チカク/「孤独感」が原因で自殺をした人の過半数が高齢者

2021/3/19

【緊急独自レポート】孤独・孤立対策担当相が新設され、注目される孤独・孤立問題。孤独・孤立対策のキーワードは「つながり」「つなぐ」

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛生活の長期化で孤独・孤立の問題が深刻化しています。
そんな中、政府は「望まない孤独」に対して、「つながり」をキーワードに今後の対策を検討し始めました。
こうした中、高齢者と家族、地域をつなぐ「まごチャンネル」を開発する株式会社チカク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:梶原健司、以下「チカク」)は、昨今の高齢者の孤独・孤立の現状について動向をまとめてみました。
今後の企画等のご参考にしていただければ幸いです。
 
【国の動き】
■孤独・孤立対策担当相を新設し、「骨太の方針」に対策を盛り込む予定

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛生活の長期化で孤独・孤立の問題が深刻化していることを受け、政府は今年2月に孤独・孤立対策担当相を新設し、内閣官房に孤独・孤立対策担当室を設置しました。これを受けて自民党は孤独・孤立対策特命委員会を、公明党は社会的孤立防止対策本部をそれぞれ設置し、今夏に策定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に「孤独・孤立問題」の体系的な対策を盛り込む予定です。

■孤独・孤立対策のキーワードは「つながり・つなぐ」
今年2月25日に総理大臣官邸で「孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム」が開催され、政府と民間支援団体の関係者が意見交換を行いました。
フォーラムに参加した加藤勝信官房長官は次のように発言をしています。
「それぞれのお話を聞いても、やはりキーワードは孤独、不安に対して『つながり』ということが非常に大事だということであります。どう相談につなげていくのか。そしてその相談に来られた方をどう必要な支援につなげていくのか。しかも、それが一過性ではなくて、継続してつなげていけるかが非常にポイントなのだろうと思いました」(※1)
また、坂本哲志孤独・孤立対策担当相は、フォーラム出席後に自身のブログで次のように述べています。
「共通して出た言葉は『つながり・つなぐ』です。望まざる孤独に陥っておられる方々に、いろいろな形での『つながり』を持ってもらう事、『つないで』あげる事の重要性が述べられました」(※2)

(※1)孤独・孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム 議事要旨(内閣官房HP)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_tsunagaru_forum/dai1/gijiyousi.pdf
(※2)坂本哲志衆議院議員HP
https://www.tetusi.com/diary/2021/4337/

【高齢者を取り巻く環境】
■コロナ禍の長期化に伴って家族と会う機会が減り、高齢の親の状況を把握しにくい状況が続いている

第一生命経済研究所の調査では「新型コロナウイルスの感染拡大以降、別居する家族・親族と直接会う機会が減った」と答えた人は8割を超えています(※3)。また、セコムの調査では、70歳以上の親と違う県に住んでいる全国40代、50代の男女の約8割が「離れて暮らす親に心配や気がかりなことがある」と答えています(※4)。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、離れて暮らす家族と直接会う機会が減り、高齢の親の状況を把握しにくい状況が続いていることが伺えます。

 
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(※3)第一生命経済研究所「第3回 新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査(家族編)」
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/ldi/2020/news2010_04.pdf
 
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(※4)セコム株式会社「親の見守りについての調査」(2020年3月5日発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000036837.html

 

■高齢者を地域で見守る機会が減少している
全民児連によると地域の身近な相談相手である民生委員は高齢化が進み、2016年には60代以上が85%を占めて平均年齢は66歳を超え、各地で定員割れが続いています(※5)。
また総務省の情報通信白書によると、町内会・自治会への参加頻度は1968年から2007年までの間に大幅に低下しています(※6)。また地域を基盤とする高齢者の任意団体である老人クラブの会員数は2015年の590万人から2019年には500万人を下回るまで減少しています(※7)。
高齢者を地域で見守る人や機会が減っており、高齢者の孤独・孤立がより進むことが懸念されます。

(※5)全国民生委員児童委員連合会「民生委員・児童委員 定量調査」 
https://www2.shakyo.or.jp/wp-content/uploads/2019/03/386f648a162f2017b534959002a28858.pdf
(※6)総務省「平成22年版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h22/html/md121200.html
(※7)厚生労働省「令和元年度福祉行政報告例の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/19/dl/kekka_gaiyo.pdf

■コロナ禍で高齢者に最新の行政情報を届けにくくなっている
これまで自治体はインターネットを活用した行政情報の提供については、ホームページ等を中心に行ってきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で行政情報の更新頻度が高くなる中、インターネット環境がない高齢者等の住民に対し、最新の行政情報を届けるための模索が続いています。

  • 市内を走るゴミ収集車のスピーカーからコロナウイルス注意喚起を放送(※8 東京都小平市)
  • 市内115箇所に設置した防災行政無線を通じて、感染拡大防止に関する呼びかけを実施(※9 埼玉県狭山市)
  • 市内にあるFMラジオ局を活用して市政情報や防災・災害情報を提供(※10 大阪府八尾市)
  • 回覧板を回覧することに感染リスクがあるものの、情報弱者への貴重な情報伝達手段として位置づけていることから苦肉の策として、直接手渡しすることを避け、ポストへの投函による受け渡しを推奨(※11 兵庫県尼崎市)

