シニアマーケティングポータルサイト|シニアライフ総研®

ヒトに対する認知機能改善効果を確認!「ナトリード(R)」含有のカイコハナサナギタケ冬虫夏草摂取による臨床試験にて。

2022/10/13

少子・高齢化社会が抱える課題解決の取り組みが一歩前進

第一工業製薬(本社:京都市南区、 代表取締役社長:山路直貴)は、 健常者および軽度認知障害者に対する臨床試験において、 ナトリード含有カイコハナサナギタケ冬虫夏草摂取による認知機能改善効果を確認しました。 これにより、 少子・高齢化社会が抱える課題解決ならびに健康寿命延伸にむけた取り組みを加速させます。

健常者および軽度認知障害者に対する臨床試験において、 ナトリード含有カイコハナサナギタケ冬虫夏草摂取による認知機能改善効果を確認した研究成果は、 日本脳サプリメント学会誌「脳サプリメント誌」に論文として掲載されました(2022年9月29日)。 また、 第4回日本脳サプリメント学会(2022年10月22日岐阜大学サテライトキャンパス)で発表する予定です。

  • 背景と目的

2016年に公表された内閣府の「高齢社会白書」によると、 認知症患者数は2030年に830万人、 2050年には1000万人を超えると予想されています。 当社は、 2018年に株式会社バイオコクーン研究所と池田薬草株式会社の2社をグループ化し、 近い将来深刻化する少子・高齢化社会の課題解決を実現するため、 ライフサイエンス事業に参入しました。 SDGs目標にある健康長寿の達成、 地域活性化に連動する取り組みを進めています。
 バイオコクーン研究所は、 独自製法により製造したカイコハナサナギタケ冬虫夏草から新規有用成分「ナトリード(環状ペプチドの一種)」を発見し、 2021年1月に国際学術誌「PLOS ONE」に論文掲載しました。 ( https://www.dks-web.co.jp/updata/n_pdf/2021012801.pdf )。
 培養細胞を用いた研究により、 神経細胞の成長促進作用、 グリア細胞であるアストロサイトの増殖作用やミクログリアの抗炎症作用、 アストロサイトにおけるNGF(Nerve growth factor:神経成長因子)およびVGF(non-acronymic neuropeptide:成長因子)のmRNAレベルの増加作用があることを見出しました。 また、 老化促進モデルマウスを用いた研究では、 ナトリードの経口投与により認知機能の一つである空間記憶の回復効果が認められること、 さらにアルツハイマー型認知症患者に対する臨床試験で髄液中のアセチルコリン濃度を増加させる作用を確認しており、 ナトリードが認知機能に対する新しい機能改善物質の候補であることを示唆していました。
 このたび当社は、 これらの研究成果を受け、 カイコハナサナギタケ冬虫夏草を用いたヒトに対する臨床試験を行いました。

  • 研究成果

 本研究では、 40代以上の健常者および軽度認知障害者(計90名)を対象に、 ナトリード含有カイコハナサナギタケ冬虫夏草<高用量群:ナトリード1.92mg/日>、 <低用量群:ナトリード0.96mg/日>または<プラセボ群>の3群を設定、 それぞれ12週間摂取し、 Cognitrax(認知機能検査)およびアイトラッキング(ヒトの眼球運動を分析し、 視覚的注意などを明らかにする生体計測手法)を用いた認知機能テストを行いました。
 試験食品摂取前、 摂取6週間後、 摂取12週間後の合計3回の認知機能テストの結果抜粋を以下に示します。

*試験デザイン:プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
*被験者:90名(プラセボ30名、 ナトリード低用量群30名、 ナトリード高用量群30名)
*摂取期間:12週間
*評価方法:Cognitrax(認知機能検査)

