ハルメク/シニア女性に聞いた「キャッシュレス決済」に関する実態調査
シニア女性の9割以上がキャッシュレス決済を利用。一方、QRコード決済の利用経験者は1割以下。5大不安は「セキュリティ」「操作」「お金の管理」「使いすぎへの懸念」「実態がよくわからない」
販売部数21.5万部を誇るシニア女性誌部数No.1(※1)の「ハルメク」を発行する株式会社ハルメク(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤孝夫)は、55~79歳のシニア女性230名を対象に、「キャッシュレス決済(※2)」に関するwebアンケート調査を実施いたしました。
(※1)一般社団法人ABC協会・ABCレポート21.5万部(2018年7月~2018年12月)
(※2)本調査における「キャッシュレス決済」は、QRコード決済のほか、suica等の電子マネーやクレジットカード等、現金を使わないもの全般を対象としています。
【調査サマリ】
■シニア女性のキャッシュレス決済 利用経験率は9割超。一方、QRコード決済の利用経験者は1割以下
⇒ キャッシュレス決済を利用したことがある人は97.4%(224人)
⇒ PayPayなどをはじめとする、QRコード決済の利用経験者はわずか8.3%(19人)
■キャッシュレス決済を利用する理由は「レジでの支払いがスムーズ」「財布が小銭でふくらまない」「ポイントがつく」
■suica等の「電子マネー」、クレジットカードは8割以上が利用経験あり
一方、スマホ決済は2割以下にとどまる
⇒ 利用したことがあるサービスTOP3は、第1位「電子マネー(96.5%、222人)」、第2位「クレジットカード(89.6%、206人)」、第3位「プリペイドカード[VISA・JCB付](30%、69人)」
■QRコード決済に踏み込めない要因は「5つの不安」
⇒「①セキュリティに対する不安」「②スマホで操作することの不安」
「③リアルにお金管理できない不安」「④使い過ぎに対する不安」
「⑤よくわからないことへの不安」
【調査結果】
キャッシュレス決済を利用したことがあるシニア女性は9割以上
その一方、世間で話題になっているQRコード決済の利用経験者は1割以下
- キャッシュレス決済を「現在利用している」人は全体の95.7%(220人)。
- 「過去に利用したことがある(1.7%、4人)」を含めると97.4%(224名)が利用経験済み。
- その一方で、2018年末の巨額キャンペーンで話題になったPayPayなどをはじめとする、QRコード決済の利用経験者はわずか8.3%(19人)。
キャッシュレス決済を利用する理由は「レジでの支払いがスムーズ」「財布が小銭でふくらまない」「ポイントがつく」
suica等の電子マネー、クレジットカードは8割以上が利用経験あり
一方、スマホ決済は2割以下にとどまる
- 利用したことがあるキャッシュレス決済サービスTOP3は、第1位「電子マネー(96.5%、222人)」、第2位「クレジットカード(89.6%、206人)」、第3位「プリペイドカード[VISA・JCB付](30%、69人)」。
- 一方、スマホ決済の利用経験者は「QRコード決済以外のスマホ決済」が18.3%(42人)、「QRコード決済」が8.3%(19人)と、2割以下にとどまっており、「キャッシュレス決済」とひとくちに言っても普及度に差があることがわかった。
利用したことのあるQRコード決済サービスは「楽天Pay」が最も多い結果に
- QRコード決済利用者の中で、利用したことのあるQR決済サービスは、楽天Payが最も多い結果に
QRコード決済利用への意識は「積極・肯定派」「消極・否定派」に分かれる
最も多かったのは「様子見派」。シニア世代は慎重な行動をとる傾向
- QRコード決済利用経験者は、「積極派」「消極派」「利用休止者」に分類される
- 利用未経験者の意識は、「肯定派」「様子見派」「否定派(不安だから使わない)」「不明派(どういうものかよくわからない)」に分かれる結果に。
利用未経験者に聞いたQRコード決済に踏み込めない5つの不安
- 「QR決済」に踏み込めない5つの不安が明らかになった(フリーアンサーより)
- 全体的に「セキュリティに対する不安」は大きい。その他、「スマホで操作することの不安」「リアルにお金を管理できない不安」などが挙がった。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約1,000人の50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
「QRコード決済」はシニアに受け入れられるか?
調査結果でわかった、「セキュリティ」「操作」「お金の管理」「使いすぎへの懸念」「実態がよくわからない」という5つの不安を乗り越えれば、シニアのQRコード決済の普及は進むのでしょうか。そんな簡単にはいかないと思います。ただでさえ、この年代の人の多くは「周囲の評判を聞いてから」と慎重な消費行動をします。また、セキュリティに対する不安は甚大です。
実際に利用するには確固たる動機も必要です。この年代はスマホを保有し始めるまでにも長い年月がかかっています。10月の「消費税増税」がQR決済を利用し始めるポイントになるでしょう。増税にあわせてポイント還元が行われますが、「知らないで損するQR決済の使い方」といったテーマには高い関心があります。
インタビューの現場でも「使うかどうかわからないが、QR決済について知っておきたい」「増税で損をしたくない」という声がありました。増税きっかけで促進するかは、「不安よりお得さ・便利さが勝ったら」という条件つきだと思いますが、損得勘定は利用する動機になり得ます。
また、この層は一過性のキャンペーンなどでは動きません。その点が若者との違いです。この世代は、「安全で便利」と納得して一歩踏み込みさえすれば、同じモノやサービスを長く使い続ける傾向があります。シニア市場を攻略するには、使うきっかけとなる強い動機づけ、分かりやすい安心感がキーとなるのではないでしょうか。
【雑誌ハルメク 関連特集のご紹介】
ハルメク8月号(7月10日発売)では、「スマホ」特集を掲載。『スマホをもっと賢く使う簡単・便利のコツ』と題し、『日本一わかりやすいスマホ決済』を紹介しています。
【調査背景】
シニア女性誌部数No.1の「ハルメク」は、長年にわたりシニア女性のインサイトについて調査・分析を行ってまいりました。近年、QRコード決済サービスを展開する各社による巨額キャンペーンにより、QR決済市場は賑わいをみせています。世間で推進されるキャッシュレス化にシニア女性はどんな不安や希望を抱いているのでしょうか。今回は、シニア女性のスマホ決済に対する意識と実態調査を実施いたしました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
【調査概要】
調査の方法:webアンケート方式
調査の対象:ハルメク読者 55~79歳のシニア女性
有効回答数:230名
調査実施日:2019年3月29日~31日
調査主体:(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。