チャーム・ケア・コーポレーション/健康で自立して生活するための秘訣を講義

チャーム・ケア・コーポレーションの認知症改善プログラム 第一回チャーム・カレッジを2019年8月9日(金)に開催

首都圏・近畿圏を中心に介護付有料老人ホームを運営する株式会社チャーム・ケア・コーポレーション(本社:大阪府大阪市 / 代表取締役社長:下村隆彦 / 以下チャームケア)が主催する認知症改善プログラムの一環として第一回「チャーム・カレッジ」を、2019年8月9日(金)にチャームプレミア グラン 松濤にて開催いたしました。

 

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本カレッジは、介護の質を向上させるためにチャームケアが取り組んでいる「認知症改善プロジェクト」の一環であり、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの村田裕之特任教授に監修頂いています。第一回となる今回は、「健康で自立して生活するための秘訣」について、村田特任教授より講義頂きました。
当日は、ご入居者様やご入居者様のご家族様をはじめ、総勢28名が参加。受講者は約1時間に渡る講義に真剣に耳を傾け、講義後の質疑応答の際には笑いも起こりつつ、和やかな雰囲気の中、スマートエイジングの重要性について理解を深めました。

 

講義内容のトピックス

✓ 人生100年時代と言われる現代において、
 「健康寿命の延伸」だけでなく、「要介護時間の最小化」が重要な課題。
 「いかに長生きするか」という問いに対して要になるのがスマート・エイジングの考え方。

✓ 「有酸素運動」には認知症予防効果があることが検証済。

✓ 介護が必要になった要因として、女性に多いのが骨折・転倒、関節疾患。
  体幹部と下肢の筋肉を鍛える「筋トレ」も毎日の習慣に。

✓ 脳の前頭前野を活性化させる「脳トレ」が認知症予防の鍵。

✓ 健康効果の高い「スーパー和食」の摂取がおすすめ。

 

講義内容①:スマート・エイジングについて

講義の初めに、「スマート・エイジング」について、村田特任教授よりご説明頂きました。
平均寿命が年々伸び続け、人生100年時代と言われる現代、日本は高齢化率が世界一の“超々高齢社会”となっています。高齢化が進むことで、同時に認知症高齢者数も増え続け、2020年で631万人に達すると予想されています。認知症による社会的コストは、日本においては年間約14兆円かかると言われており、内訳としては、介護費が医療費を大きく上回っています。
そんな中、介護従事者は不足し続けているため、「健康寿命の延伸」だけでなく、「要介護時間の最小化」が重要な課題となってきています。
単に長生きするよりも、「いかに」長生きするかが問われる時代、そこで重要になるのが「スマート・エイジング」の考え方です。年を取ることは退化である、年を取ることは醜い、という従来の加齢に対する不のイメージではなく、「加齢とは人間の発達であり、いくつになっても人間は成長できる」というのがスマート・エイジングの考え方だと村田特任教授は説明します。スマート・エイジングを実現するために必要な条件として、
①身体を動かす習慣②脳を使う習慣③バランスのとれた栄養習慣④人と積極的にかかわる習慣
の四条件が挙げられています。

 

講義内容②:有酸素運動の重要性

要介護になる原因の一番は認知症、二番は脳卒中ですが、認知症の原因の約30%が脳卒中と言われており、脳卒中の予防が介護予防のために非常に重要です。脳卒中の原因は生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)であり、生活習慣病の予防には「有酸素運動」が効果的。1日30分程度、ウォーキングや軽いジョギングを行うことでが効果的です。さらに、有酸素運動によりBDNFというたんぱく質が脳内に分泌され、この状態で「脳トレ」を行うと、脳機能がより改善されると期待されます。
村田特任教授のおすすめの運動時間は、朝起きてから朝食を取るまでの間。朝にリズミカルな運動を行うことで、セロトニンという神経伝達物質も脳内で分泌され、鬱病の予防にも効果的だと話します。但し、寝ている間に体内から水分が抜けてしまっているため、運動前には十分な水分補給を行うことが大切です。

 

