【驚異の新人!競技歴1年未満で日本最高重量記録更新!夫婦揃ってパラリンピックへの挑戦】
2023/2/16
【車いすの視覚障害女性。主婦からアスリートへの道】
2023年1月29日(日)、 築地本願寺にて「第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」が開催された。
本大会に出場した東京都八王子市在住の「田中秩加香選手」の競技歴は1年未満。 3年前にSSAI協会(障がい者アスリート育成協会)との出会いがありダイエットと健康のために始めたトレーニングであったが、 トレーニング指導を受けるうちに徐々に才能の片鱗が現れた。
SSAI協会代表兼トレーナーの長田から「田中秩加香選手のパワーは世界に通用する。 」とパラ・パワーリフティングを勧められる。
長田と2人3脚で始めたパラ・パワーリフティングに取り組んで10ヶ月。 国内最大規模の大会である全日本選手権に出場する。 歴代最重量の79kgを上回る80kgの記録達成!
今後の田中秩加香選手の活躍から目が離せない。
2023年1月29日(日)、築地本願寺にて「第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」が開催された。
本大会に出場した東京都八王子市在住の「田中秩加香選手」の競技歴は1年未満。約3年前にSSAI協会(障がい者アスリート育成協会)との出会いがありダイエットと健康のために始めたトレーニングであったが、トレーニング指導を受けるうちに徐々に才能の片鱗が現れた。
上肢のみでバーベルを持ち上げるパラ・パワーリフティング。これをダイエットのメニューにSSAI協会トレーナーの長田は取り入れた。様々なメニューを取り入れる中で、車いすユーザーは創意工夫をしながらのトレーニングが求められる。
健常者の取り組むベンチプレス台では、下肢障がいのある人は利用出来ないというのがトレーニング界隈では当たり前。一般の複合型フィットネスクラブでは、利用を断られる事も日常茶飯事。そんな現状のなか始まったトレーニング人生である。
だが、少しの工夫とアイディアでトレーニングに取り組めるようになるのも事実。トレーナーの長田と試行錯誤をしながら自分のトレーニング方法を模索した。そんな矢先、下肢を固定するバンドを使用して、足先をパイプ椅子に乗せれば、ベンチプレスに取り組める事に気付いたのである。
初めてのベンチプレスは20kgから始めた。グラグラするしフォームはグチャグチャ。正真正銘の初心者であった。
![](https://ci3.googleusercontent.com/proxy/Qzat_guewGP2lIJgBaM17GLJ-V2Q-uCdiFzWxJme1Mofxq4anMvfcl0Ts8TTDs85iv0bgTvDL-9cg2E2aQZ_45mQlvL9gULdMwyr-aJjBn9GOd7CV2mLT8PJQIjrKFRXluln24ZlSdv8FdZ6qTjsM283ABFwsxGMahgZw7YZ1_vBSrUnWd3dzxA91ofOa_J9jdOqaAsXzA=s0-d-e1-ft#https://prtimes.jp/i/106255/5/resize/d106255-5-1da3a8028c7bf81b8237-1.png&s3=106255-5-c8f06fae12f609a3306b8c70c3c9e2eb-1334x750.png)
トレーニングを続けるうちにフォームが安定してきて、わずか1ヶ月で30kg10回が挙げられる様になった。普通ではない。女性がこの重量を挙げるには、それ相応にトレーニング期間が必要になってくる。そんな重量をわずか1ヶ月で易々と挙げてみせたのだ。
だが、同階級の当時の日本記録は67kgで、まだまだパラ・パワーリフティングを始めることは頭にない。本来の目標通り減量しながらベンチプレスに取り組んだ。
トレーニングを始めて1年を迎える頃、ベンチプレスは60kgを挙げられるようになった。ベンチプレスに特化したトレーニングプログラムでないのにも関わらず、ここまで成長することはトレーナーにとっても衝撃であった。SSAI協会代表兼トレーナーの長田から「田中秩加香選手のパワーは世界に通用する。」とパラ・パワーリフティングを勧められる。
圧倒的な成長力もあり、この頃からパラパワーリフティングを意識し始めたトレーニングが始まった。田中秩加香選手と長田トレーナーで相談して、まずは日本一の選手になることを目標に取り組んだ。
