【シニアの概況】高齢者の暮らし~経済や生活環境に関する意識/経済 2018年1月
経済的な暮らし向きについて「心配ない」と考える人は6割超
経済的な暮らし向きについて、「心配ない」と回答する人は64.6%、「心配である」は34.8%となっています。 性・同居形態別にみると、男性単身世帯では約5割(48.4%)が「心配である」と回答しています。 「心配である」の割合が特に高いグループとしては男性単身世帯(48.4%)、女性の二世代世帯(親と同居)(48.1%)が挙げられます。 なお、女性は単身世帯で「心配である」と答えた者は40.3%となっています。
1か月あたりの平均収入額(年金含む)は、「10万円~20万円未満」の世帯が全体の32.9%で最も多い
1か月あたりの平均収入額(年金を含む)を全体でみると、「10万円~20万円未満(年額では120万円~240万円未満)」(32.9%)が最も多く、以下、「20万円~30万円未満(年額では240万円~360万円未満)」(26.4%)、「5万円~10万円未満(年額では60万円~120万円未満)」(15.2%)と続きます。
特に単身世帯では月収10万円未満が男女とも4割弱と高くなります。
貯蓄の目的について、すぐに使わない目的が約5割
貯蓄の目的については、「万一の備えのため」(47.5%)と「子供や家族に残すため」(2.6%)の計、すなわちすぐに使わない目的が50.1%と約5割となっています。その他、生活の維持のためなど、何らかの理由で貯金をしている人が全体の7割以上ある一方、「貯蓄はない」も22.7%見られます。年齢層が若いほど、「普段の生活を維持するため」に貯蓄をしている人が多くなります。 性・同居形態別にみると、男性単身世帯以外の世帯では、おおむね「万一の備えのため」が最も多いですが、男性単身世帯では「貯蓄はない」が46.2%で最も多くなります。
60歳を超えても子や孫の生活費をまかなっている男性が全体の3割
学生を除く18歳以上の子や孫がいる人は全体の83.4%です。そのうち、子や孫の生活費をまかなっているのは20.8%(「生活費のほとんど」と「生活費の一部」の計)。特に男性では60~64歳の層で34.6%と、他の年齢層に比べて高く、60代前半の男性では約3分の1が子や孫の生活費をまかなっています。生活費をまかなっている子や孫のうち約8割は仕事をしています。
【考察】単身世帯における男女別の傾向
経済について、ここでは男性単身世帯と女性単身世帯を対比して見ていきます。上述のとおり、1か月当たりの平均収入額が10万円未満の割合は、男女ともに単身世帯では約4割(全世帯20.2%)でしたが、男性単身世帯では経済的な暮らし向きをみると、「心配である」(48.4%)との回答が女性単身世帯(40.3%)より明らかに高くなります。そこで、貯蓄についてみると、男性単身世帯では「貯蓄はない」との回答が46.2%と半数近くに上ります(女性単身世帯では30.8%)。また、男性単身世帯は持ち家でなく賃貸住宅に住む比率も41.8%と高めです(全世帯では11.7%。女性単身世帯では22.9%)男性単身者で「心配」が多いことの背景にはこうしたストック面の状況が影響していると考えられます。