2019.11.1 老人福祉・医療政策の経緯とゴールドプラン

前回まで、介護保険制度の概要や具体的に受けることのできるサービスから、手続き方法~費用までをご紹介しました。

今回は介護保険制度の創設前の老人福祉・老人医療政策の経緯と、「ゴールドプラン」についてご紹介します。

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介護保険制度の創設前の老人福祉・老人医療政策の経緯

医療・福祉制度という観点からは、昭和23年に「医療法」、「医師法」、「保健師助産師看護師法」など施行され、GHQによる戦後医療改革がスタートしました。
昭和33年には「国民健康保険法」が施行され、昭和36年は「国民皆保険」が実現しました。その後の介護保険制度制定までの経緯を年代ごとにご紹介します。

1960年代「老人福祉政策の始まり」:高齢化率5.7%(1960年)

  • 1962(昭和37)年:訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の創設
  • 1963(昭和38)年:老人福祉法制定 特別養護老人ホーム創設、訪問介護法制化

1970年代「老人医療費の増大」:高齢化率7.1%(1970年)

  • 1962(昭和37)年:訪問介護(ホームヘルプサービス)事業の創設
  • 1963(昭和38)年:老人福祉法制定―特別養護老人ホーム創設、訪問介護法制化

1980年代「社会的入院や寝たきり老人の社会的問題化」:高齢化率9.1%(1980年)

  • 1982(昭和57)年:老人保健法の制定―老人医療費の一定額負担の導入等
    1987(昭和62)年:老人保健法改正(老人保健施設の創設)
    1989(平成元)年:消費税の創設(3%)
              ゴールドプラン※(高齢者保健福祉推進十か年戦略)の策定
                             ―施設緊急整備と在宅福祉の推進

1990年代「ゴールドプランの促進・介護保険制度の導入準備」:高齢化率12.0%(1990年)

  • 1990(平成2)年:福祉8法改正―福祉サービスの市町村への一元化、老人保健福祉計画
  • 1992(平成4)年:老人保健法改正(老人訪問看護制度創設)
    1994(平成6)年:厚生省に高齢者介護対策本部を設置(介護保険制度の検討)
            新ゴールドプラン策定※(整備目標を上方修正)
  • 1996(平成8)年:介護保険制度創設に関する連立与党3党(自社さ)政策合意
    1997(平成9)年:消費税の引上げ(3%→5%)
            介護保険法成立

2000年代「介護保険制度の実施」:高齢化率17.3%(2000年)

  • 2000(平成12)年:介護保険法施行

 


「ゴールドプラン」とは…

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高齢化社会に備えて、厚生省と大蔵省と自治省の合意で発表された「高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略」の通称です。
高齢社会を健康で生きがいを持って、また、安心して生涯を過ごせるよう、明るく活力ある長寿・福祉社会を目的に、消費税導入の趣旨を踏まえ、高齢者の保健福祉の分野における公共サービスの基盤整備を進めることとし、在宅福祉や施設福祉等の事業について、1999年までに実現を図るべき十か年の目標を掲げ、数値的にも明確化されました。

ゴールドプランで掲げられた項目

  • 市町村における在宅福祉対策の緊急整備~在宅福祉推進十か年事業~
  • 「ねたきり老人ゼロ作戦」の展開
  • 在宅福祉等充実のための「長寿社会福祉基金」の設置
  • 施設の緊急整備~施設対策推進十か年事業~
  • 高齢者の生きがい対策の推進
  • 長寿科学研究推進十か年事業
  • 高齢者のための総合的な福祉施設の整備

新ゴールドプラン

1990(平成2)年にいわゆる「福祉8法改正」といわれる福祉関係法の大規模改正が行われ、施設サービスから在宅サービス中心へと、市町村を中核とする高齢者福祉体制という方針になり、市町村には老人保健法との関連も持たせた、市町村老人保健福祉計画の策定が義務付けられました。

また、市町村老人保健福祉計画で、予測よりも高齢化の進行が急激に進んでいることを受け、ゴールドプランで掲げた目標を上回る介護整備の必要性が判明し、その後のさまざまな施策や新しい課題を踏まえ、1994(平成6)年12月にゴールドプランの後半5年間分を見直した、新ゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略の見直し)が策定され数値的目標も引き上げられました。


新ゴールドプランの基本理念

  • 利用者本位・自立支援
  • 普遍主義
  • 総合的サービスの提供
  • 地域主義

 

ゴールドプラン21

ゴールドプランと新ゴールドプランによって、老人保健福祉計画の整備が進められていきましたが、1999年度で新ゴールドプランが終了すること、そして、2000年には日本の高齢化率が世界最高水準に到達することが予測されることなどを受け、1999年12月に「ゴールドプラン21」が策定されました。

ゴールドプラン21では、明るく活力ある高齢社会を実現するため、①活力ある高齢者像の構築、②高齢者の尊厳の確保と自立支援、③支えあう地域社会の形成、④利用者から信頼される介護サービスの確立の4つの柱を基本的な目標として掲げ、その実現に向けて施策が展開されました。

目標を達成するため、良質な介護サービス基盤の計画的な整備と、健康・生きがいづくり、介護予防、生活支援対策の積極的な取り組みを進めていくことが重要であるとの方向性が示されました。

 

ゴールドプラン21で掲げられた項目

  • 介護サービス基盤の整備―「いつでもどこでも介護サービス」
  • 痴呆症(認知症)高齢者支援対策の推進―「高齢者が尊厳を保ちながら暮らせる社会づくり」
  • 元気高齢者づくり対策の推進―「ヤング・オールド(若々しい高齢者)作戦」の推進
  • 地域生活支援体制の整備―「支えあうあたたかな地域づくり」
  • 利用者保護と信頼できる介護サービスの育成―「安心して選べるサービスづくり」
  • 高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立―「保健福祉を支える基礎づくり」~

 

 

出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」
出典:厚生労働省「今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向~ゴールドプラン21~」


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