【シニアの概況】介護時間/介護による離職/介護従事者の現状 2020年9月
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2020/10/6
“介護度5″の介護者の5割は、ほぼ終日介護を行っている
平成28(2016)年の同居している主な介護者が1日のうち介護に要している時間を見ると、「必要な時に手をかす程度」が44.5%と最も多い一方で、「ほとんど終日」も22.1%となっています。
要介護度別に見ると、要支援1から要介護2までは「必要な時に手をかす程度」が最も多くなっていますが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなり、要介護4では45.3%、要介護5では54.6%が「ほとんど終日」介護しています。平成25(2013)年と比較すると、平成28(2016)年には「ほとんど終日」が3.1ポイント低下し、時間の上では負担の改善がみられるようです。
同居している主な介護者の介護時間(要介護者の要介護度別)
年間10万人が家族の介護・看護で離職し、そのうちの約7.5割が女性
家族の介護や看護を理由とした離職者数は平成28(2016)年10月から平成29(2017)年9月の1年間で99.1千人でした。とりわけ、女性の離職者数は75.1千人で、全体の75.8%を占めています。
介護・看護により離職した人数
ここ5年で有料老人ホーム・サ高住の定員数が急上昇
介護施設等の定員数は、増加傾向にあります。施設別に見ると、平成29(2017)年では、介護老人福祉施設(特養)(542,498人)、有料老人ホーム(518,507人)、介護老人保健施設(老健)(372,679人)等の定員数が多くなっています。また、近年は有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の定員数が特に増えています。
介護施設等の定員数(病床数)の推移
介護従事者は17年で約3.4倍に増加
要介護(要支援)認定者数の増加に伴い、介護に従事する職員数は大幅に増加しています。平成29(2017)年度は、平成12(2000)年度(54.9万人)の約3.4倍の186.8万人となっています。
介護職員数の推移
平成30年の介従関係の有効求人倍率は3.9倍
介護関係の職種の有効求人倍率を見ると、全職業の有効求人倍率に比べ、高い水準を維持し続けています。特に平成18(2006)年から平成20(2008)年までは全職業の有効求人倍率が低下した一方で、介護関係の職種の有効求人倍率は1.68倍から2.31倍まで上昇しました。
リーマンショック後は、介護関係の職種の有効求人倍率も低下しましたたが、平成23(2011)年から再び上昇し、特に平成26(2014)年からは介護関係の職種の有効求人倍率の伸びは全職業の有効求人倍率に比べ、高くなっています。平成30(2018)年の介護関係職種の有効求人倍率は3.90倍となり、全職業の有効求人倍率(1.45倍)の約2.7倍となっっています。
有効求人倍率(介護関係職種)の推移
出典・引用:内閣府『令和元年版高齢社会白書』
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