医師・歯科医師が約400名所属、医療・健康・美などに関する情報発信やプロモーションを支援しています。医学的知見に基づいた確かな情報により、商品の信頼性向上やブランド力強化など新たな価値を創造します。
Q.医療関係者を会員として集めることができたきっかけや、医師のともの成り立ちをお聞かせください。
まず、「医師のとも」は、ドクターの人生に寄り添うドリームサポーターを目指して設立されました。
医師が働きやすくなり、より良い医療が出来ようできることで医療界全体の発展につながるのではないかという考えの元、医師の転職のサポートをスタートし、その後、開業や事業継承のサポート、婚活イベントの主催などプライベートにも寄り添ったサービスを展開するに至りました。
会社の名前である「医師のとも」は、多角的に事業を展開し、医師にとってかけがえのないパートナーになりたいとの思いに由来しています。
現在、10,000名を超える医師や歯科医師に会員として登録いただいていますが、最初の医師とのつながりは、弊社社長である柳川(代表取締役 柳川圭子氏)がライターをしていた時に、ジャミックジャーナル(リクルートドクターズキャリアの前身)でドクターのキャリアについての連載を行っていたことや、週刊誌に女医が登場するコラム(週刊ポストのインタビュー記事『美人女医の秘密のカルテ』)を連載していたことが発端です。
その後、先生方が普段から抱えている様々なお悩みもお伺いするようになり、そのお悩みの解消を支援すべく、2012年に会社を設立しました。
Q. では、医師のともさんでは現在、どのような事業を展開しておられるのでしょうか。
先ほど触れたように、医師の転職サポートが主な事業内容です。
まず、医師には常勤、非常勤、スポットでの勤務など、様々な勤務の仕方がありますが、ワークライフバランスの充実やキャリアアップといった、医師それぞれの要望に対して最適と思われる転職先や勤務先を紹介しています。
また、医師の人生に寄り添うという意味では、新規の開業や、開業している医院の事業承継もライフステージにおいて重要なイベントです。それらを「開業サポート事業」や「継承サポート事業」を通じて支援しています。
これらは医師の職業に対するサポートですが、そのほかに医師のプライベートに寄り添った支援も行っています。例えば、婚活や異業種交流など、人と人とのつながりをサポートする「イベント事業」や、不動産投資やご子息の教育などのアドバイスなどの「ライフサポート事業」がそれにあたります。
さらに、このように多くの医師や歯科医師が会員として加わり大きなネットワークができた強みを活用して、医師と各種企業とのコラボレーションで商品のプロモーション支援や情報発信をサポートする「PR事業」も行っています。

医学的知見に基づいた確かな情報だからこそ、商品の信頼性向上やブランド強化に寄与する
Q. その「PR事業」について詳しく教えてください。
弊社の「PR事業」では、女性医師が所属する「女医+(じょいぷらす)」と男性医師が所属する「医師+(いしぷらす)」の二つのユニットを運営しています。
活動内容は大きく分けて二つあります。
まず一つ目は「情報発信活動」です。これは、医師のメディア出演や雑誌・WEBで配信される記事の監修などに対して適切な医師を紹介したり、雑誌や新聞などの取材、企業がおこなう講演会の講師として医師を紹介したりしています。

メディア向け情報発信支援の例
もう一つは「プロモーション支援活動」です。新商品の企画・開発のアドバイス、商品販売の際に医師を対象としたサンプリングアンケートの実施、医師からの専門的なコメントの提供、イベントへの医師のキャスティングなど、商品やサービスのプロモーション活動を支援するような活動です。

企業向けプロモーション支援の例(これ以外にも企画内容に沿ったメニューの提供が可能)
「女医+」と「医師+」には公式サイトがあり、ここで詳しいサービスメニューや事例を紹介しています。
また、所属医師の専門科目や様々なプロファイルなどもご覧いただくことができます。
医師としての知見だけでなく、野菜ソムリエやアロマテラピーアドバイザー、サプリメントアドバイザー、気象予報士などの有資格者や、ママさん女医など、多彩でユニークなプラスαの資格や経験を持った医師が揃っているのも、女医+、医師+の特徴です。

医師の知見にプラスαの知識や経験を持つ医師・歯科医師が多数所属するのが特徴
ある広告代理店さんからお伺いしたお話をご紹介します。とあるクライアントの商品PRのための医師が必要でしたが、当初は商品にマッチした医師をどのように探すしたらよいのか全く見当がつかなかったそうです。
