インターネットインフィニティー/ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者のがん検診に関するアンケートを実施

2021/12/30

ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第31回

 

全国のケアマネジャー10万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)はケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNRメディカル』にてがん検診に関するアンケートを実施しました。

■調査概要

調査名:CMNRメディカル(第30回) 「がん検診に関するアンケート」
期間:2021年12月6日~2021年12月12日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所または地域包括支援センターに勤務)
調査サンプル数:512名
調査方法:WEBアンケート

 

■調査結果(サマリー)

がんは早期発見・早期治療が重要であり、高齢者であっても早期発見によって治療の効果を期待できます。

また、要介護高齢者(介護保険サービス利用者:以下「利用者」)を支える介護家族のがんは、患者本人の問題にとどまらず要介護者や他の介護家族の生活にも影響を及ぼしていることが考えられます。

そこで、本調査では、全国のケアマネジャーを対象に、利用者とその家族へのがん検診の勧奨や、利用者家族のがんが要介護者の介護に及ぼす影響などについてアンケートを実施しました。

その結果、利用者家族のがんによって介護がうまくいかなくなった経験があるケアマネジャーは約7割を占め、利用者本人だけでなく家族のがんもケアマネジャーにとって身近な問題であることが分かりました。

しかし、一方で、半数以上のケアマネジャーが、利用者とその家族どちらにおいてもがん検診を全く勧めていないことが明らかになりました。

勧めづらい理由として最も多かったのは「勧めるタイミングがない・分からない」でした。

また、「がん検診の内容や意義を啓発するチラシ」があれば勧めやすくなったり、利用者やその家族ががん検診を受けやすくなると回答したケアマネジャーも多くいました。

ケアマネジャーは医療ニーズがある利用者を医療に結び付ける役割を国から期待されており、日常的に利用者やその家族に健康上のアドバイスや受診勧奨を行っています。

がん検診の勧奨においてもその働きを期待するためには、ケアマネジャーが勧奨しやすい状況をサポートするような取り組みが望まれるでしょう。

 

■調査結果

本調査の結果、利用者家族のがんはケアマネジャーにとって身近な問題であり、利用者本人の介護にも悪影響を及ぼしていることが分かりました。

 

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利用者家族のがんによって介護がうまくいかなくなった経験があると回答したケアマネジャーは、全体の約7割を占めていました。

うまくいかなくなったエピソードとしては、「他の介護者への負担が増大した」「在宅介護を望む利用者が施設入居を余儀なくされた」という例が多くありました。

 

<家族のがんにより介護がうまくいかなかった例>

  • 妻を介護する夫が肝臓がんになり自宅で療養していたが、嘔吐が続くなどで介護ができなくなった。そこで息子が二人の介護をするために介護離職した。
  • 主介護者(息子、自営業)が肺がんで入院。代わりに孫(未婚、自営業を手伝う)が主介護者になるも利用者は亡くなり、自営業も続けられなくなった。
  • 主介護者のがん治療のため介護費用を削る必要が出た。主介護者の精神的・肉体的負担と経済的負担で必要なサービスが提供できず、関係者全員がしんどい思いをした。
  • 家族にがんが見つかり、要介護者が主介護者になった。立場が逆転。
  • 寝たきりの妻を介護していた夫にがん検診を勧めたが子供も無く、自分以外に介護する人もいないからと応じなかった。見つかった時には末期だった。
  • 主介護者ががんになりプラン変更や受診等が行えず、利用者は入院し3ヶ月後には寝たきりに。現在も病院や施設を転々としている。
  • 主介護者が進行がんになり介護ができず、利用者が施設入所を余儀なくされた。
  • 主介護者である妻ががんの入院治療のため不在となり、ケアプランの全面的な見直しが必要になった。

 

このことから、利用者家族のがんは利用者本人の介護支援にも影響が大きく、ケアマネジャーにとって重要な問題であることが分かります。利用者家族のがんを早期発見・早期治療できていれば、このような不幸な事例は避けられたかもしれません。

しかし、利用者やその家族にがん検診を勧めているケアマネジャーは少ないことが明らかになりました。

 

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まず、ケアマネジャーに利用者やその家族にがん検診を受けてほしいか尋ねたところ、その意識は低くないものの、利用者よりも家族に対しての方ががん検診を受けてほしい意識が高いことが分かりました。

このことから、ケアマネジャーは介護家族のがんのケアマネジメント上のリスクを警戒していることと、高齢な要介護者ががん検診を受けることに意義を感じていない可能性が考えられます。

次に、がん検診を勧める頻度を見てみると、利用者とその家族どちらにおいても、がん検診を「全く勧めていない」ケアマネジャーが半数以上いることが明らかになりました。

ケアマネジメント上のリスクがあることを理解しながらも、多くのケアマネジャーががん検診を勧められない理由は何なのでしょうか。

ここからは、利用者とその家族どちらにもがん検診を「全く勧めていない」ケアマネジャーの回答を見ていきます。

 

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がん検診を「全く勧めていない」ケアマネジャーに勧めにくいと感じる理由を尋ねたところ、 最も多かった回答は「勧めるタイミングがない・分からない(51.8%)」でした。

 

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さらに、何があればがん検診を勧めやすくなったり、利用者やその家族ががん検診を受けやすくなるかという問いに、4割以上のケアマネジャーが「がん検診の内容や意義を啓発するチラシ」と回答しました。

これらのことから、がん検診を勧めるための理由やきっかけがあれば、ケアマネジャーの多くは利用者やその家族に対して働きかけるようになるのではないでしょうか。

ケアマネジャーは日頃から、利用者やその家族への健康上のアドバイスや受診勧奨を行っており、がん検診の勧奨においてもケアマネジャーの働きが期待されます。

ケアマネジャーからがん検診を勧めてもらうためには、まずケアマネジャーにがんの早期発見・早期治療の意義を啓発する必要があるでしょう。そして、がん検診の意義を理解したケアマネジャーが勧奨できるようにサポートすることが望ましいと考えられます。

この他にも、

  • がん検診を受けている利用者とその家族の割合
  • ケアマネジャーががん検診を勧めている利用者とその家族の割合
  • ケアマネジャーの勧めからがん検診を受けている利用者とその家族の割合
  • 利用者家族ががん検診を受けられるようサポートしているケアマネジャーの割合

などについて調査を行いました。

 

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