インターネットインフィニティー/ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第8回
2020/1/30
「もしかして白内障…?」眼科受診を勧めるケアマネは6割
全国のケアマネジャー9万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNRメディカル』第8回調査(白内「もしかして白内障…?」眼科受診を勧めるケアマネは6割障に関するアンケート)を実施しました。
■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第8回) 「白内障に関するアンケート」
期間:2019年11月22日~2019年11月25日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー
調査サンプル数:926名
調査方法:WEBアンケート
■調査結果(サマリー)
白内障は、眼球においてレンズの役割を果たす水晶体が濁ってしまい、フィルムの役割を持つ網膜に達する光が減ったり散乱したりして、全体的に視野がかすんで見えたり、光をまぶしく感じたりして、視力が低下してしまう目の病気です。この白内障は加齢とともに発症率が高くなり、80歳代では、ほぼすべての人が発症するといわれています。白内障による視覚障害は、高齢者にとって認知症やうつ、転倒・骨折、交通事故などのリスクを上げる原因となり得ますが、手術で安全に治療することができます。
日ごろから高齢者に接する機会の多いケアマネジャーにとって、白内障は身近な疾患です。本調査では、白内障の手術を受けたことのある利用者と接したことのあるケアマネジャーは9割以上にのぼっており、白内障の疑いのある利用者に対して約6割のケアマネジャーは積極的に眼科受診を勧めている実態が明らかとなりました。一方で、合併症など手術のリスクを過大評価している可能性を示唆する結果も出ています。高齢者やその家族にとって身近な存在であるケアマネジャーだからこそ、目の病気について正しい知識を得ることが重要であると考えられます。
■調査結果
今までに担当した利用者のなかで、白内障手術を受けたことがある利用者がいるかと質問したところ、91.0%のケアマネジャーは「いる」と回答しました。ケアマネジャーにとって、白内障は身近な疾患であると考えられます。
ケアマネジャーに、白内障の疑いが強い利用者に眼科の受診を勧めているか聞いたところ、「必ず勧めている」(18.1%)「ほとんどの場合勧めている」(40.7%)と回答した人は約6割にのぼりました。「時々勧めている」(29.3%)と回答した人を含めると、実に約9割のケアマネジャーが白内障疑いにて眼科受診を勧めていることが分かりました。逆に「あまり勧めていない」のは9.8%、「全く勧めていない」のは2.1%でした。
なぜケアマネジャーの多くが眼科受診を勧めているのか、その理由の最たるものは「見え方が改善するから」(80.4%)でした。次いで「転倒予防に効果的だから」(59.0%)、「QOLの改善になるから」(57.3%)、「身体活動性の低下を防ぐから」(50.7%)というものでした。「認知症の発症・進行抑制になるから」と答えた人も38.1%にのぼりました。逆に、白内障の改善とは直接的な関係が考えにくい設問である「睡眠の質を向上させるから」は8.6%にとどまりました。このことから、ケアマネジャーは白内障治療のメリットをきちんと理解している人が多く、見え方の改善だけでなく、転倒予防やQOL向上、認知機能の維持などにも期待をしていると考えられます。
実際に、ケアマネジャーは白内障手術を受けた利用者と接する中で、下記のような感想を聞いたと回答しています。
・「ひ孫の顔がこんなにめんこいと分かった。」「見えやすくなって転倒が減った。」「『空が青い』と喜ばれた。」
・「よく見えるようになったとデイに楽しく通えている。」「読書等の趣味が再開でき、生活の質が大きく改善した。」
・「93歳という高齢でも以前の活発さが戻り、認知機能の改善が見られた。」「認知症だが色々なものに気づき、興味を持つようになった。」
一方で、「白内障の疑いが強くても眼科受診を勧めない場合がある理由」について問うた質問では、ケアマネジャーが白内障治療に対して感じているリスクや社会的な要因などがあることが示唆されました。理由として多く挙げられた項目のうち、「他に優先すべき病気などがあるから」(36.9%)というのは個別の事情があるのかもしれませんが、「受診できる環境が整っていないから」(35.6%)、「経済的な理由」(26.4%)については、白内障治療を希望していても受けられていない人の存在を示唆しており、改善すべき課題であると考えられます。また、「本人に問題意識がないから」(38.1%)、「手術にリスクを伴うから」(26.4%)、「年相応の変化だと思うから」(18.6%)についても、白内障に対する理解が不足しているために、治療の機会を逃しているかもしれません。
白内障手術は眼科のなかでも安全性が高く、日帰り手術も可能な、患者負担の少ない手術ですが、ケアマネジャーは白内障手術のリスク(合併症)について過大評価や誤解があることを示唆するデータも得られています。半数近くのケアマネジャーが、手術のリスクとして「見え方の悪化」(67.2%)、「視力の低下」(58.3%)、「失明の可能性」(40.9%)、「眼精疲労」(34.6%)を挙げています。また、白内障治療によって改善するはずの「認知機能の悪化」(32.2%)、「身体活動性の低下」(36.1%)を挙げたケアマネジャーも少なからずいました。
このように、ケアマネジャーは白内障を疑う利用者に対して積極的に眼科受診を勧める一方で、白内障の治療についての知識や、利用者に適切に白内障の知識を伝えるための方法についての理解は十分ではないようです。白内障は視力の問題のみならず、認知機能や活動性、転倒・事故などにも結び付く疾患であることから、ケアマネジャーへ今後の正しい知識の啓発が望まれます。
■調査レポート販売のご案内
本調査結果を、詳細レポートとして1月30日より販売いたします。上記掲載以外にも、
・ケアマネジャーの受診勧奨状況
・軽度要介護者の眼科受診率
・見え方に問題がある要介護者の意識
-受診拒否理由
-白内障手術を受けるにあたり気にしていること
等の内容が、収載されています。
※医薬品マーケティングご担当者様※
本調査レポートの内容、価格等につきましては、下記窓口までお問い合わせください。
■お問い合わせ窓口■
株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部(担当:酒井)
TEL:03-6697-5505 FAX:03-6779-5055 MAIL: ssakai@iif.jp
■CMNRメディカルについて■
『CMNR(CareManager Network Research)メディカル』は、医療と介護連携のキーマンであるケアマネジャーをパネルとした調査サービスです。複数の医療機関を受診することが多い要介護・要支援高齢患者の処方薬や、服薬管理状況など、医師や薬剤師をパネルとした調査ではなかなか把握しにくい医薬品使用の実態を調査できます。
専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」に登録する、日本のケアマネジャー16万人のうち6割に相当する9万人のネットワークを『CMNRメディカル』では活用しています。
※ケアマネジャー(介護支援専門員)は、適切な介護サービスを受けられるように高齢者とその家族の支援をしており、医療と介護の連携の要を担っています。