その後、書籍を出している医師なら意見をもらえるかもしれないと考え、書店に行き著者を確認し、出版社に事情を説明して著者の医師を紹介してもらうなど、大変ご苦労されたそうです。また、このように大変な思いをしてせっかく行き当たった医師の都合が合わないといったこともあり得ます。
その後、もっと効率的な良い方法はないかということでネット検索を経て、「女医+」を知っていただきました。結果として、すぐにニーズに合った医師を一度に数名ご紹介させていただいたのですが、ご希望にあった医師をアサインすることができて大変喜んでいただきました。
Q. 具体的な「女医+」、「医師+」の事例をご紹介ください。
はい、まず一つ目はサンプリングアンケートの事例です。
サンプリングアンケートとは、医師が対象となる商品を試用し、その感想をアンケート形式で回答し、その結果データをマーケティングや販売促進に活用いただくサービスです。
ある企業からの依頼で、既存商品であるバナナを内科系の医師57名に食べてもらい、アンケートに回答いただきました。その結果、83%の回答者から「健康のためにこのバナナをすすめたい」との回答を得ることができ、商品のラベルや店頭のPOPにドクターが推奨する商品として表示し、競合商品との差別化対策として活用いただいています。

サンプリングアンケートの実施事例
もう一つの事例は講演会です。ある食品会社が、栄養価が高くスーパーフードとして注目されているモリンガを含む青汁を発売するにあたり、メディア向けのセミナーを開催しました。その際に「女医+」がご紹介した糖尿病内科医が登壇し、モリンガの栄養と有用性について解説しました。この講演の内容は各種メディアに掲載されました。

イベント登壇の事例
なお、プロモーション支援として医師から発信するコメントや講演内容は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)などの関連法令を遵守して取り扱っていますし、企業様からいただく企画の段階で、関連法令や規則などの遵守をお願いしています。
例えば、医薬品ではないものについて治療効果があるかのような説明や、特定の製品に誘導するような表現は広告規制に抵触しますので、事前にチェックしています。
Q. いずれの事例も専門家としての意見が加わり、訴求力の向上につながりそうですね。では「女医+」や「医師+」の申し込みから実際の利用までの流れを教えてください。
お電話や、「女医+」や「医師+」の公式サイトからお問い合わせいただくことができます。
まず企業の担当者様から企画の内容をお聞きし、どのような形態のプロモーション施策とするかを協議します。弊社では多種多様な医師会員の中から、企画の内容にマッチした医師をキャスティングし、出演交渉や条件交渉をマネジメントします。
実際に医師が決定した際に、契約を締結します。そして企業様と医師との間で進行管理をおこないます。
企業様から企画をいただいて弊社で候補医師を提案する場合もありますし、サイトを見て「この先生にお願いしたい」という希望を提示される企業様もあります。

キャスティング業務の進行フロー
今年度(令和元年度)からは、この「女医+」や「医師+」の認知度をさらに上げ、更に多くの企業様とのコラボレーションを展開したいと考えています。
Q. 「女医+」、「医師+」がシニアライフにどのようにかかわっていくか、お考えをお聞かせください。
これまでご紹介した「女医+」と「医師+」には、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の領域の医師、人間ドック専門医、認知症予防の領域などの医師がいますので、シニア向け商品のプロモーションと親和性が高いと考えています。

「女医+」、「医師+」の登録医師の診療科目は50以上と多岐に渡る
また昨今、予防医学という考え方も浸透してきています。その流れの中では、シニア世代になっても健康・アクティブでいられるために、シニアと呼ばれるより前の世代から健康のことをしっかり考えた生活を送ることも重要です。そういった観点での専門的な知見を提供できるのが、「女医+」、「医師+」の強みだと考えています。
弊社では医師とともに歯科医師も多く登録していただいています。これまでは、歯科医師は主にホワイトニングや口臭管理など、オーラルケアに向けたご依頼が多かったのですが、歯周病と肥満や糖尿病などの生活習慣病が関連しているなど、お口のケアがからだ全体の健康につながるという情報もあり、注目されています。
弊社に登録されている歯科医師の中にも、歯科からトータルヘルスケアの実現を考えておられる方もいらっしゃいます。
また、歯科を口腔管理の医学と広く捉えると、嚥下障害・誤嚥により肺炎を発症してしまう高齢者が多くいらっしゃいます。このような分野も歯科医師の専門領域です。
医科と歯科のコラボレーションでシニアの健康に貢献していきたいと考えています。

