メディヴァ/認知症デザインに関する世界でも初めての包括的な報告書に寄稿
2020/9/28
『世界アルツハイマー報告書2020:デザイン、尊厳、認知症 – 認知症に関連したデザインと建築環境』で国内事例を紹介
国際アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Disease International, 以下、ADI)が、2020年9月21日に『世界アルツハイマー報告書2020:デザイン、尊厳、認知症 – 認知症に関連したデザインと建築環境』を出版しました。
『世界アルツハイマー報告書』は、認知症への理解を深めるために、ADIが2009年より毎年、出版しているものです。今年のテーマは「デザインと建築環境」であり、世界で初めて、各国の認知症デザインを包括した報告書となりました。その中で、株式会社メディヴァは、自社が手掛けた日本の事例をもとに、認知症デザインについて寄稿しました。
■超高齢社会、日本の知見を世界へ
弊社の報告書のタイトルは「Japan: Experience of dementia design and education in Japan(日本:日本における認知症デザインとその学びからの知見)」です。超高齢社会であり、認知症人口が世界でも多い日本における認知症デザインの事例、デザインからの学びをテーマに報告しています。これからも日本国内だけでなく、他の国々でも参考にできる点を世界に発信してまいります。
<メディヴァの事例>
・サービス付き高齢者住宅への認知症デザイン導入
(東急不動産グランクレール世田谷中町、東急不動産クレールレジデンス横浜十日市場)
・看護小規模多機能型居宅介護施設への認知症デザイン導入
(医療法人社団プラタナス ナースケアリビング世田谷中町)
・福岡市「認知症の人にもやさしいデザイン手引き」作成の過程
■『世界アルツハイマー報告書2020』について
本書では、「バリアフリーなどの身障者用のデザインに比べて、認知症の人のためのデザインのガイドラインや原則の適用は30年ほど遅れている」と指摘し、世界各国において建築環境における認知症デザイン導入の早急で大幅な向上が必要であると提言しています。認知症を障害と明確に認識し、身障者向けのデザインと同様に、認知症の人々が生活する場(自宅、介護施設、病院、公共施設)において、良い認知症デザインを導入することを世界各国政府や諸機関に対して求めています。
報告書の著者の1人、リチャード・フレミング氏(オーストラリア・ウーロンゴン大学教授)は、「ここ40年ほどで認知症デザインの知識は蓄積してきている。認知症の人のためのデザインを、より多くの建築士や設計士、デザイナーにチャレンジして欲しい」と呼びかけています。
国際アルツハイマー病協会(ADI)「World Alzheimer Report 2020 – Design, Dignity, Dementia: dementia-related design and the built environment」は、こちらからダウンロードいただけます。
https://www.alz.co.uk/research/world-report-2020
<ご参考>
■国際アルツハイマー病協会(ADI)とは
国際アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Disease International, ADI) は世界各国にある認知症関連団体の連合組織です。認知症の人とその家族を支援する各国の認知症関連団体が会員であり、認知症に関する国際学会の開催や報告書の出版などを通じて世界的な関心を高めることを目的としています。世界保健機関(WHO)と公式な関係にあり、1994年から世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定しています。
■株式会社メディヴァ
株式会社メディヴァは2000年に設立されたヘルスケア専門のコンサルティングと運営支援会社です。「Medical Innovation and Value-added」(医療介護分野における革新と価値創造)を目指し、医療と介護分野の新しいサービス創造を行っています。認知症に関する取り組みとしては、英国スターリング大学認知症サービス開発センター(DSDC)と協力し、これまで高齢者住居や介護施設への認知症に優しいデザインの導入支援や自治体の認知症デザイン手引き作成支援を行い、2017年にはDSDCより認知症デザイン認証で、最高評価である「ゴールド」を授与されました。現在、メディヴァは、病院や介護施設、住宅、商業施設、公共施設などの建物への認知症デザイン導入、商品やサービスへの認知症デザイン導入、認知症デザイン研修プログラム実施、認知症デザイン啓発などの支援を行なっております。