ニッソーネット/介護派遣スタッフを対象としたアンケート調査の結果報告
2021/12/9
介護スタッフの約8割が人材不足と回答
福祉の人材サービスおよび育成を行う株式会社ニッソーネット(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長:山下吾一)は、当社に登録している介護派遣スタッフを対象としたアンケートを10月に実施し、調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。同アンケートは2008年より継続して行ってきたもので、今年で14回目となります。
【アンケート集計結果のポイント】
- 介護スタッフの約8割(80.3%)が、スタッフの数が不足 していると回答。昨年(82.0%)から変わらず高水準で、深刻な人手不足が続いている状況。
- 長く働ける介護の職場の条件は、「職場の人間関係が良い」(50.8%)が前年比10.1pt増で、3年連続1位。一方、2位の「納得のいく賃金」(22.3%)は前年比7.0pt減。
- 2020年春の新型コロナ感染拡大以降、回答者の6割以上(65.8%)が転職を経験。内、約3割(31.1%)が、異業種からの転職。
- 異業種からの転職者の定着で重要なことは、「事業者がきちんと研修を行うこと」が約8割(76.7%)と最多の結果に。
- コロナ禍で海外からの外国人介護人材の新規入国が滞っている状況について、“早く来てほしい”(44.6%)という回答が、“急ぐ必要はない”という回答(42.5%)を上回る。
- 介護スタッフの約8割(78.2%)が、介護人材の確保や定着に関して、最優先で取り組むべきことは「介護職員の処遇改善」 と回答。
■ アンケートについて
【アンケートの目的】
コロナ禍での介護現場の実態をアンケート調査により把握し、 発信することで、 介護の仕事に従事するスタッフの声を広く知らせることを目的としています。
【 調査期間と方法 】
2021年10月6日~10月21日、インターネット・モバイル回答方式
【調査対象と回収数】
当社登録の介護派遣スタッフ、回収数193名
■ アンケート集計結果 (詳細)
Q1. 働いている職場では、現在、介護スタッフの数は足りていると思いますか?(単一回答)
昨年と比較すると、「ちょうどよい」が6.1pt増加し、約2割(18.1%)まで上昇しましたが、依然として約8割(26.4%+53.9%=80.3%)が不足していると回答。昨年(28.7%+53.3%=82.0%)とほぼ同じ数値だったことがわかりました。
コロナ禍で消毒作業などの業務が増えたことで、介護現場では深刻な人材不足が続いていることがうかがえます。
Q2. 介護スタッフとして必要な資質やスキルは何だと思いますか?(3つまで選択可)
介護スタッフの9割近く(87.6%)が「コミュニケーション能力」、7割超(73.6%)が「人柄」と回答。一方、「介護経験の有無」(24.9%)や「介護関連の資格の有無」(11.4%)は低い数値となり、介護の現場では、経験や資格よりもコミュニケーション能力や人柄の方が重視されていることがわかりました。
Q3. 長く働ける介護の職場の条件として、 最も求めるものは?(単一回答)
経年変化を見るため2019年から同じ質問をしており、「職場の人間関係が良い」が3年連続1位となりましたが、2021年は前年比10.1pt増の50.8%となり、初めて半数を超えました。
コロナ禍で異業種からの転職者も増え、様々なバックグラウンドのスタッフが同じ職場で働く状況となっていています。介護現場では、個人の介護スキルだけでなく、チームワークが求められるため、職場の人間関係はとても重要と言えます。
また、「納得のいく賃金」(22.3%)は前年比7.0pt減、「希望通りのシフトで働ける」(10.4%)は前年比5.6pt減となった一方で、「教育・研修制度の充実」(7.3%)は年々上昇し、2019年と比較すると約4倍に。全体から見るとまだ少ない数値ですが、今後、人材定着のポイントのひとつになってくることがうかがえます。
Q4. 2020年春の新型コロナ感染拡大以降に、 転職をしましたか?(単一回答)
2020年春の新型コロナ感染拡大以降に回答者の6割以上(34.7%+31.1%=65.8%)が転職を経験(※ニッソーネットの派遣社員として働き、派遣先が変わった人も含む)。内、「介護業界以外から転職をした」という人が約3割(31.1%)という結果に。
コロナ禍で雇用が不安定になり、ジョブチェンジの一環として異業種から転職した人が一定数いることがわかりました。
Q5. コロナ禍となり、異業種から介護業界へ転職をする方も増えています。介護現場では、そういった方々が長く介護業界で働いていく上で、重要なことは何だと思いますか?(複数回答)
