【調査レポート】「人生100年時代」にワクワクする人は38.8%、どんよりする人は61.2%。 貯蓄や健康対策よりも、自己探究や学びがワクワク感につながる。

2023/1/16

人生100年時代のライフデザインを支援するライフシフト・ジャパン株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役CEO:大野誠一)は、 10代~70代の男女5,000人を対象に「人生100年時代マインド調査」を実施しましたので、 結果を報告します。

<調査結果のポイント>
・「人生100年時代」にワクワクする人は38.8%、 どんよりする人は61.2%。
・年代別に見ると、 40代のワクワク派が最も少なく34.3%。 その後増加に転じ、 70代では52.4%がワクワク派に。
・現在の人生が充実している人ほど、 「人生100年時代」にもワクワクしている。
・100年時代の備えとして必要だと思うことは「計画的な貯蓄」(65.4%)、 「健康・体力づくり」(55.1%)だが、 ワクワク派が実践していることはよりよい生き方(ウェルビーイング)につながる「自己探究」や「学び」に関する活動。

【調査結果の詳細】
1. 「人生100年時代」と聞いてワクワクする人は38.8%、どんよりする人は61.2%
「人生100年時代」と聞いてワクワクする人(「ワクワクする」「どちらかというとワクワクする」の合計)は38.8%、どんよりする人(「どんよりする」「どちらかというとどんとする」の合計)は61.2%と、どんより派が大きく上回る結果となりました(図1)。

ワクワク派のフリーコメントからは、「人生を長く楽しめる」「いろいろなことに挑戦できる」「技術の進歩や明るい未来に期待」「退職後の自由な時間が長い」「健康寿命が延びる」「子ども、孫の成長を見届けられる」など、人生の長さを前向きにとらえ、楽しもうとする意欲が感じられます。

一方のどんより派からは、「健康寿命は短い」「年金、老後資金が不安」「長生きしたくない」「社会、環境、紛争…未来に期待できない」「長く働くことが苦痛」「生きがいがない、孤独」などさまざまな不安が語られました。

 ◎ワクワク派フリーコメント
人生を長く楽しめる

・長い人生をどうやって充実させるか考えるとワクワクする(30代・男性)
・皆が長生きして実り多い人生設計ができる(50代・男性)
・今70歳だが、まだ30年も人生を楽しむ時間があると感じる(70代・男性)

いろいろなことに挑戦できる
・いろいろなことにチャレンジできる時間が増える(30代・男性)
・まだまだ先は長い。何にでも挑戦できると思う(40代・女性)
・定年退職したがまだ何か一花咲かせることができるかもしれない(60代・男性)

技術の進歩や明るい未来に期待
・医療や技術の進歩が目覚ましく、想像を超えた素晴らしい未来を経験できそう(30代・男性)
・元気な高齢者の就労機会のために、企業が定年延長や再雇用制度の拡充に力を入れるようになってきているから(60代・男性)

退職後の自由な時間が長い
・老後の備えさえしっかりしておけば、退職後に楽しめる期間が長いため(30代・男性)
・子育てが終わってから、自分の時間がたっぷり取れる(40代・女性)

健康寿命が延びる
・長生きすればするほど医療が発達し、病気になっても怖くなくなる(30代・女性)
・健康寿命が延びている。スポーツジムにきている70、80代の人たちが若々しく素敵(50代・女性)

子ども、孫の成長を見届けられる
・孫、ひ孫に囲まれて老後を楽しくワイワイ過ごせそう(30代・女性)
・将来子どもたちがどのように成長するか楽しみだなぁと思います(40代・女性)

◎どんより派フリーコメント
健康寿命は短い

・寿命が延びても健康寿命はさほど延びず、要介護の期間が長くなる(40代・男性)
・生きているだけ、寝たきり、生き地獄(40代・男性)
・親の認知症を見ているため、長生きが常に最良とは限らない(60代・女性)

年金、老後資金が不安
・年金が少なくて年金暮らしできなさそうだから(10-20代・女性)
・生活費、医療費、住居をどうしていくのか。長生きリスクを考えてしまう(40代・女性)
・老後資金2000万円不足問題!人生終盤を貧困のなかで生きるのは辛い(50代・男性)

