2015年2月4日~6日 「ヘルシニア」取材レポート
「アクティブシニア」×「健康」
ヘルシニア取材レポート
株式会社ビジネスガイド社 来間氏
2015年2月4 – 6日の3日間に渡り開催された『第79回東京インターナショナル・ギフト・ショーSpring2015』内にて実施された企画展示「ヘルシニア」を取材して参りました。 「アクティブ・シニア」×「Health」ということで、よりアクティブなシニアライフを楽しむために健康をサポートする“コト”や“モノ”を集結させたこの展示を、株式会社ビジネスガイド社・来間氏のインタビューを通じてご紹介いたします。
Q.改めて今回の「ヘルシニア」のテーマとコンセプトについてお聞かせください。
「タビシニア」「ウツクシニア」「オイシニア」に続き4回目となる今回の企画。「健康」をテーマとし、今までの集大成の意味を込めて実施に至りました。「シニアマーケットを見据えて」というテーマに特化したコーナーですが、他ではなかなか見られないこともあり、そろそろ来場者様にとっても定番化してきているので、嬉しく思っております。「○○シニアシリーズ」は、シニア向けに開発された商品だけではなく、「シニアにも使ってもらいたい」「シニアにも提案できるのではないか?」という商品を私どもなりの視点で選定し、展開をしてきました。
来場者アンケートを拝見しても「○○がシニアにも活用できるという視点が面白かった」などという声を多数頂いていて、最近はそんな気づきを提供することが楽しみになっていたほどです。展示・デザイン面においては、ブース壁面にあえてスポーツなどアクティブな画像を壁面に配置し、これまで以上にポジティブなデザイン基調にすることを意識してみました。
「シニアだから渋めの色」、「シニアだから落ち着いたトーン」という固定概念から脱し、アグレッシブなシニア像をビジュアライズすることにより、多くのバイヤー様に目をとどめていただく機会が増えることを期待しております。
更に、これまでコンセプチュアルな展示になっていたコーナーのセンター部分にも積極的に商品を並べてみました。展示物は雑貨がメインなのですが中央にこういった大型機器を設置する事で、「シニアの健康」を一瞬でアピール出来ると考えました。こういった配置等のイメージもバイヤーさんの売場展開の参考にもなればいいと思っています。
「健康」というのはシニアにとって出発点であるようなテーマですので、今回の「ヘルシニア」は、ある意味今までのテーマの「和集合」であり「集大成」としての企画でもあります。ですので、展示ラインナップもバラエティに富んでいて楽しんでいただけるはずです 「シニアとは何なのか?」、「シニアの定義はどこにあるのか?」を模索していらっしゃるバイヤー様を始め、シニアマーケティングにご興味のある皆様にとって、何らかのヒントになるのではないかと考えております。
Q.それでは今回もオススメ商品のご紹介をお願いします!
オススメ商品はもちろん全商品です!(笑)これも毎年恒例のコメントになりましたね(笑)
その中であえてご紹介しますと… まず「ミストスタンドPG-E600」をご紹介いたします。
見た目も大変オシャレなこの商品、実はこの内部に入っている液体のはP’s GUARD(ピーズガード)という弱アルカリ性の安全かつ強力な除菌・消臭剤です。また、この企業の商品ラインナップには、食品添加物として使える食品添加物・殺菌剤「食添・ピーズガード」もあります。 実は最初にこれらの商品のご紹介を受けた際、担当の方が目の前でこの食添・ピーズガードをゴクゴクお飲みになったのです(笑)。当然、私としてはびっくりしたのですが、それだけ安心な商品なのだということを強く印象づけられました。
こちらのピーズガード専用噴霧器「ミストスタンドPG-E600」は、個人宅にはもちろん、病院設置等もオススメしているそうです。同じ液体が小型のスプレーにもなっていて、こちらも便利です。気付けば私も買っていました(笑)。
見た目、使い勝手ともにオールターゲットですが、安全面等から考えると、「あえてシニアにも提案したい」という今回のコンセプトにあっているように思います。
似た視点でもうひとつご紹介したいのがこちら、スキンケア商品「nesnoシリーズ」です。従来のラインナップにお子様用の商品も追加されました。
スキンケアの商品で、3世代ユースという提案に踏み切ったという点が、とても興味深いですね。「普段使いの商品をお孫さんにも」 という発想で、更にシニア のファンが育成されるブランドへ成長していく気がします。 こちらは、1月に発売されたばかりの新しい商品となります。
そしてもう1点、是非ご注目いただきたい商品がこちらです。指先にあまり力が入らない方でも簡単に使えるお箸「所作」です。機能商品ですが、日本の食卓に非常に馴染むデザインで使っている事に違和感のない、むしろオシャレに感じられる逸品に仕上がっております。木目の風合いが和みますよね。シニアももちろん、外国の方も興味を持たれるのではないでしょうか。
「健康」というテーマですと、身体的なもの、脳トレ的なもの、メンタル面の向上、そういう意味では美や食も含まれてきて、非常に充実したラインナップになったかと思います。 繰り返しになりますが、全体感として「シニアに向けて」というよりも、全世代をターゲットにしながらも、あえてシニアに提案してみるという商品が面白いと思います。
Q.今回の運営を通じて、新たな気づきなどはございましたか?
