【シニアの概況】高齢化の国際的動向
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2020/3/3
更新:2021/8/10
世界の高齢化は今後半世紀で急速に進展
平成27(2015)年の世界の総人口は73億7,980万人であり、令和42(2060)年には101億5,147万人になると見込まれています。
総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、昭和25(1950)年の5.1%から平成27(2015)年には8.2%に上昇していますが、さらに令和42(2060)年には17.8%にまで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになります。地域別に高齢化率の今後の推計を見ると、これまで高齢化が進行してきた先進地域はもとより、開発途上地域においても、高齢化が急速に進展すると見込まれています。
世界人口の動向等
1950年 | 2015年 (平成27年) | 2060年 (令和42年) ※中位推計 | |
総人口 | 2,536,275千人 | 7,383,009千人 | 10,222,598千人 |
65歳以上人口 | 128,815千人 | 611,897千人 | 1,817,264千人 |
先進地域 | 62,744千人 | 220,572千人 | 357,701千人 |
開発途上地域 | 66,071千人 | 391,325千人 | 1,459,563千人 |
65歳以上人口比率 | 5.1% | 8.3% | 17.8% |
先進地域 | 7.7% | 17.6% | 27.6% |
開発途上地域 | 3.8% | 6.4% | 16.3% |
平均寿命(男性) | 45.51年 | 68.55年 | 76.72年 |
同 (女性) | 48.50年 | 73.11年 | 81.09年 |
合計特殊出生率 | 4.96 | 2.52 | 2.14 |
資料:UN,World Population Prospects:The 2017 Revision
(注1)合計特殊出生率及び平均寿命は1950-1955年、2010-2015年、2060-2065年
(注2)先進地域とは、ヨーロッパ、北部アメリカ、日本、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域をいう。
日本は世界で最も高い高齢化率
先進諸国の高齢化率を比較して見ると、我が国は1980年代までは下位、90年代にはほぼ中位でしたが、平成17(2005)年には最も高い水準となり、今後も高水準を維持していくことが見込まれています。
世界の高齢化率の推移

出典: UN, World Population Prospects: The 2019 Revision、日本は、2015 年までは総務省「国勢調査」、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29 年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。
高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、フランスが126年、スウェーデンが85年、アメリカが72年、比較的短い英国が46年、ドイツが40年に対し、我が国は、昭和45(1970)年に7%を超えると、その24年後の平成6(1994)年には14%に達しました。一方、アジア諸国に目を移すと、韓国が18年、シンガポールが17年など、今後、一部の国で、我が国を上回るスピードで高齢化が進むことが見込まれています。
主要国における高齢化率が7%から14%へ要した時間

出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(2018年)
出典:内閣府『令和2年版高齢社会白書』
関連記事
シニアマーケットに関するリサーチ等のご相談も承っております。お気軽にお問合せください。