長く働くことが苦痛
・働きたくないのにどんどん定年はあがるし、年金も大丈夫なの?と不安(10-20代・女性)
・死ぬまで延々と働かされる(30代・男性)
・まだまだ生活のために頑張らなければならない(50代・男性)

長生きしたくない
・物価も上がり年金ももらえないとなると生活もできなくなる。体や脳は衰えるのに働かなくてはならないのは辛い。医療費も不安。自分の子どもに負担も迷惑も掛けたくない。あっさり死ねるなら早く死にたい。長生きしても大丈夫な社会じゃない(40代・女性)
・もう十分。疲れた。はやく安楽死制度を導入してほしい(40代・男性)
・子どもやパートナーに迷惑かけてまで長生きしようとは思わない(50代・男性)

少子化、環境、紛争…未来の社会に期待できない
・明るい人生予想図が描けず、悪いことしか思い浮かばない(10-20代・女性)
・少子化、30年不景気、年金不信、政治腐敗。日本の将来に期待ができない(30代・男性)
・日本の介護のレベルの低さが将来を不安にさせる(40代・女性)
・コロナ、気候変動、戦争、貧困、食料不足、災害の時代(50代・男性)
・高齢者に対するリスペクトが阻害されている(60代・男性)

生きがいがない、孤独、さまざまな不安
・夢や目標が無い(40代・男性)
・この先どうやって生きていけばいいのか、趣味もないし、お金もないし、子育てで精いっぱいなので、何も考えられない(50代・男性)
・地域のつながりもなく、孤独な状態で100歳まで幸せでいる自信がない(50代・女性)

 2.最もワクワク度が低いのは40代。その後増加に転じ70代では52.5%がワクワク派に
年代別にみると、40代のワクワク派が最も少なく、34.3%。その後徐々にワクワク派が増え、70代では52.4%がワクワク派になります(図2)。10代~30代は総じて経済的な不安が大きく、40代・50代はそこに健康の不安が重なってきます。60代・70代になると経済的不安が減ることによってワクワク派が増えるという傾向がみられました。

男女別で見ると、男性よりも女性のワクワク派が少なく(図3)、特に40代女性のワクワク派は27.2%と最も少ない結果となりました(図4)。40代女性のフリーコメントでは、体力の低下や、厳しい雇用環境、孤独の影がうかがえます。

◎年代別の特徴的なコメント 〇ワクワク派 ●どんより派
【10-20代】想像のつかない人生の長さ、少子高齢化社会への不安
●そんなに長く生きていかなければならないのかと思うと疲れる(10-20代・女性)
●いつまで我々「若者世代」は老人のために働くのか、老人はいつまで税金で脛をかじるのか(10-20代・男性)

【30代】子育て世代ならではの不安
●将来、寝たきりになって子どもに負担をかけると思うと気持ちが落ちる(30代・女性)
●物価が上がっているのに給料が上がることはないし、これから教育費がどんどん必要になるのに自分たちの老後の費用も貯めていく必要がある。お金の不安が大き過ぎて明るいことは考えられない(30代・女性)

【40代】体力の低下、厳しい雇用環境や孤独の影
●今の仕事も体力仕事に近いのでいつまでも続けられるとも思えず不安(40代・女性)
●正規社員になれず、昇給もボーナスもない現状で、貯金ができないので、まともに暮らしていけるのか不安(40代・女性)
●私はまだ独身で兄弟も独身。子どももいなく、両親は高齢、仕事も今後どうなるのか。不安しかない(40代・女性)

【50代・60代】定年前後の準備の違いでマインドに差
〇引退後の自由な時間を夢見て、いま仕事を一生懸命に頑張り、趣味の時間には人脈を広げている(50代・男性)
〇ある程度自由になる時間とお金があり、好奇心と健康も維持。制約される人間関係もなく、パートナーとの関係も友人関係も良好。不安より期待度が高い(60代・男性)
●80歳までを想定して預貯金をしてきたが、プラス20年どうやって生きていくのか(60代・男性)

【70代】経済的不安は減り、現在の健康状態や実生活を反映した実感値
〇いま74歳ですが、健康でまだまだ新しい事もできるので(70代・女性)
〇健康で楽しい毎日を過ごせることに感謝です(70代・女性)
●100歳まで生きそうな親がいるが、老老介護になっていてつらい(70代・女性)
●特にすることもなく退屈な日々だから(70代・男性)

