【シニアの概況】高齢者の消費生活相談/住宅火災による死者/虐待 2021年4月
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
2021/4/6
65歳以上が関与する消費生活相談は約31万件
全国の消費生活センター等に寄せられた契約当事者が65歳以上の消費生活相談について見ると、平成25(2013)年に26万件を超えた後、平成28(2016)年までは減少傾向でしたが、平成29(2017)年から増加に転じ、平成30(2018)年は357,954件となりました。令和元(2019)年は約31万件と、前年より減少しています。
契約当事者が65歳以上の消費相談件数
また、令和元(2019)年の契約当事者が65歳以上の高齢者の消費生活相談を販売方法・手口別に見ると、かたり商法(身分詐称)が約3万件(22.4%)、ついでインターネット通販が約2.9万件(21.8%)となっています。
住宅火災における死者数の約7割は65歳以上
住宅火災における65歳以上の死者数(放火自殺者等を除く。)について見ると、平成30(2018)年は668人と、前年より増えています。また、全死者数に占める割合は70.6%となっています。
住宅火災における死者数の推移(放火自殺者等を除く。)
養護者による虐待を受けている高齢者の約7割が要介護認定
平成30(2018)年度に全国の1,741市町村(特別区を含む)で受け付けた高齢者虐待に関する相談・通報件数は、養介護施設従事者等によるものが2,187件で前年度(1,898件)と比べて15.2%増加し、養護者によるものが32,231件で前年度(30,040件)と比べて7.3%増加しています。また、平成30年度の虐待判断件数は、養介護施設従事者等によるものが621件、養護者によるものが17,249件となっています。養護者による虐待の種別(複数回答)は、身体的虐待が67.8%で最も多く、次いで心理的虐待(39.5%)、介護等放棄(19.9%)、経済的虐待(17.6%)となっています。
養護者による虐待を受けている高齢者の属性を見てみると、女性が76.3%を占めており、年齢階級別では「80~84歳」が24.4%と最も多くなっています。また、虐待を受けている高齢者のうち、67.7%が要介護認定を受けており、虐待の加害者は、「息子」が39.9%と最も多く、次いで、「夫」が21.6%、「娘」が17.7%となっています。
養護者による虐待を受けている高齢者の属性
出典・引用:内閣府『令和2年版高齢社会白書』
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