ジョリーグッド・大塚製薬、「認知症ケア支援VR」の販売を開始
株式会社ジョリーグッド(本社:東京都中央区、代表取締役CEO 上路健介、以下「ジョリーグッド」)は、大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 井上眞、以下「大塚製薬」)との共同事業である「FACEDUO(フェイスデュオ)」のVRトレーニングプログラム「認知症ケア支援VR」の販売を本日より開始しました。
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方のご家族や介護士をはじめとする介護者の方々が、認知症の方の気持ちや行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶための、専門医監修の体験型VRトレーニングプログラムです。介護者が、自身の普段の対応や行動を、VRを通じて認知症の方の主観で体験することで行動の背景や気持ちを理解することに役立ち、接し方の工夫などを学ぶことができます。本年9月よりプレリリース(お試し体験)の提供を開始しており、このたび12月より販売を開始しました。( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000020924.html)
本プログラムによる認知症ケアの向上により、認知症の方がその人らしく暮らし続けることを可能にしながら、介護者のストレスも軽減され、双方が充実した日々を送ることができる「認知症との共生社会」の実現を目指します。
■ プレリリース以降のFACEDUO「認知症ケア支援VR」の拡がり
本年9月のプレリリース(お試し体験)以降、当プログラムを自治体が開催するオレンジフェスティバル・地域包括支援市民フォーラムや、認知症関連学会での展示、企業が行う介護者向けのイベント、認知症疾患医療センターでの専門職研修および介護家族向け教室などで、1,000人を超える専門職、介護者、一般市民の方々にご体験いただきました。
実際にプレリリース版を体験されたご家族からの声を一部ご紹介します。
・ 親が認知症の診断を受けたばかりで、診断前はイライラした対応をしてしまったことも多く、
考え直すきっかけになった。
・ 疾患理解を深めることで介護者の負担感が減少し、当事者とも良い関係を築くことに繋がる。
・ 祖母の行動を思い出した。対応方法は「優しくしてあげないと」と思っていても、感情的に
なったり、がっかりすることも多いので、気軽に理解する機会があると安心につながる。
・ 介護側が少し気付くだけで、認知症の方への接し方を変えるきっかけになりそう。
FACEDUOは2022年10月の提供開始以来、医療機関や就労移行施設を中心に導入が進んでいますが、「認知症ケア支援VR」は介護施設や自治体、認知症のご家族を支援する民間サービスにも販路を拡大します。
ジョリーグッドは今後、様々なパートナーとともにヘルスケアVRの制作ノウハウを他の精神科領域にも拡大してまいります。
■ 認知症ケア支援VRに関するコメント
公益社団法人 認知症の人と家族の会 代表理事 鎌田松代様
‐ 映像で知るパーソンセンタードケアを体験して ‐
認知症の人の思いを映像で知ることができる画期的なVR体験でした。家族は良かれと思い行動したことが、本人の気持ちを混乱させ、どうしていいかわからなくなり、その後の話しかけでさらに事態を悪化させてしまうことがありました。
このVRは日常の一場面を本人と家族の立場で切り分けて見ることができます。これまで文字で知ることが多かった本人の気持ち、ケアをリアリティに体験することで、しっかりと本人の気持ちも考えるきっかけになりました。パーソンセンタードケアにつながるようです。
■ 「認知症ケア支援VR」の概要
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方の気持ちや行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶ体験型ケア
支援VRプログラムです。本プログラムは専門家の監修に基づき開発され、大きく3つのテーマで
構成されています。
1. 「認知症の症状の理解」介護者が戸惑った場面を家族目線で体験し、場面を振り返りながら
認知症の症状について理解を深めます。
2. 「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」
介護者が認知症の方と接する中で難しいと感じる場面を、「きっかけ→気持ち・行動→対応」の
流れで分析。きっかけを変えることや、気持ちを理解した対応へのアドバイスを提供します。
(認知症の各症状に起因する行動に対する複数のコンテンツを開発中で、随時追加予定です。)
3. 「リラックスVR」
リラックスできるVR空間で呼吸法を用い、介護者が体と心をリラックスさせる体験を通じて
ストレス軽減を図ります。
<「認知症ケア支援VR」の特徴>
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方との接し方の工夫を実践的に学べるよう、実写VR技術によるリアル感と、3Dグラフィックスを活用した仮想空間を組み合わせました。それにより、学びやすさとわかりやすさ、継続して受講しやすい要素を加えています。
VRの進行役とドクターがトレーニングを進めるため、認知症介護者を教育する支援者の負担の軽減にも繋がります。
<認知症ケア支援VRを通じた「新しい認知症観」の理解>
認知症との共生社会の実現に向けては、認知症になったら何もできなくなるのではなく、できること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間とつながりながら、役割を果たし、自分らしく暮らしたいという希望があることなど、認知症の人が基本的人権を有する個人として認知症とともに希望を持って生きるという「新しい認知症観」の考え方に立つことが必要であると言われています。【*1】
「認知症ケア支援VR」の体験は、(1)認知症の方の行動の背景を体験を通じて理解し、(2)シミュレーションを通じて具体的な対応学び、(3)認知症の方の視点に立つことで共感に基づいたケアが提供できるようになる、といった3つの視点から、「新しい認知症観」の理解に繋がることが期待できると考えられます。【*2】
*1 認知症施策推進基本計画案(2024年11月29日)
*2 監修:慶應義塾大学医学部 准教授 藤澤大介先生
■「FACEDUO(フェイスデュオ)」(https://www.faceduo.jp/)
「FACEDUO」は、人とテクノロジーで社会課題に対する解決策を提案するVRトレーニングプログラムです。現在、社会生活場面を教材にVRで練習できる「ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援プログラム」、ひきこもり者のご家族に社会参加を促す際に有効なコミュニケーションのポイントや対応方法を学ぶことを目的とした「ひきこもり家族支援プログラム」、良好な人間関係を築くスキルを育てる「感情認知トレーニングプログラム」があります。
■株式会社ジョリーグッドについて(https://jollygood.co.jp/)
ジョリーグッドは、米国やアジアを中心に、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。
これまで日本では250以上の医療・福祉機関への導入実績があり、米国ではハーバード大学やボストン大学、タイではマヒドン大学と共同開発事業を手掛けています。
■大塚製薬株式会社について(https://www.otsuka.co.jp/)
大塚製薬は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」(世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する)の企業理念のもと、病気の診断から治療にアプローチする医療関連事業と、日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業の二つの事業を中心に、トータルヘルスケア企業として多様な事業を展開しています。
■「ひらけ、医療。」プロジェクト
ジョリーグッドが立ち上げ、推進する「誰もが医療に参加することで、あらゆる場所に医療がある未来の創出を目指していくプロジェクト」です。日本の医療は高齢化による医療ニーズの増加や人材不足といった課題を抱えており、あらゆる生活者が医療に参加しやすい環境構築が必要とされています。詳細はこちらをご覧ください。https://jollygood.co.jp/hirake-iryou