「女医+」、「医師+」のシニアマーケティングとの親和性の高さについて熱心にお話くださるPR部の里見氏
Q. では、現在の事業活動の中で課題と考えていることはありますか?
「女医+」と「医師+」が企業のマーケティングや販促担当者にもっと広く知られることが、今後の課題です。これまでは知り合いの企業からの依頼や口コミでお問い合わせをいただいていましたので、商品のプロモーションに医療者としての専門的見解を提供する支援事業としてはまだ知名度が高いとは言えないと考えています。
一方で、お取引いただいた企業からは、別案件の依頼を頂戴する機会が多く、顧客リピート率は80%を超えています。ニーズの高いサービスだと実感しており、会社にとっての第2の柱の事業となるべく尽力しているところです。

サービス開始後、口コミで評判が広まり、既に多くのメディアでキャスティング実績を持つ「女医+」、「医師+」
Q. 最後に、今後の活動についてお考えをお聞かせください。
超高齢化社会に突入し、平均寿命と健康寿命の乖離もしばしば取り上げられています。
シニアの方たちが健康で毎日をすごし、健康寿命を延伸させるためにも、健康のスペシャリストである医師の知見を身近に取り入れていただけるきっかけとなるよう、様々な企画とのコラボレーションを更に展開していきたいと思っています。
本日はありがとうございました。シニアライフ総研では今後も御社の活動に注目して参ります。
「女医+(じょいぷらす)」
https://joy-plus.net/
「医師+(いしぷらす)」
http://www.ishi-plus.net/
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病態別ピンポイントターゲットにリーチ
ヘルシーネットワーク通販カタログ同梱
2017年4月
3種のカタログごとに病態(生活者の課題)が明確になっていることが大きな特徴の、ヘルシーネットワークの通販カタログ同梱メディアです。
- 発行:株式会社ヘルシーネットワーク
- 配布エリア:全国(関東中心)
- 配布時期:3月・9月の年2回
- 仕様:A4以内 (A3二つ折り、A4以内なども可)
媒体概要・特徴
毎年3月と9月に株式会社ヘルシーネットワークが発行し、会員へ発送する3種類の病態別カタログへ広告物を封入します。
病態別カタログは業界からもそのクオリティの高さに定評があること、また生活に必要な商品が掲載されていること、管理栄養士からの推奨であることからとても高い開封率が期待できます。
またカタログごとに病態(生活者の課題)が明確になっていることも大きな特徴として挙げられます。
株式会社ヘルシーネットワークについて
株式会社ヘルシーネットワークは、退院後に自宅で食事療法を続ける方のために、宅配便で商品をお届けする通信販売事業を行っています。
医療・介護施設向け食品の通信販売会社としては日本最大規模を誇り、年間31万軒以上に商品をお届けしています。商品の特徴別に、やわらか食カタログ「はつらつ食品」、低たんぱく食カタログ「いきいき食品」、カロリー調整食カタログ「にこにこ食品」の3種のカタログを編集・発行し、オンラインショップも運営しています。
商品のほか、学会の最新情報や専門家監修による情報を多数掲載し、全国18,000ヶ所の医療・介護施設で、栄養指導などに幅広くご利用いただいています。豊富な商品から、選びやすく、わかりやすく商品をご紹介するための工夫も続けています。
ターゲットについて
株式会社ヘルシーネットワークの顧客で食事療法をされている方は年間31万軒以上で、月平均2万軒です。
病態別では、腎疾患患者が52%、咀嚼困難・嚥下障害患者が38%、糖尿病患者となっています。
そのため、病態セグメントがされており、ターゲットの食生活が明確になっているという特徴があります。
想定されるクライアント
ターゲットが非常に明確ですので、自宅で介護を行っていらっしゃる方向けの介護・福祉用品はもちろんですが、福祉車両メーカー、シニア世代を考慮したプロダクトデザインの生活家電メーカー、日用品・衛生用品のメーカー等が想定されます。
ピンポイントターゲットにセグメントされ、尚且つ母数の大きなリーチが可能な非常に珍しいメディアですので、是非ご検討ください。
取材記事 シニアマーケット最前線「企業から学ぶ」:
第1回 株式会社ヘルシーネットワーク 「病院・施設の食事療法を在宅で」
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歳を重ねてもアクティブに 人生を楽しむためのライフスタイル提案雑誌
株式会社小学館 サライ編集部 編集長 小坂眞吾氏
2016年12月 取材
「サライ」は50代以上でアクティブに生活や趣味を楽しむ、いわゆるアクティブシニアに向けて旅行や日本文化など人生を豊かに楽しむための情報や、ライフスタイル情報を発信する雑誌です。
- 発行:小学館
- 発売:毎月10日
- 定価:税込700円(税込)
- 発行部数:17万1250部
- サイズ:A4変形判
Q.読者層であるアクティブシニアの定義についてどのようにお考えでしょうか?