3.現在の人生が充実している人ほど、「人生100年時代」にもワクワクしている
最近の人生、生活全般の状態について、「とても生き生きしている」と回答した人の74.4%が、人生100年時代にもワクワクしていることがわかりました。一方、「まったく生き生きしていない」と回答した人のワクワク度は、10.5%にとどまっています(図5)。現在の人生を充実させることが、これからの長い人生を生きていくことへのポジティブなイメージにつながることが明らかになりました。

 

4.100年時代に備えて必要だと思うことは「計画的な貯蓄」と「健康・体力づくり」
100年時代に備えて必要だと思うこととしては、「計画的な貯蓄」(65.4%)と「健康・体力づくり」(55.1%)が上位にあげられました。しかし実際に行っている人はそれぞれ35.6%、26.4%と大きなギャップがみられます。また「特に活動・行動はしていない」という人が34%を占めました(図6)。

5.貯蓄や健康対策よりも、自己探究や学びがワクワク度を高める
人生100年時代に備えて実践している活動・行動別に「人生100年時代」へのイメージをみると、「計画的な貯蓄」や「健康・体力づくり」をしている人よりも、よりよい生き方(ウェルビーイング)につながる「自己探究」や、リスクリングなど「学び」に関する活動を実践している人のほうが、ワクワク度が高いことが明らかになりました(図7)。

具体的には、「これからのライフデザインについての専門家への相談」をしている人のワクワク度が最も高く73.5%。以下、「移住や二拠点居住など、勤務地に縛られない暮らし方の探索」(68.8%)、「新しい知識や技術を身に着けるためのリスキリング」(68.7%)、「現在の仕事に関連した内容・テーマについての学習」(65.0%)、「心の豊かさ・幸福度向上のための継続的な活動」(64.5%)、「自分らしさを自覚するための内省の時間の創出」(63.4%)と続きます。

一方、「健康・体力づくりのための継続的な活動」をしている人のワクワク度は57.8%。「株式、投資信託、不動産などへの投資」は49.9%、「計画的な貯蓄」は48.5%、「個人年金や保険、貯蓄型金融商品への加入」は46%という結果でした。

また、「特に活動・行動していない」という人のワクワク度は22%にとどまりました。「人生100年時代」に備えて何らかの活動・行動を起こすことが、人生を前向きにとらえ、100年ライフをワクワク楽しむことにつながることがわかります。

【調査概要】
調査時期:2022年8月
調査目的:「人生100年時代」に関するマインドとその要因を探る
調査対象:日本全国の10代~70代の男女5,000人
調査方法:インターネット調査
お問い合わせ:ライフシフト・ジャパン株式会社(調査担当:河野純子)
info@lifeshiftjapan.jp

【ライフシフト・ジャパンについて】
本社所在地:東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル2F
設立:2017年10月
代表取締役CEO:大野誠一
ビジョン:ひとりでも多くの人が、人生100年時代をワクワク楽しく生きていける「ライフシフト社会」を創りたい
事業内容:ライフシフター(ライフシフト実践者)の発掘・プロモーション、個人向けワークショップ「LIFE SHIFT JOURNEY」の提供、企業内個人向け各種セミナー・研修の提供、自己診断ツールの開発、研究・調査活動、書籍出版
https://lifeshiftjapan.jp/

【LIFE SHIFT JOURNEYについて】
ライフシフト・ジャパンが独自に開発した「ライフシフトの法則」をフレームワークに、参加者ひとりひとりが自分自身の100年ライフをデザインする3日間のオンラインワークショップです。参加者に「人生100年時代」に対するイメージを聞いたところ、参加前のワクワク度は58.7%と本調査の結果(図1)よりも20ポイント高く、参加後はさらに90%までアップしています(図8)。このデータからも、これからのライフデザインについて考えることが、「人生100年時代」をポジティブにとらえることにつながることがわかります。

「LIFE SHIFT JOURNEY」参加者アンケートより(2021年5月~2022年11月、N=259)

「LIFE SHIFT JOURNEY」詳細
https://lifeshiftjapan.jp/workshop-2/

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