協同乳業/島津製作所、花王、山口大学、山口市、山口県が協業 高齢者の健康づくり等をテーマにした地域コホート研究で提携
2020/8/20
山口大学医学部に連携講座設置
2019年10月時点の山口県の高齢化率(総人口に占める65歳以上の比率)は34.3%であり、全国平均の28.4%を上回っています(全国第3位)。この課題に対応するため、島津製作所と山口県、山口市、山口大学の4者は2018年12月に健康づくり等をテーマとした技術連携に関する基本合意書を締結し、協議を進めてきました。このたび協同乳業は、花王とともにこれに参画し、6者による、高齢者の健康づくり等をテーマとした地域コホート連携に関する合意書を締結するとともに、山口大学医学部に設立される社会連携講座にて上記の地域コホート研究を実施することとなりました。
協同乳業は、腸内細菌叢の代謝産物解析を利用した機能性食品を開発しており、腸内細菌叢により産生されるポリアミン*がマウスの寿命伸長を促し、加齢に伴う学習記憶力の低下を防ぐことを見出しています。島津製作所は、クロマトグラフや質量分析計など、血液や食品などに含まれる多成分を高感度に検出する高度な技術・製品を有しています。認知症に関しては血液から高い精度のアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法開発の実績があります。花王は、血中のキラルアミノ酸を迅速・高感度に一斉解析する技術を有しており、認知機能の変化を評価する指標として、血中に微量しか存在しないD-アミノ酸が有用であることを発表しています。
本取り組みにおいて、協同乳業は、山口県と山口市における各関係機関との連携や住民モニターの協力のもと、山口大学、島津製作所、花王と連携し、腸内細菌叢のポリアミン産生を促すヨーグルトなどによる認知症のリスク低減・予防等に関する実証研究を行います。
*ポリアミン:ポリアミンはすべての生物種の全細胞に普遍的に存在し、DNA、RNA、およびタンパク質の合成や安定化、細胞の増殖や分化など多方面の生命現象に関連しており、細胞の正常な活動のために必須の生理活性物質です。特に老年病の主要因である慢性炎症の抑制に有効で、健康寿命との関連性が注目されているほか、最近は脳機能への関与も示唆されていますが、加齢に伴い産生能力が低下することから、生体外から摂取することでアンチエイジング効果を得る試みがなされています。
【高齢者の健康づくり等をテーマとした地域コホート研究講座】
設置日 :令和2年8月19日
担当教員:山口大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学・予防医学講座
田邉剛教授、長谷亮佑講師
研究内容:高齢者の介護予防、加齢性疾患の抑制効果
生活習慣病と腸内フローラとの関連性についての検証
実証期間:令和2年8月19日~令和5年3月31日(約2年8カ月)
実証場所:山口市阿知須地域
【協同乳業株式会社とは】
協同乳業株式会社は、昭和28年12月に「食のトップランナー」として創業し、以来60年以上お客様の立場に立った商品開発と、進取の気風を持った確かな技術力で数々のロングセラー商品を生み出してきました。昭和30年3月にはデンマークから輸入した機械で日本初の「アイスクリームバー」の生産を開始、昭和35年には日本初の当たりつきアイス「ホームランバー」を発売し、今年60周年を迎えました。昭和31年12月には、スウェーデンからテトラパックマシンを輸入し、日本初の「テトラ牛乳」を生産開始。その他にも、本格的な「カスタードプリン」の工業化など様々な“日本初”のヒット商品を世の中に生み出してきました。また、平成23年8月には、世界で初めてプロバイオティクス※(ビフィズス菌LKM512)を用いて哺乳類(マウス)の寿命を伸ばすことに成功し、その成果論文が米国の科学ジャーナルに掲載されました。平成28年3月には乳業界初の交流高電界殺菌法を用いた「農協牛乳」を関東エリアで発売し、令和2年3月より東海エリアへ拡大しています。これからも、自然の恵みを大切にし、健康で豊かな食文化の創造につとめていきます。
※腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物
【会社概要】
会社名:協同乳業株式会社
代表取締役:後藤 正純
本社所在地:〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町17-2
事業内容:1. 牛乳、アイス、デザート、乳製品の製造、販売
:2. 牛乳をもとにした素材事業など
企業URL:https://www.meito.co.jp/
■商品に関するお客様お問い合わせ先
協同乳業株式会社 お客様相談室 0120-369817(ミルクハ イーナ)