ハルメク/【調査リリース】3.11直前にシニア女性に聞いた「防災意識調査」

2020/3/9

防災意識が高い」と自覚するシニア女性は2割未満。
避難勧告が出た際に実際に避難した人はわずか14.9%と消極的。
その一方、備蓄をしている人は7割超え。防災の備えに偏りがある

 

販売部数24.8万部を誇るシニア女性誌部数No.1(※1)の「ハルメク」を発行する株式会社ハルメク(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤孝夫)は、40~79歳のシニア女性600名を対象に「防災意識と実態」に関するwebアンケート調査を実施いたしました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート24.8万部(2019年1月~6月)
【 調査サマリ 】
■「防災意識が高い」と自覚するシニア女性は、2割に満たない
⇒ 防災意識が「やや高い方」「高い方」と回答した人は全体の18.6%(112人)

■「避難」に消極的なシニアが多数。避難勧告が出た際に実際に避難した人はわずか14.9%
⇒ 住んでいる地域に「避難勧告」が出た経験のある人のうち、「実際に避難した」人はわずか14.9%。
⇒ 避難しなかった理由は、第1位「避難するほうが危険だと思った(47.5%)」、第2位「自分の家や自分自身は安全だと判断した(40.8%)」、第3位「近所で誰も避難していなかった(27.5%)」。

■約6割のシニアが「災害時に他の人よりも劣っていると感じる点がある」と回答
⇒ 全体の64.2%が「災害時に他の人よりも劣っていると感じる点がある」と回答。シニアは災害時に弱者となってしまい、不安に感じている人が一定数いることが判明
⇒ しかし、年代が上がるほど「劣っている点はない」という人が増え、70代では50.7%に及ぶ。

■シニアが行っている災害への備え第1位は「食料や防災用品の備蓄(48.5%)」
上の世代ほど何らかの備えを行っている割合が高く、70代は8割以上。

⇒ シニアが行っている災害への備えは、第1位「食料や防災用品の備蓄(48.5%)」、第2位「避難場所の確認(32.8%)」、第3位「家族との連絡手段の確認(32.5%)」が上位。
⇒ 何らかの備えを行っている人の割合は40代 62.7%、50代 75.3%、60代 78%、70代 84.7%と、世代が上がるほど多い傾向。


【調査結果】
「防災意識が高い」と自覚するシニア女性は、2割に満たない
・ 防災意識が「やや高い方」「高い方」と回答した人は全体の18.6%(112人)
・ 防災意識が「高い」「やや高い」と答えた人は、「阪神淡路大震災」「東日本大震災」をきっかけに意識が高まったと回答した人が多い。
 
防災に関する意識
 
防災意識が高まったきっかけ
 
防災意識が高まったきっかけ2
 
「避難」に消極的なシニアが多数。避難勧告が出た際に実際に避難した人はわずか14.9%
・ 平成以降、住んでいる地域に「避難勧告」が出た経験のある人のうち、「実際に避難した」人はわずか14.9%と、シニアは「避難すること」に消極的ということが判明。
・ 避難しなかった理由は、第1位「避難するほうが危険だと思った(47.5%)」、第2位「自分の家や自分自身は安全だと判断した(40.8%)」、第3位「近所で誰も避難していなかった(27.5%)」が上位となっており、避難に関して懐疑的なことが明らかになった。
 
 
避難勧告が出た際に実施避難したかどうか
 
避難しなかった理由
 
約6割のシニアが「災害時に他の人よりも劣っていると感じる点がある」と回答
しかし、年代が上がるほど「劣っている点はない」という人が増える傾向に

・ 全体の64.2%が「災害時に他の人よりも劣っていると感じる点がある」と回答。シニアは災害時に弱者となってしまい、不安に感じている人が一定数いることが判明
・ しかし、年代が上がるほど「劣っている点はない」という人が増え、70代では50.7%に及ぶ。
・ 劣っていると感じる点TOP3は「健康・体力」「助け合いができる人の存在」「金銭面」。
 
