2016.7.12 高齢者の熱中症
梅雨はまだ明けていない東京ですが、既に真夏日のような暑さで気温が30度を超える日もあります。そのような炎天下の中、高齢者の熱中症患者が急増しています。熱中症患者のおよそ半数が65歳以上と言われています。
高齢者が熱中症になりやすい理由として大きく4つが挙げられます。
- 体内の水分不足
体の中の水分量も若者と比べると低いため、脱水状態に陥りやすくなっています。また、体の老廃物を排出する際に、たくさんの尿を必要とします。 - 暑さに対する調整機能の低下
高齢者は体温調節機能が低下しているため、体に熱がたまりやすくなります。暑い時には、若年者よりも循環系への負担が大きくなります。 - 暑さを感じにくい
暑さやのどの渇きを感じにくくなるなど、体が出しているSOS信号に気づきにくくなっています。 - 頑固・無理をする
「周りに迷惑を掛けたくない」「体が冷えるのが嫌」「夏は暑いもんだ。多少は我慢」など、ついつい無理をしたり、自分の生活スタイルを変えないことがあります。しかし、体が加齢で変化しているように、真夏日や熱帯夜の増加など、以前より夏は暑くなっています。今までと同じ夏の過ごし方では、対処しきれないことを理解する必要があります。
東京都では高齢者の熱中症対策として具体的に下記のような取り組みも行っているようです。(一部抜粋)
- 熱中症予防担当者による戸別訪問等の実施
└熱中症について正確かつ十分な知識を持った「熱中症予防担当者」による高齢者宅への戸別訪問。訪問は、一人暮らし高齢者及び高齢者のみ世帯を中心に行う。熱中症予防や停電時の注意事項等を呼びかける。(ちらし・啓発グッズ配布、日中猛暑時の避難場所の案内等) - 猛暑避難場所(シェルター)の設置
商店街の空き店舗や都営住宅の空き部屋等を日中猛暑時の「避難場所」として活用することで、熱中症予防と節電効果を狙う。 - 熱中症予防等の普及啓発
熱中症予防等の普及啓発用ちらし・啓発グッズ(首に巻く冷却用ベルト等)を作成し、高齢者に配布する。
また、民生委員・児童委員、ケアマネージャー、ホームヘルパー、配食サービス事業者等に依頼し、厚生労働省及び環境省が作成した熱中症予防のリーフレット等や独自に作成したリーフレット等を訪問して配付したり、ネッククーラー(冷却ジェル)、うちわ、熱中予防シート(液晶温度計付)等の配付をしている市町村区もあるようです。
各行政の取り組みについては、下記をご覧ください。
まだまだ夏はこれからですので、屋外・屋内問わず、水分補給をしっかりしてくださいね。
そして、高齢者は我慢しがちですので、体調の悪そうな方を見かけられたら、是非声をかけてあげてください。