まず、「サライ」は「趣味の雑誌」というイメージを持たれがちですが、「生きることを楽しむための雑誌」です。表面的には旅、美食、趣味といったものを扱いますが、その底辺に流れるテーマは「人生」と「暮らし」。生きる喜び、暮らす楽しみを提供するのがサライの使命なのです。
毎月10万部以上の売上がある雑誌ですから、あまりマニアックな特集は組んでいません。まず楽しく生きるというベースがあって、その実現のために趣味に取り組んでほしいと思っています。
編集部員にも、「ひとつの趣味のために人生を捧げている人は、サライの読者ではない」という風によく言っています。
趣味のために生きるのではなく、生きるために趣味がある。色々なことに興味を持ち、生きることそのものを楽しんでいる人が、「サライ」のターゲットとなるアクティブシニアです。
Q.他の雑誌との違いや工夫されているところがあればお教えください。
本誌に掲載する写真は、手前から奥までピントを合わせて撮るようにカメラマンにお願いしています。読者に「老眼だからぼやけて見えるのではないか」といった不安を与えないためです。
また、「サライ」はライフスタイル誌であると同時に情報誌でもあります。写真もひとつの情報になるので、写っているものですべてを説明するという意味でも、すみずみまではっきり写っている写真が好ましいです。
コンテンツについては、以前すべてのページをカラーにしていたのですが、カラーの場合どうしてもビジュアルや写真がメインになり、パラパラとめくって、ただ眺めただけで終わってしまいます。月刊で700円払っていただいていますので、一度読んで終わりではなく、一か月間じっくり楽しんでいただけるコンテンツ作りを目指したいという思いから、2016年11月号よりモノクロページを導入しました。
文章メインの「読む」コンテンツを増やすことで、読者の滞在時間を増やし、満足度を深めたいと思っております。
モノクロページは現在16ページあり、作家の林望さんや「国家の品格」の藤原正彦さん、言語学者の金田一秀穂さん、荒俣宏さんらに連載をお願いしていただいております。
Q.雑誌作りにおいての考えや気を付けていることはございますか?
創刊時(1989年)は、最新の情報や流行を載せることが雑誌界の主流でした。
「こんなお店がオープンしました」、「いまこんなものが流行っています」などです。
しかし「サライ」は逆に、新しいものを一切載せず、古くからあるものだけを掲載しました。
新しい店は、水泡のように次々と生まれて、次々と消えていく。その中にあって、100年、200年と続いている老舗こそホンモノであり、真に掲載すべき情報である、という発想です。
創刊当時はシニアをターゲットとしていこうという意識は全くなく、シンプルに、古くからある良いモノ・コトを紹介するということがコンセプトでした。当初はいわゆる「アラサー」「アラフォー」のOLさんが、電車の中で「サライ」を読んでいるのをよく見かけたものです。今でも基本は変わっておらず、シニア向け雑誌という意識では作っていません。
現在は女性誌でも伝統や文化の記事が増えたので、「サライ」読者は男性シニア層の比率が高くなりましたが、歳をとっていても、年齢で行動や趣味を制限しない人が多い傾向があります。
そのため、「シニアだから何々」、「シニアだからこういうネタが受けそうだ」という記事にならないように気を付けています。「趣味や楽しみに年齢は関係ない」ということを踏まえて、“生きることを楽しむ”という記事づくりをしていった結果、シニア層の読者が多くなっていったのです。
健康法なども、高齢者にしか通用しないような記事は組まないですし、病気の話題も扱いません。
健康はあくまでもより楽しく生きるための手段であり、人生を楽しむために健康でいようという考え方です。
つまり趣味も、健康に気を使うということも、すべてはより楽しく生きるための手段なのです。
例えば2016年12月号の特集「書を愉しむ」もそうです。趣味として本格的に入門するというより、エッセンスを少しかじって年賀状に取り入れてみるくらいの心持ちでいいのです。
Q.現在そしてこれからのシニアマーケットについて何かお考えはありますか。
まだ顕在化していませんが、今後年金問題などから貧富の二極化が進むと思います。
この数年でというわけではないと思いますが、今現在の「サライ」の読者ターゲットは趣味にアクティブな中流家庭を想定していますので、「数十年後に、読者はいるのか」という懸念があります。
また、お金が極端にない人とある人に分かれると、可処分所得がないと趣味も持てず、アクティブになれないため、その頃にはアクティブシニアという概念自体が成り立つのかという懸念もあります。とは言っても、サライの読者は値段が高くても良いものは買うという人たちですので、そこまでまだ深刻には捉えていませんが…。
Q.「サライ」読者のようなアクティブシニア層にものを買ってもらうにはどのように?