災害時に他の人より劣っている点があると感じるか
災害時に他の人より劣っている点があると感じる点
 
シニアが行っている災害への備え第1位は「食料や防災用品の備蓄(48.5%)」
上の世代ほど何らかの備えを行っている割合が高く、70代は8割以上。

・ シニアが行っている災害への備えは、第1位「食料や防災用品の備蓄(48.5%)」、第2位「避難場所の確認(32.8%)」、第3位「家族との連絡手段の確認(32.5%)」が上位。
・ 何らかの備えを行っている人の割合は40代62.7%、50代 75.3%、60代 78%、70代 84.7%と、世代が上がるほど多い傾向。
・ 食料・防災用品の備蓄をしている291人の一世帯 平均備蓄量は5.7日分である。
 
現在備えていること
1世帯当たりの平均備蓄量
 
備蓄しているもの上位は「水」「懐中電灯」「缶詰」「マスク」「レトルト食品」「トイレットペーパー」
・備蓄しているもの上位は「水(88.3%)、「懐中電灯(88.3%)」、「缶詰(83.2%)」、「マスク(67.7%)」、「レトルト食品(67.0%)」「トイレットペーパー(62.9%)」。
 
備蓄の内容
 

 
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)

2016年3月から現職。主に年間約1,000人の50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
 
 
ハルメク
 
災害時に弱者となってしまう立場ながら、防災意識は追いついていない
またか‥。新型コロナウイルスの感染拡大に関連したデマから、トイレットペーパーなどの生活必需品の品切れが続いています。誤った情報と冷静な行動が呼びかけられる中でも人々の不安に歯止めがかからない現状。東日本大震災、昨年の台風19号の直後にも発生した「買占め」問題。年配層が経験したオイルショック然り。人は同じことを繰り返しています。では、なぜ災害時に品不足の不安が増大し、備蓄意識が異常なまでに高まるのでしょうか。

生きかた上手研究所では、感染拡大の報道が出始め、外出の自粛や休校などの報道がでる前(2月上旬)に、40~79歳の女性600名を対象に「防災意識と実態」を行いました。

シニア女性は災害というテーマにおいて、矛盾する不協和や葛藤がおこってしまうということが今回の調査から明らかになりました。「災害時に弱者となってしまう不安を持ち、備蓄意識も高い。その一方で、防災への意識が高いと自覚しているシニアは2割で、避難にも消極的である」というちぐはぐな結果。自身との中で、相反する「不安」と「尊厳(自信)」とを同時に抱えてしまうために起きてしまう現象なのでしょう。この不協和を少しでも和らげるべく、緊急時ほど信じられる正しい情報提供が必要となります。

なお、避難所を経験したシニア女性から「不衛生」「寒い・狭い」「人がいてストレス」「自由がない」という不満のコメントが目立ちました。高齢者も安心して過ごせる避難所生活の工夫や取り組みがあれば、避難へのハードルは下がるのかもしれません。

 
 
■女性誌部数No.1! 50代からの生きかた暮らしかた応援雑誌「ハルメク」
1996年に50代からの生きかた暮らしかた応援雑誌「いきいき」として創刊。20周年を迎えた2016年5月号から、誌名を「ハルメク」にリニューアルしました。
50代からの女性が前向きに明るく生きるために、本当に価値がある情報をお届けしています。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど、幅広い情報が満載です。
2018年には公式WEBサイト「ハルメクWEB」もオープン。健康で美しく、アクティブなセカンドライフを応援するコンテンツを毎日発信しています。
 
ハルメク表紙
 
誌面情報
ハルメク4月号(3月10日発売)では、記事「ひと・もの・がたり」で、「東北の未来」というテーマで東日本大震災ののちに宮城県・気仙沼に会社を作った一人の女性の人生と事業についてご紹介しています。

【調査背景】
女性誌部数No.1の「ハルメク」は、長年にわたりシニア女性のインサイトについて調査・分析を行ってまいりました。東日本大震災(2011.3.11)から9年が経った今、40代だった女性は50代、50代だった女性は60代、60代だった女性は70代になりました。災害弱者にもなり得る高齢者。シニア女性の防災意識と実態を探る調査を実施しました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。

 
【調査概要】
調査の方法:webアンケート方式
調査の対象:40~79歳の女性
有効回答数:600名
調査実施日:2020年2月7日~10日
調査主体:(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
 
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