「ヘルシニア」を開催するにあたり数社さんにヒアリングをさせて頂いたのですが、共通項だったのが、「全世代向け」を軸にしているという事でした。
どこかの年代だけを対象にするのではなく、全世代に向けて発信したいというのが現在の動きのようです。それは商品だけではなく、商品の見せ方も含め、その意識が必要であるようですね。
例えばカゴメさんは、若い方には大きいサイズの野菜ジュース、シニアには飲みきれるくらいの小さいサイズの野菜ジュースを展開しているそうです。
また、円谷プロさんは、『3世代に渡って愛されるウルトラマン』を切り口に、ディズニーさんも「大人ディズニー」という打ち出し方もされているそうです。「シニア」の切り口がステレオタイプ的なものになりつつありますが、現状ではこういった見方をされている企業が増えてきているようです。
シニアはお孫さんに何か買ってあげる際、自分でも理解できるもの、愛すべきものを選ぶ傾向がある事も起因しているようです。だからこそシニアの為の売場を展開していく際、お孫さん世代にも喜んでいただけるような展開をする事が大切かもしれませんね。
キャラクターが全世代を横断しているという意味合いでは象徴的なエビデンスなのかもしれません。「続けてきている」という背景が、「風化させないように」という動きに繋がってきているようです。購買力を持っているシニアがキャラクターを通して購買を牽引するという一番のものかもしれませんね。
Q.「ヘルシニア」はここまでの集大成ということですが、次回からはどんなコーナー展開に生まれ変わりますか?
次回以降はコンセプトを一新し、「日本」をフィーチャーした「ACTIVE JAPAN」という新たなイベントを計画しています。次回から開催される「ACTIVE JAPAN(アクティブジャパン)」) 次回から開催される「ACTIVE JAPAN(アクティブジャパン)」) いわゆる「日本のものづくり」をテーマにしたコーナーですね。
今まではシニアを機能的にサポートするといった商品をピックアップしたイベントだったかと思います。 今度はそういった今までの集大成を受けて、シニアの位置づけを「高くても良いものを買う世代」とし、そのシニアに向けて、技術、デザイン、いよいよ見せ方すらも素晴らしい「日本のものづくり」を多く広めていけるきっかけ作りになるようなコーナーをと考えています。
東京での開催が決まったオリンピックに向けてのバイヤーさんの目線からの「日本のものづくり」といったものも情報として発信できればいいなと思っています。
そして、これからも、伝統的に受け継がれて来た品物を、それが持つ歴史とともに紹介したい。後継者不足等いくつもの問題を抱えながら、それでもいいものを作ってらっしゃる方を紹介したいと思っています。海外でも多く注目されている「日本のものづくり」をもう一度キチンとクローズアップしたいですね。シニアの方々にも、そしてシニアをターゲットと考えていらっしゃるバイヤーさん達にも是非見ていただきたいですね。
シニアマーケットがビジネスの新たなチャンスとして注目される中、それらに関連する数多くのイベントや展示会が開催されています。シニアライフ総研®では、イベント主催者や運営団体に独占取材しその内容をご紹介しています。