【シニアの概況】高齢化の要因 2023年
内閣府より発表される『高齢社会白書』を元に、具体的な数字を交えてながら
シニアマーケットについて、テーマ別にご紹介します。
シニアマーケットをマクロ視点で捉える際にお役立てください。
更新:2023/11/8
高齢化の要因は大きく分けて、①年齢調整死亡率の低下による65歳以上人口の増加、②少子化の進行による若年人口の減少の2つ。
年齢調整死亡率の低下による65歳以上人口の増加
65歳以上人口の増加に伴い、死亡者の実数は増加傾向にありますが、人口の年齢構成に変化がないと仮定した場合の年齢調整死亡率は低下傾向にあります。戦後、日本では、生活環境の改善、食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩等により、年齢調整死亡率が大幅に低下し、1950年の男性42.2、女性32.8から、2021年には男性13.6、女性7.4になりました。
死亡数及び年齢調整死亡率の推移
※死亡数を人口で除した通常の死亡率(以下「粗死亡率」)は、高齢者の多い集団では高くなります。人口の年齢構成は毎年変化するので、粗死亡率は年次比較には適しません。そこで、人口の年齢構成が毎年一定であると仮定して(これを「基準人口」)死亡率を算出したのが、年齢調整死亡率です。計算方法は以下のとおりです。
年齢調整死亡率={[観察集団の各年齢(年齢階級)の死亡率]×[基準人口集団のその年齢(年齢階級)の人口]}の各年齢(年齢階級)の総和/基準人口集団の総数(通例人口千人当たりで表示)
少子化の進行による若年人口の減少
日本の戦後の出生状況の推移を見ると、出生数は、第1次ベビーブーム(1947年~1949年。この間の出生数805万7,054人)、第2次ベビーブーム(1971~1974年。この間の出生数816万1,627人)の2つのピークの後は減少傾向にあります。2021年の出生数は81万1,622人、出生率(人口1,000人当たりの出生数)は6.6となり、出生数は前年の84万835人より2万9,213人減少しています。
また、合計特殊出生率(その年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当)は、第1次ベビーブーム以降急速に低下し、1956年に2.22となった後、しばらくは人口置換水準(人口を長期的に維持するために必要な水準)前後で推移してきましたが、1975年に1.91と2.00を下回ると、1993年に1.46と1.50を割り込みました。その後も低下傾向は続き、2005年には1.26と過去最低を記録しましたが、2021年は1.30となっています。
出典:内閣府『令和5年版高齢社会白書』