新型コロナウイルスの感染拡大で改めて自治体の情報伝達のあり方の難しさが顕在化していることが伺えます。

(※8)東京都小平市HP
https://www.city.kodaira.tokyo.jp/kurashi/086/086503.html
(※9)埼玉県狭山市HP
https://www.city.sayama.saitama.jp/kurashi/shiminsanka/katsudoshien/coronabousaimusen.html
(※10)大阪府八尾市HP
https://www.city.yao.osaka.jp/0000002731.html
(※11)兵庫県尼崎市HP
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/siminsanka/1021199/1021195.html

【孤立化する高齢者】
■一人暮らしの高齢者が増え、親戚付き合いが希薄化し、高齢者の孤立化が進んでいる

内閣府が発行する高齢社会白書によれば、65歳以上で一人暮らしをしている高齢者の数は、1995年の約220万人から2015年には約592万人となり、この20年で2.5倍以上に増えています(※12)。

 
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(※12)内閣府「令和2年版 高齢社会白書」を基にチカク作成
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/zenbun/pdf/1s1s_03.pdf

筑波大学の研究では「社会的孤立の対策先進国である英国と比較すると、日本では高齢者の社会的孤立が悪化しており、特に親戚付き合いの希薄化が顕著である」という報告がされています(※13)。

 
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(※13)辻大士(筑波大学)「高齢者の社会的孤立、英国より日本で悪化」
JAGES Press Release NO:242-20-33
https://www.jages.net/library/pressrelease/?action=cabinet_action_main_download&block_id=3849&room_id=549&cabinet_id=234&file_id=9117&upload_id=11203

【自殺の増加】
■「孤独感」が原因・動機で自殺をした人の過半数が高齢者

厚生労働省によると、2020年の自殺者数は21,077人(暫定値)で、11年ぶりに増加に転じました。
中でも「孤独感」が原因・動機で自殺をした人(434人)の過半数(237人)を60歳以上の高齢者が占め、また、60歳未満の自殺者の前年比増加率が22%に対し、60歳以上の高齢者の自殺者は41%も増加しています(※14)

 
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(※14)厚生労働省「自殺の統計」を基にチカク作成
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsu_year.html

【高齢者の孤独感の解消のために】
■家族や友人との非対面でのコミュニケーションにも抑うつ効果

日本福祉大学健康社会研究センターの分析では、対面での交流頻度が乏しくても、週1回以上、電話やメールで家族や友人と交流した高齢者は、連絡を取らなかった人と比べ、抑うつ傾向を示す割合が低くなることが明らかになったと報告されています(※15)。

 
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(※15)福定正城、斉藤雅茂(日本福祉大学)「新型コロナ対策への示唆 電話・メールでの交流のみでも健康リスクは軽減されるのか(第1報)」
JAGES Press Release NO: 225-20-16
https://www.jages.net/library/pressrelease/?action=cabinet_action_main_download&block_id=3849&room_id=549&cabinet_id=234&file_id=9100&upload_id=11186

■ICTの活用が高齢者の孤独感を和らげる
日本福祉大学の検討によると、65歳以上の高齢者で他者とのつながりのためにインターネットを使っている人はそうでない人に比べて主観的幸福度が29%高いことが報告されています(※16)。

 
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(※16)大田康博(日本福祉大学)「ネットによるつながりがあると健康な人が1.6倍」を基にチカク作成
JAGES Press Release NO: 217-20-8
https://www.jages.net/library/covid-19/?action=common_download_main&upload_id=9217

■高齢者と離れて暮らす家族や地域、自治体をつなぐ「まごチャンネル」
スマートフォンアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信し、 テレビの大画面とスピーカーを通してインターネットやスマートフォンの利用が苦手なシニア世代でも孫と一緒に暮らしているかのような疑似体験ができる 「まごチャンネル」は、高齢者に離れて暮らす家族や身近な友人との会話を増やすきっかけを提供し、高齢者の孤独感を和らげる効果が期待されています。
2019年11月にチカクが実施した50~90代の「まごチャンネル」利用者123名を対象にした調査では、97%の方が、同居家族や、息子娘世帯、親戚、友人などいずれかの人との会話が「増加した」と答え、「まごチャンネル」が身近な方々との交流の活性化に有効な可能性が示されました。
https://www.mago-ch.com/news/2019-11-19
最近では、全国の自治体からのお問い合わせも多数いただいており、災害時の避難方法や健康維持のための体操動画の配信など、高齢者と行政をつなぐ実証実験も大阪府泉大津市と実施しています。
https://www.mago-ch.com/news/2020-07-15

 
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発売日:2016年6月
価 格:本体19,800円(税込)、サービス利用料月額1,250円〜

販 売:まごチャンネル公式ストア、Amazon
https://www.mago-ch.com/

【株式会社チカク(まごチャンネル)について】
チカクは「シニア・ファースト」をミッションとした、 高齢者のDXを推進するエイジテック企業です。 第一弾プロジェクトとして、 スマートフォンアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信し、 テレビの大画面とスピーカーを通してインターネットやスマートフォンの利用が苦手なシニア世代でも孫と一緒に暮らしているかのような疑似体験ができる 「まごチャンネル」を開発・販売しています。
株式会社チカク: https://www.chikaku.co.jp/

 
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