日本ケアフィット共育機構/「チーム誰とも」ムーブメントの本格始動!
2020/2/12
多数派を前提とする社会の偏りを変え、
誰もが誰かのために共に生きる社会の創造を
「共生社会」実現に向けた、2020年活動全体戦略を発表
今回、その第一弾として、サービス介助士導入企業を対象に「バリアフルレストラン トライアル版」を2月13日〜15日に開催いたします。今後は、法人向けワークショップ「ケアフィット発想ワークショップ」、小学生向け体験プログラム「おも活」のリニューアル、そして秋には大規模イベントを開催し、「バリアフルレストラン」の一般公開、インクルーシブデザイン商品展、小学生が見つけた無意識の偏り展、サービス介助士20周年感謝祭などの同時開催を予定しています。
これまで日本ケアフィットでは、「サービス介助士」の認定を主とした法人向け事業を行ってきました。「チーム誰とも」では、法人だけでなく、一人一人の気付きとなるような機会を増やしていくことで、「チーム誰とも」ムーブメントを日本全体へ広げていきます。
東京オリンピック・パラリンピックイヤーである2020年は、2017年に関係閣僚会議で決定された「ユニバーサルデザイン2020行動計画」の真価が問われ、国内外からの関心が集まるタイミングでもあります。政府もこれを契機に、「様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合う” 心のバリアフリー”」の推進に取り組んでいます。「心のバリアフリー」を体現するためのポイントとして、「障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務である」という「障害の社会モデル」を理解することがあります。日本ケアフィットでは、その第一歩はこの社会には「無意識の偏りがある」ということに気づくことだと思っています。「多数派に合わせることが当たり前」と無意識に思っていることが偏りを生み出していると考え、その無意識に気づくことで「障害の社会モデル」の浸透を進めていきたいと考えております。
■プロジェクト責任者コメント
理事事務局長 高木 友子
「日本ケアフィット共育機構ではサービス介助士の普及育成などを通じてこれまで20年に渡り共生社会の実現・推進に取り組んできました。高齢者や障害者など多様な人の困りごとに対してサポートをできる人材の育成を進めていきましたが、「なぜそのような困りごとが生まれるのか」という背景、社会の仕組みにまで踏み込み、働きかけることが、共生社会の実現には欠かせません。私たちはそのために今回のような、社会の偏りを体感するイベントの企画実施などを通じて、あらゆる方向から2020年以降の共生社会の推進をけん引していきたいと思います。」
現在の社会は、多数派にとっての「当たり前」がベースに成り立っており、障害者などの少数派に不利益を生み出しています。しかしながら、少数派の人たちに向けた施策としては、「車いす利用者にとって段差は不便なものだからスロープをつけよう」といった多数派を前提としたうえで、少数派の人たちが暮らせるように工夫をする程度に留まっており、社会が多数派を前提としていることに対して疑問を持つことが少ないのが現状です。日本ケアフィットが目指すのは、そういった無意識の「当たり前」に気づいて見直し、少数派など様々な「ちがい」のある人も暮らせる共生社会の実現を目指しています。
「チーム誰とも」の最初の活動である「バリアフルレストラン」は、共生社会実現に向けた第一歩として、この社会の「無意識の偏り」に気づいてもらうイベントです。仮想世界「車いす利用者が多数派の社会」を通して、日頃、車いす利用者が少数派として感じている日常の体験を、車いす利用ではない人たち(二足歩行者)に体験してもらう試みです。この体験を通して、「障害の社会モデル」を理解し、一人でも多くの人が、多数派を前提として作られた社会のあり方を見直す姿勢を持つきっかけをつくっていきたいと考えています。
2月13日〜15日にはトライアル版として、サービス介助士導入企業の方を対象に招待制で開催し、秋には一般の方に向けて本格開催する予定です。
また、今回のプログラムは、東京大学大学院教育学研究科が共催する文部科学省「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」の一部として実施するプログラムと同一の内容です。
②「ケアフィット発想ワークショップ」
「ケアフィット発想」とは、共生社会を前提とし、多数派のあり方を当たり前に思っている無意識を変えるための発想です。ケアフィット発想に基づいたワークショップを、サービス介助士導入企業向けに実施し、企業の本質的な体質改善を狙います。これにより、社員一人一人のエンゲージメントの向上や事業内容・人事制度の改変、パーパスの改変といった効果を見込んでおります。
今回、「障害の社会モデル」の考え方に立ち、多数派に合わせた社会を当然と思っていることに気づいていただけるよう、プログラムを大幅リニューアルしていきます。
法人向けにプロトタイプをしてきた「チーム誰とも」の各プロジェクトを、一人でも多くの人たちに参加してもらい、大きなムーブメントとなるイベントとして開催いたします。それぞれの事業を有機的に統合することで、広く一般の方に「共生社会」実現の気運に参加していただくことが狙いです。
<実施予定プログラム> ※変更となる可能性がありますのでご了承ください
―「バリアフルレストラン」 一般公開
―ワークショップ導入企業による「インクルーシブデザイン商品展」
―「おも活」実施校による「小学生が見つけた無意識の偏り展」
■組織概要
・名称:公益財団法人 日本ケアフィット共育機構
・本部所在地:〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-2-6
・設立年月日:一般財団法人設立 2012年12月25日
公益財団法人認定 2013年12月2日
※前身である特定非営利活動法人日本ケアフィットサービス協会は1999年11月1日設立
・代表理事:畑中 稔
・HP:https://www.carefit.org/