「サライ」は隔月で通販カタログ「大人の逸品」が付いているのですが、売れる商品の傾向から見ると、単なる「高級感」だけでは読者は動かないと感じます。
商品に物語や歴史があり、価値の裏付けがあり、自分の価値観に合致する商品にお金を出すようです。一生使うものであれば価格が高くても買ってくれますね。
実例で言うと、ライカのデジタルカメラは一台10万円ほどの価格にもかかわらず、約一年半で300台ほど売れています。この冬に売り出した、京都の大徳寺でお坊さんが実際に着ている作務衣は、大徳寺の格の高さや歴史と、作務衣という人気商品でよく売れています。
Q.サライ読者に響きそうな商品はどのようなものでしょうか。
やはりこちらも一時の流行でない、歴史や伝統を感じさせるものや物語性があるものです。
あるウォーキングシューズの誌面タイアップを行った際、歩きやすいという商品特長を「サライ」流に紹介したのですが、ウォーキングに興味がある読者が多いということもあり、記事広告掲載後、百貨店での売り上げが三倍ほどになったと聞きました。
商品の機能やコンセプトとうまく合致すると、購買力のある読者だけに、大きな広告効果が見込めると思います。
また、レナウンのアクアスキュータムというブランドも毎年タイアップ広告をいただいておりますが、読者からの支持が非常に高いです。第一次世界大戦時にトレンチコートを世界で初めて作ったという、歴史と伝統あるブランドです。ここにもやはり支持されている理由として、信頼性と歴史的な面での正統性と、「英国王室御用達」というところがあるかと思います。
創刊時から、日本の伝統、文化や古くからあるお店などを紹介して支持されていることもあり、「老舗」「歴史」「伝統」「物語」「職人」などがサライ読者に響くキーワードです。
サライ.jp
http://serai.jp/
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祖父母と孫のつながりをテーマにした
情報を紹介
株式会社トド・プレス 第2編集部 室長 門前貴裕氏
2016年4月 取材
「孫の力」は2011年に創刊された「孫がテーマ」という大変ユニークな雑誌です。孫を持つ祖父母をターゲットにした雑誌ですが、主に祖父(シニアの男性)目線で制作されている事も特徴的です。
- 発行:木楽舎
- 発売:隔月(奇数月)
- 定価:905円(本体価格838円+税)
- 発行部数:5万部
- サイズ:A4変形判
Q.まず「孫の力」を発行する事になったきっかけを教えて下さい
統括編集長の小黒一三(おぐろかずみ)は、2010年に中国南部にある世界一の長寿村「巴馬(バーマ)」を訪れました。バーマは、100歳以上の超高齢者の割合が世界で一番高い村で、村にはたくさんのお年寄りが暮らしているのですが、お年寄りは口々に「孫が大切で孫の成長を見られる事が何よりも幸せだ」と話していたそうです。
当時、日本では「終活」や「エンディングノート」といった自分の死について考えるものが流行り出していましたが、小黒は「日本にはバーマのお年寄りのように孫の力がもっと必要なのではないか」と感じたのです。
また、動物学者の「島泰三(しまたいぞう)先生」の影響もありました。島先生は、主に猿の行動を研究している学者ですが、先生の研究によると、猿の社会は孫と触れ合う事はなく孫と触れ合う事ができる人間は特別な存在なのである、とわかったのです。
このようにバーマのお年寄り、そして島先生の研究がきっかけとなり、もっと孫の力が必要な日本で、孫をテーマにした雑誌を作りたいと考え発行する事になりました。
Q.数あるメディアの中でなぜ「雑誌」を選んだのでしょうか
ご存知の方も多いかと思いますが、小黒は「BRUTUS」の編集長でもあり、基本的にプロダクトアウトで物事を考えるタイプです。まず「こういう価値観を伝えたい」という思いが先にあり、孫をテーマにした雑誌をつくるという今まで誰もやらなかったことをやりたいと考えました。
そこで、自分のエンディングを考えている日本のシニアに「孫の事をもっと考えて未来に向かって生きようよ」というメッセージを発信したいと思ったのです。
また、シニア層は「雑誌」という紙媒体に対するシンパシーが強いので、紙であることの強みを活かせると考えました。
Q.「孫の力」が今の形になった変遷について教えて下さい
当初は、あまりマーケットを意識せずに「孫をテーマにした雑誌をつくる」という考えでスタートしました。創刊当時は、震災の影響もあり「震災が起きても大丈夫」というような内容や、お金や教育などに関するコンテンツを中心に取り上げていました。
その後、2012年の第6号から「孫と仲良くする」というテーマにしようと考え、「孫と夏休みに何をする」「孫をカメラで撮る」「孫と旅をする」などの企画を取り入れました。