Q4で、「介護業界以外から転職をした」という回答が約3割(31.1%)だったことがわかりましたが、そういった方々が長く介護業界で働いていく上で重要なこととして、「介護事業者側が、 異業種からの転職者にきちんと研修を行うこと」(76.7%)が2位の「介護スキルのある人が、異業種からの転職者をフォローすること」(46.1%)と30.6%もの差をつけて1位となりました。
異業種から介護業界へ転職し、経験や知識がない方でもきちんと研修を行うことで、早い段階での業務習得や長期的な介護業界への定着に繋がることが考えられます。
Q6. コロナ禍で、海外からの外国人介護人材の新規入国が滞っている状況が続いています。このことについてどう思いますか?(単一回答)
「受け入れ体制が整っていないので急ぐ必要はない」(37.8%)という意見が多かった一方で、「日本人介護士や利用者にとって良い刺激になるので早く来てほしい」(31.1%)も3割超となりました。
“急ぐ必要はない”(37.8%+4.7%=42.5%)という回答よりも、“早く来てほしい”(31.1%+13.5%=44.6%)という回答の方が僅かに多かったことから、現場で働く介護スタッフは、コロナ禍の現在においても外国人介護人材に対して期待を持っていることがわかりました。
Q7. 厚生労働省によると、2040年度には280万人の介護職員が必要となり、65万人不足すると言われています。介護人材の確保や定着に関して、優先的に取り組むべきことは何だと思いますか?(複数回答)
「介護職員の処遇改善」(78.2%)が約8割、「柔軟な勤務形態など働きやすい環境整備」(57.0%)が約6割となりました。特に1位の「介護職員の処遇改善」は2位と21.2%の差をつけ、多くの介護スタッフが、優先的に取り組むべきこととして考えていることがわかりました。
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※ご参考
●アンケート調査一覧ページ(ニッソーネットHP内)
ニッソーネットは、介護士・保育士・看護師の人材派遣・紹介、育成サービスを提供する企業として、登録する派遣スタッフやクライアントである事業所のニーズを正確に把握し、より満足度の高いサービスを実施するため、アンケート調査を実施しております。
ニッソーネットHPでは、業界データとして活用していただくとともに、福祉業界への関心を促進することを目的として、これまでの調査結果を公開しております。
<過去の介護スタッフアンケート>
第13回介護スタッフアンケート結果(20年10月発表)
新型コロナによる介護現場の影響について
介護現場で働くスタッフの8割以上(82.0%)が、人手不足と回答
●その他:ニッソーネットのニュースレター
『ニッソーネットのふくし通信』(21年9月発行)
~介護の派遣スタッフ最新動向~ コロナ禍1年目と2年目で新規登録者の「前職」に変化
ニッソーネットは、 福祉への関心をより深めていただけるよう、介護・保育に関するトレンドや各種制度などを解説したニュースレター『ニッソーネットのふくし通信』を発信しております。2021年9月号では、当社の介護派遣スタッフ新規登録者のデータをもとに最新の動向をまとめております。
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【会社概要】
質の高い介護士・保育士・看護師を「人材派遣」「人材紹介」「紹介予定派遣」という形で、高齢者福祉施設、保育所、病院へ提供。 また、介護資格講座やセミナーを行う「福祉の教室 ほっと倶楽部」の運営や、外国人介護人材の採用・育成・定着を目的とした就労支援も行っております。
[社名] 株式会社ニッソーネット [代表者] 代表取締役会長兼社長 山下吾一
[設立] 1999 年9月
[資本金] 1,000 万円
[売上高] 74億円(2021年3月期)
[事業内容] 人材サービス事業、 教育・研修事業、外国人就労支援[事業拠点] 18拠点
大阪本社:大阪府大阪市北区芝田 1-4-14 芝田町ビル 2F
TEL:06-6375-2111 FAX:06-6375-1717
東京本社:東京都新宿区西新宿 1-13-12 西新宿昭和ビル 3F
TEL:03-6911-4011 FAX:03-5321-4311
[会社URL] http://www.nissonet.co.jp/company/
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<本件に関するお問合せ>
・株式会社ニッソーネット 堀田(ほった)
TEL:0120-982-279
Email:a-hotta@nissonet.co.jp
・株式会社アネティ(PR会社) 真壁
TEL:03-6421-7397
Email:makabe@anety.biz