インターネットインフィニティー/新型コロナ流行地で高齢者が服薬を中断したTOP5

2020/7/27

「①生活習慣病、②認知症、③痛み、④心の病気、⑤睡眠の問題」~ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第14回

 

全国のケアマネジャー9万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNRメディカル』にて新型コロナウイルスの影響に関するアンケートを実施しました。
 
■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第14回) 「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」
期間:2020年7月3日~2020年7月7日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所、または地域包括支援センターに勤務)
調査サンプル数:759名
調査方法:WEBアンケート

■調査結果(サマリー)
新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に医療機関への受診控えが問題になっています。特に高齢者は重症化のリスクが高いと言われており、医療機関での感染リスクを忌避して受診を控える傾向にあります。実際に、以前弊社が実施したケアマネジャー向けの調査(https://ssl4.eir-parts.net/doc/6545/tdnet/1832996/00.pdf)では、約7割のケアマネジャーが要介護高齢者の受診回数(頻度)が減った/やや減ったと回答しました。

しかし、要介護高齢者は定期的な受診と治療継続を必要とする方がほとんどであり、受診控えによる服薬の自己中断やアドヒアランス低下が懸念されます。そこで本調査では全国のケアマネジャーを対象に、服薬を自己中断した利用者やその疾患などについてアンケートを実施し、感染が拡大する地域(東京都、7都府県)とそうでない地域に分けて解析を行いました。

その結果、感染が拡大している地域ほど服薬を自己中断している利用者が多く、その疾患・症状としては生活習慣病や認知症、痛みの問題、心の病気、睡眠の問題などが多いことが分かりました。特に自覚症状に乏しい生活習慣病では、非流行地域と比較して東京都では3.9倍の服薬中断が起きていました。今後の感染拡大に伴い、アドヒアランス低下によって健康を損ねる高齢者が増えることが懸念されます。

一方、ケアマネジャーはこの事態に対し、利用者や家族への受診勧奨に加え、かかりつけ医師への情報提供、看護師や薬剤師への声かけ依頼を増やしている傾向にありました。感染を恐れて受診しない要介護高齢者に対して、定期的に接する機会のあるケアマネジャーが服薬継続の重要性を訴え、電話受診・オンライン診療などの代替案を示していくことは、社会的に非常に大きな意義があると考えられます。

 
■調査結果
Q. 新型コロナウイルス感染症の影響で、服薬を自己中断した利用者はいますか?
 
株式会社インターネットインフィニティー
 
本調査で、「新型コロナウイルス感染症の影響で服薬を自己中断した利用者」を担当しているケアマネジャーは全体で6.5%であることが分かりました。
回答者を、感染拡大の影響が最も強いと思われる「東京都」と、4月7日に緊急事態宣言が発令された「7都府県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、福岡県)」、「その他の地域」の3グループに分けて比較したところ、「東京都」では「その他の地域」の約4倍になっていることが分かりました。

服薬を中断する理由としては、多くのケアマネジャーが「受診できないことによる薬切れ」を挙げていました。

Q.利用者が服薬を中断した疾患や症状は何ですか?」

 
株式会社インターネットインフィニティー2
 
「東京都」のケアマネジャーに「新型コロナウイルスの影響で服薬を中断した疾患」を尋ねたところ、最も多い回答は「生活習慣病」(9.3%)、次いで「認知症」(7.0%)、「痛みの問題」(4.7%)、「心の病気」「睡眠の問題」(同3.5%)となりました。
さらに、「その他の地域」と「東京都」の回答を比較すると、東京都では「睡眠の問題」「喘息」(同4.4倍)、「生活習慣病」(3.9倍)、「痛みの問題」(2.5倍)、「認知症」(2.2倍)となっていることが分かりました。これらの疾患や症状は新型コロナウイルス感染症流行によって服薬を中断しやすいと言えそうです。

Q.利用者が受診できなくなった疾患や症状はありますか?
 
株式会社インターネットインフィニティー3
 
「新型コロナウイルス感染症の影響によって受診できなくなった疾患」を問うた質問では、「東京都」のケアマネジャーの59.3%が「ある」と回答しました。このうち最も多かった回答は、「生活習慣病」(27.9%)、次いで「認知症」(23.3%)、「歯の病気」(19.8%)となりました。また、「その他の地域」と「東京都」の回答で差が大きいものとしては、「関節・脊椎の病気」(3.2倍)、「目の病気」(2.6倍)でした。

ここまでの結果から、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けて、受診控えや服薬の自己中断を起こしやすい疾患・症状があることが明らかになりました。しかし、これらは本来治療が必要な疾患・症状の悪化をもたらす恐れがあります。感染予防に注意を払う一方で、必要な治療は絶やさないよう、周囲の医療スタッフや介護スタッフが連携して高齢者をサポートすることが求められます。

