ピクシーダストテクノロジーズ/自動運転車いすの介護施設への実装を目指し、共同事業を開始
2020/2/14
介護現場の課題をアカデミア発のテクロジーで解決
アカデミア発技術による社会課題解決に取り組むピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:千代田区、代表取締役 落合陽一、村上泰一郎)は、株式会社シルバーウッド(本社:千葉県浦安市、代表取締役:下河原忠道 以下「シルバーウッド」)と、自動運転車いす「xMove(呼称:クロスムーブ 商標登録出願中)」の開発を通じた介護福祉現場の課題解決を目指し、共同事業を開始しましたのでお知らせいたします。
テクノロジー企業と介護事業者の協業による介護現場の課題解決へ
超高齢社会における介護人材不足は、未来の問題ではなくなっています。この現代において、何歳になっても、どんな障害を持ったとしても、自分らしい豊かな暮らしを実現するために、介護福祉現場とテクノロジーやデザインの力を持った企業が手を組む必要があります。
しかし、実際の介護福祉現場では、一般的に他の業界よりもテクノロジーの導入が遅く、またテクノロジーへの拒否反応も強い傾向があります。現場は日々の業務で多忙を極めているにもかかわらず、パソコンのディスプレイやスマートフォン、タブレットがインターフェースとなるIoTテクノロジーを導入しても、操作を覚える手間やインターフェースに慣れる労力を考えると現場がこうしたテクノロジーに後ろ向きになってしまうのはやむを得ないことだと私たちは考えます。
私たちピクシーダストテクノロジーズは、こうした介護福祉現場の声に耳を傾け、「人類と計算機の共生ソフトウェア基盤を構築する」という経営理念のもと、コンピュータと現場の人々をつなぐ新たなインターフェースをデザイン及び開発している会社であり、高齢化が進んだ現場や、多忙ゆえに人材の獲得に悩む現場の課題をテクノロジーで解決すべく日々奮闘しています。
このように、アカデミア発技術による社会課題解決を目指す当社は、今般、サービス付き高齢者向け住宅「銀木犀」を運営するシルバーウッド社と共同事業に取り組むことによって、介護福祉現場のよりリアルな課題解決につながるプロダクトの開発を行います。このたびの協業により、介護福祉現場で働く皆様、介護福祉施設の利用者様等より多くの方が自分らしい豊かな生活を送ることができる社会の実現を目指します。
車いすを使う入居者様が、好きなときに好きな場所へ
xMoveは、市販の電動車いすに自動運転化ユニットを後から搭載することにより、電動車いすを自動運転車いすに高度化することができる装置です。xMoveを搭載した車いすの利用者は、ボタンやスマートフォンによる操作で、好きなときに好きな場所に行くことができるようになります。当社は、xMoveの開発により、車いすの利用者の利便性向上と介護士の移動介助に関わる負担軽減を目指しています。
近時、日本においては少子高齢化により介護の需要に対して介護士の人数が不足している状況です。介護福祉の現場ではカメラを用いた見守り機能の強化やセンシング技術の導入によって、人手不足を解消しようとしています。xMoveでは介護福祉現場での「移動」に着目し、車いすに搭載したセンサーと施設に設置したセンサーで車いすの安全を2重3重に確認し、安全に走行します。現在、シルバーウッドの高齢者住宅において実証実験を実施しており、現場の方々のご意見を反映させながら開発を進めています。
株式会社シルバーウッドについて
株式会社シルバーウッドは、2000年に設立された、建築事業(薄板軽量形鋼造)、高齢者住宅事業(銀木犀)、VR事業(VR Angle Shift)を主軸としている企業です。
高齢者住宅事業(銀木犀)は、2011年に開設した銀木犀<鎌ヶ谷>(千葉県鎌ケ谷市)から始まり、現在サービス付き高齢者向け住宅(10棟)とグループホーム(2棟)を運営しております。2015年には、アジア太平洋高齢者ケア・イノベーション・アワードで最優秀賞を獲得し、2018年には、カンブリア宮殿(テレビ東京)でも紹介されました。介護現場から、社内外の関わりを通して様々な社会課題に取り組んでいます。
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社について
■ 会社概要
商号: ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
代表取締役: 落合 陽一、村上 泰一郎
所在地: 東京都千代田区神田三崎町二丁目20番5号 住友不動産水道橋西口ビル4階
設立: 平成29年5月
資本金: 23億397万9,050円(令和2年1月1日現在)
URL: https://pixiedusttech.com/
■ 事業概要
当社は、筑波大学准教授の落合陽一によって2017年に設立されたベンチャー企業です。「人類と計算機の共生ソフトウェア基盤を構築する」を経営理念として、独自の「HAGEN 波源」(波動制御技術)をベースに当社ならではの製品を開発し、また顧客課題に根差したソリューションを共同開発する空間開発型事業「KOTOWARI 理」を展開します。これらの取り組みのなかで、アカデミアで産まれた知の連続的な社会実装を目指します。
現在、開発中の製品には、特定の人の耳元など空間の任意の位置に音を届ける焦点スピーカーや、介護施設向けの自動運転車いす等があり、大学発のテクノロジーで地方自治体や企業、障がい者の方などが抱える課題を解決すべく、視覚・聴覚・触覚領域の製品・サービスの開発に取り組んでいます。