音声で嚥下機能を評価する技術を共同研究開発

 

2022/2/22

 

 ~ 誰でもスマホやタブレットで誤嚥リスクを可視化できる時代へ ~

 

 

 

PST株式会社(本社:神奈川県横浜市、 代表取締役:大塚 寛、 以下「PST」)とSOMPOホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、 グループCEO取締役代表執行役社長:櫻田 謙悟、 以下「SOMPOホールディングス」)およびSOMPOケア株式会社(本社:東京都品川区、 代表取締役社長:遠藤 健、 以下「SOMPOケア」)は、 スマートフォンやタブレットなどで音声を解析して高齢者の嚥下機能評価を行う技術を共同研究開発し、 2022年に事業化することを合意いたしました。

 

 

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1.背景・目的
 年々進む社会の高齢化において、 嚥下機能※低下による誤嚥性肺炎の増加は重大な社会的課題であり、 その対策は急務となっています。 厚生労働省の発表(令和2年(2020)人口動態統計の概況)によると、 令和2年では、 42,746名の方が誤嚥性肺炎でお亡くなりになっており、 日本人の死因順位の6位となっています。 しかし、 高齢者の嚥下機能評価を実施できる「摂食嚥下障害認定看護師」や「言語聴覚士(ST)」といった専門職の人材は不足しているのが現状です。 そのため、 嚥下機能の低下に合わせて形態等を調整する嚥下食は進歩しているにもかかわらず、 嚥下機能評価を十分に受けることができない現状では個々に最適な嚥下食を提供できないという課題があります。
 そのような背景のもと、 音声で健康状態や機能を判定する「音声病態分析技術」を有するPSTとSOMPOホールディングスが運営する未来の介護研究所「Future Care Lab in Japan」、 SOMPOケアは、 音声から高齢者の嚥下機能を評価する技術開発を目的とし2020年7月より共同研究を開始し、 精度の高い評価技術の開発を目指し、 データの蓄積や判定方法(アルゴリズム)の検証を実施してまいりました。 すでに共同での特許出願も行い、 本技術を活用して高齢者の誤嚥性肺炎の予防や適切な食形態の提供に向けて、 事業を展開してまいります。

2. 嚥下機能評価技術の概要
 今回開発した嚥下機能評価技術は、 PSTが以前より研究開発に取り組んでいる、 ヒトの機能や病態の違いによる音声変化を解析・判定する「音声病態分析技術」を元にした、 いくつかの音声から嚥下機能の状態を分析し、 蓄積されたデータを元に評価を行う技術です。
 通常、 嚥下機能評価には以下の方法が用いられるため、 簡便に、 また恒常的に行うことが難しいとされています。
・「摂食嚥下障害認定看護師」や「言語聴覚士(ST)」が飲水・摂食時の状態を評価
・内視鏡を使用して嚥下の様子を直接観察(嚥下内視鏡検査)
・造影剤を含んだ食品を飲み込み、 通過する様子をX線照射により観察(嚥下造影検査)

 

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今回研究開発した技術を活用すると、 専門職の経験値や専用の機器を必要とせず、 手持ちのスマートフォンやタブレットを使用し、 複数パターンの発声をするだけで即時に嚥下機能の定量評価が可能となります。 また、 最先端の解析手法を取り入れたPSTの「音声病態分析技術」は言語に依存しない解析技術であることから、 海外での展開が可能であることも今回の新技術の特徴です。
 これにより、 日常的に嚥下機能をチェックし日々の推移を確認できるため、 嚥下機能の低下を見逃さず専門的な検査へと進むことが可能になります。 さらに、 常に嚥下機能のレベルを把握しておくことで最適な嚥下食の提供を行え、 重大な事象を未然に防ぐことにもつながります。

3. 今後の事業展開
 SOMPOホールディングスおよびSOMPOケアでは、 本技術について、 介護サービスにおける事業化や技術活用のノウハウやサービスを含めた幅広い場面での利用を目指します。
 PSTでは、 本技術のさらなる研究開発を進め、 さまざまな事業体への提供を行う事業を進めます。
 これらの事業を通じて、 3社で協力して高齢者の嚥下機能低下に関する社会課題の解決に貢献してまいります。

※嚥下機能(えんげきのう)
口の中で食べ物を飲み込みやすい大きさにして食道から胃へ送る一連の過程のことを言います。 病気や、 加齢などにより嚥下機能が低下することがあり、 機能の低下は、 口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」を引き起こす原因となります。 誤嚥により、 唾液や食べものなどと一緒に細菌が気道に入ってしまい、 誤嚥性肺炎が引き起こされると考えられています。

 PST 株式会社について】
社名:PST株式会社
所在地:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル905号室
設立:2012年2月14日
代表者:代表取締役 大塚 寛
事業内容:音声による心の常態分析技術MIMOSYS(R)の研究開発および販売、 音声による病態分析技術VOISFIAの研究開発および販売、 レジリエンス関連製品の研究開発、 等
URL: https://medical-pst.com/

 Future Care Lab in Japan について】
所在地    東京都品川区東品川4-13-14グラスキューブ品川10階
設立     2019年2月
ミッション 「人間」と「テクノロジー」の共生による新しい介護のあり方を創造し、 加速する超高齢化に伴う課題の解決を通じて、 高齢者が自立し尊厳をもって暮らす持続可能な社会の実現と高い付加価値と生産性を備えた持続可能な介護事業モデルの構築に寄与していきます。
URL: https://futurecarelab.com/  


 

※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
PST株式会社
担当:事業推進部 遠藤
メールアドレス: contact-form-hp@medical-pst.com

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