【敬老の日/性・年代別/hontoデータ調査】60代以上の本・電子書籍の購買データから傾向・人気タイトルを調査
2023/9/13
人生100年時代、80代女性に人気の本は『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』
- 購買冊数は紙、電子書籍ともに年齢が上がるにつれて減少する傾向がある。
- 紙の購買冊数は2019年~2022年の4年間で微減している。
- 2022年の電子書籍の購買冊数は2019年比で女性は138%、男性は145%。
- 人気ジャンルは女性、男性ともに「文庫」が1位、70代以上では「コミック」の需要は低く「総合誌・文芸誌」の需要が高まる。
- 70代以上は「文庫」ジャンルで「時代小説」の人気が高まる傾向がある。
大日本印刷株式会社(DNP)が株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店「honto(https://honto.jp/)」は、9月18日(月)の「敬老の日」にあわせ、「honto」での販売情報をもとにした「シニア世代の本の購買調査」を実施しました。
- [紙]1人あたりの購買冊数(60代・70代・80代以上の購買冊数)
上のグラフは2019年60-64歳の紙書籍(コミック・雑誌含む)の購買冊数を「1」とした場合の各世代の購買冊数を調査した結果です。
2019~2022年の4年間で購買冊数は男女ともに若干減少傾向です。
5歳区切りの年齢で購買冊数の変化をみると、年齢が上がるにつれ購買冊数は減少していきます。60-64歳と80歳以上で平均値を比較したとき、80歳以上女性は約「97%」、80歳以上男性は約
「90%」で、男性のほうが購買冊数の減少幅が大きいです。
- [電子]1人あたりの購買冊数(60代・70代・80代以上の購買冊数)
上のグラフは2019年60-64歳の電子書籍(コミック・雑誌含む)の購買冊数を「1」とした場合の各世代の購買冊数を調査した結果です。
シニア層へのスマートフォン・タブレット等の普及もあってか2019~2022年の4年間で購買冊数は男女ともに増加傾向です。
2022年の年間平均購買冊数は2019年比で女性は約「138%」、男性は約「145%」。購買冊数が微減していた紙の本の傾向に反し、電子書籍の購買冊数は増加しています。特に増加幅が大きかったのは2020年~2021年の女性70-74歳(約「134%」)です。女性・男性ともに2020年~2021年は全年代で購買冊数の増加がみられましたが、2021年~2022年は大きな変化が見られなかったのでコロナ禍の巣ごもり需要の影響だと予想できます。
コロナ禍以降シニア層の電子書籍利用の拡大・定着が成されるかは、今後の定期調査で明らかになってくると思われます。
- 人気ジャンル(60代・70代・80代以上の購買ジャンル)
上の図は2023年1月~6月の購買実績から購買冊数が多い上位10ジャンルを年代別に調査した結果です。
表出ジャンル数を見ると、女性は「13」男性は「12」と、ジャンル数に大きな差はみられません。女性のみに表出したジャンルは「ライトノベル」「女性誌」「ボーイズラブ」「趣味」、男性のみに表出したジャンルは「経済・ビジネス」「スポーツ」「社会・時事・政治・行政」です。
男性・女性とも1位は「文庫」です。女性は次いで「教育・語学・学習」や「家庭・生活誌」、「暮らし・実用」が安定して人気です。男性は「新書・選書・ブックレット」や「経済・ビジネス」、そして女性同様に「教育・語学・学習」が安定して上位にみられました。
「コミック」は女性・男性ともに60代は2位に位置しますが、70代以上は10位以下と需要は高くないようです。反対に年代があがるほど需要が高まるジャンルは、女性・男性ともに「総合誌・文芸誌」ということがわかりました。
- 性・年代別 上位ジャンル別人気タイトル
【60代】
「文庫」は女性・男性ともに東野圭吾さんの『クスノキの番人』が人気です。「コミック」は、女性は萩尾望都さん『ポーの一族』シリーズの最新刊『青のパンドラ』、男性はかわぐちかいじさん『空母いぶき』シリーズの最新刊『空母いぶき GREAT GAME』が最も購買されていました。『空母いぶき』シリーズは2014年から、『ポーの一族』は1972年から続く人気シリーズです。
女性の「暮らし・実用」では同年代の作家・林真理子さんの『成熟スイッチ』が人気です。また、病気にかかるリスクが高まる年代ということもあってか『薬に頼らず血圧を下げる方法 1日5分 文庫版』も読まれています。
【70代】
「文庫」ジャンルでは、女性は『クスノキの番人』に次いで浅田次郎さんの時代小説『流人道中記』が購買されています。男性は、上位3タイトルすべてが時代小説で、佐伯泰英さんの『空也十番勝負』シリーズが人気です。6タイトル中5タイトルが時代小説という70代。テレビでの時代劇最盛期は1980年代頃の向きがあり、70代の方が30代の時に時代劇が盛り上がっていたと考えるとエンタメコンテンツとして需要が高いことが予想されます。
