東日本高速道路/『家族みんなで 無くそう逆走「三世代免許 特別講義」』イベントレポート
2020/2/26
「三世代免許」になったら、話し合おう。
高齢ドライバーの運転能力疑似体験から学ぶ、
「逆走」について思いやりの気持ちをもって話し合うことの大切さ
NEXCO東日本(東京都千代田区)は、昨年より「高速道路での高齢ドライバーによる逆走」を他人ゴトにせず、「自分の家族にも起こりえること」という意識を持つことを呼びかける「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトを実施しています。
この度、京成ドライビングスクールにて『NEXCO東日本 家族みんなで 無くそう逆走「三世代免許 特別講義」』を開催いたしました。孫世代にあたる方々にご参加いただき、近年、社会問題としても取り上げられている“高齢者の運転”をテーマとした特別講義と、高齢者体験装置を身につけていただく高齢者体験による2部構成で、参加者からは「若い世代に高齢者が今、感じていることを実際に体験して欲しい」といった声も上がりました。
「家族みんなで 無くそう逆走」公式サイト:https://www.e-nexco.co.jp/family_nakusogyakuso
第一部の特別講義では、高速道路を管理しているNEXCO東日本で交通安全啓発を担当している栗田から、「高速道路における逆走の実態」と「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトについてお話しいたしました。
その中で、高速道路で発生した逆走の統計を用いて、平成30年に全国の高速道路で発生した逆走200件の内、約7割が65歳以上のドライバーによるものであり、「行き先を間違えたり行き過ぎたりしてしまった」「進行方向を勘違いしてしまった」「自分が高速道路に入った自覚がない」など、その理由が多岐にわたっていることを解説いたしました。
また、NEXCO東日本では高速道路での逆走に対し、路面標示や矢印板の設置や逆走に対しての理解促進広報など、高齢者を含む全世代に向けた防止対策に取り組んでいることや、多くの方にご自身のご両親・祖父母といった身近な家族にも起こりえることとして関心を持っていただくための「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトを平成30年より続け、様々な年代の方にこの問題を意識していただけるよう活動していることを説明いたしました。
高齢者体験装置を身に着け、高齢ドライバーの身体的状況を疑似的に体験
第二部では、葛飾区社会福祉協議会の亀川様にご登壇いただき、高齢者疑似体験を実施いたしました。亀川様からは、この体験は高齢になった時の身体的機能の低下や心理的変化を疑似的に体験することで、相手を思いやる・気遣う心・助けてもらったことに対する感謝の気持ちを育むことを目的として実施しており、今回の体験を通して高齢者(祖父母世代)について考えるきっかけにしていただきたい、とご説明いただきました。
高齢者疑似体験では、サポーターや重りをつけることによって、身体的機能の低下を疑似的に体験いただき、参加者の方々から口々に「手足が動かし辛くなる」「身体のバランスが崩れる」「足が上がりにくい」などの声が上がりました。その後の階段昇降やドライビングシミュレータ体験では、「身体が重く感じる」「一歩進むだけで辛い」「アクセル/ブレーキが踏みにくい」「サイドミラーが見づらく危なかった」と、よりリアルな高齢者体験の感想をいただきました。
NEXCO東日本が提唱する“免許のあり方”を考える「三世代免許」とは
NEXCO東日本では、昨今の逆走に関する実態を受け、家族内で話し合うきっかけとして「三世代免許」を新たに提唱し、なかなか話を切り出すタイミングの難しい「逆走」や「免許のあり方」について話し始めることを呼びかけています。
<三世代免許とは> 祖父母世代・親世代・そして孫世代の全ての世代が運転免許を所有したタイミングのこと
「三世代免許」のタイミングでは、孫・親・祖父母の全員が免許を持っている状態のため、ドライバーとして対等な話し合いができます。また、祖父母世代の皆様にはお孫さんの成長を実感し、ご自身の年齢に目を向けていただくきっかけにもなると考えています。当然、ドライバー歴が異なるので運転の経験値も異なりますが、「運転や免許のあり方」について話し合うために、同じテーブルにつくきっかけづくりとして活用していただきたいと考えています。
また、この「三世代免許」というきっかけを知っていただくことを目的に、2020年1月にWEB限定ロードムービー「THE FIRST LONG DRIVE ~#きっかけは三世代免許~」を公開いたしました。
■WEBムービー「THE FIRST LONG DRIVE ~#きっかけは三世代免許~」
NEXCO東日本は、今後も高速道路の交通安全のため、交通安全啓発広報に努めてまいります。
「家族みんなで 無くそう逆走」プロジェクトについて
NEXCO東日本は、「高齢ドライバーの高速道路での逆走」を防ぐための新プロジェクトを平成30年10月から始動し、高齢ドライバーとご家族が今すぐできる逆走防止に向けた3つのアクションを呼びかけています。また、簡単に家族が逆走防止に対して行動を起こしやすくできるよう、皮膚感覚をキャッチする脳力の衰えをチェックできる「スマヌ法」などを紹介しています。
最新情報はNEXCO東日本のHPをご覧ください。
https://www.e-nexco.co.jp/family_nakusogyakuso/
■「家族みんなで 無くそう逆走」3つのアクション
①家族みんなで逆走を知ろう ②家族みんなでチェックしよう ③家族みんなを逆走事故から守ろう
「家族みんなで 無くそう逆走」監修
朝田 隆(あさだ・たかし)メモリークリニックお茶の水院長
1955年生まれ。
メモリークリニックお茶の水院長、筑波大学名誉教授、東京医科歯科大学医学部特任教授、医学博士。数々の認知症実態調査に関わり、軽度認知障害(MCI)のうちに予防を始めることを強く推奨、デイケアプログラムの実施など第一線で活躍中。
『効く!「脳トレ」ブック』(三笠書房)など編著書多数。