 Cognitraxテストにおいて、 視覚記憶力、 認知機能速度、 運動速度で12週時に<低用量群>が<プラセボ群>と比較して 有意に改善する ことが示されました。 <高用量群>では、 <プラセボ群>との有意差は認められませんでしたが、 上記3項目において改善傾向が認められています。 また、 <プラセボ群>では、 同3項目のうち、 視覚記憶力と運動速度においてスコアの改善が見られなかったことから、 ナトリード高用量もしくは低用量摂取により、 視覚記憶力、 認知機能速度、 運動速度の改善が示された と考えられます。
 得られた作用機序は、 前述のアストロサイト増殖作用やアセチルコリン濃度増加作用などによる 認知機能や記憶力へおよぼす影響 であり、 老化促進マウスにおける空間記憶の改善効果と同様、 視覚記憶力の改善に繋がっている と考えられます。
 以上の結果から、 カイコハナサナギタケ冬虫夏草の経口摂取により、 中高齢者の加齢にともなう神経細胞の減少や神経原繊維変化により 低下した 認知機能 (記憶や情報処理速度など) の改善作用が示唆 されました。
 当社は、 この研究成果をもとに機能性食品表示届出のフェーズに移行し、 新たな商品開発に取り組みます。 さらには、 カイコハナサナギタケ冬虫夏草の機能性を追究し、 健康寿命延伸をはじめとする社会貢献につなげてまいります。

■掲載誌 脳に良いサプリメントと関連物の総合国際誌「脳サプリメント誌」
論文受理日 :2022年9月29日
掲載URL: https://6b95d072-44e5-4cb6-b67e-26198abec2ca.filesusr.com/ugd/bb2283_f68234075987413f86a3e91ab314770f.pdf
論文タイトル:Effect of Naturido on the cognitive function improvement in healthy volunteers and subjects with mild cognitive impairment: A randomized, double-blind, parallel-group comparison study.
(日本語訳文)
「健常者および軽度認知障害者に対するナトリード含有食品の認知機能改善効果」
-プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験-

■第4回日本脳サプリメント学会 概要
開催日  :2022年10月22日(土)午後
開催形式 :ハイブリッド
公式サイト: https://brainsupplementoff.wixsite.com/mysite
プログラム一覧表: https://6b95d072-44e5-4cb6-b67e-26198abec2ca.filesusr.com/ugd/bb2283_a5c47f318e9c4685addd2c9e4b5bc495.pdf

〔発表概要〕
発表時間 :2022年10月22日(土)14:30~14:40
演  題 :ナトリード含有カイコハナサナギタケ冬虫夏草の認知機能改善効果
発表者  :第一工業製薬株式会社 研究本部 
ライフサイエンス研究部 学術基礎データグループ グループ長 斉藤大輔

  • 用語集

●ナトリード(R)(Naturido):
エスペラント語で“Naturo”は自然、 “id”は子供・子孫を意味する接尾語で、 Naturidoはその合成語として佐藤竜一(作家、 宮沢賢治研究家)が提案し、 それをバイオコクーン研究所 故 鈴木フェローが命名した。
*「ナトリード」は、 株式会社バイオコクーン研究所の登録商標です。

●カイコハナサナギタケ冬虫夏草:
カイコの幼虫やサナギを培地として、 野外から採取した冬虫夏草菌(ハナサナギタケ)を用い独自の製法で育てて収穫したもので、 英語ではCordycepsという。

●グリア細胞:
神経細胞の約10倍存在し、 21世紀になって神経細胞の保護から抗炎症作用や栄養因子の供給などの機能が明らかになり、 「第2の脳」とも呼ばれている。

●アストロサイト:
グリア細胞の中でも最も多い細胞(約60%、 日本語で星状膠細胞)。 その役割は多様で神経細胞の保護、 神経伝達物質の取り込み、 シナプスのサポートなどがある。

●ミクログリア:
グリア細胞の中でも脳内の免疫細胞といわれ、 アミロイドβ貪食する機能をもち、 約10%存在している。

●老化促進マウス:
京都大学で確立されたマウスで、 実験で使用したSAMP8系統は学習・記憶の障害、 免疫機能不全の特徴を示すことから、 アルツハイマー病型認知症の研究でも世界中で使用されている。 なお、 比較のために正常な老化コントロールとして、 SAMR1系統マウスを使用した。  

●NGF(Nerve growth factor)
 神経成長因子。 神経軸策の伸長及び神経伝達物質の合成促進作用、 神経細胞の維持作用、 細胞損傷時の修復作用、 脳神経機能の回復促進と老化防止作用などを持つ重要なタンパク質。 特に、 樹状突起の機能低下を防ぐ働きがアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防や治療に有効であることから注目されている。

●VGF (non-acronymic neuropeptide)
 特定の細胞の増殖や分化を促進する物質である成長因子(Growth Factor)の一つ。

●mRNA(MessengerRNA)
蛋白質に翻訳され得る塩基配列情報と構造を持ったRNAのこと。 DNAに比べてその長さは短い。