介護現場における「爪白癬」プレスセミナーを開催

2023/6/27

転倒リスクの増加や歩行困難など、日常生活に支障をきたす爪の病 指先まで見逃さないで!

科研製薬株式会社(本社:東京都文京区、社長:堀内 裕之、以下「科研製薬」)は、株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、社長:別宮 圭一、以下「インターネットインフィニティー」)と合同で、介護現場における「爪白癬(つめはくせん)」の治療の重要性や日常生活への影響について解説するプレスセミナーを2023年5月19日(金)に開催しました。
当日は、埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長の高山かおる先生にご登壇いただき、科研製薬とインターネットインフィニティーが合同で行った、ケアマネジャー(介護支援専門員)を介した疾患啓発とアンケートの結果を交えながら、爪白癬治療の重要性について解説いただきました。
また、セミナー後半には高山先生に加え、社会医療法人 社団 カレスサッポロ 北光記念病院 診療技術部門の看護師である菅野智美先生、一般社団法人フットヘルパー協会 会長である介護福祉士の大場マッキー広美先生にもご登壇いただき、フットケアのスペシャリスト3名のそれぞれの立場から爪白癬について語っていただくトークセッションも実施しました。

■たかが水虫、されど水虫!自覚症状が少ない爪白癬が及ぼす影響とは!?

「白癬菌」というカビの一種が爪に感染することで起こる病気が「爪白癬」(爪水虫)です。主な症状は、爪が白く濁る、黄褐色になる、分厚くなるなどであり、痛みやかゆみを伴わないため、治療されずに放置されることが多く、足の水虫(足白癬)を患っている期間が長い人ほど爪白癬も併発している割合が高くなります。

また、足白癬と爪白癬の原因はどちらも同じ白癬菌であるため、足と爪の間で白癬菌が移り、足白癬を治療しても爪に白癬菌がいる限り再発を繰り返してしまうケースも多々あります。

本セミナーでは、2022年9月~2023年1月に科研製薬とインターネットインフィニティーが合同で実施した、ケアマネジャーを介した疾患啓発とアンケート調査の結果を基に、埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長の高山かおる先生に、ケアマネジャーをはじめとした介護従事者、介護者の家族を対象とした、介護現場における爪白癬の実態を解説いただきました。

まず、足の爪の構造や爪の役割について、動画や写真を用いながら解説していただきました。爪は、指先の力のバランスをとるために重要な役割を担っていることから、 “小さな運動器”と言い換えることもでき、爪に何らかの問題を抱えていると転倒の原因になることについてもご紹介いただきました。

また、ケアマネジャーを対象としたアンケート調査の結果についても解説していただき、在宅介護の現場では、足や爪のアセスメントをした利用者のうち63.0%に爪の変色・変形が認められました。さらに、爪について医師に相談した利用者のうち80.5%が爪白癬と診断されました。

この結果に高山先生は、「介護現場の「困った」には爪の問題、特に爪白癬が関わっていることが多いことや、ケアマネジャーへの疾患啓発を通して、爪白癬の治療やケアに介入していただくことで、爪の変色・変形を発見し、早期受診に繋げることができ、骨折・転倒予防の一助になるのではないかと期待できる。」とお話をいただきました。

■フットケアのスペシャリストである医師・看護師・介護福祉士がそれぞれの立場から爪白癬と介護現場の実態について語るトークセッション

本セミナーでは、看護師の菅野智美先生、介護福祉士の大場マッキー広美先生も加わり、3名の異なる職種の視点から介護現場における爪白癬の実態や爪白癬が日常生活に与える影響、ご家族が行えるフットケアの方法などを語っていただくトークセッションを実施しました。

  • Q. 医療・介護現場での爪白癬罹患率の実態は

■大場先生 「アンケート結果の「足や爪をアセスメントした利用者のうち、63%に爪の変色・変形あり」という部分に関しては、介護現場ではもう少し患者さんがいるのでは?と感じました。気付いていない人が多いのかもしれないですね。」

■菅野先生 「入院している患者さんは裸足なので、私もよく足を見てしまうのですが、意外と少ない結果であるというのが正直な印象です。」

■高山先生 「見る人が見れば、90%程度の方が何らかのトラブルを抱えていると思います。」

  • Q. 爪の変色や変形はなぜ見過ごされてしまうのか?

■大場先生 「痛みがあれば病院に行きますが、爪白癬は痛みを伴わないので見過ごされがちです。現場にいる介護従事者や家族も「痛くないならいいや」と思っている雰囲気を現場で感じます。」

■菅野先生 「高齢になると抵抗力が落ちてきて、白癬症をきっかけに重大な感染症を引き起こす可能性もあります。白癬症・爪白癬が日常生活を脅かす・命に影響を及ぼすような状況を引き起こしかねないという危機感を持っている方が少ないため、見過ごされがちになります。爪白癬を放置し続けると、何事かが起きた時に手遅れになってしまうことがあります。たとえば、転倒し大腿骨骨折をした場合、回復していく過程でリハビリを行いますが、爪白癬による肥厚などで足趾に加重がかけられず、リハビリが進まない、その結果歩けなくなってしまうなどですね。痛くも痒くもない疾患ですので、見逃さないで早いうちに受診することが一番です。」

■高山先生 「高齢者の爪には異常があることが当たり前だと思われがちなので、異変があっても加齢のせいだととらえられてしまいます。また、加齢の影響で視力が低下したり、お腹が出てきてしまったりして足元が見えにくくなるなど、普段から爪を見ることが物理的に難しいことも見過ごされる原因になります。また、靴や靴下が邪魔になり、爪の異変に気付けない人や、気付いてはいるけど隠している方もいらっしゃいます。」

  • Q. 爪白癬の爪は切る時の音でわかる!?