講義内容③:筋トレの重要性

介護必要になった原因を男女別でみると、男性は脳卒中、女性は認知症、骨折・転倒、関節疾患が上位を占めます。女性の20歳と80歳時の推定筋肉量を比較すると、下肢の筋肉量の減少率が著しいのです。有酸素運動として効果的なウォーキングだけでは下肢や体幹部の筋肉はつかないため、「筋トレ」が必要となります。筋トレを行う際には、特に「大腰筋」「大腿四頭筋」「お尻の大臀筋・腹筋・背筋」といった加齢の影響を受けやすい筋肉を鍛えることが重要。
自宅でも開眼片脚立ちやスクワットを行うことで、上記の筋肉を鍛えることができます。

 

講義内容④:脳トレの重要性

加齢により、頭の回転速度が落ちる、記憶できる量が減るなど、脳の機能は低下します。これらは、「前頭前野」という脳の司令塔の働きを担う部分の機能低下です。そこで、前頭前野を活性化させることで、機能低下を防ぎ、認知症予防に繋がります。①音読②手書き③簡単な計算が前頭前野を活性化させることが科学的に検証されています。自宅でできる手軽な脳トレとしては、「一日一回、800字程度の文章を大きな声で音読する」こと。声を響かせながらメリハリをつけて、リズミカルに読める文章が最適です。
村田特任教授のおすすめの時間帯は午前中。有酸素運動と筋トレを行った後に行うことで、より効果を得ることができます。時間は長くても15分程度で十分。長すぎると脳が疲労してしまい逆効果になります。

 

講義内容⑤:年齢相応の食事の重要性

壮年期から中年期においては栄養過多が寿命を縮めますが、高齢期においては栄養不足が心身機能を衰弱させる原因に。栄養不足により、筋肉量の減少、身体機能の低下=サルコペニアを招きます。生活習慣病やサルコペニアを防ぐためには、「スーパー和食」が最も効果的です。
スーパー和食とは、米のごはんを中心に、魚介類、豆類、海藻類など腹持ちのよい食品を多く、それに少し欧米化したメニューが入っているものを指します。
スーパー和食は、消化吸収のスピードが遅く血糖値が上がりにくいため、体内の代謝が活発に。
また、マウスの実験により、がん発症率が現状の4分の1、糖尿病発症リスクが5分の1、認知症発症リスクが4分の1に低減したというデータが出ており、内臓脂肪を減らす効果もあることから、体への負担が少ないことがわかっています。

 

イベント開催概要

日程:2019年8月9日(金)
時間:14:00~15:30
会場:チャームプレミア グラン 松濤
   〒150-0047 東京都渋谷区神山町19番15号
内容:1.スマート・エイジングとは何か?
   2.スマート・エイジングの4条件
   3.要介護になる原因の上位は何か?
   4.有酸素運動は生活習慣病改善・予防の第一歩?
   5.筋肉は何もしないと加齢とともに落ちていく
   6.脳機能は20歳を過ぎると加齢とともに衰える
   7.有酸素運動+脳トレでさらに効果が期待できる
講師:東北大学 村田裕之 特任教授

 

村田 裕之 先生

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター特任教授
東北大学スマート・エイジング・カレッジ副校長

 

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東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター特任教授。村田アソシエイツ代表。日本のシニアビジネス分野のパイオニアとして多くの民間企業の新商品・サービス開発を支援。2006年スマート・エイジングのコンセプトを提唱し、センター設立に参画、日本発の対認知症非薬物療法「学習療法」の米国導入を実現した。高齢社会研究の第一人者として講演、新聞・雑誌への執筆、著書も多数。高齢化の国際情勢にも詳しく、海外諸国より頻繁に講演者として招聘される。2018年5月Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより優れた業績を上げた人として「GLOBAL AGEING INFLUENCERS」に選ばれた。

 

【主な著書】
主な著書に「スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣」(徳間書店)、「親が70歳を過ぎたら読む本」(ダイヤモンド社)、「スマート・エイジングという生き方」(川島隆太教授との共著、扶桑社)、「どうする?親の家の片づけ」(PHP研究所)、など

 

第二回は、2019年10月18日(金)にチャームプレミア永福にて開催いたします。次回は瀧靖之先生をお招きし、「脳科学から見る脳の発達と加齢」「脳の発達」等についての講義を実施いたします。

 

会社概要

名称:株式会社 チャーム・ケア・コーポレーション
所在地:大阪市北区中之島3丁目6番32号 ダイビル本館19階
代表者:代表取締役社長 下村 隆彦
事業内容:「介護付有料老人ホーム」及び「住宅型有料老人ホーム」の運営ほか

 

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