重量と反復回数の変更、ケアや疲労回復、トレーニングプログラムの見直しをして、週3回のトレーニングに励んだ。
3月から始まったベンチプレス特化のトレーニングプログラムでメキメキと頭角を表した。初めての大会は2022年4月17日に行われた「京都チャレンジカップ」を目指すことになった。パラ・パワーリフティングは通常のベンチプレスと異なり、
1.「スタート」、「ラック」を審判の合図を聞いて実施する。
2.バーベルを平行に持ち上げる。
3.バーベルが胸に触れた状態で一時停止する。
上記3点が必要になる。技術面の指導を乞うため、パラ・パワーリフティング協会のHDD(ハイパフォーマンスディレクター)吉田進氏が運営する「パワーハウスジム」へお邪魔させてもらうことに。
![](https://ci5.googleusercontent.com/proxy/pMKSTL482hLo4hDhnSgoE1h5iJODwX57nmGREvBBHPcIV46Mal9icyAfm_L1SAou5BFZmFgWyvvvl-LtmxR7skuXDwtyZ6_iYAfMtuVtqQH4ztHQU-uY3XBwAUnBWEbNjdE763jzet9_faifOXa9qOGkxetUCUqMMKYEikkmYdj8K2SdsYGoDD44DAqanJvJPTsAwQkO=s0-d-e1-ft#https://prtimes.jp/i/106255/5/resize/d106255-5-330761e2d64fc6fca2b1-2.jpg&s3=106255-5-29ea5c800e549153f803e0ae69d3a239-739x415.jpg)
吉田進氏は全日本パワーリフティング選手権を5回優勝していると同時に、数々のチャンピオンを育て上げる敏腕指導者でもある。彼の元へ田中秩加香選手と長田トレーナーでお邪魔した。
お出迎えしてくれたのは、吉田進氏と吉田寿子氏。 吉田寿子氏もパワー・リフティングの名選手であり名指導者だ。 温かい雰囲気の2人と今後の展望を話し合っている中、実際にベンチプレスをしてみてはとの提案があった。 いつも練習しているのは健常者用のベンチ台だが、パワーハウスにはパラ・パワーリフティング専用のベンチ台が置いてある。 こんなありがたい事はないと、お言葉に甘えて挑戦させてもらった。 パラ・パワーリフティングのルールに則った試技はもちろんできないが、2人は田中秩加香選手のパワーを見て驚きの表情を隠せない。 初心者女性が60kgの重量を挙げるなんてトレーニング界隈では考えられないので驚くのは当たり前のことだ。 パラ・パワーリフティングの道を進む事を決めて、早速4月に開催される「京都チャレンジカップ」の申し込みをさせてもらった。
教わった練習方法を試しながら本番まで1ヶ月間練習を繰り返した。初めての大会「京都チャレンジカップ」では60kgの記録を残した。技術面も徐々に付いてきている証拠であった。
月日は進み、1月29日(日) 「第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」に挑む。
彼女は約9ヶ月で記録を20kg更新し、80kgを成功させた。
![](https://ci6.googleusercontent.com/proxy/E53PuC5ErIiqAmFL3eLS8ElaP13u8S16jrvZgByN-IDnDr54UR4_JPIUjPavWfoWeyA2UUaOv3GtE4_g8YKZLfIDIFF0psZ5FepWjFTbtmuAh07doFG774JarWJsKH_mmf7H5D9A_44lpUVBiKJmGJEJ3QIR6zfVJRc_9DWgHsFBq2BRMCbyU3mqt3CNerDF6g64TXph7A=s0-d-e1-ft#https://prtimes.jp/i/106255/5/resize/d106255-5-e69d41ea786750312fd4-0.jpg&s3=106255-5-ebc842d469f3a2794a53245158f630cb-1165x507.jpg)
この成長スピードは他の選手の平均伸び率の2倍以上だ。日本最高重量を記録し、日本1に輝いた彼女は既に世界を見据えている。「夢はパラリンピックに出場し、障がいを持っていても諦めない姿を見せて、皆に勇気を与えたい。」と意気込んだ。
田中秩加香選手の旦那さんはブラインドサッカー選手の田中章仁選手(たまハッサーズ所属)。夫婦揃ってパラリンピック出場を目指して2人3脚でトレーニングに励む。
今後の田中秩加香選手の活躍から目が離せない。