シニアのeスポーツに関する調査

 

 

66.3%が、eスポーツの「脳の活性化や認知機能低下の予防」に魅力を感じている。シニア層には「地域で楽しめる」「初心者でも楽しめる」点のアピールがポイントに。

 

生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年9月5日(木)〜2024年9月6日(金)の2日間、全国の60歳以上の男女を対象に「シニアのeスポーツ」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。

 

 

<調査背景>

近年、eスポーツの市場は急速に拡大し、若年層のみならず、シニア層の関心も徐々に高まりつつあります。特に、シニアのeスポーツは、リハビリテーションや交流の場としても注目されており、そのポテンシャルが広く認識され始めています。

そこで本調査では、当事者であるシニア層に対し、eスポーツの認知度や参加状況、興味度合い、魅力的だと感じる点など、様々な角度からその実態を聴取しました。

是非、今後のマーケティング活動や、シニア層向けの施策立案の一資料としてご活用ください。

 

 

【調査概要】

調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施

調査の対象:全国の60歳以上の男女

有効回答数:1,000名 

調査実施日:2024年9月5日(木)〜2024年9月6日(金)

 

 

◆「シニアのeスポーツに関する調査」主な質問と回答

 

◆eスポーツがもたらす効果のうち、魅力的だと思うものは:66.3%が「脳の活性化や認知機能低下の予防」に魅力を感じていた。

全体の66.3%(「とても魅力を感じる」「やや魅力を感じる」の合算)が「脳の活性化や認知機能低下の予防」に魅力を感じていることが明らかに。eスポーツが認知機能の維持・改善に一定の効果があることは、日本でも自治体の調査などで明らかにされているが、当事者であるシニア層にも、eスポーツ=健康増進というイメージは広く浸透しているようだ。

 

◆どのような取り組みがあれば、同年代・同世代でeスポーツがより普及すると思うか:「地域で楽しめる」「初心者でも置いてけぼりにならない」ような取り組み。

「地域」というキーワードが目立った。わざわざ遠くに足を運ばずとも、身近な場所でできる場所を作ることが普及への近道となりそうだ。

また、「指導してくれる人が地域にいれば」「レベルごとに参加できる」(と良い)といった声や、「下手でも引け目に感じなければ楽しめる」と、初めての挑戦で置いてけぼりになってしまわないかを気にする声も。eスポーツ施設がシニアを呼び込むには、「初心者のみ」「はじめてのeスポーツ」などと銘打ったコースで不安要素を和らげることが求められている。

 

はじめに、eスポーツをどの程度知っているかお聞きしました。

 

■eスポーツを知っているか(n=1,000)

 
 

 

「eスポーツ」の認知度は79.7%(「内容まで知っている」と「名前のみ知っている」の合算)でした。

「名前のみ知っている」が70.4%を占めており、「eスポーツ」という名称自体はシニア層にも広く浸透していることがわかりました。

 

 

続いて、eスポーツを見たことがあるかお聞きしました。

 

※回答者には以下の説明を提示

「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。

 

 

「会場で見たことがある」というほどの熱心な層は0.8%にとどまったものの、映像で目にしたことがある層は27.0%に上りました。


一般社団法人日本eスポーツ連合によると、日本におけるeスポーツの市場規模は、2024年に194億円、2025年には217億円に成長する見通しとのこと。

TVなどのマスメディアでeスポーツが取り上げられる機会は、ますます増えることが予想されます。シニア層がeスポーツの映像に触れる機会も、今後さらに増えていくでしょう。

 

 

eスポーツに、プレイヤーとして参加したことがあるかお聞きしました。

 

■eスポーツに、プレイヤーとして参加したことがあるか(n=1,000)

 
 

 

プレイヤー経験ありが0.4%、「参加したことはないが、参加したいと思っている」という“プレイヤー潜在層”が4.3%という結果に。

 

現状、シニアにおけるeスポーツの普及率はまだまだ発展途上ということがわかりました。

 

 

前掲した設問【eスポーツを見たことがあるか】にて「会場で見たことがある」「オンラインやテレビ等で映像は見たことがある」と回答した人、または【eスポーツに、プレイヤーとして参加したことがあるか】にて「参加したことがある」「参加したことはないが、参加したいと思っている」と回答した人に対し、eスポーツの良いと思う点を、自由記述にて具体的にお聞きしました。

 

 

■eスポーツの良いと思う点(自由記述)

 

「体力がなくても参加できる」「運動が苦手でも楽しめる」と、元々アクティブではない人でも楽しめるという声がありました。

球技や陸上競技などといった、フィジカルの強さが求められる “従来のスポーツ”とは異なり、eスポーツはフィジカルの代わりに集中力などを求めるものであるため、ノンアクティブシニアも受け入れやすい傾向がありそうです。

 

また、中には「ハンデなく競技できる」「誰にでもチャンスがある」といった声も。

eスポーツは従来のスポーツと比較すると、エイジレス(子どもからシニアまで楽しめる)・ジェンダーレス(男女の身体的制約にかかわらず取り組める)・エリアレス(時間・場所を問わず楽しめる)・ハンディキャップレス(身体的ハンデを超えた交流が可能)・コンタクトレス(接触・対面を避けて参加できる)といった特徴がありますが、その特徴がシニア層にも伝わっているようです。

