ウェルモ/東京大学高齢社会総合研究機構とフレイル予防に関する共同研究を開始
2021/2/24
地域特性指標の定量化により効果的なフレイル予防の実現を目指す
■研究の背景
超高齢社会の日本で、健康寿命を延ばし、QOLの高い生活を維持することに注目が集まる中、要介護状態になる前の変化への気づきや早期の適切な取組み、つまりフレイル対策の重要度は増しています。特に2020年は未曽有の新型コロナウイルスの流行により、外出や社会活動が抑制され、高齢者の健康への影響(フレイル状態の悪化)が懸念されています。
フレイルや介護には地域特性が大きく影響しますが、フレイルにおいて何が地域特性なのかは明確になっていません。この地域特性の指標を明らかにし、定量化することで、高齢者本人の容態(心身機能)ばかりでなく地域特性にも応じた施策を策定できるようになり、地域ごとにより効果的なフレイル予防政策が実現できる可能性があると考えています。
■研究内容
本研究ではフレイル予防における地域差や地域特性を示す指標(例えば、食性、気候、住民意識、地域活動及び参加のしやすさ等)を明らかにし、それらの指標がどのように影響するのかを定量的に把握することを目的とします。ウェルモでは、同研究成果に基づき、効果的なフレイル対象の選定や政策の策定を可能とするAIプロトタイプの設計も視野に入れていますが、詳細は今後の検討によります。
研究目的 | フレイル重度化防止のため効果的な対応策を設計するための、地域特性の新たな指標の策定と定量化を目指す |
研究内容 | ①東大がフレイルチェックを展開する自治体における地域別の課題の把握と指標の策定等 ②各地域・自治体におけるフレイル予防効果に影響する様々な因子の解析と検証 *上記因子を入力変数として、ポピュレーション・アプローチ策の内容と効果等をアウトプットするAIプロトタイプの設計も視野 |
■ウェルモとしての展開可能性
ウェルモは、今年度発売開始予定のケアプラン作成支援AI「ミルモぷらん」に加え、2020年より宮崎市と介護予防ケアプランケアプラン作成支援AIの研究開発を開始しています。本研究の成果は、地域特性が大きく影響すると予測されるケアプラン・介護予防ケアプラン作成にも極めて有効であると考えています。これにより、ウェルモの提供するソリューションは、地域特性にも応じたケアプランを提供することにより、健康寿命を延ばし、住み慣れた街で活き活きと最後まで暮らすインクルージョン社会の実現に貢献することを目指します。
■東京大学 高齢社会総合研究機構とは
東京大学高齢社会総合研究機構(IOG: Institute of Gerontology)は、日本をはじめ世界各国で広く急速に進行する社会の高齢化にともなう諸問題を解決するため、多岐にわたる高齢社会問題を総合的・分野横断的に課題解決型実証研究(アクションリサーチ)を推し進めている研究ハブ組織です。2009年4月、総長室総括委員会の下で部局横断的組織として設置されました。基礎的研究(要素技術開発)の推進だけでなく、学際的・分野横断的なチームで産学官民連携による地域実証を軸とした研究プロジェクトに取り組んでいます。全国各地に数多くのモデル自治体フィールドを持ち、エビデンスと社会のニーズを踏まえた実効性ある政策提言や社会システムのモデル構築を行っています。
■フレイル予防の取組みについて
IOG飯島勝矢教授が考案した「フレイルチェック」を実施する自治体は73に上ります(2021年2月時点)。フレイルチェックとは、IOGが2012年から千葉県柏市で実施している調査(柏スタディ)からのエビデンスをもとに作られた、高齢市民同士でフレイルの危険度をチェックし合い、集いの場で「気づき、学び合うフレイル予防プログラム」のことです。運営は一定の研修を受けた「フレイルサポーター」と呼ばれるその地域に暮らすシニアで、市民による市民のためのフレイル予防として多くの自治体で実施されるようになりました。
■ 株式会社ウェルモ 会社概要
社会課題をICTと先端技術の力で解決することをミッションに掲げる、ケアテックカンパニー。ケアプラン作成支援AIの「ミルモぷらん」、介護の地域資源情報を集約するプラットフォーム「ミルモネット」、児童発達支援・放課後等デイサービス「UNICO(ユニコ)」の事業を展開しています。
ウェルモコーポレートサイト:https://welmo.co.jp/
・商 号:株式会社ウェルモ (代表取締役CEO:鹿野 佑介)
・設 立:2013年4月30日
・資本金:15.1億円(2020年12月時点:資本剰余金含む)
・所在地:東京都千代⽥区内幸町1-1-6 NTT日比谷ビル4F
・福岡本店:福岡県福岡市中央区天神4丁目4-11