それ以降も、孫と仲良くしようというテーマが多かったのですが、「そもそも60歳の祖父母が孫と仲良くする事だけを考えて良いのだろうか」と考え始めたのです。もちろん、孫との時間は大切ですが、それは人生の一部にしかすぎなく、祖父母自身がしっかりと生きる事が何よりも重要で「孫に格好良い背中を見せられるような祖父母になろうよ」というコンセプトに変更し、2013年11月に発売された第15号から大幅に内容をリニューアルしました。
その後は、「死ぬまでマンガ」「東京五輪を見てから死ね」「猫を抱いて死にたい」というような斬新なタイトルにしてみたり、逆に「生きたい」をテーマにしてみたりと、様々な内容にチャレンジしました。表紙もイラストから写真に変えるなどして、コンテンツ制作にも更に力を入れ、販売部数も右肩上がりで増えるようになり今の形となりました。
Q.人気のコンテンツやその他工夫されているところを教えて下さい
隔月発売なので毎号の制作が大変なのですが、取材やコンテンツにはとても力を入れています。その中でも特に「60日カレンダー」というコーナーは大変好評です。
60日カレンダーとは、60日分のインフォメーションをこちらで設定してアクションプランを決めてしまう、というものなのですが、例えば「○月○日 温泉に泊まりに行ってみよう」とか「□月□日 納豆を食べ比べてみよう」といったアクションプランが既に決められている為、それを実践している読者も多いようです。
雑誌の構成は、シニアが読みやすいようにシンプルなデザインにし、構造を複雑にしないように注意しています。フォントもなるべく大き目にして、紙の質にもこだわりシニアに響くような雰囲気づくりを演出しています。
Q.読者のターゲットはどのように設定されているのでしょうか
創刊当初は「孫がいる祖父母は60歳前後だろう」とイメージしていたので、その位の年齢を対象としていたのですが、実際には40代の方でも孫がいるケースもあるし、80代の方に40歳位の孫がいるといったケースもあります。この事は、当初あまり意識していませんでしたが、読者のターゲットを「3歳位の孫がいてまだ仕事はしているが定年退職を迎える65歳前後の男性」と設定しました。
なぜそのように設定したかというと、日本のアクティブシニアは、男性よりも圧倒的に女性のほうが多いのでシニアの男性がもっと元気になれるような雑誌をつくりたいと考えたからです。
実際には、男性だけでなく多くの女性にもご購入頂いており、また、孫がいない方にもご購入頂いているのですが、あくまでも男性目線で今後もつくっていきたいと考えています。
Q.これからのシニアに必要な事は何でしょうか
体が動くのであればテニスなどのスポーツを楽しむ事も良いかと思います。しかし、体がうまく動かないとしても学ぶ事は出来ます。体が動く事だけがアクティブではないと思いますし、これからのシニアが格好良さを構築するためには知性が必要だと考えています。
雑誌の連載でも、生物学者の「福岡伸一(ふくおかしんいち)」先生が校長を務める「知恵の学校」の学習内容を一部掲載しています。この「知恵の学校」は、ブックマイスターを目指す学校ですが、この学習を通じて知性を高めてもらう事が重要であると考えています。
また、これからのシニアは、社会ともっと関わっていく事で人生を楽しむ事ができると思います。誰かに期待されたりすると幸せを感じたりする事がありますよね。社会ともっと関わって、知性があり格好良いシニアになる事を目指して頂きたいと思っています。
Q.今後の展開などについて教えて下さい
企業とのコラボレーション企画などにも力を入れていきたいと思います。今までにも証券会社や日本郵便などとコラボレーションして、シニア向けのサービスをいくつか紹介してきました。例えば、日本郵便の「みまもりサービス」を3回にわたって特集しましたが、このサービスは、60歳位の方々の親(80歳~90歳位)が離れて一人で暮らしている場合などに、全国にある郵便局の社員がお家に訪問して様子を確認し、家族に報告してくれるというサービスです。このようなサービスを紹介する事により、読者の反響も非常に高く、また日本郵便にも大変喜んでもらえました。
今後も、雑誌の編集コンセプトを維持しつつ、しっかりとしたレギュレーションの中で、出稿企業のニーズにも合わせられるような形でタイアップなどの特集も盛り込み、読者に必要な情報を発信していきたいと思います。
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観光バスというクローズドな空間で
リーチできる新しいメディア
株式会社インコム 代表取締役 筒井潤 氏
2016年1月 取材
バスツアーのバス車内で展開される車内ラジオと参加者へ配布されるフリーペーパーに広告掲載が可能です。バス旅行の参加者は、アクティブなシニア層が中心であるため、セグメントされたターゲットにアプローチ可能です。更に、バスツアーの特性上、移動時間が長いという特徴もあります。
<バス旅BOOK>
- 発行部数:約/80,000部
- 発行サイクル:月刊
- 仕様:B5版/オールカラー/25ページ以上
- 配布形態:バス車内での手配り/提携旅館での設置配布
<バス旅RADIO>
- 秒数:20秒