 
Q. 利用者の手持ちの薬が切れるのを防ぐために働きかけたことはありますか?
 
株式会社インターネットインフィニティー4
 
「利用者の手持ちの薬が切れるのを防ぐために、あなたが働きかけたことはありますか?」という質問に「ある」と回答したケアマネジャーは87.4%にのぼり、ほとんどのケアマネジャーが利用者の服薬継続のために何らかの働きかけを行っていることが分かりました。
さらに、積極的に医療スタッフと連携を図るケアマネジャーが増えていることも示唆されました。実際に「その他の地域」と比較して「東京都」では「看護師への声掛け依頼」(3.3倍)、「薬剤師への声掛け依頼」(2.5倍)、「かかりつけ医への情報提供」(1.7倍)が高い値を示しています。

 
Q.利用者に実際に受診勧奨した疾患や症状はありますか?
 
株式会社インターネットインフィニティー5
 
「今年の2月以降、実際に受診勧奨した疾患」を尋ねたところ、「東京都」では「認知症」(29.1%)、「心の病気」(27.9%)の受診を勧めるケアマネジャーが多くみられました。これは高齢者の外出機会が減り、社会的に孤立し、認知機能や心の健康が保たれにくくなっていることを懸念しての動きかもしれません。
また、「その他の地域」に対する「東京都」の比率に着目すると、「睡眠の問題」(3.9倍)、「目の病気」(3.3倍)、「排泄の問題」(2.2倍)、「心の病気」(1.9倍)、「痛みの問題」(1.8倍)が高い値を示しました。

このように、新型コロナウイルス感染症の影響で高齢者が服薬を自己中断したり、受診できなくなったりする状況が増えているなかで、医療スタッフと連携して服薬の継続や受診ができるように働きかけるケアマネジャーが増えていることが分かりました。

この理由として、要介護高齢者の予後を心配したケアマネジャーが自主的に対応するようになっていることが考えられます。というのも、本調査によると、ケアマネジャーは「外出自粛ムードが1年続くと、要介護度が平均3倍速く上がる」という印象を持っています。ケアマネジャーは、要介護度の悪化をできる限り防ぎ、その人らしい生活を送ってもらうことが使命であり、今回の新型コロナウイルス感染症の流行による要介護度悪化のリスクを敏感に感じ取っているようです。高齢者やその家族にとって身近な存在であるケアマネジャーこそ、医療と介護の連携により、服薬を継続する支援ができるキーパーソンであると考えられます。

※具体的な項目や結果は調査レポートに記載しています。

■調査レポート販売のご案内
本調査結果を、詳細レポートとして7月22日より販売いたします。
上記掲載以外にも、
・ケアマネジャーによる、高齢者の受診・服薬の把握状況
・ケアマネジャーが、外出自粛ムードの中でも高齢者に受診してほしいと思っている疾患
・感染流行の影響で受診できなかった高齢者の割合
・高齢者が服薬を自己中断しないためにケアマネジャーが働きかけていること
・新型コロナウイルス感染症影響下におけるオンライン診療や電話診療への期待度
・新型コロナウイルス感染症影響下における受診と往診の勧めやすさの違い
・薬剤師との連携による高齢者のアドヒアランス改善への期待度
等の内容が、収載されています。

※医薬品マーケティングご担当者様※
本調査レポートの内容、価格等につきましては、下記窓口までお問い合わせください。

■お問い合わせ窓口■
株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部(担当:酒井)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL: ssakai@iif.jp

■CMNRメディカルについて■
『CMNR(CareManager Network Research)メディカル』は、医療と介護連携のキーマンであるケアマネジャーをパネルとした調査サービスです。複数の医療機関を受診することが多い要介護・要支援高齢患者の処方薬や、服薬管理状況など、医師や薬剤師をパネルとした調査ではなかなか把握しにくい医薬品使用の実態を調査できます。
専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」に登録する、日本のケアマネジャー20万人のうち5割に相当する9万人のネットワークを『CMNRメディカル』では活用しています。
※ケアマネジャー(介護支援専門員)は、適切な介護サービスを受けられるように高齢者とその家族の支援をしており、医療と介護の連携の要を担っています。

■調査のご依頼について■
「ケアマネジメント・オンライン」では、『CMNRメディカル』をはじめ、ケアマネジャーを対象にした様々な調査を常時行い、企業やメディア、行政などにお届けしています。今後調査を実施してほしい疾患や医薬品のリクエスト等ございましたら、下記窓口までお気軽にお問い合わせください。

■記事引用時のお願い■
「ケアマネジメント・オンライン」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「ケアマネジメント・オンライン」にhttps://www.caremanagement.jp/へのリンク付与をお願いいたします。
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■■■ニュースリリース及びサービスに関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部(担当:酒井)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL: ssakai@iif.jp
■■■その他IRに関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー IR担当
TEL:03-6779-4777 MAIL: ir@iif.jp

 
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