パナソニック、遠隔在宅ケアサポート・システムの実証実験を開始
地域包括ケアシステム実現に向けた
遠隔在宅ケアサポート・システムの実証実験を開始
パナソニック株式会社は、2017年9月1日より順次、自治体と連携した遠隔在宅ケアサポート・システムの実証実験を開始します。
当社は2016年6月、サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームの介護職員が常駐する集合住宅・施設向けに居室内の安否確認を行う「エアコンみまもりサービス」を開発・実用化。現在、27棟(845室)へ導入しています*1。熱中症・脱水などのインシデント把握や特に夜間の利用者の状況把握で、職員負担軽減や入居者の安心感で好評を得ています。
*1:2017年8月28日現在
2025年には、3人に1人が高齢者となる時代となり、認知症高齢者700万人超、37.7万人の介護人材の需給ギャップが厚生労働省から発表されています*2。こうした中で当社は、地域包括ケアシステム*3の実現による在宅生活の長期化を目指し、ICT/IoT技術を活用した在宅介護の効率化や、ケア内容の高質化へ向けた実証実験を開始いたします。
*2:厚生労働省「平成28年版高齢社会白書」「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」より
*3:厚生労働省が推進する、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにする、包括的な支援・サービス提供体制
具体的には、要介護状態の単身世帯でも、安心して自宅で生活できる環境/仕組みづくりを目指して、遠隔で宅内の状態や状況を把握できるよう、IoT機器を活用したシステムの構築に取り組みます。実証実験では、既に介護現場で実績のある「エアコンみまもりサービス」に、当社製の「ホームネットワーク」の機器を組み合わせたシステムを新たに構築。生活状況に合わせてセンサーの種類や配置を選択し設置します。在宅介護サービスを提供している地域の事業所と連携した実証実験を行うことで、介護ケアや緊急時に必要とされる情報の見極めとシステムの活用方法、および実用化に向けたサービス体制を検討していきます。こうした取り組みを通じて当社エイジフリー事業における用途拡大を図ると共に、さらなる事業成長に貢献していきます。
高齢者住宅と地域をつなぎ支える、エアコンみまもり・ホームネットワーク
【実証実験の概要】
・連携して実施する自治体・機関、事業所:
大阪府交野市、大阪府箕面市
愛知県 豊田市(豊田市つながる社会実証推進協議会*4)
・実施形態:
地域包括ケアシステムの推進役として期待される自治体と連携することで、実証実験により得られる結果を即時サービス提供していくことを目指します。実証実験は、自治体ごとに、要支援から要介護までの高齢者単身・夫婦のみ世帯を対象(自治体あたり数名)とします。
・実施内容:
・介護サービス利用中の協力者宅に普段通りの生活を続ける中で、一日の生活リズムを把握するためのIoT機器を設置します。
・事業所は、IoT機器から取得した生活リズム情報から、訪問やヒアリングだけでは分からなかった行動パターンを分析して、一人ひとりに適切なサービスの内容やタイミングなどをケアプランに反映します。利用者の安心と満足度向上につなげると共に、突発の緊急対応を減らすことにより、事業所での負担を軽減するシステムを検討していきます。
・IoT機器で取得する情報には、ご協力者の在不在、宅内の活動状況、睡眠リズムといったものがあります。また、こうした情報は可視化して容易に確認できるコミュニケーション機器を設置し、必要時に応じた活用方法を検討して行く予定です。
*4:豊田市が設置する、つながる社会を目指し、先進技術の活用によって地域課題の解決に産学官が連携して取り組む協議会。当社も平成29年4月に加入し、介護分野における実証事業を通して、協議会の活動テーマの一つである超高齢社会への対応に貢献してまいります。
【実証実験の実施時期】
2017年9月1日から6ヶ月程度の予定です。
【実証実験における役割分担】
パナソニック:
実証実験全般の管理・推進、ならびに実証効果の検証と集約、実証システムの構築、拡張、保守を担当します
行政(自治体):
実証実験の連携事業者の選定、ならびに実証効果の確認とともに、サービス体制の検討を担当します
【実証実験に対するお問合せ】
パナソニック株式会社 ビジネスイノベーション本部 サービス開発担当
Email:mimamori.ap@ml.jp.panasonic.com
【報道発表に関するお問合せ】
パナソニック株式会社 全社CTO室 広報担当
Email:crdpress@ml.jp.panasonic.com