2020.3.9 「シルバー」とは…??
「シニア」や「シルバー」、「高齢者」、「老人」、「お年寄り」など、様々な呼び方がありますが、実際のところ言葉の定義は非常に曖昧です。シニアの定義・カテゴライズ で詳しくご紹介していますが、一般的には、世界保健機構(WHO)が定義する65歳以上の人を「シニア」「高齢者」と捉える傾向にあります。
尚、シニアライフ総研®では、「シニア」を年齢軸で、現役で会社勤めをする層も含めて、広く「55歳以上の男女」と設定しています。
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ただ…何となく「シニア」よりも「シルバー」という言葉の方が年齢が年齢が高く感じることはありませんか?そこで、今回は「シルバー」の定義や由来についてご紹介します。
何才からシニア、シルバー、老人、お年寄り、高齢者、と思ってる?
まず、実際のご年配の皆さんご自身は各呼び名についてどう思っているのでしょうか。博報堂生活総合研究所が2016年に60歳~74歳の男女に調査した「シルバー調査」のデータをご紹介します。
「それぞれについて、あなたのお考えでは何才位からだと思われますか?という質問に対しての平均年齢が以下の通りです。
平均 | |
「高齢者」といったら何才位から | 72.16歳 |
「シルバー」といったら何才位から | 68.94歳 |
「老人」といったら何才位から | 75.38歳 |
「お年寄り」といったら何才位から | 74.86歳 |
「シニア」といったら何才位から | 65.53歳 |
年齢の高い順に並べると①老人 ②お年寄り ③高齢者 ④シルバー ⑤シニア ということになり、横文字の方がより若いイメージがあるようですね。
「シルバー」とは…その由来は…
「シニア」は英語「senior」でも、年長者、年上…、日本と同様の使い方をしていますが、「シルバー」は和製英語なのはご存じですか?英語で「silver」といえば、銀、銀食器、銀色という意味です。高齢者といえば白髪が生えているイメージから「シルバー」という言葉が使われていると思われがちですが、実は全く関係ありません。では、なぜ高齢者のことを「シルバー」と呼ぶようになったのでしょうか…
それは、まだJRが国鉄だった時代に遡ります。国鉄は当時、低運賃や快適なサービスを提供する私鉄に流れてしまった乗客を取り戻そうと新たな施策を模索していました。そこで、1973年9月15日の敬老の日に、高齢者や身体が不自由な人のためのサービスとして、山手線、京浜東北線、中央線で優先席を設けることにしました。
しかし、1972年8月26日の読売新聞では、「国鉄赤字8千億円に」と見出しがつくほど、国鉄といえば財政難が課題となっていました。そのため、新たに優先席用に新たな生地を用意する余裕もなく、せめて普通席と区別しやすいように、優先席の色を違う色にしようと考えられた結果、偶然にも国鉄の工場に在庫として余っていた新幹線の座席カバーを使用することになったそうです。
この座席カバーの色がシルバーだったことが由来となり、その後、高齢者などが座る優先席のことを「シルバーシート」と呼ぶようになったのです。国鉄としては「シルバー=高齢者」という意味を定着させるつもりはなかったものの、偶然にもシルバーシートから派生したそうです。
特に誰が「シルバー」を定義しているわけではありません。そのため、各企業がそれぞれのサービスによって定義しているようです。
ただ、当事者の方々は「年寄り扱いされたくない!」という方が多いようですので、シニア・シルバー向けのキャッチコピーは注意しなければならないですね!