 

【以下、回答を一部抜粋】

・「体力がなくても参加できる」(女性、73歳)

・「ゲームをスポーツの一種とすることでパブリックに良いイメージができた」(女性、61歳)

・「年齢、体格や障害の有無などハンデなく競技できる」(男性、64歳)

・「老若男女ともに楽しめ、加齢による認知症の防止にもつながる」(男性、67歳)

・「運動が苦手でも楽しめる」(女性、60歳)

・「誰にでもチャンスがあるスポーツだと思う」(女性、60歳)

 

 

日本初のシニアeスポーツチーム「マタギスナイパーズ」があるなど、eスポーツの世界では60代以上の人が選手として活躍しています。

 

そこで、回答者に対し「60代以上のプレイヤーが活躍しているeスポーツがある」という事実を伝えたのち、改めてeスポーツにプレイヤーとして参加することへの興味度合いをお聞きしました。

 

 

■eスポーツにプレイヤーとして参加することに興味はあるか(n=1,000)

 

 

前掲した設問【eスポーツに、プレイヤーとして参加したことがあるか】では、現役プレイヤーも含め、プレイヤーに関心を持つ層は4.7%でしたが、「60代以上のプレイヤーが活躍しているeスポーツがある」ということを知った本設問では9.8%(「とても興味がある」「やや興味がある」の合算)と、2倍以上に膨れ上がりました。

 

TVや新聞などで「同世代でもプレイヤーとして活躍できている」ということを目にする機会が増えれば、この数値はさらに伸びていきそうです。

 

 

eスポーツに対するそれぞれの考えについて、自身の考えと合致するものをお聞きしました。

 

 

■eスポーツへの考えとして、自身にあてはまるもの(n=1,000)

 
 

 

「スポーツだとは思わない」「遊びだと思う」という考えにそれぞれ70.6%・80.0%(※)が同意しているなど、「スポーツ」としての認識はまだ進んでいないものの、「交流につながりそう」「年齢や性別関係なく楽しめそう」と、ポジティブなイメージにもそれぞれ33.5%・46.9%(※)が同意しています。

 

一方、「普及してほしい」「体験できるような機会があれば参加したい」という考えにそれぞれ20%前後(※)が同意していることから、(シニア層ではまだ珍しいという点で)周囲の目や“はじめの一歩”のハードルの高さを懸念している人の存在もうかがえました。

 

※「とてもそう思う」「ややそう思う」の合算

 

 

eスポーツがもたらす効果のうち、魅力的だと思うものをそれぞれお聞きしました。

 

■eスポーツがもたらす効果のうち、魅力的だと思うもの(n=1,000)

 

 

「脳の活性化や認知機能低下の予防」が66.3%(※)でトップに。

 

 

eスポーツが認知機能の維持・改善に一定の効果があることは、奈良県磯城郡川西町が行った実証実験埼玉県鶴ヶ島市が発表した効果検証などで明らかにされていますが、当事者であるシニア層にも、eスポーツ=健康増進というイメージは広く浸透しているようです。

 

※「とても魅力を感じる」「やや魅力を感じる」の合算

 

どのような取り組みがあれば、同年代・同世代でeスポーツがより普及すると思うか、自由記述にて具体的にお聞きしました。

 

 

■どのような取り組みがあれば、同年代・同世代でeスポーツがより普及すると思うか(自由記述)

 

「地域」というキーワードが目立ちました。わざわざ遠くに足を運ばずとも、身近な場所で習える場所を作ることが普及への近道と言えるでしょう。

また、「指導してくれる人が地域にいれば」「レベルごとに参加できる」(と良い)といった声や、「下手でも引け目に感じなければ楽しめる」と、初めての挑戦で置いてけぼりになってしまわないかを気にする声もありました。

 

シニア層にはまだまだ普及途中の段階である現在、eスポーツ施設がシニアを呼び込むには、「初心者のみ」「はじめてのeスポーツ」などと銘打ったコースで不安要素を和らげることがポイントになりそうです。

 

【以下、回答を一部抜粋】

・「指導してくれる人が地域にいれば普及すると思います」(女性、75歳)

・「地域などでの対戦ゲームなど身近な所からの広がりを期待している」(女性、63歳)

・「サポーター企業がより増えて、地域などでより大会が増えると参加がしやすくなると思います。また、大会などをSNSやテレビなどで頻繁に放映されると身近になると思います」(65歳、女性)

・「地域ごとに誰でもが参加できる大会があり、レベルごとに参加できる」(男性、67歳)

・「無料で参加できる教室を自治体で行って欲しい」(女性、69歳)

・「少し難しいと言う観念があるので、その辺をクリアに出来ればいいかなと思います」(男性、73歳)

・「簡単なものから始められる仕組みがほしい。下手でも引け目に感じなければ楽しめる」(女性、71歳)

 

 

■この調査のその他の質問

・普段PC、テレビ、スマートフォンなどでゲームをするか(単数回答)

など

 

■この調査で使用した調査サービスはコチラ

ネットリサーチ:https://corp.neo-m.jp/service/research/quantitation/netresearch-domestic/

 

 

■引用・転載時のクレジット表記のお願い

※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。

<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」

 

 

■「ネオマーケティング」

URL :https://corp.neo-m.jp/

 


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