ナリス化粧品/AI顔分析による客観的評価、見た目の若返りがよろこびに直結

2021/2/9

日本化粧医療学会 第2回学術総会で発表

一般社団法人日本介護美容セラピスト協会(代表理事:谷都美子/大阪市福島区:株式会社ナリス化粧品100%出資)は、2月6日にオンラインで開催された、「日本化粧医療学会 第2回学術総会」にて、「認知症患者に対する化粧美容セラピーの認知・情動機能改善効果」を発表。従来、メークアップなどの美容は、非薬物療法の一つとして、認知機能や感情機能、ADL(日常生活の動作)機能に有効であると考えられてきましたが、医学的なエビデンスは不十分でした。今回、AIによる客観的な顔診断により、即時に認知症高齢者の喜びの感情が増加することがわかりました。尚、この研究は、岡山大学・かんでんジョイライフ・日本介護美容セラピスト協会の共同発表です。
 

 

 

株式会社ナリス化粧品1

AI顔診断の様子

 

評価方法 
1、化粧美容セラピー群と対象群の2群にわけて検証。
2、脳神経内科医による認知機能や、感情機能、ADLの問診。
3、ビューティタッチセラピスト※1による化粧美容セラピー実施。
4、AIカメラで施術前後を撮影し、画像解析。
5、施術数日後の感情変化の聞き取り調査。
対象者:認知症高齢者 化粧美容セラピー群/スキンケア+メーク実施 19名(89.5±4.4歳) 対象群/スキンケアのみ 17名(90±4.1歳)(実施日:2020年9月~11月)※1日本介護美容セラピスト協会の認定を受けた、介護・美容に関わる知識やスキンケア・マッサージ・メーク等の専門技術を習得した者

 

株式会社ナリス化粧品2

化粧美容セラピーの様子

 

結果
1.化粧美容セラピー群では、認知症周辺症状の指標である阿部式 BPSD※2スコア(ABS※3)が有意に改善さ れており、即時的な感情改善効果が示された。

2.AI顔解析では化粧美容セラピー群で、見た目年齢が1.9歳有意な減少を示した。 

3.AI顔解析の感情評価では、化粧美容セラピー群で、「喜び」の感情スコアが有意に向上した。

4.化粧美容セラピーに対する満足度78.9%。

結論として、認知症高齢者には、見た目の良さが心理的健康に重要であり(Kligman and Graham, 1986)、よりキレイになったと感じることがBPSD※2の緩和にも関係していると考えられます。また、AI顔分析は、顔の感情を迅速かつ定量的に分析できるので、言語の問題に関係なく評価できます。※2 認知症の中核症状である認知機能低下の影響で、本人が混乱したり落ち込んだりした結果として起こる周辺症状のこと。※3 現代日本に適した新しいBPSDスコアのこと阿部式BPSDスコア(Abe’s BPSD Score = ABS)

 

AI顔分析 化粧美容セラピー前

AI顔分析 化粧美容セラピー前

化粧美容セラピー後の表情

化粧美容セラピー後の表情

 

今後の展望
超高齢化社会を迎えた日本において、加齢に伴い増加する認知症に対する取り組みは、学術的かつ社会的課題です。認知症高齢者の生活の質を向上させることや、介護者のモチベーションに繋がる取り組みは、より必要性を増すと考えます。メークアップが、認知症高齢者の喜びの感情を沸き起こすことが確認できたことは、継続的なメークアップが、認知症の進行を遅らせる可能性を示唆し、QOLの改善に繋がるものと考えられます。今後は、施術を繰り返し、長期的な効果について検証を進め、化粧美容セラピーとしての客観的評価の更なる確立に取り組みます。

 

 

■結果(詳細)
1.化粧美容セラピー群では、認知症周辺症状の指標である阿部式 BPSD※2スコABS※3)が有意に改善されており、即時的な感情改善効果が示された
化粧美容セラピー群は対象群と比較してABS※3スコアを有意に改善(対象群では 1.8±4.4悪化し、化粧美容セラピー群では2.9±4.3改善* p <0.05)。

2.AI顔解析では化粧美容セラピー群で、見た目年齢が1.9歳有意な減少を示した 
(* p <0.05)。対象群はわずか0.1歳とほとんど変化なし。)

3.AI解析の感情評価では、化粧美容セラピー群で(特にADL※4障害が中等度の患者(ADL※4スコア(6 – 15))は、「喜び」の感情スコアが有意に向上した

4.化粧美容セラピーに対する満足度78.9%
化粧美容セラピー群の19人のうち15人(78.9%)は、施術に対する満足度を5つの総合グレード(「とてもよかった」、「良かった」)と報告。対象群は17人のうち9人(52.9%)。この喜びのスコアは、認知症機能の指標であるMMSEスコア(ミニメンタルステート検査=精神状態短時間検査)と有意な相関を示した。
※4 通常の日常生活に必要な基本的な活動のこと。

■発表内容
タイトル:認知症患者に対する化粧美容セラピーの認知・情動機能改善効果
発表者:岡山大学 脳神経内科:田所功・川野公子・阿部康二
株式会社かんでんジョイライフ:佐藤順子 
一般社団法人日本介護美容セラピスト協会(株式会社ナリス化粧品):谷都美子

【一般社団法人介護美容セラピスト協会 概要】
※一般社団法人日本介護美容セラピスト協会は、株式会社ナリス化粧品が100%出資しています。
所在地:大阪市福島区海老江1丁目11番17号(株式会社ナリス化粧品 本社内)
設立:2014年4月
代表者:代表理事 谷都美子
事業内容:
心と体の美容療法®を創出。ビューティタッチセラピー®(介護美容)の手法を用いて、マッサージやメークなどの「肌に触れるケア」をとり入れることで、主に高齢者の自立支援やQOLの向上を目指す。全国で、ビューティタッチセラピストの養成と認定講座を開催。1,985名(2021年1月末現在)の認定セラピストを輩出している。また、施設や地方包括ケア等のリクエストに応え、セラピストの派遣を行っている。

2014年9月 九州ヘルスケアサービス産業創出研究会テーマ事業に認定
2015年3月 日本健康支援学会で発表
2015年3月 日本早期認知症学会で発表
2016年3月 厚生労働省 「保険外サービス活用ガイドブック」に掲載
2018年6月 日本健康心理学会、日本ヒューマン・ケア心理学会学術集合合同大会で発表
2019年3月 日本健康支援学会で発表
2019年10月 日本早期認知症学会で発表
2019年11月 日本ヘルスプロモーション理学療法学会で発表

 

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