人気パーソナリティによる上質なトークと懐かしい音楽が展開される車内ラジオ。
Q.「バス旅BOOK」と「バス旅RADIO」がどのようなサービスか教えてください。
「バス旅BOOK」は、現在3社の旅行会社と契約していますが、それぞれ特徴がある冊子となっています。農協観光は、おすすめの旅のコースを先行取材して、お客様に見所などの案内をしており、京王観光は、京王線沿線のシニア向けに少し文化的な香りを出しています。また、読売旅行は「旅行読売」と連動した記事などを掲載し、全国にファンをもつ読売ならではの冊子に仕上げています。
「バス旅RADIO」は車内で聴くオリジナルの観光ラジオですが、「バス旅BOOK」と連動している部分もあり、冊子に掲載している内容の詳細を「バス旅RADIO」内でご紹介したりしています。また、掲載している商品の使用法などをTVで語るなど、立体的な広告を車内で楽しんでもらいます。
Q.どのようにしてこれらのサービスを思いついたのですか。
もともと旅行が好きという事もあり、国内外問わず各地を旅行し、その間様々な交通手段を使いました。その中でも、特に「バス」に注目し、観光バスの移動時間の長さや、車内で暇を持て余してしまうことに「何か出来ないか」と考えていました。
また、観光バスの利用客のほとんどがシニア層、という事もあり、この年代が喜んでくれることは何だろうと考えた結果、バス旅エンターテイメントを思いついたのです。
例えば、バスの車内で「歌声喫茶」のような感じで、みんなで一緒に歌を歌ったりできたら楽しいのではないかと思い、車内で冊子を配布し、それに連動したRADIOを流してみようと考えついたのです。
Q.なぜ「バス」だったのでしょうか。
まず、観光バスを利用するユーザーのほとんどがシニア層であるという事。これは他の交通手段にはない特徴です。
また、多くの利用客が、バス旅行の移動時間を「暇」だと感じているのではないか、と思いました。この持て余している時間がもったいない、そしてターゲットが明確である、という点から観光バスの車内で利用できるメディアを作りたいと考えました。
Q.お客様からの反応はどうですか。
お客様は、バス旅行を申し込む際に、当社のサービスがあるかどうかはわかりませんので、いつもと同じように予約をされます。旅行当日になって、観光バスが出発すると、バスの車内からは懐かしい音楽が流れ、ラジオDJが「では皆さんで一緒に歌ってみましょう!」などと声をかけてくるので、「あれいつもと違うぞ」となるのです。
少し戸惑いながらも、お客様の手元にはバス旅BOOKがあり、その表紙に歌詞が印刷されていますので、それを見ながら自然と口ずさむのですが、徐々にその声も大きくなり、まさに「歌声喫茶」のようにバス車内が盛り上がります。
中には音量が少しうるさいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどのお客様が「いつものバス旅行とは違い楽しかった」と喜んでくれています。
Q.バス会社や旅行会社からはどのような反応でしょうか。
バス会社はいかに安全に目的地までお客様に移動してもらうか、また旅行会社はお土産屋や観光スポット、また宿泊先との交渉などで、車内での移動中どのように楽しんでもらうか、という点までは、十分に力を入れられないのが現状だと思います。
そのような状況で当社が各社と協力し合って、バスの車内を盛り上げますので反応は良いです。また、本業以外の収入が増える期待もあり、好評です。
たまに、お客様がバスの運転手に「この曲どこで買えるかしら?」と質問がいってしまう事がありますが(笑)、いまのところうまくご対応頂けているようです。
ですから、もっと全国のバス会社や旅行会社などと手を組んで、日本中にこのバス旅BOOK、バス旅RADIOを広げていきたいですね。
Q.シニアマーケットについては、どのようにお考えでしょうか。
まず、シニア層は、テレビ創世記からメディア全てに馴染みを持っているので、雑誌が好きな人、ラジオファンなど、ターゲットを絞った戦略がたてられます。
特に、バス旅行のお客様は、シニア層がほとんどなので、何かシニア向けのサービスを提供したり、シニア層からアンケートやデータを収集したりする事は決して難しい事ではありません。
ただ、今後シニアになっていく層(今の40~50代)は、スマホなどの端末に比較的馴染んでおり、そのユーザーに対しては、雑誌やRADIOだけではなく、何かデジタル化したサービスも考えなければならないと思っています。
Q.バス旅BOOK・RADIO内の広告に向いているのはどのようなものでしょうか。
一番相性が良い商品は、シニア向けの化粧品関連です。
例えば、車内で商品サンプルを渡して、目的地にある温泉に入った後に顔に塗って使ってもらいます。そうすると、大体のお客様は「肌がツルツルする」「この化粧品いいわね」となるわけです。もちろん温泉の効果もありますが(笑)
車中でサンプルをお渡しして、旅行期間中に何か試せるような商品であれば、広告としてある程度効果があるので、何か面白そうな企画があれば検討したいと考えています。
