【シニアの概況】高齢化の国際的動向 2023年
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
更新:2023/11/6
世界の高齢化は今後半世紀で急速に進展
2020年の世界の総人口は78億4,095万人であり、2060年には100億6,773万人になると見込まれています。
総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、1950年の5.1%から2020年には9.4%に上昇していますが、さらに2060年には18.7%にまで上昇するものと見込まれており、今後40年で高齢化が急速に進展することになります。地域別に高齢化率の今後の推計を見ると、これまで高齢化が進行してきた先進地域はもとより、開発途上地域においても、高齢化が急速に進展すると見込まれています。
世界人口の動向等
1950年 |
2020年 | 2060年 ※中位推計 |
|
総人口 | 2,499,322千人 | 7,840,953千人 | 10,067,734千人 |
65歳以上人口 | 128,208千人 | 739,478千人 | 1,882,275千人 |
先進地域 | 61,795千人 | 245,874千人 | 366,123千人 |
開発途上地域 | 66,413千人 | 493,603千人 | 1,516,152千人 |
65歳以上人口比率 | 5.1% | 9.4% | 18.7% |
先進地域 | 7.7% | 19.3% | 29.5% |
開発途上地域 | 3.9% | 7.5% | 17.2% |
平均寿命(男性) | 44.6年 | 69.4年 | 75.9年 |
同 (女性) | 48.4年 | 74.8年 | 80.8年 |
合計特殊出生率 | 48.6 | 2.35 | 2.06 |
資料:UN,World Population Prospects:The 2022 Revision
(注)先進地域とは、ヨーロッパ、北部アメリカ、日本、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く。)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域。
日本は世界で最も高い高齢化率
先進諸国の高齢化率を比較して見ると、日本は1980年代までは下位、1990年代にはほぼ中位でしたが、2005年には最も高い水準となり、今後も高水準が続くと見込まれています。
世界の高齢化率の推移
高齢化の速度は一部の国で日本を上回る
高齢化の速度について、高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数(倍加年数)によって比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、アメリカが72年、比較的短いイギリスが46年、ドイツが40年であるのに対し、日本は1970年に7%を超えると、その24年後の1994年には14%に達しました。一方、アジア諸国については、韓国が18年、シンガポールが15年など、今後、一部の国でも日本を上回るスピードで高齢化が進むことが考えられます。
主要国における高齢化率が7%から14%へ達するまでの所要年数
出典:内閣府『令和5年版高齢社会白書』