『日本栄養支援配食事業協議会(英表記:Japan Nutrition Support Food Delivery Conference)』設立総会
日本栄養支援配食事業協議会
(Japan Nutrition Support Food Delivery Conference)
設立総会 取材レポート
高齢化が急速に進んでいる日本において、高齢者への適切な食事供給が課題となっている。
その中で配食事業を営む企業の内、計26社が連携し『日本栄養支援配食事業協議会(英表記:Japan Nutrition Support Food Delivery Conference)』を2018年5月7日(月)に設立した。
同日の設立総会では、設立目的と「日本栄養支援配食事業協議会(以下、NSD)」に対する国や行政の期待する社会的役割などが紹介された。
現代の高齢者の食事による栄養摂取状況とそれに対する行政・企業の動向を取材した。
NSD設立の背景
近年、急速な高齢化の進展に伴い嚥下や咀嚼が困難な高齢者に向けた専用食品や提供サービスが数多く開発され、少しずつ手の届くものになってきた。しかし、健常な高齢者も含めたひとりひとりの栄養摂取状況をみると、まだまだ高齢者の多くが「低栄養状態」であるという実態が明らかになってきた。そこで厚生労働省は医療などの措置面だけではなく、日常の食事面から健康のベースをしっかりと作ることが極めて重要であると発信し始めたのだ。
高齢者に対し「低栄養状態」を防ぐ食事摂取の必要性と手法を指導していくには、今までのような医師・栄養士などの疾患改善を主にするスペシャリストだけではなく、日常的に食事を提供する配食事業を営む法人企業全体にも同義が求められる時代になってきたと言えるだろう。
NSD設立の目的
NSDはこうした社会背景に呼応し、配食事業企業が連携して超高齢社会における国民の健康維持・増進に貢献するための食事のあり方について検討するとともに、様々なガイドラインの素案作りや企業の社会的役割などを議論し、行政機関や企業との調整や啓蒙、生活者への発信などをすることを目的に当該協会は設立された。
差し当って、すでに厚生労働省が定めている「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」を、国民そして配食業界全体に対して啓蒙と理解促進を図っていく活動がNSDには期待されている。
※日本栄養支援配食事業協議会幹事メンバーはこちら
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会長 株式会社ヘルシーネットワーク 黒田 賢氏
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副会長 株式会社はーと&はあと ライフサポート 宮崎 吉昭氏
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事務局長 トーアス株式会社 岡本 篤志氏
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理事 キッセイ薬品工業株式会社 小池 雅志氏
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理事 株式会社シニアライフクリエイト 清水 勝氏
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理事 タイヘイ株式会社 大重 尚道氏
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理事 日清医療食品株式会社 大東 正人氏
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理事 株式会社ニチレイフーズ 大川 真一氏
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理事 株式会社武蔵野フーズ 山本 恭士氏
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理事 ワタミ株式会社 小松 一茂氏
※その他参加企業はこちら
日東ベスト株式会社、国文グループ本社株式会社、シルバーライフ株式会社、ヨシケイ開発株式会社、株式会社トーカン、ドクターフーヅ株式会社、モルツウェル株式会社、株式会社パレット、ひまわりメニューサービス株式会社、株式会社ファンデリー、株式会社ベネッセパレット、株式会社ベルーナ、株式会社ジョイント、株式会社ソーシャルクリエーション、栗木食品株式会社、グローバルキッチン株式会社
設立総会の第2部では、厚生労働省健康局健康課栄養指導室 室長補佐の塩澤 信良氏より日本栄養支援配食事業協議会に期待される役割が語られた。
「配食事業者1社が今後生活者から求められる栄養相談・食材・商品・献立作りなどのあらゆるニーズにすべて対応していくのは恐らく難しい。栄養指導に沿った内容から1つずつできることから進めていくのが良いのではないか。物理的に社内の栄養士だけでは対応できない場合には自治体の健康指導部門にはほぼ100%の確率で栄養士が常駐している為、積極的に相談・活用をしてほしい。」
配食事業者が今後求められる自らの社会的役割を認識し達成するためには、自社だけでなくあらゆる機関とコンタクトを取っていく事が重要との事だ。そして、NSDにおいても同業他企業との連携基盤として活用可能であったり、外部からの相談対応機能を持った協議会になることへも期待していた。
現在、多くの企業が高齢者に向けた食品を販売しているが、企業と生活者の相互理解が進んでいるとは言いがたい現状がある。今後相互理解を深めていく為の1つの情報発信元として配食業者への期待度は高い。NSCが機能することによってこれらを推進することができれば、高齢者への適切な食事供給の課題解決はもとより、「超長寿国日本」の新たなる食文化育成に寄与するものではないだろうか。
日本栄養支援配食事業協議会
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