- 最後に
今回は、シニア世代の紙書籍と電子書籍の購買傾向について調査しました。紙書籍では年齢が上がるにつれて購買冊数が減少する一方、電子書籍では全体的に増加傾向にあり、シニア世代へのスマートフォン・タブレット端末の広がりやコロナ禍の影響も考えられそうです。
また、人気ジャンルでは女性・男性とも共通して「文庫」や「総合誌・文芸誌」が上位に位置し、「教育・語学・学習」「家庭・生活誌」ではNHKテキストの需要が安定していることが見えてきました。
女性・男性の人気ジャンル上位5位に、女性は「暮らし・実用」、男性は「新書・選書・ブックレット」や「経済・ビジネス」がみられました。女性に人気のタイトルからは健康や老化に関心が高いことがわかります。自分自身や周りの人々の健康を保つための方法について知りたいと思っているようです。男性は、社会への問題意識や文化の変遷、人間の行動や思考の理解等に関心を持っていることが見えてきました。その背景には経験による視点や考え方の変化や退職後の時間的余裕からくる知識的欲求などがあるのかもしれません。
今後の定期調査によって、シニア層の本の購買傾向の変化・電子書籍利用の拡大・定着が明らかになることを期待しています。
【調査概要】
hontoサイトと、hontoサービス実施店の丸善、ジュンク堂書店、文教堂などで購入された書籍や電子書籍の販売データをもとに購買冊数を集計。
●調査データ期間:2019年1月1日~2023年6月30日
●ジャンル、タイトル名について:hontoの保有情報に準じています。
●本調査をご利用いただく際は、「ハイブリッド型総合書店honto調べ」と記載ください。
■気になる本は「honto with」で在庫検索
「honto with」は、本を検索から店頭取り置きまでできる書店在庫検索アプリです。
本の在庫をhontoサービス実施店の丸善・ジュンク堂書店・文教堂から検索できる「在庫検索機能」、丸善・ジュンク堂書店に本を「取り置き・取り寄せ」できる機能、来店時にhontoポイントをプレゼントする「チェックイン機能」。さらにhonto.jpサイトと連動した「欲しい本」「My本棚」「チェックした本」の書棚やhontoポイントの管理機能を持つスマートフォン向けアプリです。
[サービス詳細]https://honto.jp/store/hontowith.html
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[カテゴリ]ライフスタイル
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iOS版(App store)
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Android版(Google Play)https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.honto.hbsapp
■ハイブリッド型総合書店「honto」について
「honto」は、ネット書店(本の通販ストア、電子書籍ストア)と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂などのリアル書店を連携させた総合書店として2012年5月にサービスを開始しました。
ネット書店とリアル書店共通で利用できるhontoポイントサービスは、啓林堂書店、戸田書店(9店舗)、函館栄好堂 丸井今井店など全国各地のリアル書店を加え、現在約180店舗で展開しています。
2023年9月現在、会員数820万人を突破しており、「読みたい本を、読みたい時に、読みたい形で」提供するサービスで本を愛する人をサポートしています。
・ハイブリッド型総合書店「honto」公式サイト
https://honto.jp/
・リアル書店の在庫検索アプリ「honto with
https://honto.jp/store/hontowith.html
・X(旧Twitter):https://twitter.com/honto_jp
<大日本印刷株式会社 会社概要>
・会社名:大日本印刷株式会社(Dai Nippon Printing Co., Ltd.)https://www.dnp.co.jp/
・社長:北島 義斉
・所在地:〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
<株式会社トゥ・ディファクト 会社概要>
・会社名:株式会社トゥ・ディファクト(2Dfacto, Inc.) https://www.2dfacto.co.jp/
・社長:鈴木 一光
・株主:大日本印刷株式会社
・所在地:〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号