2020.5.29 シニアの学びなおし
近年、社会人やシニアが改めて勉強し直す「学び直し」という言葉をよく耳にします。”人生100年時代”と言われる今、定年後の趣味や教養として取り組むシニアが多いようです。新たなスキルが身に付けば、再就職やボランティア活動などに活かし、充実した定年後や余生を過ごすことが期待できます。
そこで今回は、シニアはどのような学びをしているのか、また何を目的としているのかについて、データを交えてご紹介します。
65歳以上の学びなおし率は、女性より男性の方が多い
総務省『平成28年社会生活基本調査』によると、「学習・自己啓発・訓練」について,過去1年間に何らかの種類の活動者率は全体で36.9%、65歳以上で28.0%となっています。
男女別で見ると、全体で男性が36.5%、女性が37.4%で、女性が男性より0.9ポイント高くなっていますが、65歳以上でみると男性が28.7%、女性が27.4%と、男性が女性より1.3ポイント高くなっています。
そこまで大きな差は見られませんが、男性は定年退職までの仕事中心の生活から一変し、時間に余裕ができたため、新たな学びなおしに取り組む方が多いのかもしれません。
「学習・自己啓発・訓練」の年齢階級別行動者率
65歳を境に学びなおしのジャンル選択が変化
「学習・自己啓発・訓練」の55歳以上の行動者率をみると、55~64歳は現役で仕事をしているためか「商業実務・ビジネス関係」最も高くなっていますが、65歳以上は「芸術・文化」が最も多くなっています。
各ジャンル別にみると、全体的に55~59歳が行動者率が最も高くなっていますが、「家政・家事(料理・裁縫・家庭経営など)」、「芸術文化」については65~69歳が55歳以上の中で最も高くなっています。
このことから、学びなおしに取り組むシニアは、65歳を機に変化するということが分かります。
「学習・自己啓発・訓練」の種類 年代別行動者率(55歳以上)
75歳以上における教養目的の学びなおしは、男性が女性を上回る
目的別の行動者率をみると、男性の場合、55~59歳は「自分の教養を高めるため」と「現在の仕事に役立てるため」がほぼ同数ですが、60歳以降は大きな差がついています。
女性の場合は男性と異なり、55~59歳時点で既に「自分の教養を高めるため」と「現在の仕事に役立てるため」の割合に大きな開きがあります。また、55~74歳は「自分の教養を高めるため」の割合が男性よりも上回っていますが、75歳以降は男性を下回っています。
更に、「自分の教養を高めるため」について、男性は年齢と共に下降傾向にあるもののそこまで大きな変化はないですが、女性は75歳を境に一気に下降していることが分かります。