また、地元の小さいお店やイベントの告知などにも使えるようなローカルコーナーも設けていますので是非旅行先のお店などにも、是非ご活用頂きたいです。
Q.このサービスの今後の展開を教えてください。
このサービスを継続していくと、年間100万件ものシニアに関するデータを取得する事ができます。このようなデータの活用も考えられますし、シニア層以外のバス旅行の利用客(例えば学生の修学旅行など)にも、何か楽しんでもらえるようなサービスを提供できないか、と考えているところです。
また、このサービスを、より早く全国に広めていき、日本以外の海外でもサービスを展開したいと考えています。
上記メディアの詳細、その他シニア向けメディアプランニングについては、
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シニアドライバー向け 自動車学校
「高齢者講習」サンプリング
日本カーライフアシスト株式会社第1営業部 部長 白井 忠行 氏
2013年12月 取材
シニアの方が健康で快適な生活をするために必要と思われる業種を対象に、1業種1社に限定し、最大10社のアイテムをひとつのパッケージに同梱し、自動車学校の高齢者講習終了時に教習所の職員から受講者に直接手渡しで配布します。
- 配布時期:年2回
- 配布部数:各回9万個
- 配布場所:全国の自動車教習所300か所(1か所あたり300個)
- 仕様:印刷物はA4サイズまで/ノベルティ・サンプルは150gまで
Q.高齢者向けの新メニューを開発された経緯を教えてください。
これまでは自動車教習所をロケーションとして、新規免許取得者、つまり若年層向けのピンポイント媒体として、ビジョンやラック等の広告メニューを運営しておりましたが、近年ロケーションの特性が変化しています。
少子化で若年層の免許取得者が減少している反面、運転免許証の更新期間満了日の年齢が70歳以上の方が運転免許の更新をしようとする場合、高齢者講習を受講することが義務づけられておりますので、免許取得者数を高齢者講習受講者数が上回るまでになりました。そこで我々としては若年層向けだけではなく高齢者向けにアプローチできるサンプリング企画を新たに開発いたしました。
Q.メディアの概要・特徴を教えてください。
弊社でネットワークしている全国300か所の自動車教習所の高齢者講習対象者に、複数社のノベルティやサンプルのパッケージを講習終了時教習所職員から直接手渡しにて配布いたします。
高齢者は長年使い慣れている商品が各分野ありますので、なかなかブランドスイッチのきっかけがありません。ただし、一度納得すれば長く使ってもらいやすいという傾向がありますので、このサンプリング企画を通じて高齢者に商品を実際に体験してもらうことで、ブランドスイッチのきっかけとしてご活用いただけると思います。
また配布対象者が高齢者講習の受講者、つまり70歳以上の方となりますので、ターゲットがピンポイントにセグメントできるということが特徴です。ここまで高齢者の年齢をセグメントしてリーチできるメディアは少ないと思いますので、是非色々な業種の企業様に参画いただきたいですね。
Q.ターゲットが70歳以上とピンポイントということですが、その他ターゲットに特徴はありますか?
年齢別の男女運転免許保有者数を見ると、70歳以上は当時今ほど女性が社会進出していなかった世代ですので、男性が多いですね。70歳~74歳は男性が約70%、女性が30%、75~79歳になると男性77%、女性23%です。
その他特徴としては、ほぼ健常者であり非常にアクティブだということです。都市部では車がなくても比較的不自由を感じることは少ないかもしれませんが、郊外においては車が生活必需品となります。そのため行動範囲が広く、消費意欲の高い方が多いですね。
Q.何か事例はありますでしょうか。
まだ新しいメニューですので事例はありませんが、過去、単独で車メーカーの啓蒙冊子を配布したことがあります。高齢運転者の増加と共に高齢者の交通事故も増えております。車の機能向上で防げる部分もありますが、やはりそれだけで事故を防ぐのは難しいのが現状です。そこで事故を防ぐための運転の仕方等を紹介するという内容の冊子を、講習受付時に配布しました。講習開始時間より早くこられる方が多いため、開始時間までじっくり読んでいただけましたので、メーカー様の反応はもちろんですが、教習所にも非常に好評でした。
Q.今後、どのような企業に活用いただきたいですか?
車・バイクメーカーはもちろんですが、その他では健康維持のための健康食品や食品・飲料、スポーツジム、その他メガネ、携帯電話などでしょうか。勿論その他あると思いますが、我々としては「高齢者講習に行くとお土産が沢山もらえてうれしい!」と受講者に思っていただきたいため、色々なジャンルの企業様に是非ご活用いただきたいと思います。
上記メディアの詳細、その他シニア向けメディアプランニングについては、ルーツ・オブ・コミュニケーション株式会社までお問合せください。