■高山先生 「チェックリストの項目は全て大切ですね。「歩いたりするときに爪の部分が痛い」という項目は、

よく巻き爪だと思って受診される患者さんが多いのですが、調べてみると爪白癬だった、なんてこともあります。」

■大場先生 「やはり色・形・厚みは一番わかりやすい項目ですね。爪の色や形が昔と違うことで爪白癬に気付くケースもあるので、家族や施設の職員、ケアマネにその部分を意識して見てもらうようにしています。」

■菅野先生 「私も家族の方がいるときは、一緒に見て「色が違いませんか?」と本人とその家族とともに確認するようにしています。ちなみに、爪白癬の爪と健康な爪は切る時に音に違いがあります。健康な爪は「パチンッ!」という音がしますが、爪白癬の爪は「カサッ」「フワッ」という音がします。音が変わったということを、危険信号だととらえてみるのも良いかもしれません。」

  • Q. 爪白癬を悪化させないために!行うべきフットケアや治療とは

■大場先生 「ケアではないがまずは足をみることからはじまり、そしてやはり足を洗うことですね。毎日洗うことが大切です。」

■菅野先生 「足を洗うことを習慣化することで、良い状態を維持することができます。また、変化があった場合、すぐに発見できるようになります。足をずっと見ていると皮膚の温度やむくみなど少しずつ足の変化に気付くことができます。また、足から健康状態を知ることもできます。足のケアを行うと同時に、観察をし、触れてあげることが大切です。あとは保湿ですね。乾燥すると皮膚のバリアが破綻し、色々な菌が入りやすくなります。そのため、きちんと保湿を行い、皮膚のバリア機能を維持して正常な皮膚の状態を保っていくことが大切です。ただ、足趾間は湿潤環境になりやすいので保湿剤は塗らないようにして下さい。」

■高山先生 「それでも爪白癬になってしまった場合は、皮膚科専門医を受診してほしいです。まれに、爪を骨だと思っている方がいらっしゃいますが、爪は皮膚の付属器です。よって、皮膚科が専門になります。爪白癬は、爪の下から検体を採取し、検査することで診断されます。怪しいと思ったら皮膚科を受診してください。」

今回のセミナーでは、立場の異なるフットケアのスペシャリスト3名をお招きし、それぞれの立場からエピソードを踏まえた爪白癬の現状やケア方法をより詳細に語っていただくことで、さらに爪白癬の疾患啓発を行うことが重要であると再認識するイベントとなりました。

たかが爪と思われがちですが、日ごろから高齢者の爪を気にかけることが大切です。普段の介護現場の中で、足元にも注目し、もし異変があれば、医療機関への受診を促すことが大切です。

<プレスセミナー概要>

名称  :転倒リスクの増加や歩行困難など、日常生活に支障をきたす爪の病 指先まで見逃さないで!

     介護現場における「爪白癬」プレスセミナー

開催日時:2023年5月19日(金)13:00~14:00

主催  :科研製薬株式会社

登壇者 :埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科 主任部長  高山かおる 先生

     社会医療法人 社団 カレスサッポロ 北光記念病院 診療技術部門 菅野智美 先生

     一般社団法人 フットヘルパー協会 会長 大場マッキー広美 先生

<登壇者プロフィール>

埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科主任部長 高山かおる先生

日本フットケア・足病医学会理事。体の土台である足の問題を根本から解決するために2015年に足育研究会を立ち上げ、フットケアについてや、その重要性について日々啓発活動を行っているフットケアのスペシャリスト。2015年4月より埼玉県済生会川口総合病院にて勤務し、足と爪のケア外来を立ち上げ日々爪切難民の診療等を行っている。

社会医療法人 カレスサッポロ 北光記念病院 診療技術部門 菅野智美先生

カレスサッポロ 北光記念病院に勤務。主に勤務時間外でフットケアの活動を行っている。日本フットケア・足病医学会、足育研究会、日本トータルフットマネジメント協会などに所属。2010年から有志と共に救肢に向け『札幌フットケアサークル』の活動を北海道を拠点に定期的に開催している。

一般社団法人 フットヘルパー協会 会長 大場マッキー広美先生

2006年フットヘルパーとして、訪問フットケアや研修、講演、健康教室、執筆など全国で活動を行う。2020年にプライベートサロントータルフットケア足助人あしすけっとを開設。また訪問看護ステーションひまわりの開設にも携わり、地域のフットケア普及啓発活動に従事しているフットケアのスペシャリスト。

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