大人用 紙おむつ購入動向調査2024
株式会社小学館(本社:東京都千代田区)が運営する『介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン』(https://kaigo-postseven.com/marketing-research)は、『介護ポストセブン』(https://kaigo-postseven.com/)の会員組織『介護のなかま』登録者を対象とした「大人用の紙おむつ購入動向調査」を行いました。その結果を報告します。
●調査概要
介護中の排泄ケアについては、それがデリケートなことであるため、なかなかその実態が顕在化しないことが多いと考えられます。このたび、介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブンでは、現在介護中の人が「はじめて購入した紙おむつ」について、その「メーカー名」や「購入の決め手」「入手場所」、また、2回目以降の購入については、動向に変化があるのかなどの調査を行いました。
初回購入後に選んだメーカーをそのまま使い続けるのか、2回目以降の購入場所に変化はあるのかなど、調査結果からは、紙おむつ購入にまつわる興味深い消費者動向が浮き彫りになりました。
■アンケート概要
調査主体:介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:『介護ポストセブン』会員組織『介護のなかま』登録者
調査期間:2024年11月15日~12月9日
有効回答者数:4,783名(内訳:男性 2603名、女性2140名)その他7、回答なし33
●「大人用 紙おむつ購入動向調査」結果一部抜粋
◆はじめて購入した「紙おむつ」のメーカーは?
1. 「ユニ・チャーム(ライフリー)」と回答した割合が半数以上
「介護対象者のために、はじめて購入した紙おむつのメーカー名を教えてください」という質問に対して、「ユニ・チャーム(ライフリー)」と回答した割合は53.43%、「大王製紙(アテント)」23.18%、「花王(リリーフ)」12.42%という結果になりました(図1)。市場シェアに近い数字ではあると思われるものの、ここでの結果はあくまで「はじめて購入した」紙おむつであることが集計のポイントです。
2. 初回購入で、その商品を選んだ理由は「介護する側の負担を減らせる」こと
「前問で回答されたメーカーの『紙おむつ』を購入した理由を教えてください」という質問に対して、「吸水できる量」が44.93%と最も多いものの、次いで「履きやすさ、履かせやすさ(交換のしやすさ)」36.40%、「入手しやすさ」30.71%が上位に入る結果となりました。
紙おむつを使用する介護対象者にとっての快適さを重視して「吸水できる量」や「肌触り」、「通気性」などの機能性が上位を占めると予想されていましたが、どちらかといえば、介護をする側の意向や都合によって購入品を決定しているという興味深い結果となりました。
介護中は、仕事や家事、介護対象者以外の家族のサポートに忙殺される場合は多く、限られた時間の中で介護をする側が工夫をしている状況が窺い知れます。
本調査では、このほかに、
3. はじめて紙おむつを購入した場所
4. 購入場所として選んだ理由
5. 2回目以降の購入時に初回と同じものを購入したのか
6. 2回目以降購入時によく購入した場所、その理由
などの質問をしており、初回と2回目以降での購入動向の違いを浮き彫りにしています。
「2回目以降の購入時も、初回に購入したメーカー品と同じメーカーのものを購入しましたか」という質問に対しては、「同じメーカーのものを購入した、購入し続けた」割合は68.90%、「途中で違うメーカーのものに切り替えた」割合は31.10%で、はじめて購入した商品が選ばれ続ける傾向にあることがわかりました。
◆本調査の結果を通じて
「紙おむつ」の購入実態について、“はじめての購入”と“2回目以降の購入”について、実際に購入したメーカー名、購入理由、購入場所、同じメーカー品を購入し続けているかなどのアンケート結果を通して、購入理由では、「交換のしやすさ」や「入手しやすさ」といった、介護をする人の意向が大きく反映され、2回目以降も引き続き同じ商品を使う人が多い結果となりました。
購入場所では、初回は生活圏内の店頭が選ばれやすいものの、2回目以降は通販サイトも選ばれていることが判明しました。
また各設問のその他(自由記述)では、さまざまな回答が寄せられ、購入場所として選ぶ理由には、「クーポン券」や「ポイントが貯まる」ことを挙げていた人も多く、同じ店(通販サイトも含め)を利用し続ける理由の一つとなっていることが窺えます。
また、「買うとき、捨てるとき、持ち歩くときにも恥ずかしくない」「「おむつだとは一見わからないコンパクトなパッケージだから持ち歩くのに良い」など、紙おむつのデザインについて言及する回答もあり、「紙おむつを購入すること」自体に対する抵抗感が少なからずあることもわかりました。
「紙おむつは、排泄ケアで、日々消費する必需品となっている人も多いからこそ、介護をする側の、時間的・身体的・心理的な負担を軽くすることが求められており、2回目以降も同じ商品を購入し続ける理由は、そこから見えてくるかもしれません。
一方で、介護対象者が、着用している紙おむつへの不満や悩みがある場合、本人の意向や気持ちをどのように吸い上げ、考慮し、対処するのかは、メーカー側が今後の商品開発の課題や訴求方法を考えるヒントとなってくるでしょう。
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